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エルサルバドル(El Salvador)

1 根拠法

(1)根拠法

 エル・サルバドル共和国の競争法は,「競争法」(Ley de Competencia, 2004年法律第528号,2007年法律第436号により一部改正)である。
 競争法は,いかなる方法をもってするかを問わず競争を限定若しくは制限し又は事業者の市場への参加を阻害する反競争的行為について,それがいかなる性質のものかにかかわらず,経済効率及び消費者利益の向上のために,これを防止又は排除することによって,競争を促進,保護及び確保することを目的としている(第1条)。

(2)法適用範囲

 競争法は,自然人又は法人の別を問わず,すべての事業者,国又は地方自治体,国営事業者,事業者団体その他の経済活動を行ういかなる組織にも適用される。ただし,競争法は,憲法又は法律の規定に基づき,国又は地方自治体が排他的に行っている経済活動には適用されない(第2条)。

2 執行機関

(1)競争競争監督庁

 エル・サルバドルの競争法の執行当局は,競争監督庁(La Superintendencia deCompetencia)である。競争監督庁は,その他の国家機関から独立した行政権限と予算を有し,競争法やその他の適用条項に規定されている職務を遂行する専門機関である(第3条)。競争監督庁は,その活動を最適な方法で行うためのサポート研究や他の関連活動によって補完される法律や経済に係る専門的な分析を行うことによって競争法の遵守状況を監視する目的を有する(第4条)。

(2)委員会

 競争監督庁の最高意思決定機関は委員会であり,委員会は,エル・サルバドル共和国大統領の任命による競争監督庁長官,2名の委員及び3名の代理委員で構成され,競争監督庁長官は,委員会の議長を務めることとされている。代理委員には委員会に出席して発言する権限はあるが,議決権は付与されていない。ただし,競争監督庁長官及び各代理委員のいずれもが事件の審理を行うことができない場合は,委員が委員会を開催するために代理委員らを招集し,当該委員会は決議によって,競争監督庁長官に代わって事件の審理を行う者を指名する。委員会の議決は,委員会メンバーの多数決で決定される(第6条)。

(3)職務

ア 競争監督庁長官の職務は以下のとおりである(第13条)。

  •  職権により又は第三者の申立てに基づいて事件を審査すること
  •  事業者に対して関係資料の提出を命令すること
  •  第三者からの申立てに対してその受理又は却下を決定すること
  •  立入検査を実施すること(2007年法改正により追加) 等

イ 委員会の職務は以下のとおりである(第14条)。

  •  違反行為者に対して措置又は反競争的行為の中止を命じること
  •  競争監督庁長官に対して職権による事件審査の開始を指示すること
  •  合併又は買収を承認,否認又は条件付きで承認すること 等

3 規制の概要

(1)禁止事項

ア 競争法は,以下の行為を反競争的行為として禁止している。

[1] 競争者間における合意(第25条)

  •  いかなる方法をもってするかを問わず,価格,その他の購入又は販売条件を拘束する合意を行うこと
  •  生産量を維持又は制限すること
  •  競売又は入札において価格を維持又は制限すること(当該入札においては,方法,民間の事業者が行うものであるか国又は地方自治体が行うものであるか,国内で行われるものか国外で行われるものかを問わない。また,複数の事業者による共同入札であって,当該事業者が提出する文書に共同入札である旨が明確に記載されている場合はこの限りではない。)
  •  営業地域,販売量又は購入量,販売する商品の種類,需要者又は供給者の種類その他いかなる方法をもってするかを問わず,市場を分割すること等

[2] 非競争者間における反競争的行為(第26条)

  •  市場支配的地位にある事業者が自己の供給する商品を購入する相手方に対して,当該商品以外の商品についても当該相手方が自己又は自己の関連会社から購入
  •  することを条件として当該商品を販売すること
  •  販売又は取引の相手方に対して,通常第三者に提供する若しくは第三者から提供される商品若しくは役務を当該相手方が使用,取得,販売又は供給しないことを条件として販売又は取引すること
  •  前記2項の条件を付して販売又は取引する旨を複数の事業者間で合意すること又は合意するよう誘引すること等

[3] 市場支配的地位の濫用(第30条)

  •  市場支配的地位にある事業者等が新規の競争者の市場参入又は既存の競争者の拡大を阻害すること
  •  当該行為が市場の競争を著しく制限,阻害又は排除する目的をもって行われること
  •  競争者を排除し又は上記の新規事業者の参入若しくは既存事業者の拡大の阻害を目的として,組織的に原価を下回る価格まで販売価格を下げること
  •  ある地域の競争を減殺,阻害又は排除する効果又は目的をもって,当該地域においてその他の地域における価格とは異なる価格で商品又は役務を供給すること等

イ 違反行為の対象商品又は役務に係る関連市場(以下「関連市場」という。)を画定するためには,以下の条件を考慮しなければならない(第28条)

