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平成21年5月13日付 事務総長定例会見記録

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成21年5月13日(水曜)13時30分~於 官房第1会議室)

 [発言事項]

昭和シェル石油(株)ほか2名に係る審決取消訴訟判決について

 (事務総長)それから,2点目の国際カルテル会議については,先月の26日から28日にかけて,ドイツ・ハンブルグで,第14回国際カルテル会議が開催され,当委員会からは後藤委員ほかが出席しております。この会議は,1982年以降,ドイツ連邦カルテル庁の主催により,2年に一度,開催されており,世界各国の競争当局幹部のほか,学識経験者,国際機関・産業界の代表などが多数出席しております。今回は,「支配的事業者―規制と競争法の間の細い境界線」がテーマになっており,市場支配的事業者,政府規制と競争法の関係等について議論が行われております。
 いくつかの論点を紹介すると,「規制からの解放は,いつどのようにしてなされるべきか」ということがテーマになっており,規制と競争法の役割や関係について議論がされました。特に,電気通信に関して,ヨーロッパ及びドイツでの規制やドイツ・テレコムの具体的な行動にも言及しながら実際どのような規制改革の効果が上がっているのか等の議論が行われました。
 それから,欧州委員会のクルース委員による講演では,規制分野の改革のためには,規制自体の見直しと,競争法の厳正な執行を並行して行っていくことの重要性が強調されております。
 また,この市場支配的事業者の定義や,支配的と判断する基準,市場支配的事業者に対する措置の在り方といった点についても,各国の当局間の違いは残っているものの,競争当局間において基本的な考え方を収斂してきていること,各国の競争当局間の協力関係が進展しているところ,競争当局間の情報共有を認めることが重要であるということ,また,イノベーションを妨げることがないように留意する必要性もあること等の議論がされたと承知しております。
 当委員会としては,今後とも,このような国際会議等の議論等も踏まえて,各国の競争当局とも交流を図り,こうしたことも今後の競争法の運用に反映させていきたいと考えております。

第14回国際カルテル会議について

 (事務総長)本日は2点お話しします。
1点目は連休前に出された東京高裁判決について,2点目はこれも連休前にドイツで行われた国際カルテル会議について,紹介します。
 1点目については,旧防衛庁の調達実施本部が発注した石油製品の入札談合事件について,昭和シェル石油株式会社らによって,審決取消訴訟が提起されたわけですが,平成21年4月24日に東京高裁判決が出されましたので,この判決の概要について紹介します。
 この事件は,平成11年に,当委員会が11社に対して排除勧告を行い,このうちの3社が不応諾で,残りの8社が応諾して審決が出されたわけですが,この3社が審判開始請求を行いましたので,審判手続を経て,平成19年2月24日に違反行為を認定して排除措置を命ずる審決を行っております。原告ら3社から審決取消訴訟が提起され,平成21年4月24日の判決において,原告らの請求をいずれも棄却する判断が行われております。
 なお,これに対して,昭和シェル石油(株)及びコスモ石油(株)の2社からは,上告及び上告受理申立てがなされており,新日本石油(株)からは上訴がなされず,同判決が確定しております。
 この訴訟の大きな論点は3つあると思います。
 1つ目は,発注者の関与により,競争入札の市場の競争性は喪失しているのかどうかということ,2つ目は,本件石油製品の調達手続の流れが旧防衛庁調達実施本部の指示,主導によるものであったのかどうか,それについての実質的証拠があったのかどうかということ,3つ目は,平成11年に排除勧告を行った事件なので,相当前の違反行為を認定していますが,このような事案に対して,排除措置命令を行ったことが適当なのかどうかということで,特に必要があると認めるときに当委員会が措置を命ずるわけですが,その必要があったのかどうかということです。
 この事件の特徴は,防衛庁調達実施本部が,石油製品の発注物件ごとに,業者を指名して,指名競争入札を行ったわけですが,指名競争入札は通常3回実施しているところ,3回入札しても予定価格に達する者がいないときは,その入札を不調にして,3回目の入札までには1社を除き指名業者が辞退するということで,3回目の入札に応札した業者と随意契約を前提とした商議を行っておりますが,この商議と称する価格交渉によっても予定価格に達しない場合には,商議も不調にして新たな予定価格を設定して,指名競争入札を行うという調達手続を採っていたわけです。
 当委員会としては,平成19年に行った審決では,被審人ら及び勧告を応諾した8社も含めて,3回目までの入札及び商議を不調にさせて,新たな入札において,新たな予定価格と同額で入札するという入札談合を実施していたとして,違反行為を認定していたわけで,そのときに,防衛庁調達実施本部の担当官は本件違反行為に関与していたと認める余地はあったとしても,そのことにより,本件調達市場において,競争入札に期待される「競争」がなかったものとはいえないということを審決でも付言しております。この点について,今回の審決取消訴訟の判決では,発注者の関与により,競争入札の市場の競争性が喪失するのかということについて,国が契約を締結する方法として,「競争入札の方法を選んだ以上,これにより競争市場が形成されており,これを阻害する行為を行うことは,もちろん応札する事業者はもとより,発注者である国においても許されない,仮に,発注者である国がそのような行為等を行ったとしても,業者においてこれに応ずる義務はない」のであって,法律によって,保護の対象となるべき一定の取引分野における競争が消滅するものではないというべきであると判断しております。
 2つ目の調達実施本部の指示,主導によって,こうした石油製品の調達手続が行われたものなのかどうかということですが,調達手続の流れについては,判決の中でも,全体として異例な手続といわざるを得ず,また,このような異例な手続の流れに調達実施本部が深く関わっていることも否定し難いとしているわけですが,このような不自然な流れ自体は,少なくとも石油製品の売買の相手方となる原告ら業者がこれに応ずることによって実現され,実効性を持つものであり,原告ら業者においては,前年度並みの受注実績や受注割合を確保し,価格競争による落札価格の下落を防止することができる等の自らのメリットないし便宜のために,長年にわたって行ってきたものであるということで,調達実施本部にも大きなメリットがあったとしても,諸々の事実を総合的に考慮すると,「調達実施本部ないしその担当官において,明示的にはもとより,黙示的にも,これを指示し,主導したことを認めるに由ないものというべきで」あると判示しております。
 3つ目の既に違反行為が無くなっている過去の行為について,あえて排除措置を命じる必要はないとする主張については,違反行為が無くなってから10年以上経っており,市場の状況も著しく変化しており,主文で命じられた措置を自主的に採っていること等を主張していたわけですが,これについても,審決には,当委員会の裁量権に逸脱・濫用があったことにはならないということで,こうした主張すべてを排斥しております。この中では,違反行為が行われた市場の競争の状況であるとか,市場における事業者間の関係,原告らが違反行為を取りやめるに至った経緯,原告らの過去の法律違反の遵守状況,航空タービン燃料の市場の重要性といった,本件審決が認定した種々の事情に鑑みれば,当委員会の判断は,合理性を欠くものとはいえず,裁量権の逸脱・濫用があったものとはいえないと判示しております。
 今回の判決も,連休前に紹介した郵便区分機の判例も同様ですが,こうした発注者が関与した談合事件や,既往の違反行為に対する排除措置命令の必要性について,東京高裁において,かなりはっきりした判断が示されたということだろうと思います。
 当委員会としては,こうした判決を踏まえて,今後とも,独占禁止法等の厳正・適正な運用に努めていきたいと考えております。

