第1部 総 論

第1 概  説

はじめに
 我が国経済は,平成5年度後半に景気後退局面を脱し,平成6年度に入
ると,個人消費の下支えと公共投資等の増加が主な要因となって緩やかに
回復に向かい,年度半ばには設備投資がプラス成長に転じるなど自律回復
局面に向かう前向きの動きを示し始めた。しかし,回復テンポが緩慢だっ
たところに,急激な円高など,予想しがたい外的要因が生じたことによっ
て,平成7年半ばには,それまでの緩やかな回復基調に足踏みがみられる
状況となった。
 このように,平成6年度を通じて,我が国経済は,自律回復を模索する
状況にあった。こうした中で,円高やアジア新興国・地域の急成長を背景
に,我が国産業をめぐる環境はますます厳しくなってきている。我が国経
済が円高等を克服し,持続的経済成長を達成するためには,一層の規制緩
和により,生産性の向上,製造業等の価格競争力の回復,新規産業の創出
や他業種への展開,新製品開発・技術開発を図るとともに,これらの成果
を市場原理の下で内外価格差の縮小・実質所得の増加につなげることが当
面の課題となっている。
規制緩和と競争政策の積極的展開の一体的推進の必要性
 国民生活の真の豊かさを実現するとともに我が国経済社会を国際的に開
かれたものとし,市場原理と自己責任原則に立つ自由な経済社会としてい
くためには,競争政策を規制緩和と一体のものとして,その積極的展開を
図り,我が国市場における公正かつ自由な競争を一層促進することが重要
な課題となっている。
 現に,政府は,「対外経済改革要綱」(平成6年3月29日閣議決定)にお
いて競争政策の積極的展開を図る旨表明するとともに,さらに,規制緩和
推進計画(平成7年3月31日閣議決定)において,総論に競争政策の積極
的展開に関する具体的項目を盛り込んだ。同計画は,@消費者の多様なニ
ーズに対応した選択の幅の拡大,内外価格差の縮小等により,国民生活の
質の向上を目指す,A内需の拡大や輸入の促進,事業機会の拡大等を図
り,対外摩擦の解消等に資する,B国民負担の軽減,行政事務の簡素化を
図る等の観点から,規制緩和等を計画的に推進することを内容とするもの
であり,同計画によって,規制緩和とともに競争政策の積極的展開を図る
ことが政府の重要課題であることが一層明確に位置付けられたところであ
る。
平成6年度に講じた施策の概要
 公正取引委員会は,こうした状況を踏まえ,私的独占の禁止及び公正取
引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)の有効かつ適正な
運用により,独占禁止法違反行為を積極的に排除し,また,政府規制制度
及び独占禁止法適用除外制度を見直し,事業者が自主的な判断と創意工夫
によって活力ある事業活動を行っていくことができる競争条件を整え,我
が国経済の健全な発展が図られるよう努めている。
 平成6年度においては,次のような施策に重点を置いて競争政策の運営
に積極的に取り組んだ。
(1) 独占禁止法違反行為の積極的排除
 市場原理が有効に機能することを阻害する価格カルテル,入札談合,
再販売価格維持行為などの独占禁止法違反事件に対し,当委員会では,
従来から厳正に対処してきているところであり,本年度においても違反
事件の積極的な処理に努めた。
 主な事件についてみると,入札談合その他のカルテル事件が多数を占
めており,日本下水道事業団が発注する電気設備工事に係る入札談合事
件において告発を行ったほか,国際協力事業団(JICA)が発注する
技術協力の実施のために供与される機材に係る入札談合事件,官公庁等
が発注する大型カラー映像装置に係る入札談合事件等において勧告等の
法的措置を採った。
(2) 独占禁止法運用の透明性の確保と違反行為の未然防止
 独占禁止法の効果的な運用を図り,違反行為を未然に防止するために
は,事業者や消費者が独占禁止法の目的,規制内容及び法運用の方針を
十分に理解することが必要である。このため,当委員会は,従来から独
占禁止法の運用基準(ガイドライン)を作成・公表することによって,
どのような行為が独占禁止法上問題となるのかを明らかにし,事業者及
び事業者団体による独占禁止法違反行為の未然防止とその適切な活動の
