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平成24年3月14日付 事務総長定例会見記録

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成24年3月14日(水曜)13時30分~於 官房第1会議室)

競争政策研究センター第9回国際シンポジウムについて

 (事務総長)
 本日,私からは,公正取引委員会の競争政策研究センター(CPRC)が先週3月9日の金曜日に「カルテル・談合の経済分析と独占禁止法」というテーマで,日本経済新聞社との共催により,渋谷の国連大学において第9回の国際シンポジウムを開催いたしましたので,このことについてお話ししたいと思います。
 シンポジウムでは,経済学者であるアメリカのロバート・ポーター・ノースウエスタン大学教授,カイ‐ウーヴェ・キューン欧州委員会競争総局チーフエコノミスト,この方はミシガン大学教授でもありますが,また,CPRCの主任研究官であります大橋弘・東京大学准教授の講演が行われまして,その後,小田切・公正取引委員会委員をモデレーターといたしまして,この3名の経済学者の方と,コメンテーターとして宮川裕光ジョーンズ・デイ法律事務所弁護士を交えましてパネルディスカッションが行われました。
 講演のポイントは,まず,ロバート・ポーター教授は,談合の発見には,談合がある場合とない場合の事業者の行動の違いに注目することが有効であること,摘発された談合事件のケーススタディを行って,そこで得られた知見を蓄積していくことが重要となるということを指摘されました。例えば,学校牛乳の入札の談合事件,これはアメリカで起こった事件ですが,牛乳は運送費用が高いので,工場から学校までの距離が離れればコストが増加する傾向にあるわけですが,この事件では,談合していた3社は距離とは無関係な入札価格を設定していたといった,いろいろなケースに応じた個別の事後検証の報告が行われました。
 次に,欧州委員会のカイ‐ウーヴェ・キューン氏からは,カルテルの発見に関する経済分析の例として,価格の動きを観測する方法があるわけですが,経済環境の変化により生じ得る価格の変化を適切に考慮した分析をしなければ,逆に誤った結論を導くということになるので注意が必要だといった指摘が行われました。
 引き続いて行われましたパネルディスカッションでは,リニエンシー制度はカルテル規制に効果的である,ただ,全てのカルテルや談合が摘発されているとは考えられないため,経済分析を使用してカルテルの起きやすい産業の特性を把握して監視していくことが有効であるとか,カルテル・談合の違反行為の立証において,文書などの証拠が少ない場合に,状況証拠の1つとして経済分析を活用していくことは十分考えられる,また,経済分析が取り入れられていくためには,競争当局の体制や法曹界の理解を得ることが重要だといった指摘が行われました。
 当日は,約180人という大勢の方々に御参加いただきまして,また,シンポジウムの後に行ったアンケートに御協力いただいた方からは,「経済学の観点から競争政策を考えるいい機会となった。」といった評価もいただいたところです。
 今後とも,競争政策研究センターが競争政策に関する国際的な交流拠点としての機能を果たしていくために,こうした国際シンポジウムを開催していきたいと考えております。
 私からは以上です。

 [質疑応答]

