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オーストリア(Austria)

(2007年4月現在)

1.根拠法

(1)「カルテル法(Kartellgesetz)」

 オーストリアにおける競争法制の中心となる法律。主に,カルテル,市場支配的地位の濫用,企業結合に係る規制等を規定している。1951年に時限立法として制定,1959年に恒久法化,その後1988年に新たに制定。数次の改正が行われているが,直近ではEC条約及び規則に適合させるための改正が2006年1月に施行された。

(2)「不公正競争法(Bundesgesetz gegen den unlauteren Wettbewerb)」

 カルテル,市場支配的地位の濫用には当たらない反競争的行為(ボイコット,自らの立場を利用した取引相手からの搾取,不当表示,不当な景品類等)を規制する法律。一般事業者だけでなく,連邦商工会議所,連邦労働者会議所,農業会議所による行為も規制している。
 1984年に制定され,直近では2006年6月に改正法が施行された。当該改正により,不公正取引法違反行為に対する差止命令を行う権限が連邦競争庁に付与された。

(3)「競争法(Wettbewerbsgesetz)」

 連邦競争庁,競争委員会の組織,権限,審査等を規定する法律。
 2002年に制定され,2006年1月に,リーニエンシープログラムの導入を主な内容とする改正法が施行された。

2.執行機関

(1) 連邦競争庁(Bundeswettbewerbsbehorde)

ア 構成

 連邦競争庁は,競争法第1条に基づき,2002年7月1日に設立された。組織的には,連邦経済労働省(Bundesministerium Wirtscaft und Arbeit)の下に位置づけられる(競争法第1条)。連邦競争庁設立以前は,競争当局は存在せず,カルテル裁判所(後記(4))が関係者からの申告等を受け付け,カルテル法等の執行を行っていた。
 連邦競争庁の長官(Generaldirektor)は,連邦経済労働大臣の推薦の下,大統領から任命される。長官は,法学又は経済学の知識があり,競争法分野で5年以上の経験がある者の中から選ばれ,任期は5年である。ただし,70歳を超えないものとする(競争法第6条,第7条)。
 連邦競争庁の職員数は,長官を含め27名である(2006年6月現在)。

イ 権限

 連邦競争庁は,カルテル法,不公正競争法,EC条約第81,82条への違反が疑われる行為を端緒し,審査を行い,カルテル裁判所に付託する。また,一般的な経済政策,法制度の見直し等に関し,競争上の観点から意見を発出することができる(競争法第2条)。

(2) 競争委員会(Wettbewerbskommission)

 連邦競争庁の下部組織として,競争法第16条に基づき設立された。
 競争委員会は,経済,事業運営,社会政策,技術,又は商業に係る法律の専門家である8名の委員から成る。委員の任期は4年であり,1名は委員長として任命される。
 競争委員会は,連邦競争庁からの競争・政策についての諮問に対し,検討,報告を行う(競争法第16条,第17条)。

(3) 連邦カルテル検事(Bundeskartellanwalt)

 連邦カルテル検事は,カルテル法第75条に基づき,2002年7月1日に連邦法務省(Bundesministerium fur Justiz)の下に設置された。同検事は,連邦競争庁と共同又は別個に,カルテル法に基づく反競争的行為及び企業結合の審査を行い,カルテル裁判所への付託を行っている。
 連邦カルテル検事及び副検事は,法学又は経済学の知識があり,行政,司法における競争法分野で5年以上の経験がある者の中から選ばれ(カルテル法第77条),大統領により任命される。任期は5年,再任は可能である(カルテル法第76条)。また,65歳を定年とする(カルテル法第78条)。

(4) カルテル裁判所(Kartellgericht)

 カルテル法58条第1項に基づき,ウィーン高等地方裁判所は,カルテル裁判所としての機能を有する。
 カルテル裁判所における各裁判は,裁判長1名及び2名の競争担当判事が担当する。カルテル裁判所は,この合計3名からなるパネルを2~5有し,各事件が分担されている(カルテル法第60条)。
 裁判長は,裁判官の中から選任され,競争担当判事は,陪審員又は非法律家裁判官(lay judge)としての資格を有し,法律,商業又は経済に関し大卒程度の学力を有し,かつ,法律又は経済に関し長期にわたる経験を有する者から選任される。また,同判事は,連邦法務省の推薦に基づき,大統領が任命し,65歳を定年とする。
 カルテル裁判所は,連邦競争庁又は連邦カルテル検事からの提訴に基づくカルテル法関係事件の第一審を管轄する。

