第3 警   告

 警告の措置を採ったものの概要は以下のとおりである。





第4 課 徴 金

 課徴金制度は,カルテル禁止の徹底を図るため,行政上の措置として設け
られているものである。
 課徴金の対象となる行為は,事業者又は事業者団体の行うカルテルのう
ち,商品若しくは役務の対価に係るもの又は実質的に商品若しくは役務の供
給量を制限することによりその対価に影響のあるものであり,これらの行為
があった場合に,事業者又は事業者団体の構成事業者に対し課徴金の納付を
命じることとされている(第7条の2第1項,第8条の3)。
 平成9年度は,16件の独占禁止法違反事件について,延べ391事業者に対
して総額82億8355万円の課徴金の納付を命じた(第5表)。
 なお,本年度に課徴金の納付を命じた391事業者のうち,22事業者から審
判開始請求があり,これらについてはいずれも審判開始決定を行ったことか
ら,合計54億5066万円の課徴金納付命令(平成10年(納)第278号ないし第2
98号及び第304号)は失効した(第6表)。





第5 監   査

 当委員会は,審決執行後,当該関係人の動向等を調査することにより,審
決の履行状況を監査するとともに違反行為の再発防止に努めている。
 本年度における監査事件数は2件であり,行為類型別に見ると,価格カル
テル事案(警告事案)が1件,新規参入妨害事案(警告事案)が1件となっ
ている。
 上記2件の監査事件のうち,1件は本年度中に監査を終了した。

第6 告  発

 私的独占,カルテルなどの重大な独占禁止法違反行為については,勧告等
の法的措置のほか罰則が設けられているところ,これらについては当委員会
による告発を待って論ずることとされている(第96条,第73条第1項)。
 当委員会は,平成2年6月20日,「独占禁止法違反行為に対する刑事告発
に関する公正取引委員会の方針」を公表して以降,今後積極的に刑事処罰を
求めて告発を行う方針を明らかにしたところである。
 平成9年度においては,前記の告発方針に照らして告発すべき事案と判断
して告発を行ったものはなかった。