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平成22年6月30日付 事務総長定例会見記録

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成22年4月21日(水曜)13時30分~於 官房第1会議室)

 [発言事項]

企業における独占禁止法に関するコンプライアンスの取組状況について

 (事務総長) 独占禁止法のコンプライアンスの向上につきましては,独占禁止法の厳正な執行と車の両輪を成すものであり,公正取引委員会としましても極めて重要な施策であると認識をしておりまして,これまでにも東証一部上場企業や外資系企業等に対しましてアンケート調査を実施して,報告書の公表を行ってきました。
 直近では平成21年3月に「企業におけるコンプライアンス体制の整備状況に関する調査-独占禁止法改正法施行(平成18年1月)以降の状況」という報告書を公表しておりまして,その報告書におきましては,「東証一部上場企業における独占禁止法コンプライアンス体制の整備は全体として大きく進んでいるものと考えられるところ,今後は,当該体制が効果的に運営されることや体制をより具体的で実態に即したものに整えて行くことが課題である」という指摘がされています。
 今般,企業における独占禁止法コンプライアンスの実効性を高めるための具体的な方策について,独占禁止法コンプライアンスに積極的に取り組んでいる企業,あるいは企業法務を専門とする弁護士等からヒアリング調査を行うとともに,東証一部上場企業に対するアンケート調査も実施しまして,企業のコンプライアンスの取組状況の実態とその実効性を高めるための方策を報告書として取りまとめて公表するものであります。
 今回の調査では,独占禁止法コンプライアンスの取組状況等を,「独占禁止法違反の未然防止のための取組」と,2つ目に「独占禁止法違反の早期発見のための取組」,それから,3つ目に「独占禁止法違反情報に接した場合の対応」の3つの観点に分けて調査を行いました。これが,お手元の資料で中段の「調査結果の概要」という部分に書いてあります。
 この3つの観点の調査結果を踏まえまして,コンプライアンスの実効性を高めるための方策を取りまとめて,これが,一番下の段に書いてあります「実効性を高めるための主な方策」として,1から6までの6点,まとめさせていただいております。こうした方策等に関連する部分を中心に御説明していきたいと思います。
 まず,法務・コンプライアンス担当部署の整備,取組の問題でありますが,アンケート調査の回答によりますと,東証一部上場企業のほとんどすべて,98.4%の企業が法務・コンプライアンス担当部署を設置しており,このうち,3割を超える35.7%の企業が独占禁止法の担当者を指定しているという回答になっております。一方,法務・コンプライアンス担当部署の営業部署等の業務活動への関与の問題につきましては,随時相談を受け付けると回答した企業が大半,89%を占めておりまして,どちらかといえば受け身的な対応が中心になっているというわけであります。
 このように,法務・コンプライアンス担当部署の整備は相当進んでいるとみられますが,実効性を高めるためには,独占禁止法に関する知識及び情報の集積を図る必要があるとして,独占禁止法の担当者を指定する,それから独占禁止法のコンプライアンスの業務を集中的,専門的に取り扱わせることが有効であるという指摘をしております。
 また,取組の面では,相談対応のような受け身的な対応だけではなく,営業部署等との定期的な情報交換を行うといった経常的,コンプライアンス担当部署からの能動的な関与といったことが有効ではないかという指摘をしております。
 次に,経営トップのコンプライアンスの呼びかけなり,その重視でありますが,ほとんどの企業の経営トップが独占禁止法遵守に関してのメッセージの発信はしていますが,ただ,その多くは,社内報やイントラネットによる掲示といった文字情報による周知であり,研修の場等において,経営トップが直接社員に伝える取組をしているという回答した企業は,1割程度ということであります。経営トップが自ら繰り返しコンプライアンス重視の姿勢を示すことの意義は非常に大きいと,かねてから指摘されていますが,実効性を高めるためには,コンプライアンスマニュアルや社内報といった文字によるメッセージだけではなく,経営トップが自ら社員に研修等の場で直接コンプライアンスを重視する姿勢を繰り返し明確に伝えるという取組を行っていくことが重要ではないかという指摘をしております。
 3番目の経営陣に対する研修の充実に関連する部分でありますが,独占禁止法のマニュアルや研修に関しましては,アンケートでは7割の企業が独占禁止法遵守マニュアルを作成しており,それから研修に関しても継続的に実施していますが,役職別の研修頻度についてアンケート調査を行ったところ,従業員クラスや現場の管理職クラスの場合には1年に1回程度の研修の機会が確保されていますが,経営トップや役員といった経営陣に対する研修は,過去3年間で1回程度しか行われていないことが分かりました。今回の調査結果から,経営陣は,コンプライアンス体制の取組や内部統制,さらには独占禁止法に関連する問題としては,課徴金減免申請においての意思決定というような重要な役割を担っているわけでありますので,経営陣に対する研修の充実を図ることが重要であるという指摘をしております。
 4点目のグループ会社に対する独占禁止法コンプライアンスの関与の問題でありますが,アンケートによりますと,関与していないと回答した企業の割合が,国内のグループ会社の場合には,約1割,9.3%に過ぎなかったのですが,海外グループ会社に関しましては,29.3%の企業が関与していないという回答をしておりまして,海外のグループ会社には,コンプライアンスの関与,取組が手薄ではないかという結果でありました。当然のことながら,海外においても,それぞれ競争法の適用がありまして,海外グループ会社に対しても独占禁止法のコンプライアンスの関与を強めていくことは必要であります。また,平成21年の独占禁止法改正によりまして,課徴金減免申請の共同申請が認められたこともありまして,国内外を問わず,グループ会社間で情報共有して,連携を図っていくことが望まれるという指摘をしております。
 5点目でありますが,同業他社との接触状況の把握やルールの策定の問題でありますが,申し上げるまでもなく,同業他社との接触や業界団体の会合へ出席するといったことは独占禁止法違反行為につながってしまうリスクを伴うこともあります。特に,営業担当者による同業他社との接触は,そのリスクが高いわけでありますが,これについて具体的なルールを定めている企業は,3割に満たない,27.2%という結果になりました。しかも,ルールを定めていると回答した企業においても,その遵守状況のチェックは,所属部署の上司が行っているという回答が7割でありました。こうした状況を踏まえますと,まずは具体的に同業他社との接触ルールについて定め,それからそれを社員に周知することが必要であります。さらに,その接触ルールの遵守状況について,客観的,統一的なチェックが可能となるように接触する社員の所属部署の上司だけではなく,法務・コンプライアンスの部署においても,その接触状況のチェックを自主的に担当させるといったようなことも必要ではないかという指摘をしております。
 それから,6点目の違反情報に接した場合の対応についてでありますが,この社内調査を実施するか否かについて,経営トップが意思決定をしているかどうかという問題について申しますと,法務・コンプライアンスの担当部署が社内調査実施の意思決定を行っている企業が約半数,経営トップと回答した企業は,約4割程度,37%ということでありました。
 また,自主申告と社内処分の軽減についてですが,これに関しましても,社内調査を迅速かつ実効的に実施するためには関係する社員等の協力が不可欠なわけでありますが,そこで,いわゆる社内リーニエンシーとして,違反行為に関与した社員が自主申告してくるということについては,約9割の企業が社内処分をする場合に,軽減することを考慮する要素としているという回答はしているのですが,その旨を周知していると回答した企業は2割程度,21%ということであります。
 独占禁止法違反情報に接した場合には,当然早期に経営トップに報告を行うとともに,実効的な社内調査が実施できるように,その社内調査の実施については経営トップが意思決定に関与をする。さらに自主申告した社員に対しましても,社内処分の軽減制度の導入や,それを周知することが望まれるものであります。特にカルテルや談合のように課徴金減免制度の対象となるような違反行為につきましては,減免申請に向けた社内調査を迅速かつ実効的に行うことが非常に重要でありますので,独占禁止法違反情報に接した場合には,早期に経営トップに報告が上がり,経営トップの意思決定の下で,社内処分の軽減制度の活用も図って実効的な社内調査を実施することが望まれるということを指摘しております。
 なお,この概要ペーパーには書いておりませんが,自社で独占禁止法違反行為が発見された場合,課徴金減免制度を利用したいかどうかということについて回答した企業の割合ですが,今回の調査では49.8%で,約半数に達しておりまして,平成18年の調査では23.2%,それから,前回の調査では43.2%ということでありまして,徐々にではありますが増加をしております。
 それから,法務・コンプライアンスの担当者に,自分の会社が関与する可能性がある独占禁止法違反行為について,どのような行為があり得るのかということについては,優越的地位の濫用が一番多いのではないかという回答が73.7%と,最も多い回答となっています。公正取引委員会におきましては,先週,優越的地位の濫用行為に関する独占禁止法上の考え方の原案を公表させていただいて,パブリックコメントの手続に付していますが,こうしたガイドラインが企業における優越的地位の濫用に関するコンプライアンスに最大限生かされるということが期待されるところであります。
 今回の報告書で指摘させていただいた実効性を高めるための主要な方策につきましては,いずれの点も,つまるところ,経営トップの意思決定や関与が極めて重要であるということに尽きるわけでありまして,経営トップ自らの,率先した取組が望まれるものであります。
 公正取引委員会といたしましては,今後とも,独占禁止法の厳正な執行とともに,必要に応じて今回のような実態調査も行って,企業における独占禁止法のコンプライアンスの向上を支援していきたいと考えているところであります。
 私からは以上であります。