展開に役立てている。
 本年度においては,数多く発生している入札談合事件への対応とし
て,公共的な入札に関連した事業者及び事業者団体による活動と独占禁
止法の関係を明確に示し,その理解を促進することにより,違反行為の
未然防止を図るため,「公共的な入札に係る事業者及び事業者団体の活
動に関する独占禁止法上の指針」を平成6年7月に公表した。また,公
共入札に関する発注官庁の連絡担当官との会議を開催するとともに,発
注官庁等の調達担当官を対象とした研修を実施し,同指針の普及・啓発
を行った。さらに,「事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針」
の改定に着手した。
 また,官公庁の行政指導が,独占禁止法との関係において競争制限的
な問題を生じさせることのないよう,平成6年6月に「行政指導に関す
る独占禁止法上の考え方」を公表した。
 さらに,合併,株式所有等に関する事務処理基準の明確化等のため,
平成6年8月に「会社の合併等の審査に関する事務処理基準」及び「会
社の株式所有の審査に関する事務処理基準」を改定・公表したほか,
「金融会社の株式保有の認可に関する事務処理基準」の作成・公表(平
成6年6月)など独占禁止法第4章関係の事務処理基準の整備を行った。
(3) 政府規制制度及び適用除外制度の見直し
 規制緩和と競争政策の積極的展開を一体的に進めるべきとの立場か
ら,政府規制制度及び独占禁止法適用除外制度について実態調査を行
い,その見直しについて検討を行った。このうち,個別法による独占禁
止法適用除外カルテル等制度については,規制緩和推進計画において,
平成10年度末までに原則廃止する観点から見直しを行い,平成7年度末
までに具体的な結論を得ることとされており,また,同計画において,
その他の適用除外カルテル等制度についても,引き続き,必要な検討を
行うこととしている。
 また,再販売価格維持行為に対する独占禁止法の適用除外制度(以下
「再販適用除外制度」という。)の見直しを行い,再販指定商品の一部
について平成7年1月から指定の取消しを実施した。また,独占禁止法
第24条の2第4項の規定に基づき再販適用除外が認められている著作物
(書籍,雑誌,新聞,レコード盤,音楽用テープ及び音楽用CD)の取
扱いを明確化するために,政府規制等と競争政策に関する研究会の下に
学識経験者からなる再販問題検討小委員会を設け,検討を行った。
(4) 下請法による中小企業の競争条件の整備
 取引関係にある事業者間において一方の事業者の取引上の地位が取引
の相手方に優越している場合に,その地位を利用して相手方に不当に不
利益を与える行為は,独占禁止法により,不公正な取引方法(優越的地
位の濫用)として規制されている。このうち,特に下請取引について
は,親事業者による優越的な地位の濫用行為が行われやすいことから,
独占禁止法の特別法として下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」
という。)が定められている。
 当委員会は,中小企業の自主的な事業活動が阻害されることのないよ
う,引き続き,下請法の厳正かつきめ細かな運用により,下請取引の公
正化及び下請事業者の利益の確保に努めた。
 本年度においては,違反行為が認められた親事業者に対し,勧告1件
を行ったほか,必要に応じ警告等の措置を採った。また,下請取引適正
化のための都道府県との協力体制を推進するとともに,下請法の周知徹
底に努めた。さらに,最近の円高等の影響が下請事業者にしわ寄せされ
ることのないよう,円高等の影響が特に大きいと思われる業種の下請事
業者を対象とする調査を特別に実施し,この調査結果を踏まえて親事業
者等に対し下請法の遵守を要請した。
(5) 景品表示法による消費者行政の推進
 事業者間における価格と品質による競争を維持・促進し,一般消費者
の適正な商品選択に資するよう,独占禁止法は,不当な顧客誘引行為を
不公正な取引方法として規制している。さらに,このような不当な顧客
誘引行為を有効かつ迅速に処理するため,独占禁止法の特別法として不
当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」という。)が定めら
