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平成22年5月26日付 事務総長定例会見記録

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成22年5月26日(水曜)13時30分~ 於 官房第1会議室)

 [発言事項]

平成21年度における独占禁止法違反事件の処理状況について

 (事務総長) 私からは,本日,平成21年度における独占禁止法違反事件の処理状況について,公表いたしましたので,その概要について御紹介したいと思います。お手元に資料をお配りしていると思いますが,その資料を参照しながらお話しさせていただきたいと思います。
 平成21年度における独占禁止法違反行為に対する法的措置件数は26件であり,過去5年間では最高の件数となっております。内訳としては,入札談合事件が17件,価格カルテル事件が5件,不公正な取引方法事件が4件であります。
 課徴金でありますが,360億円で過去最高額となっております。この課徴金に関しまして,平成17年の独占禁止法改正によりまして課徴金減免制度が導入されましたが,平成21年度におきましては,事業者から寄せられた減免申請件数は85件であり,平成20年度と同数となっておりまして,平成18年の運用開始以降の累計件数は349件となっています。年度別に見ますと,平成18年度が79件,平成19年度が74件,平成20年度,平成21年度はいずれも85件ということで,毎年度,コンスタントに7,80件の申請が寄せられており,我が国におきまして,課徴金減免制度,リーニエンシー制度が順調に定着しているのではないかと評価しております。この課徴金減免制度の適用につきましては,課徴金納付命令を行った際に,その適用を受けた事業者から公表の申出があった場合に限り,これを公表するという運用をしておりまして,平成21年度に適用が公表された事件数は,21件になっております。
 法的措置の件数は,先ほど申し上げたとおり26件でありまして,その行為類型別の内訳は入札談合事件が17件であり,平成20年度の2件から大幅に増加しております。特に,この中でも,発注機関による入札談合への関与行為が認められた,いわゆる官製談合事件が2件ありまして,国土交通省が発注する車両管理業務と防衛省の航空自衛隊が発注する什器類に関する事件について,関係大臣に対して改善措置要求を行ったところであります。それから,年度が変わりまして,平成22年度に入りますが,先月,法的措置を採りました青森市発注の土木一式工事に関しましても入札談合関与行為等が認められておりまして,これらの事件を通して入札制度における発注者の在り方についても,問題提起をさせていただいたところであります。
 次に,価格カルテル事件が5件となっており,件数的には昨年度よりは減っていますが,課徴金額で見ますと,入札談合事件における課徴金が約47億1000万円,価格カルテル事件における課徴金額が約313億7471万円でありますので,圧倒的に価格カルテル事件の課徴金額が多くなっています。そういう面では,件数は,そう多くはないのですが,違反行為の対象となった市場の規模が極めて大きな事件を摘発したということが言えるのではないかと思います。
 また,平成21年度におきましては,国際カルテルの事案,テレビ用ブラウン管の製造販売業者に対するカルテル事件も摘発しました。この事案は,海外で行われた我が国向けの競争制限行為に関しまして,外国事業者に課徴金納付を命じた初めてのケースであります。
 以上が入札談合,価格カルテルに関しての事件でありますが,他方,現下の厳しい経済状況にありまして,中小事業者に不当な不利益をもたらす不公正な取引方法への対応も入札カルテル事件と同様に重要なものと位置付けておりまして,平成21年度におきましては,ホームセンターによる納入業者に対する優越的地位の濫用事件,あるいは,フランチャイズ・チェーン本部による加盟者に対する優越的地位の濫用事件の2件の排除措置命令を行っております。
 また,法的措置ではありませんが,荷主による物流事業者に対しての優越的地位の濫用事件についても2件の警告を行っており,そのほか,石油製品等による不当廉売等の事案についても7件の警告を行ったところであります。
 この優越的地位の濫用事件に関しましては,昨年11月から中小事業者取引公正化推進プログラムとしまして,優越的地位の濫用行為を専門に効率的かつ効果的に調査する優越的地位濫用事件タスクフォースを審査局に設置したということを,この場でも御紹介したところであります。本日は,お手元の資料の最後に「別添」として「優越的地位濫用事件タスクフォースにおける活動状況」という2枚紙のペーパーにタスクフォースの活動状況を簡単に御紹介させていただいております。タスクフォースでは,昨年11月に発足した後,16件の注意を行っておりまして,平均45日程度で迅速処理をしております。この注意を行う際は,必ず,関係事業者に出向いて,あるいは公正取引委員会に招致して,規制の趣旨,優越的地位の濫用行為の内容等についての説明を行って違反行為の未然防止にも努めているという状況であります。
 また,不当廉売は,先ほど申しましたように,警告事件としては7件ありますが,そのほか,9,000件近い申告が寄せられており,迅速処理ということで,酒類,石油製品,家電製品等に関して,3,225件の注意を行っているという状況であります。
 なお,この中小事業者に対して不当な不利益をもたらす不公正な取引方法に関しては,本年の1月以降施行されました改正独占禁止法によりまして,新たに課徴金の対象になったこともありまして,この考え方を明確化することにより法運用の透明性を確保し,事業者の予見可能性を一層向上させるため,今般,優越的地位の濫用に関するガイドラインを策定することとしております。近日中にも,そのガイドラインの原案を公表させていただきまして,意見公募手続,パプリックコメント手続を開始したいと考えております。
 このほか,その他の事件としては,知的財産権の分野において,CDMAの携帯無線通信に係るライセンス契約の拘束条件付取引,これはクアルコムの事件ですが,こういった事案でありますとか,流通分野において,農業協同組合による農産物の直売所の取引における拘束条件付取引という事案につきましても,法的措置を採っており,このような多様な事件を取り上げて,社会のニーズに応えていくことができたのではないかと考えているところであります。
 この資料とは離れますが,本日は,この独占禁止法違反事件の処理状況とは別に,大規模小売業者と納入業者との取引に関する実態調査報告書がまとまりましたので,本日,午後3時から公表を予定しております。そちらの方でまたお話を聞いていただければと思いますが,この大規模小売業者と納入業者との取引に関する実態調査は,昨年11月に公表しました中小事業者取引公正化推進プログラムの一環として,広く書面調査を行ったものについての結果がまとまったというものであります。
 私からは以上であります。

