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(平成28年6月24日)平成27年度における中部地区の消費税転嫁対策の取組について

平成28年6月24日
公正取引委員会事務総局
中部事務所

はじめに

 公正取引委員会は,消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保する観点から,消費税の転嫁拒否等の行為(以下「転嫁拒否行為」という。)の未然防止のための取組と,転嫁拒否行為に対する迅速かつ厳正な対処のための取組を進めてきたところである。
 中部事務所においても,転嫁拒否行為等に対して迅速かつ厳正に対処することを目的として,「消費税転嫁対策調査室」を設置し,中部事務所管内(富山県,石川県,岐阜県,静岡県,愛知県及び三重県)において消費税転嫁対策に係る取組を実施してきたところ,平成27年度における管内の取組状況は以下のとおりである。

第1 転嫁拒否行為に対する迅速かつ厳正な対処のための取組

1 措置件数

 管内においては,平成27年度において,転嫁拒否行為に対して,2件の勧告及び50件の指導を行っている。勧告の概要は別紙1,主な指導の概要は別紙2のとおりである。

表1:措置件数[単位:件]
年 度 平成27年度 平成25・26年度 (注) 合計
全国 中部地区 全国 中部地区 全国 中部地区
措 置 指 導 349 50 1,040 147 1,389 197
《24》 《3》 《80》 《7》 《104》 《10》
勧 告 13 2 19 1 32 3
《3》 《0》 《4》 《0》 《7》 《0》
違反事実なし 472 51 460 69 932 120

(注) 平成25,26年度の数値は,平成25年10月から平成27年3月までの合計(以下表2及び表3において同じ。)。また,全国の件数には,中部地区の件数を含む(以下同じ。)。《 》内の件数は,大規模小売事業者に対する勧告又は指導の件数で内数である。

2 措置件数の業種別内訳

 平成27年度の措置件数(勧告又は指導を行った事件の件数をいう。以下同じ。)について措置を採った特定事業者の業種別で分類すると,管内においては,製造業が16件(30.8%)と最も多く,以下,建設業が12件(23.1%)と続いている。

表2:措置件数の内訳(業種別)[単位:件,(%)]
業種(注) 全国 中部地区
建設業 平成27年度 57(15.7) 12(23.1)
平成25・26年度 73( 6.9) 17(11.5)
合計 130( 9.1) 29(14.5)
製造業 平成27年度 67(18.5) 16(30.8)
平成25・26年度 337(31.8) 67(45.3)
合計 404(28.4) 83(41.5)
情報通信業 平成27年度 44(12.2) 5( 9.6)
平成25・26年度 73( 6.9) 3( 2.0)
合計 117( 8.2) 8( 4.0)
運輸業 平成27年度 15( 4.1) 1( 1.9)
平成25・26年度 89( 8.4) 15(10.1)
合計 104( 7.3) 16( 8.0)
卸売業 平成27年度 20( 5.5) 4( 7.7)
平成25・26年度 89( 8.4) 4( 2.7)
合計 109( 7.7) 8( 4.0)
小売業 平成27年度 38(10.5) 8(15.4)
平成25・26年度 138(13.0) 17(11.5)
合計 176(12.4) 25(12.5)
不動産業 平成27年度 24( 6.6) 1( 1.9)
平成25・26年度 26( 2.5) 3( 2.0)
合計 50( 3.5) 4( 2.0)
技術サービス業 平成27年度 20( 5.5) 1( 1.9)
平成25・26年度 64( 6.0) 4( 2.7)
合計 84( 5.9) 5( 2.5)
事業サービス業 平成27年度 7( 1.9) 0( 0.0)
平成25・26年度 19( 1.8) 2( 1.4)
合計 26( 1.8) 2( 1.0)
その他 平成27年度 70(19.3) 4( 7.7)
平成25・26年度 151(14.3) 16(10.8)
合計 221(15.6) 20(10.0)
全業種 平成27年度 362( 100) 52( 100)
平成25・26年度 1,059( 100) 148( 100)
合計 1,421( 100) 200( 100)

(注1) 複数の業種にわたる事業者が勧告又は指導の対象となった場合は,当該事業者の主な業種を1件として計上している。「その他」は医療福祉,学校教育・教育支援業,旅行業,自動車整備業・機械等修理業等である。
(注2) ( )内の数値は,小数点以下第2位を四捨五入しているため,合計は必ずしも100とならない。

