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(平成26年1月31日)関西電力株式会社が発注する架空送電工事の工事業者及び地中送電工事の工事業者に対する排除措置命令,課徴金納付命令等について

平成26年1月31日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,関西電力株式会社(以下「関西電力」という。)が発注する架空送電工事(注1)の工事業者及び地中送電工事(注2)の工事業者に対し,独占禁止法の規定に基づいて審査を行ってきたところ,後記第1のとおり,同法第3条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する行為を行っていたとして,本日,同法第7条第2項の規定に基づく排除措置命令及び同法第7条の2第1項の規定に基づく課徴金納付命令を行った(違反行為については別添排除措置命令書参照)。
 また,関西電力に対し,同社の一部の社員の行為が上記違反行為を誘発し,又は助長したものであると認められたことから,本日,後記第2のとおり,申入れを行った。
(注1)「架空送電工事」とは,架空の送電線路の建設工事及び架空の配電線路のうち変電所又は送電線路と大口需要家の需要設備との間の配電線路等の建設工事並びにこれらの建設工事に関連する役務であって,関西電力が「架空送電工事」に分類して発注するものをいう。
(注2)「地中送電工事」とは,地中の送電線路の建設工事及び地中の配電線路のうち変電所又は送電線路と大口需要家の需要設備との間の配電線路の建設工事並びにこれらの建設工事に関連する役務であって,関西電力が「地中送電工事」に分類して発注するものをいう。

第1 排除措置命令及び課徴金納付命令について

1 違反事業者数,命令対象事業者数及び課徴金額

(違反事業者名,各事業者の課徴金額等については各別表のとおり。)

関西電力発注の特定架空送電工事(注3)(別表1) 違反事業者数 66社

排除措置命令対象事業者数

65社 課徴金納付命令対象事業者数 54社 課徴金額 13億6141万円
関西電力発注の特定地中送電工事(注4)(別表2)

違反事業者数

22社

排除措置命令対象事業者数

16社

課徴金納付命令対象事業者数

16社

課徴金額

10億907万円
合計

違反事業者数

延べ88社(実数76社)

排除措置命令対象事業者数

延べ81社(実数73社)

課徴金納付命令対象事業者数

延べ70社(実数61社)

課徴金額

23億7048万円

(注3)「関西電力発注の特定架空送電工事」とは,関西電力が,本店,大阪北支店,大阪南支店,京都支店,神戸支店,滋賀支店,奈良支店,和歌山支店,姫路支店及び電力システム技術センターにおいて,「指名競争見積」,「指名競争入札」又は「価格提案」と称する各見積り合わせの方法により発注する架空送電工事であって,「架空送電工事」の区分に係る認定級(注5)を有する現場監督者が工事期間中当該工事の現場に常駐することとされるものをいう。
(注4)「関西電力発注の特定地中送電工事」とは,関西電力が,本店,大阪北支店,大阪南支店,京都支店,神戸支店,滋賀支店,奈良支店,和歌山支店,姫路支店,東海支社,北陸支社及び電力システム技術センターにおいて,「指名競争見積」,「指名競争入札」又は「価格提案」と称する各見積り合わせの方法により発注する地中送電工事であって,「地中送電工事」の区分に係る認定級を有する現場監督者が工事期間中当該工事の現場に常駐することとされるものをいう。
(注5)「認定級」とは,関西電力が,同社の請負工事に従事する現場監督者に対して,従事できる工事の範囲を定めるため,原則として年1回,工事の種類ごとに,工事従事実績,安全対策の実施状況等を評価して付与する資格をいう。

2 違反行為の概要

(1) 関西電力発注の特定架空送電工事
 違反事業者66社は,遅くとも平成21年4月16日以降,共同して,関西電力発注の特定架空送電工事について,受注価格の低落防止及び受注機会の均等化を図るため,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,関西電力発注の特定架空送電工事の取引分野における競争を実質的に制限していた。
(2) 関西電力発注の特定地中送電工事
 違反事業者22社は,遅くとも平成21年4月21日以降,共同して,関西電力発注の特定地中送電工事について,受注価格の低落防止及び受注機会の均等化を図るため,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,関西電力発注の特定地中送電工事の取引分野における競争を実質的に制限していた。

3 排除措置命令の概要

 前記2の違反行為ごとに,次のとおり排除措置命令を行った。
(1) 排除措置命令の対象事業者(以下「名宛人」という。)は,それぞれ,次の事項を,取締役会等において決議しなければならない。
ア 前記2の行為を取りやめていることを確認すること
イ 今後,相互の間において,又は他の事業者と共同して,関西電力が発注する架空送電工事又は地中送電工事について,受注予定者を決定せず,各社がそれぞれ自主的に受注活動を行うこと
(2) 名宛人は,それぞれ,前記(1)に基づいて採った措置を,自社を除く名宛人,関西電力等に通知し,かつ,自社の従業員に周知徹底しなければならない。
(3) 名宛人は,今後,それぞれ,相互の間において,又は他の事業者と共同して,関西電力が発注する架空送電工事又は地中送電工事について,受注予定者を決定してはならない。

