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平成20年12月10日付 事務総長定例会見記録

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成20年12月10日(水曜)13時30分~ 於 官房第1会議室)

 [発言事項]

第6回国際シンポジウムについて

 (事務総長)本日は,2点お話ししたいと思います。
 1点目は,競争政策研究センターで毎年実施している国際シンポジウムを,来年1月23日(金曜)に開催するということです。今回の国際シンポジウムは,6回目になり,23日の午後1時30分から5時50分までということで,一橋大学の経済制度研究センター,日本経済新聞社,公正取引協会との共催により開催します。会場は麹町のTOKYO FMホールになります。
 当日は,米国・シカゴ大学からデニス・カールトン教授,ポルトガル・リスボン新大学のホセ・マタ教授,そして日本の東洋大学から安田武彦教授をお招きし,それぞれ御講演いただくこととしております。その後,これら3名の講演者に,冨山和彦さん,野原佐和子さんといった有識者に加わっていただき,パネルディスカッションを行う予定でおります。
 テーマは,「参入と産業活性化に果たす競争政策の役割」で,参入障壁をどうやって排除していくのか,あるいは参入を阻害する行為で,場合によっては私的独占の排除行為に該当することもありますので,競争政策で参入を確保していくことが重要な役割となるということですが,その理論的・実証的な蓄積・研究が必ずしも十分ではないということもあるため,今回,学界・ビジネス界において,造詣の深い有識者の方をお招きして議論していただくこととしております。
 このシンポジウムには,一般の方も参加可能であり,競争政策研究センターのホームページなどからお申し込みいただくことができます。締切りは,来年1月9日又は定員に達するまでとなります。