 [質疑応答]

 (問)ブックオフという中古本を販売している会社に対して,講談社や小学館といった複数の新刊本を発行している会社が,30パーセント弱の出資をすると発表しましたが,新刊本を発行するところからすると,古書店というのは厄介なものだと思われるところ,場合によっては,値段について,株主として何か指示する可能性もあるかと思います。競争政策上,こういう形態というのは,どのように捉えることになるのでしょうか。
 (事務総長)個別具体的なお話ですが,企業結合事案としての相談等であれば,しかるべく担当において,いろいろと検討させていただくことになると思います。ただ今の御質問は,企業結合として,川上の出版社が,川下の小売業者の株を持ったり,傘下に収めるというケースについて,どのように考えればいいのかということかと思いますが,企業結合規制の考え方でいうと,いわゆる垂直的統合というものであり,こういった問題については,企業結合ガイドラインにおいて,一定の考え方を示しておりますので,そうした考え方に沿って判断していくことになると思います。個別ケースについて,具体的に問題があるとか無いとか,今の段階でお答えするのはいかがなものかと思いますが,ガイドラインの中で考え方を示しております。
 もう一つの御質問として,価格を指示することについて,どう考えるのかという御質問もあったと思いますが,これは,出版物については再販売価格維持行為ができますが,その運用の問題,具体的には,中古図書に対しては,そういうことが仮にあれば,価格指示は認められておりませんので,問題になってくるかもしれません。具体的にそういうものについての制度的なもの,具体的な行為についての相談ということではないと思いますので,いろいろなケースも含めて,検討させていただくことになると思います。
 (問)この場合,川上・川下というよりも,競合する立場にあるともいえると思います。ブックオフは川下であるというよりは,仕入先が一般消費者なので,必ずしも新刊本における川下とはいえないと思いますが,その辺については分けて考えるというか,どのように考えればいいのでしょうか。
 (事務総長)お話のように,新刊本の市場と中古本の市場を分けて考えるべきではないのかということについては,大きな論点になると思います。通常のメーカーが小売業者の株式を取得するというケースとは大分事情が違っており,お話のように,市場がそもそも別々なものであると考えていくべきなのか,一連の市場としてどう捉えていくべきなのかということも,当然,考慮しながら判断していくということになると思います。
 (問)これに類似したケースは今まであったのでしょうか。
 (事務総長)一般のメーカーが小売店との行為の中で,中古品の取扱いについて制限しているような事件は過去にありましたが,ただ今のお話のようなもので具体的なケースは記憶しておりません。

 以上

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