カナダ

カナダ競争局,自動車部品カルテルについて,オンタリオ州上級裁判所がデンソーに対し,245万カナダドルの罰金を課した旨公表

2014年8月20日 カナダ競争局 公表

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【概要】

 カナダ競争局は,日本の自動車部品メーカーである株式会社デンソー(以下「デンソー」という。)が,カナダ東部のオンタリオ州上級裁判所において,国際カルテルへの関与について,競争法に基づく3つの訴因に係る有罪答弁を行い245万カナダドルの罰金を課された旨公表した。
 デンソーは,Toyota Motor Manufacturing Canada Inc.がカナダで製造した2003年及び2004年のモデルのレクサスRX及びカローラ,2005年から2007年までのモデルのレクサスRX及びカローラ並びに2008年モデルのレクサスRX及びカローラに搭載するボディ電子制御装置(以下「ボディECU」という。)を調達した際に,入札談合に関与していたことを認めている。ボディECUは,自動車の車体に組み込むドアロック,パワーウィンドー等,特定の電装品への電力供給をコントロールするものである。

中国

中国国家発展改革委員会,日系事業者が自動車部品及びベアリングの価格カルテルを行っていたとして,総額12億3540万元の制裁金を賦課

2014年8月20日 中国国家発展改革委員会 公表

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【概要】

 中国国家発展改革委員会(NDRC)は,日系事業者12社が自動車部品及びベアリングの 価格カルテルを行っていたとして,自動車部品メーカー8社に対し8億3196万元,ベアリングメーカー4社に対し4億344万元,総額12億3540万元の制裁金を賦課した旨公表した。
 中国国家発展改革委員会が審査したところ,日立オートモーティブシステムズ株式会社(以下「日立オートモーティブシステムズ」という。),株式会社デンソー(以下「デンソー」という。),愛三工業株式会社(以下「愛三工業」という。),三菱電機株式会社(以下「三菱電機」という。),株式会社ミツバ(以下「ミツバ」という。),矢崎総業株式会社(以下「矢崎総業」という。),古河電気工業株式会社(以下「古河電気工業」という。)及び住友電気工業株式会社(以下「住友電気工業」という。)の日系自動車部品メーカー8社は,2000年1月から2010年2月までにかけて,競争を回避しつつ,最も有利な価格で自動車メーカーから受注するため,日本においてバイ又はマルチの会合を頻繁に行い,価格を互いに相談し,数回にわたって発注オファーに関する協定を締結するとともに実施してきた。当該価格カルテルは,中国市場に関係するものであり,受注した製品には,スターターモーター,交流発電機,燃料セーバー,ワイヤーハーネス等13品目が含まれており,ホンダ,トヨタ,日産,スズキ,フォード等の20以上の車種に用いられている。
 株式会社不二越(以下「不二越」という。),日本精工株式会社(以下「日本精工」という。),株式会社ジェイテクト(以下「ジェイテクト」という。)及びNTN株式会社(以下「NTN」という。)のベアリングメーカー4社は,2000年から2011年6月までにかけて,日本においてアジア検討会を開催し,上海における輸出市場会議の開催を手配するなど,アジア地域及び中国市場におけるベアリングの値上げの方針,タイミング及び幅について検討し,値上げの実施状況について意見交換を行った。4社は,中国国内においてベアリングを販売する際,アジア検討会,輸出市場会議で談合した価格又は互いに交換した値上げ情報を参考にしつつ,値上げを実施した。
 自動車部品メーカー8社及びベアリングメーカー4社は,自動車部品及びベアリングの価格に関する協定を形成するとともに,これを実施し,中国独占禁止法規定に違反する疑いがあり,市場競争を排除・制限し,中国における自動車部品,完成車及びベアリングの価格に不当な影響を与え,下流メーカーの合法的権益及び我が国の消費者の利益を損ねた。2つの事案については,事業者が数回にわたって価格協定を形成するとともに実施し,違法行為は10年以上にわたり,違法行為の態様が重大であるため,国家発展改革委員会は,法律にのっとって厳重に処罰するとともに,自ら進んで重要証拠を提出した事業者については,中国独占禁止法における軽減又は処罰免除規定を適用した。
 自動車部品カルテル事件に対する処罰決定は以下のとおりである。[1]最初に自ら進んで独占的協定の形成に関する状況を報告するとともに重要な証拠を提供した日立オートモーティブシステムズについて,処罰を免除する。[2]二番目に自ら進んで独占的協定の形成に関する状況を報告するとともに重要な証拠を提供したデンソーについて,前年度売上額の4%に当たる1億5056万元の制裁金を賦課する。[3]一品目しかカルテルを行っていない矢崎総業,古河電気工業及び住友電気工業について,前年度売上額の6%に当たる2億4108万元,3456万元,2億9040万元の制裁金をそれぞれ賦課する。[4]二品目以上の製品においてカルテルを行った愛三工業,三菱電機,ミツバについて,前年度売上額の8%に当たる2976万元,4488万元,4072万元の制裁金をそれぞれ賦課する。
 次に,ベアリングカルテル事件に対する処罰決定は以下のとおりである。[1]最初に自ら進んで独占的協定の形成に関する状況を報告するとともに重要な証拠を提供した不二越について,処罰を免除する。[2]二番目に自ら進んで独占的協定の形成に関する状況を報告するとともに中国市場に関係する全ての証拠及びデータを提供した日本精工について,前年度売上額の4%に当たる1億7492万元の制裁金を賦課する。[3]2006年9月にアジア検討会から脱退したが,引き続き中国輸出市場会議に出席していたNTNについて,前年度売上額の6%に当たる1億1916万元の制裁金を賦課する。[4]中国だけを対象にして輸出市場会議を開催することを提案したジェイテクトについて,前年度売上額の8%に当たる1億936万元の制裁金を賦課する。
 なお,本件に関わった事業者は,是正措置を提出した。一つ目として,中国の法律にのっとって販売政策及び販売行為を是正する。二つ目として,全従業員を対象に,独占禁止法の研修を行い,従業員の行為が中国の法律上の要求に符合することを確保する。三つ目として,実際に今までの違法行為の結果を解消し,自ら進んで競争秩序を守るとともに,消費者の利益に資するようにする。
 国家発展改革委員会は,本件審査過程において発見したその他の違法行為について引き続き調査し,公平な法律執行を確保し,公平な市場競争秩序を守り,経営者及び消費者の合法的権益を保護し,経済社会の発展のために良好な環境を創造していく所存である。

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