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(平成26年5月28日)平成25年度における近畿地区の独占禁止法の運用状況等について

平成26年5月28日
公正取引委員会事務総局
近畿中国四国事務所

第1 独占禁止法違反事件の処理状況

1 公正取引委員会は,迅速かつ実効性のある事件審査を行うとの基本方針の下,国民生活に影響の大きい価格カルテル,入札談合,受注調整,中小事業者等に不当に不利益をもたらす優越的地位の濫用や不当廉売など,社会的ニーズに的確に対応した多様な事件に厳正かつ積極的に対処することとしている。
 そして,公正取引委員会は,一般から提供された情報(申告),自ら探知した事実等を検討し,必要な審査を行い,審査の結果,違反行為が認められたときは,当該行為をした事業者等に対し,違反行為を排除するために必要な措置等を命じている。違反行為のうち,価格カルテル,入札談合,受注調整,優越的地位の濫用等については,違反行為をした事業者に対して課徴金の納付を命じている。

2 最近の独占禁止法違反事件の処理状況(不当廉売事案で迅速処理したものを除く。)
最近の5年間における近畿地区(注)の独占禁止法違反事件の処理状況は,次のとおりである。
(注)近畿地区とは,福井県,滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県及び和歌山県の2府5県である。以下同じ。

独占禁止法違反事件の処理件数
年度
処理件数
21年度 22年度 23年度 24年度 25年度
審査件数 前年度からの繰越し 2件 2件 1件 1件 2件
年度内新規着手 8件 17件 8件 81件 14件
合計 10件 19件 9件 82件 16件
処理件数 法的措置(注1) 1件 1件 1件 0件 2件
その他 警告(注2) 0件 0件 1件 2件 0件
注意(注3) 6件 13件 6件 68件 13件
打切り(注4) 1件 4件 0件 10件 0件
小計 7件 17件 7件 80件 13件
合計 8件 18件 8件 80件 15件
次年度への繰越し 2件 1件 1件 2件 1件

(注1)「法的措置」とは,排除措置命令及び課徴金納付命令であり,1つの事件について,排除措置命令と課徴金納付命令がともになされている場合には,法的措置件数を1件としている。

(注2)「警告」とは,排除措置命令等の法的措置を採るに足る証拠が得られないが,違反の疑いがある場合に行う措置である。

(注3)「注意」とは,違反行為の存在を疑うに足る証拠が得られないが,将来違反につながるおそれがある場合に行う措置である。

(注4)「打切り」とは,違反行為が認められない等により,審査を打ち切る場合をいう。

3 独占禁止法違反事件の概要
(1) 受注調整
 平成25年度においては,関西電力株式会社が発注する架空送電工事の工事業者及び地中送電工事の工事業者による受注調整事件について2件の法的措置を採った。
ア 違反行為の概要
(ア) 関西電力株式会社(以下「関西電力」という。)発注の架空送電工事の工事業者66社は,遅くとも平成21年4月16日以降,共同して,関西電力発注の架空送電工事について,受注価格の低落防止及び受注機会の均等化を図るため,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,関西電力発注の架空送電工事の取引分野における競争を実質的に制限していた。
(イ) 関西電力発注の地中送電工事の工事業者22社は,遅くとも平成21年4月21日以降,共同して,関西電力発注の地中送電工事について,受注価格の低落防止及び受注機会の均等化を図るため,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,関西電力発注の地中送電工事の取引分野における競争を実質的に制限していた。
イ 排除措置命令及び課徴金納付命令
 平成26年1月31日,前記ア(ア)及び(イ)の工事業者のうち延べ81社に対し,今後,同様の行為を行ってはならないことなどを内容とする排除措置命令を行うとともに,延べ70社に対し,総額23億7048万円の課徴金納付命令を行った。
 なお,このうち4社は,共同して,前記ア(ア)の違反行為において,受注調整を行わない旨を表明した他の事業者に対し,当該違反行為をやめないことを依頼するなどしており,当該違反行為を容易にすべき重要なものを行っていたことが認められたため,独占禁止法第7条の2第8項第3号に該当する者であることから,前記ア(ア)の違反行為に係る課徴金納付命令においては,加算した算定率を適用した。
ウ 関西電力に対する申入れ
 指名競争見積等の参加者に対し予算価格や発注予定工事件名の一覧表という非公表情報を教示・提供する等の関西電力の一部の社員の行為が独占禁止法違反行為を誘発し,又は助長していたことから,関西電力に対し,同様の行為が再び行われることのないよう適切な措置を講じるとともに,発注制度の競争性を改善してその効果を検証すること等を申し入れた。
⇒本事件の詳細については,http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h26/jan/140131.htmlを参照。