 [質疑応答]

 (問) 今朝の一部報道で,全農に対して独占禁止法を適用することを検討するという報道がありましたが,この事実関係を教えてください。

 (事務総長) そのような報道がされたわけでありますが,この農業協同組合等の適用除外の見直し問題につきましては,現在,行政刷新会議の規制・制度改革分科会,分科会の会長は大塚内閣府副大臣が務められていらっしゃいますが,分科会において検討されているところであります。現在,こちらの分科会,それから,その下におけるワーキンググループ等で検討が行われているところでありますので,その結論を踏まえて,適切に対処してまいりたいと考えている状況であります。

 (問) 課徴金減免申請の件数ですが,これは事後申請の件数も含まれるのでしょうか。

 (事務総長) そうですね。この件数は事前事後両方含む件数であります。

 (問) 事前と事後の内訳を教えていただけないでしょうか。

 (事務総長) これは,従前から,その内訳を公表しておりません。ただ,30%の減免ということですと,事前の場合には3位以下ということになりますし,事後の場合には原則すべて30%の適用ということになります。また,全額免除になりますと事前の最初に申請した方だけということになります。制度的にはそのようになっておりますが,その内訳等については,従前から公表していない状況ですので,御理解いただければと思います。

 (問) 全日空と日本航空の関連で,全日空からは,公的な資金を受けた会社とそうでない会社とで公平な競争関係になっていないのではないかという指摘やガイドラインを作ってほしいということが出ていると思うのですが,それに対する御見解をお願いします。