  •  当該商品又は役務(以下,これらを併せて「商品」という。)の国内又は海外の他の商品との代替可能性(消費者が代替品を入手するために要する時間とともに,代替品を見つける上での技術的方策及び容易さを考慮しなければならない。)
  •  当該商品それ自体及び関連する投入資材の流通コスト。投入資材には,国内外からの補完財及び代用品を含む(輸送費,保険料,関税,非関税措置,事業者又は事
  •  業者団体等が課す制限及び供給者が代替品を関連市場へ供給するために必要な時間を考慮しなければならない。)。
  •  需要者が代替品を入手するために必要な費用及び代替商品を入手できる可能性
  •  需要者による代替品の入手又は供給者による代替品の供給を制限する法律上の制約

ウ 非競争者間における反競争的行為を違反行為と認定するには,以下の条件を満たさなければならない(第27条)。

  •  違反行為者が関連市場において支配的地位を有すること(違反行為者が複数の場合は,当該複数の違反行為者が関連市場において共同で支配的地位を有すること。)
  •  違反行為の対象商品が,違反行為者が支配的地位を有する関連市場の商品であること
  •  違反行為が競争の制限,参入の阻害若しくは制限又は競争者の市場からの排除をもたらす効果をもつこと又はそのような効果を生じ得ること,また,いずれの場合においても消費者利益が害されていること

エ 違反行為者が関連市場において支配的地位を有することを認定するためには以下の条件を考慮しなければならない(第29条)

  •  競争者が,関連市場における市場支配力を行使することができない,又は違反行為者の関連市場における市場支配力を潜在的に抑制することができない状態において,当該違反行為者が関連市場において単独で対象商品の価格を拘束し又はその供給を制限し得ること
  •  関連市場への参入障壁及び当該参入障壁に影響を与える要因並びにその他の競争者による対象商品の供給の可能性
  •  競争者の存在及びその競争力
  •  当該事業者及びその競争者が違反行為の対象商品を供給するために不可欠な設備へアクセスできること

(2)企業集中規制

ア 合併及び買収は,競争法第31条において以下のとおり定義されている。
 ・ 互いに独立した事業者が,互いの事業を完全に又は部分的に合併,買収又は結合等することを目的とする契約又は合意をし,かつ,当該契約又は合意により,事業者が他の事業者を直接的又は間接的に,完全に又は部分的に支配すること
イ 合併又は買収の当事者の総資産の額が産業部門における都市部の最低年間賃金の50,000倍を超え,又はその年間総売上額が産業部門における都市部の最低年間賃金の60,000倍を超える場合は,当該合併又は買収を行う事業者は,競争監督庁に対してその承認を事前に申請しなければならない(第33条)。
ウ 合併又は買収が市場における競争を著しく制限するかどうかを決定するために,競争監督庁は,前記(1)イ及びエのほか,以下の事項を考慮しなければならない(第34条)。

  •  合併又は買収によりもたらされる経済的効率性
  •  その他の関連事項

エ 合併又は買収を行う事業者が,当該合併又は買収により事業上の効率性が著しく向上し,それによりその他の方法では実現できない直接費の削減や消費者に対する
 利益が見込まれることを立証し,かつ,当該合併又は買収により市場における供給量の減少をもたらさないことを立証した場合,競争監督庁は,当該合併又は買収を承認しなければならない(同条)。
オ 競争監督庁は,事業者が競争監督庁に対して合併又は買収の承認を申請した日から90日以内に当該合併又は買収に係る決定を行わなければならない(第35条)。
 当該期間(90日)内に競争監督庁が決定を行わなかった場合は,当該合併又は買収は承認されたものとみなされる(同条)。
カ 合併又は買収を行う事業者が,当該合併又は買収に係る承認を競争監督庁に対して事前に申請しなければならないにもかかわらず,当該申請をしなかった場合は,
 後記(5)イ又はウに記載の制裁金が課される(第38条,2007年法改正により追加)。
キ 合併又は買収を条件付きで承認された事業者が,当該条件に従わず,又は不完全,不正確,不当又は欺まん的な形式で当該条件に従った場合は,競争監督庁は当該事業者に対して当該条件の不遵守が続いている日数に応じて,産業部門における都市部の最低月間賃金の5000倍を月額の上限とする,制裁金を課すことができる(第38条,2007年法改正により追加)。

