[配布資料]
配布資料(Promoting Compliance with Competition Law in Japan(浜田委員プレゼンテーション資料))(PDF:646KB)
[発言事項]
事務総長会見記録(平成23年7月6日(水曜)13時30分~ 於 官房第1会議室)
[発言事項]
OECDの競争委員会の6月会合について
(事務総長)
本日,私からは,OECDの競争委員会の6月会合についてお話ししたいと思います。
OECD競争委員会6月会合は,先週の6月27日から30日までの日程で,パリで開催されまして,公正取引委員会からは後藤委員と浜田委員の二人の委員ほかが出席いたしました。
OECD競争委員会においては,OECD加盟国の競争当局を中心に競争法や競争政策に関する各国共通の課題について議論しておりまして,毎年2月,6月,10月の年3回,本会合や作業部会が開催されております。
今回の会合では,本会合において「競争法のコンプライアンスに関するラウンドテーブル」が行われまして,事業者が違反行為を繰り返す要因,より良いコンプライアンスの取組に対する競争当局の役割,企業における競争法コンプライアンスプログラムなどについての議論が行われました。我が国からは,浜田委員がスピーカーとしてプレゼンテーションを行いまして,お手元の資料に基づいて説明しております。
まず,違反の未然防止を図るために課徴金の引上げ等の法改正が行われてきておりまして,2010年は,日本円で約720億円の課徴金が課せられたことや,コンプライアンスプログラムに関しましては,公正取引委員会としても2006年から毎年,これまで5回,コンプライアンスの実態調査を行っている状況,また,企業規模の大小によって,コンプライアンスの担当部署や担当者の設置の状況,コンプライアンスのマニュアルなどの策定状況が異なっているといった日本の状況を報告しております。
そしてコンプライアンスの実効を高める方策としてはどういうものがあるかということで,やはり一番大事なのは,経営トップの意思と関与が大事であること,同業他社との接触ルールの策定やチェックをすることが大切であることなどを指摘した公正取引委員会のこれまでのコンプライアンスの状況に関する報告書のポイントについて報告するとともに,コンプライアンス自体ではありませんが,一般的な独占禁止法の周知として,中学,高校,大学生向けに独占禁止法教室というものを開催しており,開催回数が2007年から2010年にかけて大幅に増えているといった状況や,独占禁止法を説明する動画の漫画の「どっきん」という私どものキャラクターを,ユーモアを交えて紹介して,ラウンドテーブルに出席した方からも大変好評だったと聞いております。
公正取引委員会としては,今後もOECDのような場において我が国の状況を紹介するとともに議論に積極的に参加していきたいと考えているところです。
[質疑応答]
(問) 先日,第2次審査に入った新日鐵と住友金属の件ですが,書類の提出があってから90日というカウントダウンがあると思うのですが,今のところ,そのやりとりはどのようになっているのでしょうか。書類の提出があったのでしょうか。
(事務総長) 本件につきましては,公正取引委員会が第2次審査を開始したということで,6月30日に当事会社に対して報告等を求めたところです。そして,今後,当事会社において報告等の準備をされるということだと思います。
会社から私どもが要請した報告等がすべて出てきたときから90日間という期限で公正取引委員会が判断をしていくことになりますが,まだ今,そのような状況ですので,今後,当事会社で報告等の要請に対する準備が進められるという段階だと思います。
(問) 公正取引委員会からの要請の具体的な内容までは教えていただけないと思うのですが,それは質問のような形で何十項目も出されているものでしょうか,それともデータを,例えば10項目以内ぐらいで要請しているものなのでしょうか。また,どのくらいの日程で報告が出てくるかの目途はお持ちなのでしょうか。
(事務総長) 報告を求めた内容等については,審査の内容に関わるものなので具体的なことは申し上げられないのですが,一般的に報告等というのは,報告や情報,資料の提出を求めるということですので,実態把握をするために事実関係についての報告等を求める内容になっています。
以上