れている。
 当委員会は,消費者向けの財・サービスの種類や販売方法が多様化す
る中で,消費者の適正な商品選択が妨げられることのないよう,引き続
き,景品表示法の厳正な運用により,不当な顧客誘引行為の排除に努め
た。
 本年度においては,通信販売業者による超音波を利用したダニ撃退器
の効能効果についての不当表示,婦人服販売業者による不当な原産国表
示及び中古自動車販売業者による実走行距離についての不当表示(走行
距離計の交換又は巻戻し)に対して排除命令を行った。
 また,当委員会では,景品規制の見直し・明確化について学識経験者
等からなる「景品規制の見直し・明確化に関する研究会」を開催してい
るところ,同研究会は,その検討結果を平成7年3月に公表し,これを
踏まえ,公正取引委員会告示に係る景品の上限金額等の見直しを図ると
ともに,規制内容の明確化を図ることとした。
(6) 経済のグローバル化に対応した競争政策の展開
 経済のグローバル化の進展により,競争政策の国際的調和の推進を図
ることが重要になってきている。このため,緊密化している二国間及び
多国間の競争政策に関する協力,調整等が円滑に進められるよう,海外
の競争政策当局との意見交換,国際会議の主催・会議への参加等によ
り,競争当局間の協力関係の一層の充実を図った。特に,本年度におい
ては,13か国の参加を得て,第5回アジア・大洋州独占禁止政策会議を
東京において開催した。

第2 業務の大要

 業務別にみた本年度の業務の大要は,次のとおりである。

 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律施行令の一部を改正す
る政令が平成7年4月に公布・施行され,独占禁止法第9条の2の規定に
より株式保有額の制限を受ける大規模会社の定義が資本金100億円以上又
は純資産300億円以上の株式会社(金融業を除く。)から,資本金350億円
以上又は純資産1400億円以上の株式会社(金融業を除く。)に改められ
た。
 独占禁止法と他の経済法令との調整に関する業務としては,特定事業者
の事業革新の円滑化に関する臨時措置法案,主要食糧の需給及び価格の安
定に関する法律案,保険業法案等について,関係行政機関が立案するに当
たり,所要の調整を行った。
 独占禁止法違反被疑事件として本年度中に審査を行った事件は210件で
あり,そのうち年度内に審査を完了したものは140件であった。本年度中
に処理した審査事件の内訳は,独占禁止法第48条の規定に基づく勧告が21
件,違反行為がなくなった日から1年を経過していたため勧告を行わずに
課徴金納付命令のみを行った事件が3件,警告が12件,注意が86件,違反
事実が認められなかったため審査を打ち切った事件が18件であった。これ
らを行為類型別にみると,価格カルテル22件,入札談合36件,その他のカ
ルテル5件,不公正な取引方法60件,その他の行為17件となっている。法
的措置を採った事件24件(勧告21件,課徴金納付命令3件)の内訳は,価
格カルテル1件,入札談合事件19件,その他のカルテル1件,不公正な取
引方法1件,その他の行為2件となっている。
 また,26件の価格カルテル事件及び入札談合事件について,計514名に
対し,総額63億6539万円の課徴金の納付を命じた。このうち2名に対する
課徴金納付命令(課徴金額6億9710万円)については,審判手続が開始さ
れたことにより,失効した。
 さらに,日本下水道事業団が発注する電気設備工事に係る入札談合事件
において,平成7年3月 6日,独占禁止法第73条の規定に基づき,(株)
日立製作所ほか8社を検事総長に告発した。また,同年6月 7日には,こ
れら9社の受注業務に従事していた者17名及び日本下水道事業団の発注業
務に従事していた者1名について追加告発を行った。
 本年度中に審判開始決定を行った事件は4件であり,本年度において審
判中の事件は,前年度から引き継いだものを含めて,独占禁止法違反被疑
事件が14件,景品表示法違反被疑事件が2件の計16件であった。これらの
うち本年度中に,独占禁止法違反被疑事件2件,景品表示法違反被疑事件
2件について審決(うち景品表示法違反被疑事件1件については同意審
