4 課徴金

 課徴金制度は,カルテルによる経済的利得を国が徴収し,違反行為者がそれをそのまま保持し得ないようにすることによって,社会的公正を確保すると同時に,違反行為の抑止を図り,カルテル禁止規定の実効を確保するため,行政上の措置として設けられているものである。
 課徴金の対象となる行為は,事業者又は事業者団体の行うカルテルのうち,商品若しくは役務の対価に係るもの又は実質的に商品若しくは役務の供給量を制限することによりその対価に影響のあるものであり,これらの行為があった場合に,事業者又は事業者団体の構成事業者に対し課徴金の納付を命じることとされている(第7条の2第1項,第8条の3)。
 平成13年度においては,285件,総額29億973万円の課徴金の納付を命じた(第6表)。
 なお,平成13年度に課徴金の納付を命じた285件のうち,37件について審判開始請求があり,これらについてはいずれも審判開始決定を行ったことから合計7億1068万円の課徴金納付命令(平成13年(納)第346号,平成13年(納)第440号,平成13年(納)第446号〜第479号,平成14年(納)第81号)が審判手続に移行した。この結果,平成13年度の課徴金額は,課徴金の納付を命ずる審決1件を含め,248件21億9905万円となった(第7表)。

課徴金額等の推移


(注)課徴金の納付を命ずる審決を含み,審判開始決定により審決手続に移行したものを含まない。

第6表 平成13年度課徴金納付命令一覧(課徴金の納付を命ずる審決を除く。)




(注)上記のほか,課徴金の納付を命ずる審決により,1事業部に対し1076万円の課徴金の納付を命じている(第4章第4参照)。

第7表 課徴金制度の運用状況


(注)1 課徴金の納付を命ずる審決を含み,審判手続に移行したものを含まない。
   2 事件の関係人の一部のみを対象として納付を命じる場合(一部の関係人について審判が行われたため関係人によって課徴金の納付を命じた時期が異なった場合)には,最初の課徴金納付命令が行われた年度に事件数を計上している。