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平成30年2月7日付 事務総長定例会見記録

平成30年2月7日付 事務総長定例会見記録

[発言事項]

事務総長会見記録(平成30年2月7日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

「携帯電話市場における競争政策上の課題について」のフォローアップの開始について

 本日は,実態調査の実施についてお話しいたします。
 公正取引委員会では,特定の分野における規制や事業活動の実態等について,競争政策の観点から,その見直しに向けた調査・提言などといった競争環境の整備に向けた競争唱導活動も重要な取組の一つとしております。
 このような取組の一環としまして,一昨年8月に,携帯電話のMVNOの新規参入の促進の観点を中心に,その分野における取引慣行についてまとめた「携帯電話市場における競争政策上の課題について」を公表いたしました。
 その後,1年半ほど経過いたしましたが,携帯電話市場というのは競争環境の変化が早い市場でありますことから,今般,一昨年の報告書で指摘しました事項のフォローアップを行うとともに,同報告書公表以降の競争環境に変化があったのかどうか,新たな競争政策上の課題が生じているのかどうかといった点について,調査を行うこととしました。
 調査方法につきましては,関係事業者からヒアリングを行いますとともに,消費者に対するアンケートを行うことなどを予定しております。ですので,該当します事業者,消費者の方々におかれましては,調査の趣旨を御理解いただきまして,御協力いただければと考えております。
 なお,本件の担当課は,経済取引局の調整課でございます。

質疑応答

(問) 今の調査なんですけれども,まず,調査完了して報告を出される時期のめど,あと,いわゆる一連の携帯電話3社による制度改正であるとかによって,確かに一部,価格が引き下がった面もあるんですけれども,逆に端末料金の高止まりでですね,かえって消費者の負担が高まっているんじゃないかといった指摘も出ていたとは思います。その辺りの考え方について,御見解を伺えないでしょうか。
(事務総長) まず,調査のスケジュール感でございますけれども,只今申し上げましたように,これから本格的に関係事業者や先ほど申し上げましたような消費者アンケートなども行っていきますので,今のところ,まだ取りまとめの時期までは決めているところではございません。
 携帯電話市場の現状につきましては,おっしゃいますとおり,私どもが一昨年8月に報告を出した後,いろんな環境の変化が生じているように思っております。また,総務省の方でも,この分野に関しては,特に競争環境の促進という意味ではいろいろな検討等をされていると理解しておりますし,また,携帯のキャリアの方々の側でも,そうした動きを受けて様々な制度改正を行ったりしている点も理解しております。
 私どもとしましては,MVNOも含めた競争環境が整備されて,その成果というものが消費者に行き渡るということが大事だと考えております。確かに携帯の端末の価格というのが0円というのは基本的にはなくなったと思いますけれども,端末の価格が幾らなのか,より一層はっきりしたという状況なのかなと思っております。ただ,端末を持っているだけで通信ができるわけではありませんので,通信料金も含めた,トータルとしての支払いが消費者にとって,先ほど申し上げましたような競争の成果として表れているのかが一つの論点なのではないかと思っております。
 今回の調査におきまして,アンケートの具体的内容は今後検討していきますが,消費者の意識についても把握したいと思っています。

(問) 本調査の対象となる事業者はどういう種類の会社で,国内国外何社ぐらいを考えているのか,あと,消費者へのアンケートはどれくらいのスケールで,今までの公正取引委員会の調査で消費者へのアンケートはあったのかなという感じがするんですが,どういう手法で何人くらいの方を対象にすることを考えているんですか。
(事務総長) まず,関係事業者に対するヒアリングですけども,当然のことですけれども,MNOやMVNO,それから代理店などを調査しようというふうには考えております。消費者アンケートも含めて,具体的な規模というのはまだ確定しているわけではありませんので,この場ではお答えできるような状況ではございません。
 消費者に対するアンケートですけれども,必ずしも公正取引委員会の調査の中でやってこなかったということではありません。消費者,あるいは利用者と言った方がいいのかもしれませんけど,その利用者の意識であるとか,そうしたものを調査をしてきております。例えば,介護に関する調査のとき,また,現在,進められています人材に関する検討会においても,これも消費者というわけではありませんけれども,フリーランスの人たちの意識というか,実態といいますか,それをアンケートという形で収集しております。
(問) 事業者の中に,端末のメーカーとかも含まれるんでしょうか。
(事務総長) 端末メーカーも考えております。

(問) 前回の調査からの間で,いわゆる格安携帯電話事業者の中で,事業が立ち行かざるような会社も出ておりまして,当初,想定されたのは,大手キャリアよりもMVNOなどが力をつけるのではないかというような感じで見られていたのが,意外とそういう方向に行ってないというところというのは調査上の課題になるんでしょうか。
(事務総長) 個々の事業者の事業の成果といいますか,経営の行き方がどういうふうになるのかというのはそれぞれの個々の事業者固有の事情もございますでしょうから,それが成功した,失敗したということが今回の調査の対象になるというわけでありません。MVNOも含めた,特にキャリアの子会社ではないような事業者を含めた競争環境がどのようになっているのかということが対象でありますので,個々の事業者の成り行きといいますか行く末といいますか,そういうことが関心の中心にあるわけではないです。

(問) フォローアップ調査を今日,このタイミングで発表した狙いなんですけど,何かお話を聞いていると,規模未定,スケジュール未定で,生煮えで発表している感も否めないんですけど,3月末とかは入学とかの関係で結構市場で動きがあると思うので,それに向けた牽制というか,そんな狙いもあるんでしょうか。
(事務総長) 確かに,今,申し上げましたとおり,まだ未定の部分は多いんですけれども,順次,ヒアリングは進めてまいります。先ほどヒアリング先としてキャリアやメーカーも入ってくると申し上げましたけども,最終的に何社というのはまだ決まったわけではありませんけれども,皆さん想定されるようなところは,具体的に名前は申し上げませんけれども,順次進めていきたいと考えております。そういう意味では,スタートのホイッスルを鳴らしたということになります。
 消費者向けのアンケートも準備が出来次第,やろうと思っております。特に消費者の方に心の準備というのが必ず必要というわけではありませんけれども,あらかじめこういった形でお知らせすることによって,理解・協力を求めたいと思います。
 ですので,御質問にあったような,特定の時期に向けて何かしらの思惑があって発表しているわけではございません。
(問) あと,消費者向けの調査は,何かネットを使ってやるとか対面でやるとか,その辺りは決まっているんですか。
(事務総長) インターネットを使った調査というのが比較的短期間でまとめてやりやすいのかなというふうには思っておりますけども,具体的にどうするということが確定しているわけではございません。

(問) 今,総務省の方でですね,携帯の政策の関係で見直しを進めていて,その中でヒアリングもしたりしているんですけど,公正取引委員会がですね,今回,あえてこういうことをする意義というのがどういうところにあるのか,改めてちょっと伺いたいんですけれども。
(事務総長) 総務省の方で検討会を開いて議論を進めておられること,その中で,事業者間の競争の公正さであるとか消費者の利便性であるとか,そうしたものがテーマになっていることも承知しております。
 私どもは,独占禁止法,競争政策を担当するところでございますし,また,先ほど申しましたように,1年半ぐらい前に,競争政策上,独占禁止法上の問題点を提言しておりますので,その後,その成果が現われているのかを把握しておく必要があると思っております。総務省の検討と共通する部分もあるかと思いますので,総務省の検討の情報も把握しながら進めていきたいと思っております。

以上

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