決)を行った。
 独占禁止法の連用の透明性を確保し,違反行為を未然に防止するための
取組として,本年度においては,「行政指導に関する独占禁止法上の考え
方」を平成6年6月に,「公共的な入札に係る事業者及び事業者団体の活
動に関する独占禁止法上の指針」を同年7月にそれぞれ公表した。さら
に,「事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針」の全面的改定に着
手し,平成7年4月にその改定原案を公表した。
 また,「金融会社の株式保有の認可に関する事務処理基準」を平成6年
6月に策定・公表したほか,同年8月,「会社の合併等の審査に関する事
務処理基準」,「会社の株式所有の審査に関する事務処理基準」をそれぞれ
改定・公表した。さらに,「ベンチャー・キャピタルに対する独占禁止法
上の取扱について」を見直し,新たに「ベンチャー・キャピタルに対する
独占禁止法第9条の規定の運用についての考え方」を平成6年8月に策
定・公表した。
 政府規制制度の見直しについては,「政府規制等と競争政策に関する研
究会」を開催しており,同研究会は,平成6年8月に物流分野における政
府規制の見直しに関する報告書を取りまとめ,公表した。また,「情報通
信分野競争政策研究会」を開催し,最近における電気通信分野の競争政策
上の課題について検討を行った。
 このほか,適用除外制度の見直しについて,昨年度に引き続き,「独占
禁止法適用除外制度見直しに係る関係省庁等連絡会議」の場などを通じて
関係省庁に積極的に働きかけた。
 独占禁止法第18条の2の規定に基づく価格の同調的引上げに関する報告
徴収については,本年度下期において磨き板ガラスについて引上げ理由の
報告を徴収したほか,平成7年度上期にインスタントコーヒーについて引
上げ理由の報告を徴収した。
 競争政策の適切な運営に資するため,本年度においては,農薬及び合成
ゴムの企業間取引の実態に関する調査,六大企業集団に関する実態調査等
を行った。
 独占禁止法第9条から第16条までの規定に基づく企業結合に関する業務
については,金融機関の株式保有について59件の認可を行い,また,事業
会社の株式所有状況について8,954件の報告を,競争会社間の役員兼任に
ついて5,137件の届出を,会社の合併・営業譲受け等について3,255件の届
出をそれぞれ受理し,これらについて所要の審査を行った。
 独占禁止法第8条の規定に基づく事業者団体の届出件数は,成立届255
件,変更届2,004件,解散届64件であった。また,独占禁止法に関する理
解を深め,違反行為を未然に防止するための措置の一環として事業者団体
の活動に関する相談・指導業務を行った。
 なお,平成7年7月に平成6年度の事業者団体の活動に関する主要相談
事例集を公表した。
10  独占禁止法第6条の規定に基づく国際契約の届出件数は,803件であ
り,このうち,不当な取引制限又は不公正な取引方法に該当するおそれが
ある事項を含む17件の国際契約について指導等を行った。
11  不公正な取引方法に関する業務として,独占禁止法に関する理解を深
め,違反行為を未然に防止するための措置の一環として,流通・取引慣
行,特許・ノウハウライセンス等に関する事業者等からの相談に積極的に
応じるとともに,適切な指導に努めたほか,「大規模小売業者と納入業者
との取引に関する実態調査」を行い,平成7年2月にこれを公表した。
 このほか,流通問題研究会を開催し,同研究会は,平成6年10月にディ
スカウントストアの成長とメーカーのチャネル政策の変化に関する調査を
取りまとめ,公表した。
12  独占禁止法第24条の3に基づく不況に対処するためのカルテル及び同法
第24条の4の規定に基づく企業合理化のためのカルテルについては,本年
度において実施されたものはなかった。
 独占禁止法の適用を除外されているカルテルには,このほか独占禁止法
以外の法律に基づき当委員会に協議を行った上で主務大臣が認可を行うも
の等がある。このような当委員会の関与の下に行われるカルテルは,本年
度末で53件が現存しており,その大半を環環境衛生関係営業の運営の適正化
に関する法律及び輸出入取引法に基づくカルテルが占めている。
