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(平成26年12月16日)平成26年11月までの消費税転嫁対策の取組について

平成26年12月16日
公正取引委員会

1 はじめに

 公正取引委員会は,今般の消費税率の引上げに当たり,消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保する観点から,消費税の転嫁拒否等の行為(以下「転嫁拒否行為」という。)の未然防止のための取組と,転嫁拒否行為に対する迅速かつ厳正な対処のための取組を進めてきた。
 公正取引委員会は,転嫁拒否行為に関する情報を積極的に収集するため,消費税率の引上げが実施された本年4月以降,中小企業庁と合同で,中小企業・小規模事業者等に対する悉皆的な書面調査や,大規模小売事業者及び大企業等に対する書面調査を実施したところであり,これらによって把握した情報等に基づき,転嫁拒否行為に対して迅速かつ厳正に対処しているところである。
 また,平成26年4月から11月までに計11件の勧告・公表を行ったところである。
 今後も引き続き,転嫁拒否行為に対して迅速かつ厳正に対処していくとともに,重大な転嫁拒否行為が認められた場合には勧告・公表を積極的に行うこととしている。また,転嫁拒否行為の未然防止のための取組についても,引き続き実施していく。

2 転嫁拒否行為に対する迅速かつ厳正な対処のための取組

(1) 転嫁拒否行為に関する情報収集

ア 中小企業・小規模事業者等に対する悉皆的な書面調査
 公正取引委員会は,平成26年4月から6月にかけて,中小企業庁と合同で,中小企業・小規模事業者等(売手側)から転嫁拒否行為に関する情報提供を求めるため,中小企業・小規模事業者等全体に対して,広く調査票を送付又は配布して,書面調査を実施したところである。
 転嫁拒否行為は,今後も行われる可能性があることから,平成26年度内にわたって違反行為を監視するため,本年7月以降も書面調査を引き続き実施している。
 さらに,公正取引委員会は,これまでの書面調査に加え,個人事業者からの情報収集を一層強化すべく,中小企業庁と合同で,個人事業者に対して書面調査を実施するため,本年11月に調査票を送付したところである。

イ 事業者及び事業者団体に対するヒアリング調査
 公正取引委員会は,転嫁拒否行為に関する情報等を把握するため,これまでに6,944社の事業者及び1,592の事業者団体に対してヒアリング調査を実施した(平成26年11月末時点)。

(2) 転嫁拒否行為に対する調査及び勧告・指導

 公正取引委員会は,様々な情報収集活動によって把握した情報を踏まえ,立入検査等の調査を積極的に実施しており,違反行為が認められた事業者に対しては転嫁拒否行為に係る不利益の回復などの必要な改善措置を迅速に行っている。また,重大な転嫁拒否行為が認められた場合には,勧告・公表を積極的に行っている(公正取引委員会及び中小企業庁における平成25年10月から平成26年11月までの対応実績は別紙参照)。
 公正取引委員会及び中小企業庁は,本年11月に54件の指導を行い,平成25年10月から平成26年11月までの指導件数の合計は1,443件である。また,公正取引委員会は,平成25年10月から平成26年11月までに計11件の勧告を行っている(別添1)。
 違反行為類型別では,買いたたき(消費税転嫁対策特別措置法第3条第1号後段)が1,155件,本体価格での交渉の拒否(同法第3条第3号)が240件,役務利用・利益提供の要請(同法第3条第2号)が66件及び減額(同法第3条第1号前段)が26件となっている(合計1,487件)。

(3) 平成26年11月における転嫁拒否行為に対する措置

 公正取引委員会及び中小企業庁は,本年11月に54件の指導を行っており,同月における主な指導事例は別添2のとおりである。

3 転嫁拒否行為の未然防止のための取組

〇 公正取引委員会主催説明会

 公正取引委員会は,事業者及び事業者団体を対象として,本年6月から11月までに公正取引委員会主催の説明会を全国28か所(28回)で開催した。
 当該説明会では,消費税転嫁対策特別措置法で禁止されている転嫁拒否行為の概要やこれまでの勧告・指導事例などについて,公正取引委員会の職員が説明した。
 また,説明会の開催に併せて,転嫁拒否行為を受ける事業者等からの相談を公正取引委員会の職員が受け付ける移動相談会を開催した。

別紙

転嫁拒否行為に対する対応実績(平成26年11月まで)

公正取引委員会
中小企業庁

 平成26年11月までの公正取引委員会及び中小企業庁における転嫁拒否行為に対する対応状況は下表のとおりである(勧告事件及び主な指導事例については,別添1及び別添2を参照)。

表1:転嫁拒否行為に対する対応状況(注1)
調査着手 立入検査 指導(注2) 勧告(注3) 措置請求
3,464件 1,783件

1,443件
≪77件≫

11件
≪2件≫

3件

(注1) 公正取引委員会及び中小企業庁の合算。また,平成26年11月までの累計(平成25年10月~平成26年11月)。≪ ≫内の件数は,大規模小売事業者に対する指導又は勧告の件数で内数である。
(注2) 転嫁拒否行為を行っていると回答した事業者に対する下請代金支払遅延等防止法に基づく中小企業庁の指導を含む。
(注3) 勧告は,公正取引委員会のみが行う。

表2:勧告及び指導件数の内訳(業種別)(注4)
業種 指導 勧告 合計
建設業 53件 0件 53件
製造業 526件 0件 526件
運輸業(道路貨物運送業等) 148件 0件 148件
情報通信業 133件 0件 133件
卸売業 140件 1件 141件
小売業 150件 2件 152件
不動産業 29件 1件 30件
技術サービス業(広告・建築設計業等) 99件 0件 99件
事業サービス業(ビルメンテナンス業・警備業等) 25件 0件 25件
自動車整備業・機械等修理業 18件 0件 18件
その他(注5) 122件 7件 129件
合 計 1,443件 11件 1,454件

