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平成29年6月28日付 事務総長定例会見記録

[配布資料]

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成29年6月28日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

液化天然ガスの取引実態に関する調査について

 本日は,この後,午後3時から,担当の取引調査室長から公表する予定の「液化天然ガスの取引実態に関する調査報告書」につきまして,私の定例会見でも一言触れさせていただきたいと思います。
 今般,液化天然ガス,いわゆるLNGの取引実態調査を実施しましたのは,このお手元の資料の新聞発表文の1枚目ですが,ここにありますように,近年,アメリカのシェール革命,あるいは日本の電力,ガスの自由化等によりますLNG需給の大きな環境の変化や,電力会社やガス会社といった国内の需要者の間に,国内外の供給者の仕向地制限等によりまして,LNGの再販売が妨げられるといった懸念があると伝えられていること等を踏まえたもので,昨年の7月から調査を開始いたしました。
 概略図に沿って,調査結果の骨子を御紹介させていただきます。
 一番上にありますように,LNG取引におきましては,一般に,物品の引渡地点といたしまして,輸入国の仕向港で物品を引き渡すDES条件と,輸出国の船積港で物品を引き渡すFOB条件の2種類があります。
 このような取引条件の下,LNG取引におきましては,一般に,LNG船の目的地である仕向港として,一定の範囲の受入基地を指定する「仕向地条項」が定められております。
 さらに,一定の条件を定めた上でLNG船の輸送先となる受入基地を個別取引ごとに変更する「仕向地変更」を可能とする契約も少なくありません。
 加えて,買主がLNGを再販売した場合に,利益の一部を売主に分配することを義務付ける「利益分配条項」を定めている契約もあります。
 このような状況の下で,今回の調査におきましては,独占禁止法上,問題となるおそれのある場合として,次の三点を取り上げました。
 まず第一に,今申しました仕向地制限であります。
 FOB条件の場合は,輸送責任や所有権は船積港で既に移転しておりますので,仕向地条項は必要なものではなく,仕向地条項を規定すること自体が独占禁止法上問題となるおそれがあります。これに加えまして,個別の仕向地変更を制限することは,独占禁止法上問題となるおそれが強いと考えております。
 一方,DES条件の場合は,輸送責任や所有権は仕向港まで移転しないため,仕向地条項は必要なものであり,仕向地条項を規定すること自体が,直ちに独占禁止法上問題となるものではありませんが,合理的な理由なく個別の仕向地変更を拒否することは独占禁止法上問題となるおそれがあるほか,個別の仕向地変更に競争制限的な条件を付すことは独占禁止法上問題となるおそれが強いと考えております。
 次に,利益分配条項であります。
 FOB条件の場合,利益分配条項を規定すること自体が独占禁止法上問題となるおそれが強いと考えております。
 一方,DES条件の場合は,利益分配条項を規定すること自体が直ちに独占禁止法上問題となるわけではありません。ただし,合理性が認められない分配をもたらす場合や,買主の利益構造やコスト構造の開示を要求することにより再販売を妨げる効果を有する場合は,独占禁止法上問題となるおそれがあると考えております。
 第三番目に,テイクオアペイ条項があります。これは,買主の現実の引取数量が不足する場合,買主が当該不足分の代金全額を支払う義務を負う旨を定める条項であります。巨額の初期投資を必要とするLNGプロジェクトにおきましては,あるいはLNGプロジェクトファイナンスにおきましては,需要者による安定的な代金全額の支払保証が最終的な投資決定の重要な要素となるため,テイクオアペイ条項を規定すること自体が,直ちに独占禁止法上問題となるとは考えておりません。
 ただし,売主の取引上の地位が買主に対して優越している場合に,初期投資回収後において,買主と十分協議することなく一方的に,厳格な引取数量を定めた上でテイクオアペイ条項を課すことは,独占禁止法上問題となるおそれがあると考えております。
 公正取引委員会としては,この調査結果を公表した後も,引き続きLNGに関する取引の動向を注視していくとともに,独占禁止法に違反する情報に接した場合は,適切に対処してまいりたいと考えております。
 調査結果の概要は以上のとおりですが,先ほど申し上げましたとおり,この調査報告書の内容につきましては,この後,担当室長から御説明いたしますので,御関心のある方は是非御参加いただきたいと思います。