 (事務総長) 公的資金の導入に関しましては,我が国の航空ネットワークの重要な部分を担っているという一定の政策目的で公的支援が行われているものだと承知しております。公正取引委員会としては,公的資金の投入それ自体について,コメントすべき立場にはありませんが,その公的資金の投入を受けた事業者であれ,そうでない事業者であれ,公正な競争環境というのは当然必要なわけであり,コスト割れで廉売を行うということがあってはいけないわけです。それによって,例えば,公的資金を受けた事業者が廉売行為を行って,公的資金の投入を受けていない事業者が競争上不利になるということがあったときに,どうするのだということであるとすれば,それは当然,独占禁止法上の規定に基づいて厳正に対処するということになるのだろうと思います。
 これは,不当廉売に関するガイドラインなり,排除型私的独占のガイドラインでも,この不当廉売,コスト割れ販売についての考え方を示しておりまして,効率的な事業者,競争事業者の供給に要する費用がコスト割れ廉売の基準になるわけであります。
 したがいまして,公的資金の投入があってもなくても,いわば,そのチェックは当然できるわけでありまして,公的資金をどこにどう使うかはいろいろな使い方があると思いますので,公的資金が投入されたから直ちに供給に要する費用が安く済むということではないわけです。供給に要する費用としては,効率的な事業者の供給に要する費用というのが基準になるわけでありますので,公正な競争条件は確保できるであろうと考えております。そういう面で,現行のガイドライン等でも,そういう行為があれば,しっかりと対処して厳正に処理することが可能であるということであります。
 それからもう1点,そのガイドラインについて,いろいろな御要望が出ておりますが,これはもっぱらEUの方でガイドラインがあるので,それと同様のガイドラインを作ったらどうかという御指摘かと思います。これも御承知のとおり,EUは,1つの国というよりは,複数の国が集まって1つの条約でもってそのような規制がされているわけでありまして,このEU条約第107条におきまして,社会的性格等を持つもの以外,特定の企業,商品を優遇する国家補助については,競争を歪曲するものだとして禁止をされているわけであります。
 このEU条約第107条で例外的に認められている国家補助を明確にするために,経営不振企業の救済と事業再構築のための国家補助ガイドラインというものが定められているわけでありまして,これはあくまで,当該ガイドラインはEUの各加盟国が自国の事業者を対象に,特定の国がそれぞれ国家補助を行うことに対して,EUが共同体全体の市場の統合を維持するという目的から規制されているものであります。
 そういう面では,各国が国庫補助を行うことについてのガイドラインがあるということと,我が国ではそのような連邦国家でもありませんし,特定の国が補助金を行うことについてのガイドラインというのは,政策目的として考えてもよろしいのかもしれませんが,競争政策なり,公正取引委員会が行う独占禁止法の規制として,その国家補助についてのガイドラインを作るということはいかがかという感じもしておりますので,単純に,EUにあるから日本もあるべきであるということにはならないと思います。
 したがいまして,ガイドラインということであれば,現在ある不当廉売,あるいは排除型私的独占のガイドラインをしかるべく適用することによって対処可能であろうと考えているところであります。

 (問) 法的措置が平成21年度26件と過去5年間で最高ということですが,過去最高とは言えないのかということと,1事業者当たりの課徴金額が過去最高の3億4033万円と大きくなったのは,やはり市場規模の大きいカルテルなどを摘発したからと考えていいのかどうか。それをお願いします。

 (事務総長) 今回の26件という法的措置件数が過去最高かどうかということにつきましては,法的措置件数でいいますと昭和48年に66件という件数があります。これは,昭和の40年代から50年前半にかけまして,狂乱物価があったような時代に,40件から50件,60件というような件数,ほとんど価格カルテル事件なのですが,ヤミカルテルが非常に横行したときにそういう件数を処理しております。ただし,当時は,課徴金も導入されていない時代でありまして,行政処分としての排除勧告,それに基づく審決という形での処分しかなかった当時ではありますが,そのような件数で処分した例があるということであります。
 それから2つ目ですが,1事業者当たりの課徴金額が3億4000万円で非常に多くなっていることについてでありますが,これは御指摘のとおり,価格カルテル事件として大型事案を摘発した結果ということが中心だろうと思います。入札談合事件ですと,数多くの事業者がかかわっているケースが多いものですので,それに比べると価格カルテル事件の場合には,数社によるカルテル事件というようなことが多いものですから,100億円といった単位の事件を取り上げれば,1社当たり何十億円になるケースも出てくるわけであります。
 それから,この360億円の課徴金額ですが,これは,課徴金の納付を命ずる審決も含まれておりまして,例えば平成12,3年ころの事件が審判を数年経て,審決により課徴金として納付を命じられるというものもございまして,そういった案件もこの中には100億円以上入っている事案もあります。
 そういう面では,公正取引委員会が法的措置として,現行法,平成17年改正法に基づいて行ったもの以外に,旧法の時代の案件も含まれていると御理解いただいた方がいいかと思います。その辺りは,別添の資料に内訳が記載されておりますので,御覧いただければ分かると思います。