(2) 優越的地位の濫用
 公正取引委員会は,優越的地位の濫用に係る情報に接した場合には,効率的かつ効果的な調査を行い,独占禁止法違反につながるおそれのある行為が認められた場合には,未然防止の観点から注意するほか,独占禁止法違反が認められた場合は厳正に対処することとしている。
 平成25年度においては,近畿地区の事業者に対し,本局において,独占禁止法違反につながるおそれがあるとして14件の注意を行ったところ,その主な事例は以下のとおりである。

ア 宿泊業を営むAは,取引関係に影響を及ぼし得る担当者から取引先事業者に対し,Aの運営するホテルにおいて開催されるディナーショーのチケットについて,一般販売後に売れ残ったものを,購入枚数を指定した上で購入を要請していた。
イ 宿泊業を営むBは,取引先事業者に対し,従来の価格から,一律に一定率での引下げを要請し,一方的に取引価格を設定していた。
ウ 食品スーパーマーケット業を営むCは,新規オープン又は改装オープンに際し,取引先納入業者に対し,オープンセール時の値引きの原資とするため,算出根拠等を明確にすることなく協賛金の負担を要請していた。

(3) 不当廉売
 不当廉売は,総販売原価を著しく下回る価格で継続して販売するほか,不当に低い価格で販売することにより,他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれのある行為であり,独占禁止法第19条で禁止されている。公正取引委員会は,申告のあった小売業に係る不当廉売事案については,迅速に処理するとの方針の下で対処しているほか,大規模事業者による不当廉売等周辺の中小事業者に対する影響が大きいと考えられる事案については厳正に対処することとしている。
 なお,迅速に処理するとの上記方針の下,平成25年度においては,酒類,石油製品,家庭用電気製品等の小売業について,不当廉売につながるおそれがあるとして257件の事案について注意を行った。

不当廉売の注意件数(迅速処理)
21年度 22年度 23年度 24年度 25年度
320件 524件 331件 345件 257件

(4) その他の不公正な取引方法
 化粧品の製造販売業者が,取引先小売業者に対し,メーカー希望小売価格での販売を指示した疑いのある行為について,不公正な取引方法(再販売価格維持)につながるおそれがあるとして注意を行った。

第2 企業結合関係届出及び協同組合届出の状況

1 企業結合関係届出
 独占禁止法では第4章において,事業支配力が過度に集中することとなる会社の設立等の禁止(第9条)及び銀行業又は保険業を営む会社の議決権取得・保有の制限(第11条)について規定しているほか,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合及び不公正な取引方法による場合の会社等の株式取得・所有,役員兼任,合併,分割,共同株式移転及び事業譲受け等の禁止並びに一定の条件を満たす企業結合についての届出義務(第10条及び第13条から第16条まで)を規定している。
 公正取引委員会では,これら株式取得・所有,合併等について独占禁止法上の問題の有無について審査を行っている。
 最近5年間における近畿地区の企業結合関係届出の状況は,次のとおりである。

企業結合関係届出件数
  21年度 22年度 23年度 24年度 25年度
株式取得届出受理 102件 14件 22件 19件 25件
合併届出受理 5件 1件 2件 0件 1件
分割届出受理 1件 1件 0件 3件 1件
共同株式移転届出受理 0件 0件 0件 0件 0件
事業譲受け等届出受理 9件 4件 2件 4件 2件
合計 117件 20件 26件 26件 29件

(注1)平成21年度の株式取得届出件数には,平成21年独占禁止法改正法による改正前の独占禁止法の規定に基づく株式所有に関する報告書の提出件数を含む。

(注2)平成22年度は前年度までの届出件数から大幅に減少しているが,これは平成22年1月1日に施行された改正独占禁止法によって届出対象範囲が縮減されたためであると考えられる。

2 協同組合届出
 中小企業等協同組合法は,同法に基づき設立された事業協同組合及び信用協同組合に対し,同法第7条第1項第1号で規定する小規模事業者以外の事業者が加入したとき又は組合員が同小規模事業者でなくなったときには,その旨を公正取引委員会に届け出ることを義務付けている(同法第7条第3項)。
 最近5年間における近畿地区の届出件数は,次のとおりである。

