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平成21年6月3日付 事務総長定例会見記録

 [発言事項]

添付資料1
添付資料2
添付資料3
添付資料4

事務総長会見記録(平成21年6月3日(水曜)13時30分~於 官房第1会議室)

 [発言事項]

独占禁止法の改正について

 (事務総長)本日は,独占禁止法改正と平成20年度の独占禁止法の処理状況について,お話しします。
 1点目の独占禁止法の改正については,本日午前中の参議院本会議において,改正法案が可決されました。この法案は,昨年3月に通常国会に提出した改正法案をベースに所要の改正を加えた上で,本年2月に改めて通常国会に提出したものです。衆議院と参議院それぞれにおいて,3日間にわたる審議が行われた末に,本日,本会議で可決成立したものです。
 改正法の内容ですが,課徴金の適用対象の拡大については,排除型私的独占,優越的地位の濫用,不当廉売等の一部の不公正な取引方法について,課徴金の適用対象とすること,カルテル,談合等において主導的役割を果たした事業者に対する課徴金の算定率を5割増しとすること,課徴金納付命令等に係る除斥期間(違反行為終了から命令可能な期間)を3年から5年へ延長すること,課徴金減免制度の適用対象事業者数を3社から5社に拡大すること,不当な取引制限の罪に関する懲役刑の上限を現在の3年以下から5年以下に引き上げること,企業結合規制について,株式所有に関する事後報告制を事前届出制に改めること等が主要な改正内容になります。
 また,審判制度については,附則の中に見直し規定を設け,平成21年度中に検討を加え,全面的な見直しを行うことにしております。国会審議におけるいろいろな指摘や附帯決議等も踏まえて,適正な処理,厳正な執行に努めていきたいと考えております。
 今回の改正は,施行後2年以内の見直しを行うという,平成17年の改正法の附則第13条に基づくものです。内閣官房長官の下に,独占禁止法基本問題懇談会を設けてもらい,平成17年から同19年までの2年間という長期にわたって,議論していただき,そうした報告書も踏まえて,前国会,今国会にわたって,各方面から寄せられたいろいろな指摘も踏まえて,ようやく成立に至ったものです。
 今回の成立については,国会をはじめ各方面にいろいろとお世話になっておりますので,この場をお借りして,厚く御礼を申し上げたいと思います。内閣府の基本問題懇談会の塩野座長をはじめとする各委員にも,厚く御礼を申し上げたいと思います。
 法律の公布までには,通常1週間程度かかりますので,来週の今ごろには官報告示ということになろうかと思います。
 施行日については,主要な事項については1年以内であって政令で定める日とされておりますが,事業者団体の届出制度の廃止等に関しては,公布後1か月で施行ということになります。1年以内の政令で定める日については,今後,検討していきたいと考えておりますが,早ければ,来年1月にも施行できれば,遅くとも来年4月までには施行したいと考えております。
 そのほか,法律の中で,細則や手続については,政令,あるいは公正取引委員会規則で定めるということになっており,こうした制度の中身をはっきりさせるという意味では,こうしたものについても,制定作業を急ぎたいと思います。また,排除型私的独占等については,ガイドラインも作るということとしており,できるだけ早く原案を公表して,パブリックコメントの手続に付し,その上で,成案を確定して,周知していきたいと考えております。

