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平成21年12月2日付 事務総長定例会見記録

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成21年12月2日(水曜)13時30分~於 官房第1会議室)

 [発言事項]

公正取引委員会が行った審決の取消訴訟に関する判決の動向等について

 (事務総長) 本日,私からは1点,公正取引委員会が行いました審決の取消訴訟に関する判決の動向等についてお話したいと思います。
 お手元に参考資料を配布させていただいておりますが,今年度に入りまして,合計10件の審決取消訴訟の判決又は決定が相次いで出されてきているわけであります。これまでのところ,すべての判決等において公正取引委員会の審決を維持する,取り消す必要がないという判断になっております。本日は,そのうちいくつかを御紹介したいと思います。
 一つ目は,本年9月25日,ポリプロピレンの販売価格カルテル事件の審決取消訴訟につきまして,東京高等裁判所において,株式会社トクヤマほか3社の請求を棄却する判決が出されました。その後,原告のうち株式会社トクヤマから上告及び上告受理申立てが行われておりまして,現在係属中となっておりますが,それ以外の原告については,当該判決が確定しているわけであります。
 この事件は,平成12年の価格カルテル事件であったわけでありますが,争点となりましたのは,平成12年3月6日の会合において,原告7社の間でポリプロピレンの販売価格の引上げに関する合意があったのかどうかという事実関係,公正取引委員会が行った審決の事実認定が引用している証拠が実験則や経験則に照らしてどうなのか,実質的な証拠があるのかどうかというところが争点だったわけであります。
 東京高等裁判所としては,9月25日の判決において,公正取引委員会の審決の認定は,経験則,それから採証法則,証拠を採用する法則等に反するとは言えず,実質的な証拠があって,本件審決が上記会合において基本合意,これは価格カルテルですから,意思の連絡ということになるわけでありますが,意思の連絡が成立したと認めたことは合理的であるということができ,原告らが主張するような違法はないということで,原告らの請求を棄却したというものであります。
 二つ目は,10月2日に,沖縄県発注の建築工事の入札談合事件に係る審決取消訴 訟で株式会社港町管理ほか2社の請求を棄却する判決が出されました。これは,平成17年の独占禁止法改正後,現行法の適用事件としては,昨年の株式会社賀数建設に対する判決に次いでの2件目ということになります。
 この事件は,平成20年6月2日の公正取引委員会の審決だったわけでありますが,それについて排除措置命令,課徴金納付命令の一部の取消しを求めた裁判であります。争点となりましたのは,課徴金対象なり違反行為を認定した物件のうち,沖縄県立博物館の新館,あるいは美術館新築工事について,原告の港町管理は,談合の調停を拒否したので受注調整の影響は消失しており,自由競争,たたき合いが行われた結果,原告らのジョイントベンチャーが落札した物件であると主張し,競争制限効果が発生しているという公正取引委員会の認定については実質的な証拠を欠き,独占禁止法の解釈を誤っているということで取消しを求めたわけであります。
 東京高等裁判所は,この原告らが受注調整のための会合である研究会に参加をしており,基本合意に基づいて入札参加者間で話合いが行われたわけであるが,最終的に2社が受注を希望したので調整がつかなかったため,2社を受注予定者と選定することとなったということであって,原告らが受注調整に関与したというもののほかはないという判断をしております。
 したがって,先例となっております事件として,こういう課徴金対象となるかどうかの事案として土屋企業判決があるのですが,その先例となる判例,決定に照らしても課徴金の対象となると言うべきであるという判示をしております。
 なお,本件は,株式会社港町管理から上告及び上告受理申立てが行われ,現在,継続中という事案であります。
 3件目も2件目と同じ10月2日に,日本道路公団発注の鋼橋上部工工事の入札談合事件に係る課徴金の納付命令についての審決取消訴訟がありまして,株式会社宮地鐵工所の請求を棄却する判決が東京高等裁判所において出されているというものであります。
 4つ目は,10月22日に,東京都発注の下水道ポンプ設備工事の入札談合事件に係る審決取消訴訟において,新明和工業株式会社が上告及び上告受理申立てを行っていたところ,上告棄却,上告不受理の決定が最高裁において出されまして,東京高等裁判所の判決が確定したというものであります。
 5つ目は,財団法人東京都新都市建設公社が発注する土木工事の入札談合事件,いわゆる多摩談合事件に係る課徴金の納付命令の審決取消訴訟についての判決が行われております。これは,30社に対して課徴金の納付を命ずる審決を行ったところ,そのうち25社が審決取消訴訟を提起したものであります。
 東京高等裁判所においては,この25社の訴えに対して,5つの裁判体で別々に審理がなされているわけでありまして,5件あるうちの2件について判決が出されておりました。1件目が,5月29日に西松建設ほか5社に対する件について,その後,10月23日に株式会社加賀田組ほか3社に対する件について,いずれも原告らの請求を棄却する判決が出されております。
 6つ目でありますが,10月6日に地方公共団体発注のごみ処理施設の建設工事の入札談合事件に係る審決取消訴訟について,JFEエンジニアリング株式会社ほか4社が上告及び上告受理申立てを行っていたわけでありますが,いずれも上告を棄却し,上告不受理の決定が最高裁判所において出されたわけであります。
