1 組織・予算関係

1−1 機構・定員

(1) 当委員会及び事務総局の準拠法規は、独占禁止法第27条第1項(委員会の設置),第27条の2(委員会の所掌事務),第35条(事務総局の設置)、第35条の2第1項(地方事務所の設置)及び同第3項(支所の設置)の各規定である。
 本年度においては、政策評価、情報公開及び広報に係わる体制を設備・充実するため,官房総務課に企画官が新設され、また、民民規制、地方規制等に係る業務の効率的な処理体制を整備・充実するため,中部事務局に総務管理官が新設された(公正取引委員会事務総局組織規制の一部を改正する省令[平成13年総務省令第52号])。
 なお,平成14年4月には独占禁止法違反行為に対する審査体制の整備・充実のため,官房参事官を廃止し審査局に審査管理官が新設されたほか(公正取引委員会事務総局組織令の一部を改正する政令[平成14年政令第127号]),規制改革の提言等競争環境の積極的創造に対する体制の整備・充実のため,経済取引局調整課に企画官が新設され,また、民民規制,地方規制等に係る業務の効率的な処理体制を整備・充実するため,九州事務所に総務管理官が新設された(公正取引委員会事務総局組織規制の一部を改正する省令[平成14年総務省令第47号])。
(2) 当委員会は、独占禁止法第29条第1項の規定により、委員長及び委員4人をもって組織することとされている。また,公正取引委員会事務総局の職員の定員は,行政機関の職員の定員に関する法律(昭和44年法律第33号)第2条の規定に基づく行政機関職員定員令(昭和44年政令第121号)において定められている。
 平成13年度においては、平成13年3月に行政機関職員定員令の一部改正(平成13年政令第109号)が行われ,公正取引委員会事務総局の職員の13年度末の定員は571人(平成12年度末564人)と定められた。
 なお,同定員令は平成14年4月に一部改正(平成14年政令第126号)され,平成14年度におけるコウセイ取引委員会事務総局の職員は607人となり、平成13年度に比べ36人増加した。

1−2表 公正取引委員会の構成

     (平成14年4月1日現在)

1−3表 人事異動(平成13年度,管理職以上)


1−4表 公正取引委員会の予算額(平成13年度,補正後)

           (単位:千円)

 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律の概要

会社による株式保有の制限に関する改正について

○第9条と第9条の2
第9条[持株会社の設立等制限] 第9条の2[大規模会社の株式保有総               額制限]

○第11条[金融会社による議決権保有の制限]

その他の改正について

○送達規定の整備
独占禁止法第69条の2[書類の伝達]
○法人等に対する罰金上限額の引上げ
○既往の違反行為に対する措置規定の対象行為の追加
違反行為がなくなっていても必要な措置が採れるよう次の3行為を追加

 21世紀にふさわしい競争政策の検討関係

3−1 21世紀における競争政策のグランド・デザイン

3−2 21世紀にふさわしい競争政策を考える懇談会提言書(概要)

              提 言
 我が国の経済社会は,経済のグローバル化,情報通信技術革命(IT革命)など,大きな環境変化のただ中にある。それに対応して,我が国においては,経済の構造改革を進め,民間事業者による自由な活動と創意工夫を通じて競争力ある経済社会を実現するとともに,経済社会全般にわたる規制改革により事前規制型行政から事後チェック型行政へと行政の在り方を転換することが大きな課題となっている。経済社会の構造転換は、自己責任原則と市場原理に立脚し,国際的にも開かれた公正で自由な競争のルールの実現を目指す競争政策が果たすべき役割が極めて重要である。
 当懇談会は,このような基本認識の下,21世紀にふさわしい競争政策とそれを中核的に担う公正取引委員会の有り方に関して討議を重ね,本提言書をまとめた。とりわけ、次の事項について早急に実現すべく強く提言する。

<公正取引委員会の位置づけ>
 市場における公正・自由な競争ルールの実現を目指す競争政策は,経済構造改革をはじめとする政府の施策全般の中で,最も基本に位置付けられるべき性格のものである。したがって,競争政策を中核的に担う公正取引委員会の位置付けは,特定の事業を所管する省庁の下ではなく,内閣の重要政策に関する事務を掌る内閣府がふさわしく,将来的に内閣府に移行させることも検討すべきである。
<法執行の重点化と機能強化>

 限られたリソースで違反行為の摘発を効率的に行うには,経済社会を取り巻く環境の変化に即応しつつ特定の重要分野(IT・公益事業分野など)に重点を置いた違反事件の審査が必要である。
 独占禁止法違反行為に対する抑止力を強化するため,違反行為に対する措置体系について,現行の課徴金制度と刑事罰を見直すとともに,犯則調査権限の導入について検討を行う必要がある。
 刑事罰については,入札談合,価格協定等違反を行った法人等に対する罰金の上限額1億円について,既に証券取引法等他の経済法令の罰金が大幅に引き上げられていることから,これらに並ぶ水準にまで引き上げる必要がある。
 経済環境の変化に対応した事業者の迅速・機動的な行動を可能とするため,企業結合審査における透明性を高め,的確かつ迅速な企業結合審査を行う必要があり,その審査体制について,質・量両面からの充実を図るべきである。
 経済のグローバル化に伴い,国際カルテル等の国境を越えた反競争的行為が我が国の市場に影響を及ぼすことがあり,これに対して独占禁止法により有効に対処するためには,外国事業者に対する文書通達等に係る手続を整備するとともに,独占禁止法の執行に関して,二国間の協力協定を拡大・深化させ,多国間での協定締結に向けて我が国が主導的役割を果たすことが必要である。
<規制改革をめぐる政策提言機能の強化>