平成20年度における独占禁止法違反事件の処理状況について

 (事務総長)2点目の平成20年度における独占禁止法の処理状況については,私的独占事件,入札談合事件,価格カルテル事件,不公正な取引方法事件といった多様な独占禁止法違反事件について,17件の法的措置を採っております。前年度(平成19年度)と比べると,件数は24件から17件と若干減少しておりますが,前年度は入札談合事件が14件であったものが,平成20年度は2件と減った代わりに,価格カルテル事件が増えているということが特徴かと思います。
 いくつかの事件を振り返ってみると,まず,入札談合事件については,札幌市が発注する下水処理施設に係る電気設備工事の入札談合事件を処理しておりますが,これは,札幌市の職員が入札談合等関与行為を行っていたという事実が認められたことから,札幌市長に対して改善措置要求も行っております。
 価格カルテル事件については,溶融亜鉛めっき鋼板の製造販売業者に対する価格カルテル事件について犯則調査を実施し,3事業者及び個人6名を刑事告発しておりますが,これも特徴的な事件かと思います。
 課徴金納付命令については,平成20年度において,延べ87名の事業者に対して,270億円の課徴金納付命令を行っております。これは,過去最高額になり,また,1事業者当たり79億円の課徴金を命ずるような事案もありました。塩化ビニル管の継手の価格カルテル事件,フォワーダーの事件等において,かなり高額な課徴金が命じられております。
 私的独占としては,競争事業者を排除していたとして,JASRACという音楽の著作権管理事業者による私的独占事件があります。
 中小企業に不当な不利益を与える優越的地位の濫用事件等についても,積極的に取り組んでおり,ヤマダ電機の事件をはじめ,4件の優越的地位の濫用事件について,排除措置命令を行っており,ホテルへの警告事件もありました。
 小売業における不当廉売事案も多く,特に,家電,ガソリン,お酒の申告が多く,小売業における不当廉売だけで9,668件と,前年に比べて倍増するような申告が寄せられており,注意件数も3,654件と多くの事案の処理に努めているというところです。
 配布資料の8ページ以降に載っておりますが,改正法の運用状況として,課徴金減免制度(リーニンシー制度)については,平成20年度は85件の課徴金減免申請件数があり,平成18年1月からの運用開始以降の累計で264件になります。同制度が適用され,違反事件として公表された事件数は累計で30件あり,74事業者について課徴金減免制度を適用したということを公表しております。
 改正独占禁止法については,平成18年1月の運用開始以降,有効に機能しているところですし,平成20年度は,多様な分野において,インパクトのある事件を取り上げることができたのではないかと考えているところです。当委員会としては,本日,独占禁止法の改正法が成立をしたことも踏まえて,新たに課徴金の対象になる排除型私的独占や優越的地位の濫用行為も含めて,独占禁止法違反行為に対して,厳正に対処していきたいと考えております。

正田彬名誉教授の御逝去

 (事務総長)最後に,既に新聞等でも報道されているところですが,一昨日の6月1日に,慶応義塾大学の名誉教授で,当委員会の顧問を務めておられた正田彬先生が御逝去されたことを報告します。正田先生は,戦後の日本の経済法,独占禁止法の分野においては,まさに第一人者として,長く活躍されて,多大な功績がある先生でして,そういう面では,まさに巨星墜つという感じがしております。
 当委員会との関係では,独占禁止懇話会や独占禁止法研究会,その他の数多くの研究会等で,座長や委員として貢献していただいており,平成7年からは,当委員会の顧問として,独禁政策の運営について,いろいろな助言,指導をいただいてきておりました。
 正田先生は,常に消費者の視点や中小企業の視点を大事にされる先生という印象を持っており,現在の消費者問題や中小企業の問題が大きく取り上げられている中で,大変早くから,そういう重要な視点で,いろいろな学説を展開されてきましたので,大きな損失であると感じております。
 また,先生は,若手研究者の育成にも,大変お力を尽くしてこられましたし,当委員会の若手職員を研究会等にお誘いいただき,私自身も,20,30年前から,先生の研究会等に参加させていただき,指導していただいたことを記憶しております。そういう面で,将来の経済法学の発展,あるいは将来の競争政策の人材の育成にも多大な貢献をいただいたということで,この場をお借りして,厚く感謝申し上げたいと思います。
 そういうことで,私どもとしても,大きな損失であり,我が国の経済法学界にとっても,大きな悲しみだと思います。先生のこれまでの御功績に感謝申し上げるとともに,心から御冥福をお祈りしたいと思います。御遺族の皆様方にも,謹んで哀悼の意を表したいと思います。
[質疑応答]