3 措置件数の行為類型別内訳

 平成27年度の措置件数について行為類型別で分類すると,管内においては,買いたたき(消費税転嫁対策特別措置法第3条第1号後段)が48件(90.6%)と最も多い。

表3:措置件数の内訳(行為類型別)[単位:件,(%)]
行為類型 全国 中部地区
減額 平成27年度 18( 4.9) 4( 7.5)
平成25・26年度 36( 3.3) 3( 2.0)
合計 54( 3.7) 7( 3.4)
買いたたき 平成27年度 344(92.7) 48(90.6)
平成25・26年度 767(70.5) 124(82.1)
合計 1,111(76.1) 172(84.3)
役務利用,利益提供の要請 平成27年度 3( 0.8) 1( 1.9)
平成25・26年度 46( 4.2) 4( 2.6)
合計 49( 3.4) 5( 2.5)
本体価格での交渉の拒否 平成27年度 6( 1.6) 0( 0.0)
平成25・26年度 239(22.0) 20(13.2)
合計 245(16.8) 20( 9.8)
合計(注) 平成27年度 371(100) 53(100)
平成25・26年度 1,088(100) 151(100)
合計 1,459(100) 204(100)

(注1) 事業者の中には,複数の行為を行っている場合があり,表1及び表2に記載の件数とは一致しない。
(注2) ( )内の数値は,小数点以下第2位を四捨五入しているため,合計は必ずしも100とならない。

4 特定供給事業者が被った不利益の原状回復の状況

 管内では,平成27年度において,転嫁拒否行為によって特定供給事業者が被った不利益について,特定事業者40名から,特定供給事業者472名に対し,総額5064万円の原状回復が行われた。

表4:特定供給事業者が被った不利益額の原状回復の状況
年 度 平成27年度 平成26年度 合計
全国 中部地区 全国 中部地区 全国 中部地区
原状回復を行った特定事業者数 333名 40名 228名 26名 561名 66名
原状回復を受けた特定供給事業者数 25,059名 472名 33,094名 299名 58,153名 771名
原状回復額(注) 6億7444万円 5064万円 4億1153万円 890万円 10億8598万円 5955万円

(注) 各期間の原状回復額は1万円未満を切り捨てているため,合計額とは一致しない。

5 転嫁拒否行為等に関する相談件数

 中部事務所においても,転嫁拒否行為等に関する事業者からの相談や情報提供を一元的に受け付けるための相談窓口を設置しており,当該相談窓口において,平成27年度は27件の相談に対応した。

表5:転嫁拒否行為等に関する相談件数[単位:件]
  平成27年度 平成26年度 平成25年度 合計
全国 548 1,420 3,179 5,147
中部地区 27 78 87 192

(注) 転嫁カルテル及び表示カルテルの届出に関する相談を含む。

6 事業者及び事業者団体に対するヒアリング調査

 様々な業界における転嫁拒否行為に関する情報や取引実態を把握するため,管内においては,平成27年度は111名の事業者及び347の事業者団体に対してヒアリング調査を実施した。

表6:事業者及び事業者団体に対するヒアリング調査の実施件数[単位:件]
  事業者 事業者団体
全国 中部地区 全国 中部地区
平成27年度 4,344 111 682 347
平成26年度 8,744 126 1,263 246
平成25年度 1,326 142 401 4
14,414 379 2,346 597

7 移動相談会

 事業者にとって,より一層相談しやすい環境を整備するため,管内においては,平成27年度は移動相談会を6回実施した。

表7:移動相談会の実施回数[単位:回]
  平成27年度 平成26年度 平成25年度 合計
全国 52 47 75 174
中部地区 6 3 3 12

第2 転嫁拒否行為の未然防止のための取組

1 公正取引委員会主催説明会

 消費税転嫁対策特別措置法の内容を広く周知するため,事業者及び事業者団体を対象として,公正取引委員会主催の説明会を管内において実施した(平成27年度は6回)。

表8:公正取引委員会主催説明会の実施回数[単位:回]
  平成27年度 平成26年度 平成25年度 合計
全国 51 30 40 121
中部地区 6 2 4 12

2 講師派遣

 管内においては,商工会議所,商工会及び事業者団体が開催する説明会等に,平成27年度は公正取引委員会事務総局の職員を講師として3回派遣した。

表9:講師の派遣回数[単位:回]
  平成27年度 平成26年度 平成25年度 合計
全国 27 59 384 470
中部地区 3 5 52 60

第3 転嫁カルテル及び表示カルテルの届出

 消費税の転嫁の方法の決定に係る共同行為(転嫁カルテル)及び消費税についての表示の方法の決定に係る共同行為(表示カルテル)の届出については,平成27年度において,管内では11件の転嫁カルテルの届出を受け付けた。また,平成28年3月末現在,管内において,転嫁カルテル24件,表示カルテル9件の合計33件となっている。
 また,平成25年10月から平成28年3月までの間で,届出書の記載方法等に関して,管内において18件の相談に対応した。