(5) カルテル最高裁判所(Kartellobergericht)

 カルテル法第58条第2項に基づき,オーストリア最高裁判所は,カルテル最高裁判所としての機能を有する。
 カルテル最高裁判所(オーストリア最高裁判所に属する。)は,基本的に,最高裁判所の裁判官から選任された裁判長1名と競争担当判事(非法律家裁判官:lay judge)2名の計3名から構成され,カルテル法違反事件の控訴裁判を管轄する。

3.規制の概要

(1) カルテル

ア カルテルの禁止(カルテル法第1条)

 競争を妨害,制限,歪曲する意図を持つ又はその効果のある事業者間のすべての協定,事業者団体のすべての決定及びすべての協調的行為は禁止され,無効とする。特に,次の行為は禁止される。
[1] 販売価格又はその他の条件に関する直接的又は間接的な取り決め
[2] 生産,販売,技術開発,投資の制限又は統制
[3] 市場又は顧客の分割
[4] 取引相手に対する,競争的に不利益を与える,他の取引相手と異なる条件の賦課
[5] 契約者に対して,客観的に見て契約する商業取引とは無関係の追加的なサービスを負わせる条件を課す契約の締結

イ 適用免除(カルテル法第2条,第3条)

 次の行為は,カルテル法第1条から免除される。
(ア) 個別の適用免除
[1] 目的の実現に必要ではない制限を課すもの,又は関連市場の主要部分において競争の排除を引き起こす可能性のないものであり,商品生産・流通の発展により消費者の利益となる場合,又は協定参加事業者以外に対し技術,経済の発展をもたらす場合
[2] EC条約第81条第3項を根拠とする行為
(イ) 一括適用免除
[1] カルテル行為に参加する事業者の,国内市場占有率の合計が5%未満であり,国内の関連する部分市場の占有率の合計が25%である場合
[2] 書籍,絵画,音楽,雑誌,新聞に関する出版社と販売者との販売価格についての協定
[3] 連邦法第70/1873号(収入及び経済的協力に関する法第1条)において正当化される協力メンバー間の制限的行為
[4] 連邦法第532/1993号(銀行法第30条第2a項)において正当化される信用機関集団のメンバー間における制限的行為
[5] 農産物の生産又は販売に関し,価格維持及び競争者排除を含まない,農業従事者,農業従事者集団による協定,決定,行為

(2) 市場支配的地位の濫用

 市場支配的事業者とは,国内市場又は関連市場において,(1)市場占有率が30%以上,(2)市場占有率が5%以上かつ競争事業者が2社以下,(3)市場占有率が5%以上かつ当該市場における4事業者の合計市場占有率が80%以上,の者をいう(カルテル法第4条)。
 これらの事業者による市場支配的地位の濫用は禁止される。特に,以下の行為は禁止する(カルテル法第5条)。
[1] 不当な購入・販売価格,又は不当な支払期間及び利子の堆積,その他の取引条件を直接的又は間接的に強要すること
[2] 生産,販売,顧客の損害に関する技術的開発を制限すること
[3] 同等の行為に対する異なる条件の適用を通した,競争上の取引相手の差別
[4] 契約者に対して,客観的に見て契約する商業取引とは無関係の追加的サービスを負わせる契約条件の賦課
[5] 客観的に見て正当化されない価格(原価割れ価格)での販売

(3) 企業結合

ア 規制

 競争を制限する疑いのある企業結合は禁止される。特に,他の事業者の完全又は主要部分の事業の直接的・間接的買収により,50%程度以上の市場占有率となる場合は規制対象となる(カルテル法第7条)。

イ 届出

 企業結合を行う場合,連邦競争庁に速やかに届出を行わなければならない。届出の際,当該市場の構造,関係事業者の売上高を含む事業構造,市場占有率に係る正確な資料を提出しなければならない(カルテル法第10条)。

ウ 審査

 連邦カルテル庁は,同一の届出書面を連邦カルテル検事に送付する。連邦競争庁及び連邦カルテル検事は,共同又は別個に審査を行う。
 連邦競争庁は,問題がないと判断し,また連邦カルテル検事からの異議がない場合は,届出から14日以内に当該事業者に見解を通知する。規制対象となる疑いがある場合は,届出から4週間以内にカルテル裁判所に付託する(カルテル法第11条,第82条)。
 カルテル裁判所は,詳細な審理を行い,当該企業結合が市場支配的地位を形成又は強化すると判断する場合,付託から5か月以内に当該企業結合の禁止の判決を行わなければならない。なお,禁止の要件を満たしている場合であっても,その不利益を上回る競争的環境の進展を促す効果が期待される場合,又は国際的競争力の強化が期待される場合は,当該企業結合審理を打ち切らなければならない(カルテル法第12条)。
 カルテル裁判所の判決に対する控訴は,2か月以内にカルテル最高裁判所に対して行うことができる(カルテル法第14条)。