4 課徴金納付命令の概要

(1) 課徴金納付命令の対象事業者は,平成26年5月1日までに,それぞれ別表1又は別表2の「課徴金額」欄記載の額(総額23億7048万円)を支払わなければならない。
(2) 調査開始日から遡り10年以内に課徴金納付命令(当該課徴金納付命令が確定している場合に限る。)を受けたことがある事業者については,独占禁止法第7条の2第7項第1号に該当する者であることから,同項の規定に基づき,5割加算した算定率を適用している。
(3) 株式会社かんでんエンジニアリング(以下「かんでんエンジニアリング」という。)(注6),株式会社きんでん(以下「きんでん」という。)(注6)及び住友電設株式会社は,栗原工業株式会社と共同して,前記2(1)の違反行為において,受注調整を行わない旨を表明した他の事業者に対し,当該違反行為をやめないことを依頼するなどしており,当該違反行為を容易にすべき重要なものを行っていたことが認められたため,独占禁止法第7条の2第8項第3号に該当する者であることから,前記2(1)の違反行為に係る課徴金納付命令においては,同項の規定に基づき,5割加算した算定率を適用している。
(4) 栗原工業株式会社は
ア 調査開始日から遡り10年以内に課徴金納付命令(当該課徴金納付命令が確定している場合に限る。)を受けたことがあり,独占禁止法第7条の2第7項第1号に該当する者であること
イ かんでんエンジニアリング,きんでん及び住友電設株式会社と共同して,前記2(1)の違反行為において,受注調整を行わない旨を表明した他の事業者に対し,当該違反行為をやめないことを依頼するなどしており,当該違反行為を容易にすべき重要なものを行っていたことが認められたため,独占禁止法第7条の2第8項第3号に該当する者であること
から,前記2(1)の違反行為に係る課徴金納付命令においては,独占禁止法第7条の2第9項の規定に基づき,10割加算した算定率を適用している。
(注6)かんでんエンジニアリング及びきんでんは,関西電力のグループ会社である。

第2 関西電力に対する申入れについて

1 本件審査の過程において認められた事実

(1) 関西電力は,架空送電工事及び地中送電工事を発注するに当たり,指名競争見積等の参加者を一堂に集めて現場説明会を行っていたところ,指名競争見積等に参加した工事業者の営業担当者は,現場説明会終了後に引き続いて,指名競争見積等の参加者間において受注予定者を決定する話合いや当該話合いの開催に当たっての日程調整等の話合いをしていた。
(2) 関西電力の設計担当者のうち,当該現場説明会の場等において,前記(1)の営業担当者の求めに応じ,契約締結の目安となる価格を算出する基となる「予算価格」と称する設計金額又はそのおおむねの金額(以下「予算価格等」という。)を,非公表情報であるにもかかわらず教示していた者が多数みられた。
(3) 関西電力の設計担当者の中には,前記(1)の営業担当者に対し,予算価格が記載された発注予定工事件名の一覧表を,非公表情報であるにもかかわらず提供していた者がいた。
(4) 関西電力の購買担当者の中には,地中送電工事の発注に係る指名競争見積等の参加者の選定に当たり,各工事件名における参加者の組合せについて事前に特定の工事業者に相談していた者がいた。
(5) 指名競争見積等の参加者は,関西電力の設計担当者から教示された予算価格等を,受注予定者が提示する見積価格を定める際の参考にするなどしていた。
(6) 受注予定者を決定する話合いを行っていた者の中には関西電力の退職者が29名おり,このうち少なくとも14名は,関西電力の設計担当者から予算価格等の教示を受けていた。

2 申入れの概要

 前記1(2)ないし(4)の事実は,前記第1の2の違反行為を誘発し,又は助長したものと認められることから,公正取引委員会は,関西電力に対し,[1]前記1(2)ないし(4)と同様の行為が再び行われることがないよう適切な措置を講じるとともに,発注制度の競争性を改善してその効果を検証すること,[2]関西電力のグループ会社であるかんでんエンジニアリング及びきんでんにおいて,前記第1の4(3)の事実が認められたことを踏まえ,これら2社を含めた関西電力のグループ会社において,今後,独占禁止法に違反する行為が行われないよう適切な措置を講じることを申し入れた。

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【架空送電工事関係】
公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所第二審査課・第三審査課
電話 06-6941-2638(直通)
【地中送電工事関係】
公正取引委員会事務総局審査局第四審査上席
電話 03-3581-4009(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/

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