表10:届出に関する相談件数[単位:件]
  平成27年度 平成26年度 平成25年度 合計
全国 5 50 1,235 1,290
中部地区 0 6 12 18

別紙1

平成27年度における勧告事件(2件)

1 アサヒグローバル株式会社に対する件(平成27年4月2日)

特定事業者

アサヒグローバル株式会社

事業内容

注文住宅,建売住宅等の設計,施工及び販売業

取引の内容

住宅の建築工事に伴う大工工事等の業務委託

違反行為の概要

【買いたたき(第3条第1号後段)】
 住宅の建築工事に伴う大工工事等の請負契約を締結している個人事業者又は法人事業者に対し,消費税率の引上げ分を上乗せせずに請負代金を据え置いて支払った。

原状回復額

特定供給事業者104名に対し,総額1425万1670円
【勧告前に返還済み】

2 アサヒグローバル三重株式会社に対する件(平成27年4月2日)

特定事業者

アサヒグローバル三重株式会社

事業内容

注文住宅の設計,施工及び販売業

取引の内容

住宅の建築工事に伴う大工工事等の業務委託

違反行為の概要

【買いたたき(第3条第1号後段)】
 住宅の建築工事に伴う大工工事等の請負契約を締結している個人事業者又は法人事業者に対し,消費税率の引上げ分を上乗せせずに請負代金を据え置いて支払った。

原状回復額

特定供給事業者55名に対し,総額159万4541円
【勧告前に返還済み】

事件の詳細については,下記のリンク先を参照。
http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h27/apr/150402.html

別紙2

平成27年度における主な指導事例

1 減額(第3条第1号前段)
[1]  建設業を行うA社は,建築工事及びリフォーム工事を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,発注時に取り決めていた消費税込みの工事代金(消費税率8パーセントが適用されるもの)から,消費税率の引上げ分相当額を減じて支払っていた。

[2]  設備工事業を行うB社は,防災用誘導灯の取扱説明書の作成を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,あらかじめ定めていた平成26年4月1日以後の消費税込みの委託料から,消費税率の引上げ分相当額を減じて支払っていた。

[3]  繊維・衣服等卸売業を行うC社は,服地の生産等に関する指導業務を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後に供給を受けたものについて,あらかじめ定めていた消費税込みの委託料から,消費税率の引上げ分相当額を減じて支払っていた。

2 買いたたき(第3条第1号後段)
[1]  建設業を行うD社は,建築工事を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの工事代金を据え置いていた。

[2]  建築リフォーム工事業を行うE社は,チラシ広告のポスティング業務を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの委託代金を据え置いていた。

[3]  左官工事業を行うF社は,左官工事を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの工事代金を据え置いていた。

[4]  石膏ボード製造業を行うG社は,自社工場の安全管理に関する点検・指導業務を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの委託代金を据え置いていた。

[5]  ガス機器等製造業を行うH社は,ガス機器等の部品の組立てを委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの委託代金を据え置いていた。

[6]  有線放送業を行うI社は,自社が使用する駐車場の賃貸人のうち,消費税を含む額で賃料を契約している賃貸人(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの賃料を据え置いていた。

[7]  情報サービス業を行うJ社は,コンピュータゲームソフトのプログラムの作成を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの委託代金を据え置いていた。

[8]  小売業を行うK社は,美術品等の鑑定業務を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの委託代金を据え置いていた。

[9]  自動車小売業を行うL社は,自動車保管場所証明書の申請業務を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの委託代金を据え置いていた。

[10]  不動産賃貸業を行うM社は,自社のビル管理を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの委託代金を据え置いていた。

[11]  翻訳業を行うN社は,翻訳業務を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの委託代金を据え置いていた。

[12]  教育・学習支援業を行うO社は,中学生向け教材の問題・解答の作成・校正業務を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの委託代金を据え置いていた。

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問い合わせ先

問い合わせ先 公正取引委員会事務総局中部事務所
消費税転嫁対策調査室 電話052-961-9493(直通)(第1関係)
経済取引指導官    電話052-961-9422(直通)(第2及び第3関係)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/regional_office/chubu/

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