 (問) 今回の国際シンポジウムの関係の感想と,実際に経済分析はどこまで使えるのかを教えていただければと思います。

 (事務総長) 感想としては,経済分析というのは,従来,どちらかというと,企業結合の分野については非常に活用の余地がある,もしくは,積極的に経済分析を進めた検討を行わなければいけないという指摘が行われてきたところです。他方,カルテルについては,経済分析といったものが必要かどうか,また,貢献する余地があるのかといったことを私も感じていたのですが,今回のシンポジウムに出席しまして,例えば,談合やカルテルの発見という段階でいいますと,あらかじめ業界の構造や業界の行動というものを事前にチェックして,カルテルが起きやすい産業をスクリーニングしていくという点で役割が見出せるというような指摘がありました。また,カルテルの調査に着手してから違反行為を立証していくわけですが,違反行為がだんだんと高度化して,状況証拠が少ないといった中で,カルテルを行っていた疑いのある会社がどのような価格行動を採っていたかといった経済的な分析を使用して状況証拠の1つとして活用していくという道もあると思いました。
 他方,シンポジウムでも,競争当局の体制や法曹界の理解を得ることが重要だという指摘がありましたが,競争当局の体制としても,エコノミストが十分ではないのではないかという指摘もありますし,また,法曹界でいえば,最終的には裁判所での判断に各国ともなっていくものですから,裁判所と裁判官の方に経済学の知見や考え方というものをどうやって分かっていただくか,どのようにして分かりやすく伝えていくかということが一つの課題だという指摘がありました。公正取引委員会も,最近は任期付き採用ということで,いわゆるエコノミストの方の採用を増やしてきているところですが,今後ともこういったことを踏まえて,公正取引委員会の体制としてもエコノミストの活用を課題としていきたいと思いました。
 経済分析が実際にどこまで使えるかということについては,これはデータがどのぐらいあるかということによって左右される面も結構多いところがありまして,特に談合の発見という意味でいうと,例えば,公表されたデータだけでしようとすると,データに限りがあるとか,カルテルをもし今行っているとしたら,その直近のデータがあるのかといったデータ上の制約はあると思いますが,そのような中で,できるだけいろいろなデータを活用して分析を進めていったらいいのだろうとは思います。

 (問) データとは,例えばどのようなデータでしょうか。

 (事務総長) データといたしましては,価格の動向や数量の動向,業界や各社の価格の引上げ状況,例えば各社が価格を引き上げた状況と,その背景には,先ほど申しましたように原材料の価格の推移といった経済環境の変化で価格は推移するわけですが,そういった原材料の価格の推移と製品の価格の推移を比べた場合にどのような形になっているか,生産数量がどのような形で推移しているかなどを見ることになると思います。

 (問) 現状の公正取引委員会における活用状況や陣容を教えてください。例えば,欧州ですとエコノミストが常駐していたりすると思うのですが,そのような状況について教えてください。

 (事務総長) 現状ということですと,先ほどアメリカのロバート・ポーター教授の学校牛乳の談合事件について御紹介しましたが,これはかなり以前に談合があった事件を事後的に検証したものですが,そのような意味では日本に限らず,この事件ではこういったものを使いましたということは,個別には申し上げられないと思いますが,一般的には,日本も欧米も,まだまだ,カルテルの事件について,経済分析や経済的な証拠を活用したと御紹介できるほどのものはおそらくないと思います。
 ただ,先ほど申し上げましたとおり,ますますカルテルや談合は,一方ではリニエンシー制度ができて,摘発されやすいものになってきていますが,他方で,リニエンシー制度が活用されずに,カルテルが行われているのではないかという指摘もありまして,そのような場合に,証拠が残っていないというカルテル事件が非常に高度化していく中で,やはり今後は経済分析や経済的なデータの活用というものも含めてカルテル事件について取り組んでいかなければならないだろうと思います。
 現在の公正取引委員会の体制としては,エコノミストが3名います。

 (問) 公正取引委員会の体制で,エコノミストの方が3名いらっしゃるということですが,その方は,専門の経済的観点からみてカルテルが起きているようだというような分析を常日頃から行っている部署があって,例えば審査局にこういった情報があるということを分析して,結果を伝えているということを行っているのでしょうか。

 (事務総長) 従来から,これは日本だけではありませんが,経済分析やエコノミストの活用は,どちらかというとカルテル・談合事件よりは,企業結合,合併関係の経済分析に活用する面が多いのではないかといわれることもあって,現状,この3名は公正取引委員会の組織でいえば経済取引局に配属しております。事件審査ということではなくて,一般的な業界の調査も含めて,企業結合の担当でもある部局ですが,そのような部署で活動していただいているところです。

 (問) 今後,例えば審査局にエコノミストの方を,特にカルテルなどをターゲットにして専属で配属するという考えはあるのでしょうか。

 (事務総長) 現状では,今,そのような体制にはしておりませんが,カルテルや談合に限らず,違反事件がだんだんと複雑化,高度化して,他方で証拠がなかなか残っていないという中で,より一層,経済分析や経済的な証拠というものを活用できないかということで,今後の課題としてはあると思っております。

 以上

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