 (問)本日成立した改正独占禁止法について,今後,運用していく中で力を入れていきたいところとしては,どういうところなのでしょうか。
 (事務総長)今回の改正法は,課徴金の適用対象の問題や,不当な取引制限の刑事罰の問題もありますが,我が国の競争法を国際的水準,グローバルスタンダードと比較しても遜色ないものにしていきたいということがあります。その面では,例えば,企業結合規制に関しては,諸外国では株式取得が事前届出になっているものが,我が国では事後報告になっていたことが,BHPビリトンの事件で支障をきたしましたので,そういう面では,1日も早く,国際的水準である事前届出制に改めたいということもあります。
 また,刑事罰の引上げや,カルテル・談合等で主導的役割を果たした事業者に対する課徴金の割増し,除斥期間の延長,排除型私的独占への課徴金の適用等についても,欧州委員会の高額な制裁金といった諸外国で行われている法運用の実態と比べても遜色ないものにしたいということで,今回の法改正により,国際的水準に近付けたのではないか,遜色ないものになったのではないかと感じております。まだいくつか積み残しの部分もあり,審判制度についても,平成21年度中に検討を加えて,再度,国会に提出することになると思いますが,執行に関する部分については,国際的なものが実現できるようになったのではないかと考えております。
 (問)審判制度の見直しに関して,具体的な中身やスケジュール観など,現時点の状況について伺いたいのですが。
 (事務総長)審判制度の見直しについては,国会の法案審議の過程でも,いろいろと質問があり,昨年度から議論があったものです。いくつかの案については,既に何回か議論していただいているものもあると思います。要するに,全面的に審判制度を廃止して訴訟制度に持っていくという案もありますし,いろいろな行為類型に応じた振り分け制というような案もあるのではないか,あるいは選択制といった形で審判制度と訴訟を分けるような制度もあるのではないかといったものなど,いろいろな指摘がありましたので,そういうものを踏まえて,今回の法案の作成過程においては,もう1年かけてしっかり検討した上で,来年の国会等に提出することを考えたわけです。附則の規定もありますし,また,附帯決議でもそういう観点からの指摘もありますので,それを踏まえて,鋭意,作業に取り組んでいきたいと思います。
 (問)附帯決議では,基本的に,審判制度を改正前に戻したり,現状維持することはないということだったと思いますが,その方向は踏襲されることになるのでしょうか。
 (事務総長)附則の規定で全面的に審判制度を見直すということになっており,見直しをしても全く変えないということや,平成17年改正により,事前審査型審判制度から現在の命令ができる制度に変えたことで,一定の効果をもたらしているということは,国会でも十分議論されたところですので,そういう意味で,平成17年以前の姿にそのまま戻したり,現行制度を一切変えないということは,選択肢としてはあり得ないだろうと思っております。そういう面では,当然,附帯決議の内容を踏まえて,審判制度の見直し作業を行っていきたいと考えております。
 (問)独占禁止法違反の事業者数が減っているにもかかわらず,課徴金額が過去最大の270億円になっておりますが,これは,1事業者当たりの課徴金額が大きい事件が続いたということもあるのでしょうが,もう少し突っ込んだ背景としては,どういうことがあったと考えているのでしょうか。
 (事務総長)平成19年度は入札談合事件が14件でしたが,平成20年度は2件になったということで,やはり入札談合事件はどうしても関係事業者数が増えますが,それに比べて,価格カルテル事件は,特に大型事件を取り上げれば,違反事業者数が少ない一方で,課徴金額が比較的高くなる傾向にあるのではないかと考えております。
 そういう面では,今年度の270億円という高額の課徴金になったことや,1事業者当たりの平均の課徴金が3億円を超えるような金額になったことは,大型の価格カルテル事件を取り上げた結果ではないかと考えております。
 (問)リーニエンシーについては,かなり定着してきたと受け止めているのでしょうか。
 (事務総長)具体的に,どの事件にリーニエンシーが適用されたということは申し上げにくいのですが,一般的には,リーニエンシー制度が有効に機能しており,かなり多くの適用事例が出ておりますので,価格カルテル事件についても,リーニエンシー制度が十分活用されていると思います。
 (問)課徴金減免制度を適用したことについて公表している事件数が,前年度から半減しておりますが,これは,申請された事件の処理が効率的にできなかったのか,それとも事業者が望まないケースが増えたのか,あるいはほかの理由があるのかなど,その辺についてはどのように考えているのでしょうか。
 (事務総長)平成20年度の違反事業者数は,平成19年度に比べると,減っておりますが,これは,違反事件当たりの事業者数が減っていることも影響していると思います。また,御指摘のように,事業者が実際に課徴金減免制度を適用した旨の公表を希望しなければ,ここにカウントされないということも,影響していると思います。
 (問)不当廉売の申告・注意の件数がそれぞれ倍増しておりますが,何か要因があるのでしょうか。
 (事務総長)これは,家電,ガソリン,お酒などの件数が多く,3,654件の注意(配布資料6~7頁に記載)を行っており,そのうち家電が2,364件を占めており,家電の注意件数が増えております。また,家電に関する申告が増えたことが,注意件数に影響しているかと思います。
 (問)解釈がいろいろあるかと思いますが,景気の悪化により,小売業が厳しいので,過当な価格競争に晒された結果であるといったような解釈も可能なのでしょうか。
 (事務総長)家電以外の分野についても,もちろん一定の件数があり,そういう面では,厳しい経済情勢を反映している部分で,小売段階における価格競争が激化しているということもあると思いますが,私どもにおいて,家電分野の実態調査を行ったり,優越的地位の濫用事件を取り上げたりしているため,関係業界においてそういう意識を強く持たれて,当委員会への申告件数が増えているということが,処理件数にも影響してきているのではないかと思います。

以上

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