 [質疑応答]

 (問) このアンケートですが,アンケートを通して,企業の中でコンプライアンスに対する意識が浸透してきていると判断しているのか,それとも,まだ不十分なのか,アンケートの結果に対する公正取引委員会の評価が欠落していると思うのですが,その辺りはどうでしょうか。

 (事務総長) これは,毎年のように,このような調査を行うことによって,調査結果の公表等も通じて,コンプライアンスに対する意識は徐々に浸透はしてきていると思います。それから,先ほど申しましたように,コンプライアンスなり,内部統制ということについては,各社,取組を強められているということは一般的に言える傾向だと思いますので,徐々に浸透しつつある,進展しつつある,それから,企業によって濃淡はあるかと思いますが,問題意識はお持ちになっていると思います。
 ただ,その問題意識を持たれて,どのような取組をしているかというときに,実効性ある取組にまでつながっているのか,一般的な企業としてやるべきことをまずやっておこうということで,マニュアルを作るなり,体制整備なり,または担当の部署を作るということまではしているが,それがどう機能しているかということまでは十分配慮が行き届いているかどうかという点を含めて,実効性を高めるという面においては,まだまだ十分ではない部分もあると思います。
 そういう面で経営トップの関与が極めて重要であるということは,繰り返し,従前からも申し上げております。今回も,この実効性を高めるための主な方策としては,経営トップの関与が極めて重要であるということを申し上げるとともに,具体的な問題としては,違反情報に接した場合の対応や,あるいは違反行為があるかどうかの早期発見のために,例えば同業他社との接触状況の把握などについても,まだまだ不十分な部分というのは見受けられます。同業他社と接触しても,そのルールが決まっているのは27%ということであれば,そういったことがカルテルに結び付くリスクについての問題意識がまだまだ希薄であるのではないかと考えております。

 以上

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