 規制改革と独占禁止法の執行は,競争政策の車の両輪であり,両者は一体的に取り組まれるべきものである。従来から,公正取引委員会は,こうした観点から規制改革に関係した調査・提言を行ってきているが,今後も,関係省庁ごとの縦割り行政の枠を超えた普遍的な競争政策という観点から,規制改革に向けた先導的役割を担うべきであり,より積極的な政策提言を行う必要がある。特に,従来は必ずしも十分な競争が行われてこなかった医療,福祉,教育,労働等の社会的規制分野について,競争政策の観点からの不断の見直しが必要である。
 また,公正取引委員会が規制改革における役割を実効的に果たすためには,規制改革に係る調査・提言がその職務に属することを法律上明文化するとともに,総合規制改革会議や行政改革推進事務局といった他の行政機関との連携を図ることが必要である。
<消費者支援機能の強化>
 公正・自由な競争のルールが効果的に機能するには,消費者が適正な選択を行える環境の創出・確保を十全に実現することが必要であり,そのために,公正取引委員会が運用する景品表示法について,消費者の適正な選択を歪める行為の規制範囲の拡大,消費者が適正な選択を行う上で重要な一定の情報の積極的な提供の義務付けなど,現行の不当表示規制の見直しを検討すべきである。
 また,諸外国に比べると多くの行政機関に分散して行われている消費者政策について,公正取引委員会が積極的に取りくんでいくべきであり,競争政策の観点から消費者政策に係る調査・提言を行うことが公正取引委員会の役割であることを法律上明文化することが必要である。
 さらに,公正取引委員会が消費者政策に積極的に取り組んでいく上では,内閣府国民生活局や正取引委員会,国民生活センターとの連携を緊密に図っていくことが極めて有益である。
<公正取引委員会の人員・組織の拡充と国民的理解の増進>

 公正取引委員会が競争政策において中核的な役割を担い,消費者政策に積極的に取り組むためには,違反事件の審査,企業結合審査,規制改革をめぐる政策提言,不当表示規制などを担う部署を中心に,地方事務所を含めた飛躍的な人員の強化が必要である。人員面での拡充に併せて,組織の強化を図ること,とりわけ,独占禁止法の執行に必要な審査機能,規制改革をめぐる政策提言機能及び消費者政策に係る消費者支援機能の各機能に対応した形で現在の2局体制から3局体制へ拡充させることが必要である。
 また,公正取引委員会の権限の大幅な強化と陣容の飛躍的な拡充が実現されるのであれば,このガバナンスの在り方についても見当が必要である。
 さらに,競争政策・消費者政策に対する国民的な理解と支持を得て,こうした政策を盤石の体制で遂行できるよう,効果的な広報活動を通じて競争政策と消費者政策に対する支持基盤を拡大する努力を行うべきである。

 審決・訴訟関係等

4−1表 審決一覧(平成13年度)





4−2表 手続別審決件数推移


(注)1 ( )内の数字は,中小企業等協同組合法第107条に基づく審決件数で内数である。
  2 平成11年度の課徴金の納付を命ずる審決には,課徴金の納付を命じなかった審決が1件含まれている。
  3 審判審決とあるのは,過去の年次報告において「正式審決」と分類していたものである(平成5年度から正式審決の呼称を審判審決に変更)。

4−3表 関係法条別審決件数推移

(注)1 本表に掲げる数字が審決件数より多いのは,同一事件に2以上の法条を適用した場合があるからである。
  2 昭和25年度審決のうち1件及び昭和27年度審決のうち4件は,審決をもって審判開始決定を取り消したものである。
  3 昭和29年度審決のうち2件,昭和30年度審決のうち1件(再審決),昭和37年度審決のうち1件,昭和40年度審決のうち1件,平成6年度審決のうち1件及び平成12年度審決のうち1件は,違反事実なしの審決である。
  4 7条の2の審決件数には,課徴金の納付を命じなかった審決が1件含まれており,また,8条の3により当該条項が準用されている審決が含まれている。

4−4表 告発事件一覧



4−5表 緊急停止命令一覧

4−6表 注意の対象となった行為の業種・行為類型別分類

(注)1 その他のカルテルとは,数量,販路,顧客移動禁止,設備制限等のカルテルである。
   2 独占禁止法第8条第1項第5号に係る事件は,不公正な取引方法として分類している。

 規制改革推進3か年計画(改定)関係

5−1 規制改革推進3か年計画(改定)(抄)

            平成14年3月29日
            閣 議 決 定