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平成29年12月13日付 事務総長定例会見記録

平成29年12月13日付 事務総長定例会見記録

[配布資料]

[発言事項]

事務総長会見記録(平成29年12月13日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

入札談合等の防止に関する取組について

 本日,私からは,入札談合や官製談合を未然に防止するための公正取引委員会の取組についてお話しいたします。
 入札談合は独占禁止法が禁止する不当な取引制限の典型事例でありまして,最も悪質な独占禁止法違反行為の一つです。また,国や地方公共団体などの発注機関の職員が関与する入札談合,いわゆる官製談合は,発注機関の利益,ひいては納税者である国民・市民の方々の利益を損なうものであり,あってはならない行為でございます。
 公正取引委員会は,入札談合の摘発に積極的に取り組むとともに,官製談合が認められた場合には,入札談合等関与行為防止法,いわゆる官製談合防止法に基づいて厳正に対処してきております。
 他方で,公正取引委員会は入札談合や官製談合を未然に防止するための取組にも力を注いでおりますので,その点を御紹介いたします。
 入札談合や官製談合の未然防止を図るため,国・地方公共団体などの職員を対象として,独占禁止法及び官製談合防止法に関する研修会を平成20年度以降全国各地で開催してきております。近年の開催状況は,お手元の配布資料にございます。本年度につきましては,11月末の時点の数字でございますが,18件開催しております。
 さらに,国や地方公共団体などが実施する職員向けの研修会に,当委員会の職員を講師として派遣しており,それもお手元の資料にございますが,本年度は11月末現在において,全国各地で200件,参加受講した方々は約1万5000人という規模で開催してきております。
 今後,年度末に向けまして,更にこうした件数,機会を設けていくこととしております。
 これらの研修会におきましては,参加していただいた方々にアンケートの記入をお願いしております。そのアンケートの結果によりますと,研修会への参加によって,官製談合防止法などについて理解が「深まった」又は「多少深まった」と回答した参加者の割合は,平成28年度においては96.1%でございました。また,研修の内容が入札談合等の未然防止を含む今後の業務に「役立つと思う」又は「多少役立つと思う」と回答した参加者の割合は,同じく平成28年度において95.8%となっております。
 また,個別の意見としても,「事例が分かりやすかった」ですとか,「なかなかこういう機会はないので,今後も開いてほしい」であるとか,「説明も分かりやすく短時間で大切なポイントが理解できた」といった感想を寄せていただいております。
 こうしたアンケート調査結果などを踏まえますと,発注機関の職員に対して実施しておりますこれらの研修は,それぞれの発注機関の職員における官製談合防止法の理解等に役立っており,今後とも発注機関の改善に資するために有効であると考えております。
 他方,そうは言いながらも,依然として発注機関の職員が入札談合等に関与している事案が見受けられる状況にありますことから,発注機関による官製談合の防止のための取組について調査し,実効ある取組について具体的な対応策を紹介するなどにより,更に発注機関における官製談合等の防止に向けた取組の支援を行っていきたいと考えております。
 このため,発注機関に対しましてアンケート調査を実施することとし,今週の11日,月曜日でございますけれども,調査票を発送いたしました。その調査結果につきましては,取りまとまり次第,公表する予定でございますので,それをまた未然防止のための取組として各発注機関も参考にしていただきたいというふうに考えております。
 公正取引委員会としましては,以上のような取組を通じまして,引き続き,入札談合や官製談合の未然防止に努め,また,発注機関における取組を積極的に支援してまいりたいと考えております。

質疑応答

(問) 独占禁止法改正案でお尋ねします。12月7日に開催された自民党の競争政策調査会は,独占禁止法改正案の国会提出に併せて,弁護士秘匿特権,防御権といった,いわゆる手続保障の法制化を検討することを決めました。手続保障の法制化は,もともと公正取引委員会は反対していて,運用の中で,これをなし得ていくものだと位置付けていたものだと思いますが,その7日の時点でも,公正取引委員会の対応としては,公正取引委員会だけで引き取れる問題じゃないのでと,杉本委員長とも相談して今後の対応を決めると言って,調査会のその場は引き取ったわけなんですが,その後,対応方針は決まったんでしょうか。また,手続保障の法制化は,公正取引委員会だけではもう引き取れない問題だというのは,どうしてそういうメカニズムになるのか,噛み砕いて説明いただけると有り難いです。

(事務総長) 先般開かれました自民党の競争政策調査会におきまして,独占禁止法改正を予定しております法案の概要等について御説明いたしました。そこで種々御議論いただいたところでございまして,また,原田会長の方から,終了後に,御説明があったと承知してございます。
 私どもとしましては,調査会において,いろいろな御議論があったと理解しておりますので,その全体の趣旨を踏まえて,今後の方策について,引き続き検討いたしまして,関係者の方々に御説明,御理解を得ていきたいというふうに考えております。
 ただ,今の御質問でも御指摘がありましたけれども,秘匿特権を法定化するということであれば,例えば,それが損害賠償とか,そういう手続に関することであれば,民事訴訟法にも影響することでございますし,また,公正取引委員会の調査に関わるところというだけではなくて,他の行政調査であるとか,場合によっては刑事手続にも影響があるのかもしれないという点がございまして,こうした点については,必ずしもまだ十分に御議論はされていないというふうに考えておりますので,今申したような観点から,独占禁止法だけの議論では済まないのではないかという考えでございます。
 その点については,何か我々の方で考え方が変わったということはございません。

以上

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