質疑応答

(問) LNGの取引実態の調査の今後の対応で,LNGの売主に対して,仕向地制限など,事実上,設定しないようにということを求めていらっしゃると思うんですけれども,LNGの売主は,事実上,国内では皆無で,海外の事業者ということになると思うんですけれども,公取としてどういうツールを使って,海外のLNGの売主に対して,こういった保護規制の内容を守らせるのか,お考えがありましたらお願いします。
(事務総長) まず,今,御質問を受けまして,我々が仕向地制限を撤廃することを求めていると一言で言われましたが,先ほど申し上げましたように,いろいろな状況の中で,それぞれの仕向地制限等の条項が,競争阻害的な,あるいは市場閉鎖的な効果をもたらすと認められる場合に,独占禁止法上問題となる可能性があるということを,後で報告書を見ていただければ,もう少し具体的な内容がお分かりになると思いますが,申し上げたわけでありまして,例えば仕向地条項を設けること自体が問題であると言っているわけではありません。しかしながら,先ほど申し上げたような状況の下で,競争阻害的な効果をもたらす場合は,独占禁止法上問題となるという我々の考え方を示したものであります。
 その上で,確かにおっしゃるとおり,日本のLNG取引におきまして,その供給者は国外が多い,ただし国外だけではないので,これも今回の調査報告書の冒頭に出てきますので,是非御覧いただければと思いますけれども,国外供給者が多いということは,そのとおりだと思います。
 その上で,どのようにその方たちにこの報告書について周知していくか,国内外の需要者だけでなく,国内外の供給者に対しまして,私どもの調査結果というものをできるだけ広く積極的に周知していきたいと思います。具体的には,一つは卑近なことでありますけれども,本日,これを公表すると同時に,英語の概略版も作らさせていただいております。これで皆様方の御協力を得て,国内外への発信というものをお願いしたいと思いますし,また,新聞発表文にも書いてありますように,この仕向地制限が再販売,あるいは転売の近似の効果をもたらすのではないかということは,エネルギー政策の観点から,所管庁である資源エネルギー庁,そして政府全体として関心を持ち,またエネルギー関係の国際会議でも議論されてきたところであります。
 今後,そういうエネルギー関係の国際会議がある場では,あるいは資源エネルギー庁の方から,あるいは私どもが直接出席して,今回の調査結果について周知を徹底していきたいというふうに思っております。

(問)  今後周知をして,それでもなお商慣行が特段変わらず,まだ続いているというような状態になった場合には,指導なり警告とか,そういう行政指導とかもしていくことになるんでしょうか。
(事務総長) この種の実態調査,このLNGが初めてではありませんが,私どもが,個別の審査事件とは別に,それぞれの取引の実態を調べた上で,独占禁止法上あるいは競争政策の観点から考え方を示させてもらうという実態報告におきましては,何よりも,これを読んでいただいて,関係者の方々が自主的に,自らの判断で,取引慣行なり契約を変えていただくというのを強く期待しますし,そのために,我々も,先ほど申し上げたように,周知活動を,今回は特に外に関係者も多いわけですから,いろんな手段で努力していきたいと思います。
 その上で,私どもが今回示した,独占禁止法上問題となるおそれがある,あるいはおそれが強いといった行為,契約,慣行等につきまして,今後,具体的な情報に我々が接した場合には,先ほど申し上げましたように,適切,厳正に対処していくということでございます。この報告書自体は,先ほど申し上げたように実態調査であります。事件審査というのは,皆様御案内のとおり,具体的な事件において競争阻害効果がもたらされるのかどうかというのをきちっと検証していかなければいけませんので,この実態調査だけで事件審査ができるというものではありませんが,一方で,私どもが,独占禁止法上問題となり得るといった行為について考え方を示したわけですから,これについて具体的な情報が寄せられた場合は,私どもとして適切に対応していくということでございます。
(問) こういう考え方は,欧米とか他の各国の競争当局も同様の考えをとっているということでしょうか。
(事務総長) 私が知るところでは,2000年代に,EUでこの種の制限,仕向地制限というよりは,御案内のとおり,EUは単一市場を作るということでございますので,一つの市場を作る観点から転売制限をするというのは問題であるということで,当時あった販売地域制限についての議論がされましたし,また,個別の事件が取り上げられたというふうに理解しています。しかし,EUと日本では,パイプラインを使う天然ガスの輸送が主流のEUと,LNGがほとんどである日本との違いもありますし,プレーヤーの違いももちろんあります。ましてや,EUの観点は,競争政策という観点ではありますが,単一市場における競争阻害行為の除去というものでございますので,転売制限が焦点となる。
 したがって,今でもEUの関係者が契約の当事者である天然ガスの取引でも仕向地条項はあります。ただ,それが,販売地域制限になっている,あるいは転売制限になることは,過去のEUの各事件の積み重ねによって,そういうことはなくなってきているというのが私どもの認識でございます。

(問) 2頁目の書面調査と聴取調査の業者さんは重なってますか。
(事務総長) 私は,具体的にどこまで重なっているか承知していませんが,原則としては,書面で調査をした後,更に深掘りする必要があると考えるものについてヒアリング調査を行っておりますので,かなりの部分において重なっていると思います。

