EU
欧州委員会,Googleが提示した確約案の意見募集を開始
2013年4月25日 欧州委員会 公表
【概要】
欧州委員会は,オンライン検索及び検索広告に関しGoogleが提示した確約案について,利害関係者からの意見を募集する。2013年3月,欧州委員会は,次に示すGoogleの4つの商慣行が,支配的地位の濫用を禁じる欧州機能条約第102条に違反している疑いがあるとの予備的結論を正式に通知していた。
[1]Googleの検索結果ページにおいて,自社の専門検索サービス(レストラン,ホテル又は商品情報といった特定のカテゴリーの検索ができるサービス)へのリンクを,競合する専門検索サービスへのリンクと比べ,優先的に取り扱っていること,
[2]Googleが自社の専門検索サービスにおいて,第三者によるオリジナルのコンテンツを,同意を得ずに使用していること,
[3]第三者のウェブサイト(「以下「パブリッシャー」という。)との契約において,事実上ほぼ全ての検索広告をGoogleから取得するよう義務付けていること,
[4]競合する検索広告プラットフォームへのオンライン検索広告キャンペーンの移行やGoogleの広告プラットフォーム「AdWords」と競合する検索広告プラットフォームをまたぐキャンペーンについて,広告主に対し,契約上制限を課していること。
これらの懸念に対し,Googleは主に次の改善策を提示した。
[1]については,Googleの専門検索サービスへのリンクにラベルや枠を付けるなどして,ユーザーが他のウェブ検索結果と容易に区別がつくようにすること,また,Googleのサービスに近い競合する3つの専門検索サービスへのリンクを,ユーザーにはっきりと見える場所に表示すること,
[2]については,全てのウェブサイトに対し,Googleの専門検索サービスに自身のコンテンツが使用されることを拒否できる(オプトアウト)選択肢を提供し,使用を拒否しても,Googleの通常の検索結果の順位に不当に影響を与えないこと,
[3]については,パブリッシャーに対し,オンライン検索広告はGoogleのみから取得するよう強要しないこと,
[4]については,広告主が,競合する広告プラットフォームを含めた検索広告キャンペーンを管理することを制限しないこと。
さらに,Googleは,上記改善策が適切に実施されているかどうかを監視する独立した受託人を設置するとした。
意見募集を踏まえ,これらの確約が欧州委員会の懸念を解消するものであるとされれば,Googleを法的に拘束する旨の決定が下される。