13  再販適用除外制度のうち,化粧品及び一般医薬品に係る指定再販制度に
ついては,平成4年4月に見直しを行い,平成4年5月に再販指定商品を
指定する告示を全部改正したところである。これにより,指定品目のおお
むね半数に当たる化粧品13品目,一般用医薬品10品目の指定取消しが平成
5年4月から,さらに,一般用医薬品2品目の指定取消しが平成7年1月
から実施された。本年度における再販契約に関する届出受理件数は,変更
届122件であり,成立届はなかった。
 また,独占禁止法第24条の2第4項の規定に基づき再販適用除外が認め
られている著作物(書籍,雑誌,新聞,レコード盤,音楽用テープ及び音
楽用CD)の取扱いを明確化するために,実態調査を行うとともに,政府
規制等と競争政策に関する研究会の下に学識経験者からなる再販問題検討
小委員会を設け,著作物に係る再販適用除外制度について,検討を行っ
た。平成7年7月には 同小委員会が取りまとめた中間報告を公正取引委
員会事務局が行った実態調査結果とともに公表した。
14  下請法に関する業務としては,下請取引の公正化及び下請事業者の利益
保護を図るため,親事業者12,235社及びこれらと取引している下請事業者
72,784社を対象に書面調査を行ったほか,資本金1000万円超3000万円未満
の製造業者1,000社に対して書面調査を実施した。また,別途,特別下請
事業者調査として,円高等の影響が大きいと思われる業種に係る下請事業
者10,559社を対象に書面調査を実施した。調査の結果違反行為が認められ
た親事業者に対しては,下請法第7条の規定に基づく勧告1件を行ったほ
か,必要に応じ警告等の措置を採った。
 このほか,大規模小売業者の下請取引に関する調査を行い,下請法に違
反する疑いのある行為を行っていた大規模小売業者に対して,今後下請取
引の適正化を図るよう要請した。また,製造物責任法の施行に伴う下請取
引への影響等についての調査を行い,下請取引の適正化の観点から,親事
業者及び下請事業者が留意すべき主要な点について取りまとめを行い,こ
れを平成7年6月に公表するとともに,公正取引委員会・通商産業省連名
で関係親事業者団体に対し通知した。さらに,円高等による下請取引の変
化についての調査を行い,平成7年6月に調査結果を公表した。
15  景品表示法第6条の規定に基づき排除命令を行ったものは13件であり,
警告を行ったものは景品関係305件,表示関係420件,計725件であった。
 都道府県における景品表示関係の業務の処理状況は,同法第9条の2の
規定に基づく指示を行ったものが1件,注意を行ったものは2,741件(景
品648件,表示2,093件)であった。
 また,景品規制の見直し・明確化を図るため,当委員会では学識経験者
からなる「景品規制の見直し・明確化に関する研究会」を開催していると
ころ,同研究会は,景品規制の見直し・明確化について検討を行い,同研
究会の検討結果を取りまとめた報告書を平成7年3月に公表した。当委員
会は,この検討結果を踏まえ,平成7年6月に,景品規制の一般規定に係
る告示及び運用基準の改正案を公表し,関連業界団体,消費者団体等から
広く意見を求めている。
16  国際関係の業務としては,経済協力開発機構(OECD),国際連合貿
易開発会議(UNCTAD)等の国際機関における競争政策関係の会議に
積極的に参加するとともに,カナダ,ドイツ,韓国,EU,イギリス及び
アメリカの競争当局との間で緊密な意見交換を行った。特に,本年度にお
いては,13か国の参加を得て,第5回アジア・大洋州独占禁止政策会議を
東京において開催した。
 また,貿易摩擦問題への対応に関しては,競争政策の観点から,外国企
業の我が国市場への参入に当たり,反競争的行為があった場合にはこれに
厳正に対処することとし,また,日米包括経済協議の規制緩和・競争政策
部会に積極的に対応するとともに,同協議の他の関係部会,個別業種に関
する二国間協議などの会合に必要に応じ対応した。
 このほか,本年度から,アジア諸国における競争法の効果的な運用等に
資するため,アジア諸国の競争当局の職員を主たる対象として,独占禁止
法と競争政策に関する技術研修を実施した。