中小企業等協同組合法第7条第3項の規定に基づく届出件数
21年度 22年度 23年度 24年度 25年度
35件 31件 27件 22件 21件

第3 広報・広聴活動等

 公正取引委員会では,独占禁止法及び下請法の普及・啓発並びに競争政策の運営に資するため,次のような広報・広聴活動を行っている。
1 独占禁止政策協力委員制度
 競争政策への理解の促進と地域の経済社会の実情に即した政策運営に資するため,平成11年度から,独占禁止政策協力委員制度を設置しており,公正取引委員会が行う広報活動等に御協力いただくとともに,独占禁止法等の運用や競争政策の運営等について意見聴取を行っている。
 平成25年度においては,上半期に(1)公正取引委員会の今後の活動,公正取引委員会に期待することについて,(2)消費税率の引上げに伴う公正取引委員会の取組について,(3)競争環境の整備に係る調査・提言について,(4)広報・広聴活動についてなど,下半期に(1)公正取引委員会の今後の活動について,(2)消費税転嫁対策特別措置法施行に係る公正取引委員会の取組について,(3)下請法,優越的地位の濫用規制の普及・啓発についてなどの意見聴取を行った。

2 有識者との懇談会
 各地の有識者と公正取引委員会の委員長,委員等との懇談及び講演会を通して,競争政策についてより一層の理解を求めるとともに,幅広い意見,要望を把握し,今後の競争政策の有効かつ適切な推進に資するため,昭和47年度以降,毎年,全国各地において有識者との懇談会を開催している。
 近畿地区では,これまで7都市で37回開催しており,平成25年度は奈良市において,社団法人奈良経済産業協会,奈良県商工会連合会等の経済団体,消費者団体,マスコミ,学識経験者等の有識者との懇談会を実施し,同時に「公正で活力ある経済社会の実現と公正取引委員会の役割」をテーマに講演会を開催した。
 また,平成4年度から近畿中国四国事務所長等と各地の有識者等との意見交換会(懇談会)を開催しており,平成25年度は福井県越前市,大津市,大阪市(3か所),大阪府東大阪市,兵庫県西宮市,同県三田市,和歌山県有田市,同県新宮市及び同県那智勝浦町の計11か所において開催した。

3 独占禁止法説明会等
 公正取引委員会では,独占禁止法等の違反の未然防止を図るため,説明会・講習会等を自ら主催しているほか,各種業界団体等から要請を受けて講習会等へ講師を派遣している。
 近畿地区では,平成25年度は独占禁止法に関する説明会等を24回実施した。また,入札談合等関与行為防止法に関する研修会等を23回実施した。

4 学生に対する独占禁止法教室の実施
 消費者であり,また,将来,経済活動に参加する中学生,高校生及び大学生を対象に,独占禁止法等についての理解を深めてもらうことを目的として,当委員会の職員による「独占禁止法教室」を開催している。
 近畿地区では,平成25年度は中学生向け独占禁止法教室を4校,大学生向け独占禁止法教室を7校で開催した。

5 一日公正取引委員会
 本局及び地方事務所等の所在地以外の都市において,独占禁止法及び下請法の普及啓発活動や相談対応の一層の充実を図るため,独占禁止法講演会,下請法講演会,入札談合等関与行為防止法研修会,消費者セミナー,独占禁止法教室,報道機関との懇談会,相談コーナーなどを1か所の会場で開催する「一日公正取引委員会」を開催している。
 近畿地区では,平成25年度は奈良市において,11月28日に一日公正取引委員会を開催した(前記2記載の有識者との懇談会と同時開催。)。

6 消費者セミナー
 一般消費者に独占禁止法の内容や公正取引委員会の活動について,より一層の理解を深めてもらうことを目的として,地域の一般消費者を対象としたセミナーを開催しているほか,公正取引委員会の職員を消費者団体等の勉強会等に講師として派遣している。
 近畿地区では,平成25年度は福井県鯖江市,大津市,京都府城陽市,大阪市,兵庫県尼崎市及び奈良市(2か所)の計7か所において,セミナーを開催するなどした。

7 相談業務
 公正取引委員会では,法運用に対する理解を深め,違反行為の未然防止を図るため,相談を受け付けている。
 最近5年間の相談受付件数は,次のとおりである。

相談受付件数
  21年度 22年度 23年度 24年度 25年度
独占禁止法 949件 1,036件 1,039件 813件 845件
下請法 1,276件 1,284件 1,480件 1,495件 1,092件
合計 2,225件 2,320件 2,519件 2,308件 1,937件

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問い合わせ先

独占禁止法違反事件の処理状況に関する問い合わせ先 公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所第一審査課
電話 06-6941-2193(直通)
企業結合関係届出等の状況に関する問い合わせ先 公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所経済取引指導官
電話 06-6941-2174(直通)
広報・広聴活動等に関する問い合わせ先 公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所総務課
電話 06-6941-2173(直通)
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