 これによりまして,原告らの請求を棄却した東京高等裁判所の判決が確定しまして,今回の裁判所の決定は,慎重な審理の結果,公正取引委員会の主張が認められたものであると理解しております。
 この事件は,非常に大がかりな事件でもありましたし,影響も大きく,争点もいろいろあったということもありますので,少し詳しくお話したいと思います。
 まず,いくつか争点があったわけでありますが,そのうち1つは,公正取引委員会が認定した本件の基本合意について実質的証拠があるのかどうかということが争われました。これにつきましては,本件審判手続で提出された供述証拠,本件審決挙示の証拠から,原告らは地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注するストーカ炉の建設工事について,受注機会の均等化を図るため,本件基本合意の下に公正取引委員会が認定した方法で受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにしていたものと認められるということで,実質的な証拠があるという判断をしております。
 本件の審決は,判断構造の特異性という点も争われまして,基本合意,違反行為が基本合意の範囲なのかどうかという問題等なのですが,この中で,原告らは,本件審決は基本合意のみでは不当な取引制限の要件を充足するものではなく,個別合意をもって初めてその要件を満たすという論理構成を採っているということで,縷々主張したわけでありますが,これに対しまして,判決では,本件審決の認定及び認定判断の過程に照らせば,本件審決は基本合意の下に受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにしていたことを違反行為ととらえ,個別の受注調整行為は基本合意が存在し,その基本合意の下に受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにしていた事実を推認することができる間接事実として認定していることが明らかであるという判示をしております。
 また,その本件判決では,基本合意を,個別合意をもって初めて不当な取引制限を充足するとの論理構成の下に個別合意,個別の受注調整行為自体を違反行為の構成要件とするものではない,したがって,個別の合意に関しては,基本合意がその内容のとおり機能し,競争を実質的に制限していたという事実を認定する上で必要な範囲で立証されれば足りるものと言うべきであるという判示をしております。
 このような基本合意の部分が違反行為そのものである,主要事実であるという構成,そしてその個別の受注調整行為はいわば間接事実である,あるいは,競争の実質的制限を判断するための間接事実として,その必要な範囲で認定をすればよいという考え方は,このごみ処理施設の事件だけではなく,最近の東京高等裁判所の判決等での入札談合事件等については,おおむねこの考え方が確立をしていると言っていいと思います。そういう考え方が再度,この最高裁を含めて認められたということだと思っております。
 また,この基本合意が競争を実質的に制限するのかどうか,これも争点だったわけでありますが,これについては,本件対象期間中に指名競争入札の方法により入札が行われたストーカ炉の工事87件のうち,多くの案件について受注調整を行っていたことが認められ,このことに加え,原告5社の営業担当者の中に原告5社又はアウトサイダーを含めた7社の受注状況を指数化して把握していた者があったこと等の間接事実から,少なくとも本件対象期間中に発注されたストーカ炉の半数以上について受注予定者が決定されていたと推認することができるというべきであり,地方公共団体が発注したストーカ炉の工事の少なくとも半数以上の案件について,原告5社が受注調整をしていたということは,原告5社の受注調整の合意が拘束力をもって有効に機能しており,その取引分野における競争を実質的に制限していたものというべきであるという判示をしております。
 さらに,もう一つ,争点と申しましょうか,本件審決に関わる手続上の法令違反があったということも争点でありまして,審査官が最終意見において主張を変更したことについて,それが違法であるという主張もあったわけであります。判決では,これに関しても独占禁止法では審査官の主張の変更については,これを認める明文の規定は存在しないが,事実の同一性を害せず,かつ審判手続全体の経過から見て,被審人に防御の機会を閉ざしていない限り主張の変更が許されるというべきであるということで,審査官の最終意見における審査官の主張の変更は,審判開始決定記載の事実と同一性を失わせるものではないというべきであるという判示をしております。
 本件におきましては,公正取引委員会は,平成18年6月27日に,この審決を行った後,課徴金納付命令を行っており,この納付命令に関しましては審判手続が開始されましたので,この課徴金納付命令は効果を失っているわけでありますが,この納付命令の総額は269億9789万円と過去最高の金額となっているわけでありまして,そういう面でも,いわゆる公正取引委員会が取り上げた談合事件の中でも最大の規模のものであるという特徴が挙げられると思います。
 また,公正取引委員会が把握している限りにおきましても,本件につきましては損害賠償請求訴訟等が全国で計28件提起されておりまして,これまでにない広い規模で被害者,主として地方公共団体が,損害を求償しているということも特徴であろうと思います。それから,今回,この本件判決が最高裁まで上がって確定したことによりまして,本件違反行為による被害者は独占禁止法第25条に基づく損害賠償請求訴訟を提起するということも可能となったわけであります。
 公正取引委員会としましては,今後も,現在係属中の他の審決取消訴訟等につきましても,公正取引委員会が行った事実認定等に誤りがないということを引き続き主張してまいりたいと考えているところであります。
 私からは以上であります。