(注4) 複数の業種にわたる事業者が勧告又は指導の対象となった場合は,当該事業者の主な業種を1件として計上している。
(注5) 「その他」は,医療福祉,旅行業,労働者派遣業等である。

表3:勧告及び指導件数の内訳(行為類型別)
行為類型 指導 勧告 合計
減額 23件 3件 26件
買いたたき(注6) 1,144件 11件 1,155件
役務利用・利益提供の要請 66件 0件 66件
本体価格での交渉の拒否 240件 0件 240件
合 計(注7) 1,473件 14件 1,487件

(注6) 買いたたきの勧告及び指導件数には,平成26年3月31日以前に減額行為があり,同年4月1日以降に違反のおそれがあるものを含む。
(注7) 事業者の中には,複数の行為を行っている場合があり,表1及び表2に記載の件数とは一致しない。

別添1

勧告事件(平成26年11月まで)

 

名称
(勧告年月日)

概要

違反法条
(違反行為類型)

1

株式会社JR東日本ステーションリテイリング
(平成26年4月23日)

 駅構内等で食料品,衣料品等を販売する株式会社JR東日本ステーションリテイリングは,消費税率の引上げに伴う売上高の減少を防止するため,納入業者に対し,仕入価格を通常支払われる仕入価格に比べ3%程度低く設定することになる販売促進企画への参加を要請した。

第3条第1号後段
(買いたたき)

2

株式会社三城
(平成26年6月12日)

 メガネ等を販売する株式会社三城は,消費税率の引上げに対応するため,店舗の賃貸人のうち,税込価格で賃料を契約している賃貸人に対し,消費税率の引上げ分を上乗せせずに賃料を据え置いた。

第3条第1号後段
(買いたたき)

3

山形市(山形市立病院済生館)
(平成26年6月17日)

 山形市立病院済生館は,消費税率の引上げに対応するため,医療材料の納入価格を引き下げることとし,納入業者に対し,平成25年度下期の納入価格に一定率を乗じた額等を減じて算出した医療材料ごとの納入価格の目標値を定めた。

第3条第1号後段
(買いたたき)

4

一般社団法人東京都自転車商防犯協力会
(平成26年6月26日)

 東京都公安委員会が指定する自転車の防犯登録を行う一般社団法人東京都自転車商防犯協力会は,防犯登録業務を委託している自転車販売店等に対し,消費税率の引上げ分を上乗せせずに委託手数料を据え置いた。

第3条第1号後段
(買いたたき)

5

一般社団法人兵庫県自転車防犯登録会
(平成26年6月26日)

 兵庫県公安委員会が指定する自転車の防犯登録を行う一般社団法人兵庫県自転車防犯登録会は,消費税率の引上げに伴う自らの経費の負担を回避するため,防犯登録業務を委託している自転車販売店等に対し,消費税率の引上げ前の額より更に低い委託手数料を定めた。

第3条第1号後段
(買いたたき)

6

株式会社ルネサンス
(平成26年7月24日)

 スポーツ施設の運営等の事業を行う株式会社ルネサンスは,消費税率の引上げに対応するため,スポーツ指導を行う個人事業者に対し,免税事業者に該当することを理由として,消費税率の引上げ分を上乗せせずに業務委託料を据え置く等した。

第3条第1号後段
(買いたたき)

7

産業機械健康保険組合
(平成26年8月1日)

 健康保険給付事業及び保健・福祉事業を行う産業機械健康保険組合は,健康診断に関する委託契約を締結している病院等に対し,消費税率の引上げ分を上乗せせずに委託料金を据え置いた。

第3条第1号後段
(買いたたき)

8~10

吉野家グループ
株式会社吉野家資産管理サービス
株式会社北日本吉野家
株式会社中日本吉野家
(平成26年9月24日)

 店舗等の賃貸借等の事業を行う株式会社吉野家資産管理サービス,外食業を行う株式会社北日本吉野家及び株式会社中日本吉野家の3社は,それぞれ,店舗所有者(賃貸人)の一部に対し,賃料の消費税率の引上げ分を減額し,又は賃料の消費税率の引上げ分を上乗せせずに据え置いた。
※中小企業庁長官からの措置請求案件

第3条第1号前段(減額)及び同号後段(買いたたき)
11

山佐産業株式会社
(平成26年10月22日)

 パチンコホール等の遊技場にスロットの販売等を行う山佐産業株式会社は,スロットの販売等の業務に関する業務委託契約を締結している販売代理店に対し,消費税率の引上げ分を上乗せせずに業務委託手数料を据え置いて支払った。

第3条第1号後段
(買いたたき)

別添2

主な指導事例(平成26年11月)

〇 買いたたき(消費税転嫁対策特別措置法第3条第1号後段)
業種 概 要
製造業  A社は,家具等のデザインを委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの委託代金を据え置いていた。
製造業  B社は,自動車用部品の加工を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの委託代金を据え置いていた。
幼稚園  学校法人Cは,各種行事の写真撮影を委託している事業者(特定供給事業者)及び園児向けの英会話授業を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの委託代金を据え置いていた。
学習支援業  D社は,芸能スクールにおけるレッスンを委託している個人事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの委託代金を据え置いていた。

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問い合わせ先

問い合わせ先 公正取引委員会事務総局経済取引局取引部取引企画課
電話 03-3581-3371(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/

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