4.法執行手続

(1) 事件処理手続

ア 連邦競争庁における審査

 競争制限の影響を受けている事業者又は事業者団体は,連邦競争庁に対して申告を行うことができる。
 また,カルテル法違反があると思料するときは,連邦競争庁は自ら審査を開始することができる。
 連邦競争庁は,各違反被疑事件について,関連する事業者又は事業者団体に対し,必要な情報及び資料の提供を求めることができる。これに従わない者は,刑事裁判所に提訴される可能性がある(競争法第11条)。
 また,連邦競争庁は,必要な情報及び資料を収集するため,建物等の立入検査を行うことができる(競争法第12条)。
 審査の結果,違反の事実があると判断する場合,カルテル裁判所に付託する(競争法第13条)。なお,各事件について連邦競争庁は連邦カルテル検事に意見を求めることができ,連邦カルテル検事は必要に応じて連邦競争庁に情報提供,調査を要請しながら審査を行う(カルテル法第81条)。

イ カルテル裁判所による法的措置の決定

 カルテル裁判所は,連邦競争庁又は連邦カルテル検事からの付託事件について審理を行い,制裁金賦課,停止命令等の決定を行う。
 カルテル裁判所は,第一審裁判所であり,同判決に不服のある者は,判決の4週間以内にカルテル最高裁判所に控訴できる(カルテル法第49条)。

(2) 制裁

ア 制裁金の賦課

 カルテル裁判所は,違反事実を確認した場合,次のとおり制裁を課さなければならない(カルテル法第29条)。なお,制裁は違反行為の終了後5年以内でなければ課すことはできない(カルテル法第33条)。
[1] カルテル法第1条(カルテル行為の禁止),第5条(独占的地位濫用の禁止),第6条(報復行為の禁止),第17条(違法な企業結合の禁止),EC条約第81条,第82条への違反を行った者に対し,違反行為が行われた前年の事業年度の,事業者又は事業者団体の売上高の最大10%の制裁金
[2] カルテル裁判所決定を遵守しない者,カルテル裁判所の要求に対し虚偽又は不正確な情報供与を行った者に対し,違反行為が行われた前年の事業年度の,事業者又は事業者団体の売上高の最大1%の制裁金
 また,カルテル裁判所が決定した命令に従わない者に対し,決定日から1日につき,前年の事業年度の1日平均売上高の最大5%の履行制裁金を課すことができる(カルテル法第35条)。

イ 停止命令

 カルテル裁判所は,違反事実を確認した場合,当該行為の停止命令を行うことができる(カルテル法第48条)。

(3) リーニエンシー制度

ア 根拠

  • 競争法第11条第3項(2006年改正により導入)
  • 競争法第11条第3項の適用に関する連邦競争庁手引

イ 対象

 カルテル法第1条(カルテル行為の禁止)又はEC条約第81条への違反行為

ウ 概要

 制裁金の減免は,連邦競争庁が申請を受け付け,認可することができる。
(ア) 条件
[1] カルテル法第1条又はEC条約第81条の違反行為を行ったと推測する当事者による申請であること,
[2] 連邦競争庁が端緒していない事件について,情報を提供すること,
[3] 連邦競争庁の審査期間全体にわたり,同庁に完全かつ迅速な協力を行うこと,
[4] 他の事業者に対して違反行為への参加を強要していないこと(イ) 制裁金の免除
 連邦競争庁が端緒していない事件について情報を提供し,上記の条件を満たす者は,制裁金の全額免除を受ける可能性がある。
(ウ) 制裁金の減額
 連邦競争庁が既に情報を保有している事件につき情報提供し,上記の条件を満たす者は,制裁金の減額を受ける可能性がある。
 減額の幅は,以下のとおりとする。
[1] 制裁金減額の要件を満たす一番目の事業者:30~50%
[2] 制裁金減額の要件を満たす二番目の事業者:20~30%
[3] 制裁金減額の要件を満たす三番目以降の事業者:最大20%

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