平成20年の独占禁止法違反事件の取組状況について

 (事務総長)2点目は,平成20年の独占禁止法違反事件の処理の状況等についてです。
 公正取引委員会は,迅速かつ実効性のある法運用を重点施策としてきており,平成17年の改正で導入された課徴金減免制度などを活用しつつ,厳正に対処しているところです。
 平成20年においては,現在までに19件の排除措置命令を行っております。独占禁止法第3条(不当な取引制限)の違反事件が15件あり,内訳は入札談合9件,カルテル6件であり,このほかに不公正な取引方法の事件が4件あり,内訳は大規模小売業者による納入業者に対する優越的地位の濫用3件,再販売価格維持行為1件であります。それから,課徴金納付命令については,延べ56事業者に対して,総額91億4382万円の課徴金の納付を命じております。
 このほか,今週にも発表させていただきましたが,犯則事件でも,溶融亜鉛めっき鋼板の価格カルテル事件について,刑事告発を行っております。
 そのほか,中小事業者に不当な不利益を与える優越的地位の濫用や,不当廉売についても,迅速かつ厳正に対処するということから,先ほど申しました大規模小売業者による優越的地位の濫用事件のほかにも,不当廉売事件として,公共建設工事に係る低価格入札等について,3件について,違反のおそれがあるということで警告を行っております。
 象徴的な事件を振り返って,その意義について,お話ししたいと思います。
 1つ目は,刑事告発をした溶融亜鉛メッキ鋼板の価格カルテル事件でありまして,この事件におきましては,国民生活に重大な影響を及ぼすものとして,刑事告発をしたわけでありますが,価格カルテルに対する刑事告発というのは,平成3年11月に業務用ストレッチフィルムに係る価格カルテル事件以来,17年振りとなるものです。そういう面では,価格カルテル行為に関しても刑事告発をして,国民生活に重大な影響を及ぼすものについては,厳正に対処していくということが明らかになったということは,有意義であったと考えております。
 2つ目は,札幌市発注の下水処理施設の電気設備工事に係る官製談合事件ですが,発注者である札幌市の職員が,入札前に落札予定者についての意向を示して,事業者に入札談合を行わせていたというもので,この事件に関しては,入札談合等関与行為防止法の規定に基づき,改善措置要求を行いました。官製談合と呼ばれるような発注機関の職員が談合に関与するという事態は当然あってはならないことであり,私どもとしても,今後とも,官製談合事案については厳正に対処していくと考えているところです。また,当委員会から札幌市に改善措置要求を行っておりますので,市の方としても,必要な調査を行って,適切な対処が進められるものと期待しております。
 3つ目は,マリンホースに係る国際カルテル事件ですが,本件は,我が国のほか,英国,イタリア等に本店を置くマリンホースの製造販売業者8社が,石油備蓄会社などの需要者向けのマリンホースの受注に関し,共同して,受注予定者を決定するという談合行為を行っており,独占禁止法第3条に違反するということで,2月20日に,日本,英国,フランス及びイタリアに本社を置く5社に対して,排除措置命令を行い,そのうち我が国に事務所を置く事業者には,課徴金納付命令も行いました。こうした国際カルテルの摘発には,課徴金減免制度が大きな役割を果たしております。この事案に関しては,我が国だけでなく,米国の司法省や欧州委員会等の海外競争当局とも協力を進めてきたということで,この意味からも重要な事案であったと考えております。
 4つ目は,大規模小売業者による優越的地位の濫用事件を何件か処理しておりますが,その中でも,ヤマダ電機という家電量販店では最大手の事業者が,中小事業者に不当に不利益をもたらす従業員の派遣等を行わせていたことについて,排除措置命令を行いました。家電量販店に対して法的措置を採ったのは初めてのことであり,特に,ヤマダ電機は,大規模小売業者の中でも売上の規模が大きく,違反行為の規模,具体的には派遣させられた人員の数も16万人を超えるという大規模で重要な事案であったと考えております。現在,国会に提出している独占禁止法の改正法案においても,この優越的地位の濫用を課徴金の対象とするという内容が盛り込まれているところであり,改正法の一日も早い成立を願っているところですが,今後,こうした優越的地位の濫用行為が行われることのないよう,コンプライアンスに努めていただくことが必要であろうと考えております。
 独占禁止法違反事件としては,排除措置命令,課徴金納付命令などの行政処分に不服がある場合に審判を請求して争うことができ,審判手続を経て出された審決に不服がある場合に東京高等裁判所に審決取消訴訟を提起する制度があります。近年,審判を経た審決の件数が非常に多くなってきており,また,審決取消訴訟の提起件数も増えてきております。
 お手元の「審決の件数及び審決取消訴訟提起の推移」を御覧いただきますと,審判審決の数も非常に増えてきており,特に,平成18年度,同20年度に増えております。それから,審決取消訴訟の提起件数も平成18年度,同19年度,同20年度に増えてきているという状況がお分かりいただけると思います。
 最近5年間の審決取消訴訟の判決を振り返ってみますと,平成15年度以降に確定したものでいいますと,13件の判決が出されており,このうち当委員会の勝訴が確定したものが11件,高等裁判所の判決を経て,最高裁判所で係属中の事件が3件あります。
 このような状況の中で,審決取消訴訟においても,いろいろと重要な判決が出されてきており,いろいろな面で,私どもの行政にも有用な示唆を与える重要な判決が数多く出されております。価格カルテル事件としては,今年4月に東京高等裁判所の判決が出され,9月に最高裁判所で上告棄却の決定が出されて確定した元詰種子の価格カルテル事件がありますが,これは重要なポイントをいくつか含んでおりますので,御紹介したいと思います。
 この事件では,価格カルテルにおける合意の認定,相互拘束と呼ばれる行為があったのかどうか,あるいは競争の実質的制限があったのかどうかといったことが争点になった事案でした。例えば,事業者団体が基準価格を決定するということのみで,直ちに関係人の競争者32社の合意が認定できるのかどうか,あるいは合意の形成過程とか成立時期を個別に認定しないで,合意があったと認定できるのかどうかというような問題なども争点になったわけですが,これについても東京高等裁判所は明確な判断を示しており,事業者団体の場で基準価格を決定したことなどによって,原告を含む32社が基本合意をしていたと,その基準価格を決定して価格表の価格を設定している状況から,それを認定できるとしております。
 合意の成立時期,意図,動機を認定することが必要であるという主張についても,そのようなものは必要ないと明確に述べております。相互拘束があったのかどうかということに関しては,他社の動向を見ながら価格決定をしていたわけですが,本来,自由競争であれば,自らの判断・リスクで各自が価格設定をするということがあるべき姿でありますが,基準表価格というものを作って,それに従って行動することによって,価格設定リスクを回避・減少しており,こういう面で価格競争が弱められているということを認定したわけです。具体的な価格設定の合意をしていなくても,ある程度,他社も合意に従って価格を定めるという程度の認識を有していれば,相互拘束の前提となる相互の予測は「この程度で足りる」という判断を示しております。また,この事案においては,値引きとか割戻があって,最終的な価格の帰結は予測できない余地があったので,そういうことで相互拘束といえるのかどうかということについても論点だったわけでありますが,これに関しても,値引きや割戻が,ある程度,慣行化していれば,その限度で相互の予測は可能であるということで,相互拘束はあると認定しております。
 それから,競争の実質的制限に関して,そもそも価格競争が存在しているのかどうかということについても,事業者団体の場で基準価格を定めているということが,価格競争の顕在化を防ぐ機能を果たしているとしており,高等裁判所の判決の中に,そもそも9割以上のシェアを占める32社が,本来,公正かつ自由な競争により決定されるべき価格を,継続的に事業者団体の研究会の場で協議の上で決定し,その基準価格に基づいて,自分たちの販売価格を定めるという合意をすること自体が競争を制限する行為にほかならないと,市場における競争機能に十分な影響を与えるものと推認することが相当であるとしております。要するに,団体の場で基準価格を定めることが,本来,あるべき競争からどれだけ乖離しているのか,この価格競争を回避する行動は,違反行為の認定につながっていくわけですので,このような考え方は,当委員会としても,従前からガイドラインなどで示し,運用してきておりますので,このような方向性が高等裁判所・最高裁判所でも是認されたというふうに考えているところです。
 このほか,入札談合事件においても,「違反行為の成否」の判断について,沖縄県発注の建築工事の入札談合事件やごみ処理施設の入札談合事件の判決が出されており,例えば,「不当な取引制限」の成立・完成のために,どのような行為が必要なのかということなどについての判決が出されております。
 そのほか,違反行為が既になくなっている既往の違反行為について,排除措置を採る必要があるのかどうかという論点についても,ごみ処理施設の入札談合事件,種苗カルテル事件などの判決において,判断が示されており,我が国における独占禁止法の運用機関として競争政策について専門的な知見を有する当委員会の専門的な裁量が認められるものというべきである旨が判示されております。排除措置が必要との当委員会の判断について,裁量権の逸脱・濫用があるのではないかということについては,なかったと判示されております。
 以上申しましたように,裁判所では,当委員会の行ったほとんどの審決について,違法はないとして原告の請求を棄却している傾向にあるわけです。現在,審判制度の在り方についても,いろいろと議論されておりますが,当委員会が行った審決が東京高等裁判所で取り消されることが少ないということは,ある程度,審判において,適切な審理が行われていることの現れではないかと考えております。いずれにしましても,こうした審判での審決,あるいは審決取消訴訟を通じた裁判所での判決という形で,法令解釈が一つ一つ明らかになっていくと法運用の透明性が高まっていき,予測可能性も高まるということになりますので,事業者におかれても,このような判例等も参考にしていただければ有難いと考えているところです。