 [質疑応答]

 (問) 日米のオープンスカイ協定の関連でお伺いしたいのですが,年内にオープンスカイ協定が締結されるという見通しになっており,各航空会社から独占禁止法の適用除外の申請があるかと思いますが,それを受けて,公正取引委員会としてどういったところに目配りしながら対応されていかれるのか,その辺をお伺いできますでしょうか。

 (事務総長) オープンスカイ協定,特に日米間でのオープンスカイというのが年内にも合意されるのではないかということが言われているわけでありまして,そもそもオープンスカイ政策というのは,御案内のとおり2国間で乗り入れできる空港とか航空路線,便数等について,2国間の政府間,航空当局間で決定していたものが,航空事業者自ら事業者の判断で自由に決定ができるようになるわけであります。
 こういう航空自由化の下,締結される事業者間の協定に関しましては,アメリカであっても日本であっても,それぞれ所管の当局に認可を受けるということが必要になってくるということだろうと思います。一定の範囲において独占禁止法の適用除外になっているということでありまして,米国においても,そういう米国の反トラスト法の適用除外が受けられるかどうかということも1つの争点になっているわけでありますが,日本におきましても,現在,国際航空協定につきましては,航空法第111条第2項における要件,すなわち,利用者の利益を不当に害さないこととか,不当に差別的でないことと,あるいは加入,脱退を不当に制限しないこと,協定の目的に照らして必要最小限度であることという要件に照らして,国土交通省が内容を検討されて認可の可否を判断します。公正取引委員会は,国土交通大臣から認可の通知を受けますと,当該協定の内容を確認して,今,申したような4つの要件に合致しているかどうか,もしもその4つの要件に適合するものでなくなったと認める場合には,国土交通大臣に対して協定についての認可の取消しとか変更を求めるという措置請求を行うことができるというのが現在の航空法の規定になっているわけであります。
 いずれにしましても,これからどういう形でオープンスカイ,日米間の合意がなされ,それを踏まえて事業者間で話がなされるところでございますので,それを待ってからということになるわけでありますが,公正取引委員会は以前からも公正かつ自由な競争を促進して利用者の利益を確保するということが重要であろうということで考えておりますので,そういう視点から適切に対処してまいりたいと考えているところであります。

 (問) キリンとサントリーについては,もう審査に入っていますでしょうか。

 (事務総長) これも以前からいろいろ御質問を受けている話でありますが,御案内のとおり,当事会社に対して追加の資料のリストを提示させていただいて,資料の提出を待っている状況でありまして,追加の資料リストが提出されますと,第一次審査に入るということでありますが,現時点においては,すべての資料の提出があって第一次審査に入ったという状況には至っていないという状況であります。

 (問) 冒頭の審決取消訴訟の判決紹介ですが,まだ年度が終わっていない,このタイミングで整理されるというのは毎年のことなのでしょうか。

 (事務総長) 特に定期的にということでもないのですが,昨年も種苗の価格カルテルについての高等裁判所の判決,最高裁の判決の概要について御紹介をさせていただいておりますし,最近でもNTTの事件等について,今年の夏ころに御紹介させていただいたと思いますが,そういう重要な判決等については,こういう考え方が出されたということを御紹介させていただいております。
 今回,この9月以降,先ほど言ったようにまとめて6件ほど高等裁判所,最高裁でいろいろな判決等が出されましたので,それを御紹介させていただき,特に,ごみ処理施設の事件などは非常に大規模な事件でもありましたので,こうした公正取引委員会が取り上げた最大規模の談合事件が最高裁の判決まで出て,確定したということもありましたので,御紹介をさせていただいたわけであります。

 (問) JFEエンジニアリングの事件で,損害賠償の請求が出ているそうですが,その総額は分かりますか。

 (事務総長) それはいろいろな判決が出されていまして,先ほど言いましたように28件ほど訴訟が提起されておりまして,そのうち9件については原告側の勝訴で訴訟が終了しているというわけであります。正確な金額は分かりませんけれども,落札率等から,発注金額の5%から10%ぐらいの範囲のところについて損害賠償の請求を認めるというような判決が出されていたのではないかと記憶しております。

 以上

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