(問) 40条調査というのはかなり久しぶりだというふうに聞いているんですけれども,大体何年ぶりにやったのかということと,今回,何故40条を使ったのかというところとですね,あと,聴取調査の対象の供給者として,国外供給者が7社あるんですけれども,これらは国としてはどこになるのでしょうか。
(事務総長) 実態調査でありますし,そんなに海外に日本のLNGの供給先として大きなシェアを占めている国が幾つもあるわけではないので,固有の供給者の名前につきましては控えさせていただきたいと思います。
 40条につきましては,私の記憶が間違いでなければ,これを使ったのはたしか40年ぶりだと思います。個別事件の場合の47条と違いまして,主に実態調査等で必要な場合に,私どもは40条を使わせていただいているところでございます。この40条を久しぶりに導入させていただいたのは,昨今,いろいろな契約の中に秘密条項がありまして,特にこのLNGの実態調査におきましては,相手方の事業者側から任意では出せないということが寄せられたものですから,この40条を使わせていただこうというふうに考えたものです。過去,別に消極的であったつもりはありませんが,幸いなことに任意調査ということで,実態調査に必要な情報は得られてきましたので,あえてこの40条を使うまでもなかったということでございますが,今回のようなLNG取引の特殊性といいますか,やはり秘密条項があるので,取引実態を調べる上でも契約の中身をきちっと見ていく必要がありますので,この40条を使わせていただいて,命令をかけて情報を収集したということであります。

(問) 昨日,欧州委員会がアメリカのグーグルに対して,検索,グーグルショッピングの仕組みについて,日本円で3000億ぐらいですか,巨額の制裁金を出したというニュースがあったと思うんですけど,日本ではグーグルショッピング自体は利用はできてですね,どれぐらい浸透しているかというのはまた別の次元ではあるところですけども,同じようなシステムが,仮に日本でのグーグルショッピングで行われた場合,今回のEU競争法上では違反だという認定ですけども,仮定の話になってはしまうんですが,日本の独禁法上はどういった捉え方になるのでしょうか。
(事務総長) 個別事件の話に更に仮定を置くということは,なかなかこの定例会見でお答えするにはなじまない御質問なので,お答えは控えさせていただきたいと思いますが,その上で,欧米と日本の制度を比べる場合は,何よりも欧米,特にEUの競争法と,アメリカの連邦法と,日本の法律の間には,いわゆる市場支配的地位の濫用,私どもでいえば私的独占のほかに,日本には不公正取引があるということが制度の,まずバックボーンとして違います。先ほど申し上げたように個別の会社の名前が挙げられているものについてはお答えを差し控えさせていただきますけれども,この分野では,かねてこの定例会見で申し上げているように,昨今,公正取引委員会としても,デジタル分野,eコマースの分野,更にはデータの分野で,ITの進展の中で,何よりも公正で自由な競争条件の確保が大事だと考えておりますので,その観点から,この前,ITデジタル関連分野における情報窓口を設置したところでありますので,この分野においては引き続き,私どもとしても動向を注視し,仮に独占禁止法に違反するというおそれのある行為についての情報に接した場合は,先ほどのLNGと同じでございますけれども,適切に対処していきたいということでございます。

(問) 2枚目の紙の「今後の対応」のチェックの1に「競争制限的な取引慣行を見直すことが必要である」とお書きになっていますけど,この部分に対しては,公取としての働きかけというのはどういうことが考えられるんでしょうか。
(事務総長) 繰り返しになりますけれども,この種の実態調査については,その調査報告書について,関係者に広く周知するということが,私どもが従来行っていることでございます。このLNGの報告書につきましても,同じように周知に努めて,当事者の自主的な慣行の改善というものを期待したいと思います。それに当たっては,特に供給者側に国内外の,国内の事業者の方もおられますけれども,海外の事業者が多いということですから,英語での調査報告書の概要も,本日,日本語のものと同時に公表させていただいており,これを皆様の御協力を得て広めていただくということと同時に,このエネルギー政策の所管庁であります資源エネルギー庁等とも連携して,例えばいろいろなエネルギー関係の国際会議,これにはもちろん供給国側の人も出てくるわけでありますので,そこでこの調査報告書を紹介してもらう,あるいは,必要な場合には私どもから直接出ていって,報告書の中身を報告させていただき,また議論させていただきたいというふうに思っております。

(問) 40条調査の関係でもう1点。先ほど,秘密保持契約が増えているので,今回,40条だったということなんですけども,実態として,企業間の契約で,秘密保持を伴うものがかなり増えているという認識はあるのでしょうかということと,今後,こういった40条調査を積極的に使っていくとかですね,そういう方針みたいなのものがあれば伺いたいんですけども。
(事務総長) 認識といっても,どれだけ秘密条項が世の中にあるかということを調べたわけではありませんので,お答えはできませんが,要は,我々が実態調査を行う上で必要な情報を収集しようとするときに,秘密条項があれば40条を使わせていただくということでありますし,この方針はこの40年,特に変わっているわけではありません。これまでは任意調査ということで,100%ではありませんが,それなりに私どもが求める実態が把握できる情報が収集できたということでありますが,今後,LNGを含め,他の分野でもあると思いますけども,実態調査をするに当たって,やはり強制権限,強制的な命令で情報を収集させていただかない限り,なかなか事業者の方から,契約上の取決めで情報を出せないというものがあれば,私どもとして当然使っていくことになると思います。

以上

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