 (問) 今回,入札談合が17件ということですが,その背景などについてはどうお考えでしょうか。

 (事務総長) 入札談合事件につきましては,昨年度が2件で非常に少なかったのですが,それ以前は十数件という件数がしばらくありました。今年度は,国土交通省が発注する車両管理業務,電力会社が発注する電力用電線,防衛省が発注する什器類ですが,実は,いろいろな分野で事件が分かれていくケースがございます。例えば,電力会社が発注する電力用電線もそうですが,地区ごとに取引分野,それから発注する電力会社ごとに市場を特定しますので,そうなると17件という件数の中でも地域ごとに,それぞれ命令を出すことがあり,事件が分かれていくこともあるということであります。
 ただ,一般的に十数件という件数が多い少ないという問題とは別に,まだまだ入札談合なり,官製談合も含めて,そういう体質が残っているということを表していると思います。この平成22年度に入っても,そのような処分なり,各地区の談合事件なども取り上げて処理を行っているところでありまして,昨年度2件になったから入札談合事件がほとんどなくなっているという状況ではないと思います。

 (問) 企業結合審査について,先週もお伺いしたのですが,産業界の方々とお話すると,今の事前相談制度を残してほしいという人と事前相談制度はない方がいいのではないかという人,いろいろな人がいるみたいですが,公正取引委員会として,この事前相談制度の存続について,どう考えていらっしゃるのかということをお聞きかせください。

 (事務総長) 前回のこの会見の場でも御質問があってお答えさせていただきましたが,あくまで事前相談制度というのは,産業界のニーズというか,企業の方が任意で選んでいただくものです。産業界の総意なりとして事前相談制度はやめて,すべて事件処理でやってほしいという御要望であれば,事前相談制度を廃止するのはやぶさかではありませんが,今の御質問におきましても,そうではない方もいらっしゃるということのようでありますし,我々としてもそういうニーズがあったことからこれまで運用してきているということでありますので,必ずしも,産業界の総意として事前相談制度をやめてほしいということではないのであろうと思います。
 事前相談制度がない方がいいという御主張は御主張として,ただ,企業として事前相談制度を利用するかどうかは,あくまでその企業の御判断なわけであり,公正取引委員会の法的処分を受けて,それに不満があれば争いたいのだという御要望があれば,その方は特に事前相談をしていただかなくてもよい。公正取引委員会の判断にかかわらず,それを実行しようとすれば,私どもは法的処分として排除措置命令,あるいは緊急停止命令という措置を講ずるかどうかという判断を迫られて,もちろん御不満があれば,審判や裁判の場で争うこともできるわけですから,そのような手続に入っていただければいいわけですので,事前相談制度があることがけしからん,透明性に欠けるのではないかという御指摘は御指摘としてあると思いますが,事前相談制度を活用したいという方がいらっしゃるのに,それもけしからんということは,ちょっといかがかなという感じもいたします。

 (問) 仮に事前相談制度がなくなった場合,審査が緩くなるとか,そういったことはあるのでしょうか。

 (事務総長) これは,最終的にはあくまでも公正取引委員会がその事実関係に基づいて判断をしていくわけでありますので,事件審査としての判断であれ,事前相談における判断であれ,結論が変わってしまうことはなく,基本的には,企業結合ガイドラインに書いている考え方に沿った形で判断をしていくということになります。ただ,事件審査になって正式な処分を行うとなれば,その証拠をさらにいろいろな方面で集めていくという若干手間暇がかかるということはあるかもしれませんが,それによって判断が緩くなるとか,厳しくなるとか,そういうことになるということではありません。

 以上

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