 [質疑応答]

 (問)溶融亜鉛めっき鋼板の価格カルテル事件についてですが,個人について身柄を拘束することなく在宅で検察庁の捜査も進められております。この在宅で捜査が進められていることについて,どのように考えているのでしょうか。

 (事務総長)逮捕するのかしないのかということを含め,捜査をどう進めるのかということは,検察庁の判断だと思いますので,私どもが,刑事告発した後の捜査について,何か注文を付けるというものではなく,私どもとしては,入札談合であれ,価格カルテル事件であれ,不当な取引制限といった独占禁止法違反行為については,刑事責任を負っていただくような,悪質重大な事案であれば,刑事告発をさせていただいているわけですので,捜査当局で,然るべき捜査をした上で,起訴していただくというような形で,不正が明らかになっていけば良いわけであり,捜査手法そのものについて,私どもが何か申し上げる立場にはないと考えております。

 (問)審決取消訴訟の提起件数が,平成20年度に増えておりますが,手続上の変更など,何らかの理由があるのでしょうか。

 (事務総長)審判係属件数は,平成15年から同17年にかけての時期がピークでして,平成18年度以降は減少しております。平成20年度においては,57件というものが12月10日時点の審判係属件数ですが,ピーク時に比べると半分以下になっております。過去の審判の係属件数が減少しているということは,当然,当委員会が審判審決を出すことによるわけでありまして,出された審決に対して,審決取消訴訟が提起される件数が増えてきているということになるわけです。審決取消訴訟の係属件数が,平成20年度に増えた感じになっておりますが,これは,審決ベースで出されている件数が,平成18年度に6件,同19年度に8件であったものが,同20年度になって35件となっておりますので,言わば,同18年度,同19年度で増えてきたものが高まっていき,同20年度の30数件というものが新しく提起されております。その分が現在の審決取消訴訟の係属件数にかかってきているわけです。この中の多くの部分が,課徴金に関しての審決取消訴訟でして,20数件の課徴金の審決取消訴訟が一つの事件でありますと,審決取消訴訟の件数は,一遍に20数件増加してしまうという傾向もあると思います。そのため,全く単独の違反事件が,44件あるというよりは,課徴金に関しては,それぞれの審決取消訴訟として出てきていることによって,平成20年度に増えている傾向に現われていると考えております。

 (問)石油の元売り大手2社が経営統合を発表しましたが,この件について,所見をお願いします。

 (事務総長)個別事案ですので,具体的にどうこう申し上げるのもいかがかと思いますが,一般的に申し上げれば,それなりに大きな影響力を及ぼすトップ企業などの統合は,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなるのかどうかについて,独占禁止法第10条などの適用の問題を含め,慎重に審査する必要があるだろうと思っております。具体的な事案について,当然,独占禁止法上の問題があるのかどうかを調べていくことになるのだろうと思います。

 以上

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