(3)審査手続

ア 競争監督庁長官は,職権により又は第三者の申立てにより審査手続を開始する(第40条)。
イ 競争監督庁長官は,正式審査を開始する前に,競争法違反の可能性を予備的に決定するために,反競争的行為を調査する権限を競争監督庁職員に与え,事前調査を行わせることができる(第41条)。ただし,事前調査の結果を審査手続や事件等において証拠として用いることはできない(同条)。
ウ 競争監督庁長官は,市場において競争が制限され又は事業者の市場への参入が阻害され若しくは事業者が市場から排除されることにより,第三者又は社会全体の利益に対して損害が発生する危険性が差し迫っている場合には,予備的是正措置を命令することができる(第41条,2007年法改正により追加)。
エ 正式審査の開始は,以下の事実を示した正当な決議によって命令される(第43条)。
 ・ 正式審査を命令した職員の氏名及び正式審査の命令が決議された場所と日付・正式審査を担当する競争監督庁職員及び通知等を担当する秘書官の任命・正式審査の開始を正当化する事実の概要の説明,違反行為の種類,課され得る制裁措置の内容・適正手続の確保のための違反行為者の抗弁権等の表示
オ 競争監督庁長官は,審査を行うために,関係人に対して事件に関連する必要な報告書や文書の提出を求めることができ,また,関係人を出頭させることができる(第44条)。
カ 競争監督庁長官は,立入検査を行う場合は,裁判官に対する要請において,以下の事項を含めなければならない(同条,2007年法改正により追加)。

  •  立入検査が行われる審査において対象となる違反行為
  •  立入検査を行う職員の氏名
  •  検査先の所在地
  •  検査予定日時
  •  立入検査において留置する予定の証拠
  •  当該証拠と違反行為との関連性
  •  立入検査が証拠を得るために必要かつ適切な方法であることを正当化する理由

キ 裁判官は,競争監督庁長官から立入検査の要請を受けてから24時間以内に,当該要請に対する決定を競争監督庁長官に通知しなければならない(同条,2007年法改正により追加)。
ク 立入検査は,競争監督庁長官又は同長官から権限を与えられた競争監督庁職員によって行われ,また,警察官等から援助を求めて行うことができる。立入検査は営業時間内に開始されなければならない(同条,2007年法改正により追加)。
ケ 競争監督庁長官は,事件の正式審査が終了したときは,委員会へ報告しなければならない。委員会は,正式審査の開始日又は申告が行われた日から起算して12か月以内に最終決定を行わなければならない。委員会は,正当な理由を示して,さらに12か月の審査期間の延長を行うことができる。ただし,当該延長は審査上利益があると認められる場合に1回のみ行うことができる(第45条)。

(4)リニエンシー制度(第39条,2007年法改正により追加)

ア 競争法が規定する反競争的行為のうち,競争者間における合意(第25条)を除くものに係る審査においては,反競争的行為を行った事業者は,当該審査中に競争監督庁長官に対して当該反競争的行為を中止又は改善することを保証することができる。
イ 競争法が規定する反競争的行為のうち,競争者間における合意を行った又は行っている事業者は,競争監督庁長官に対してその事実を報告することができる。この場合,当該事業者は,以下の要件を充たさなければならない。

  •  当該合意を行った事業者のうち,最初に競争監督庁長官に報告した者であること。
  •  競争監督庁が当該合意の存在及び残りの事業者による当該合意への参加を確認し得るようなもので,既存の又は入手し得る資料の中で十分な確信に至る程度のものを提供すること。
  •  審査が終了するまで,競争監督庁に対して完全かつ継続的な協力を行うこと。
  •  当該事業者の違反行為への参加を判断する上で必要となるすべてのことを行うこと。

ウ 前記ア又はイの場合において,委員会は,当該事業者に対して後記(5)イ及びウの制裁金の決定に係る各基準を適用しない。
エ 前記ウの措置は,各事業者に対して1回のみ認められる。

(5)違反行為に対する行政措置

ア 競争監督庁は,違反行為に対する措置を命じるに当たり,当該違反行為の程度,損害,第三者に対する影響,違反期間,市場規模及び累犯性を考慮しなければならない(第37条)。
イ 競争法違反には制裁金が課される(第38条)。制裁金の額は,前記アに記載の事項を考慮して決定され,産業部門における都市部の最低月間賃金の5000倍を超えてはならない(同条)。
ウ 前記ア及びイの記載にかかわらず,違反行為が特に重大な場合は,競争監督庁は,違反行為者の年間総売上額若しくは前年度の総資産額に6%を乗じて得た額,又は違反行為から生じた利得に2倍から最大10倍を乗じて得た額のいずれか高い額の制裁金を課すことができる(同条,2007年改正により追加)。
エ 前記イ及びウの制裁金のほか,競争監督庁は,違反行為者に対して,一定期間内において違反行為を中止するよう命令することができ,また,構造的又は行動的な条件又は義務を課すことができる(同条,2007年法改正により追加)。

(6)不服申立て

 現行の競争法には,競争監督庁の決定に対する不服申立てに係る規定はない。
 OECDが2008年に報告したエル・サルバドル共和国の競争法の専門的評価(「OECD COUNTRY STUDIES El Salvodor - Peer Review of Competition Law and Policy 2008」)によると,競争監督庁の決定に対する不服申立ては,最高裁判所の行政審議会 (Administrative Chamber of the Supreme Court)に対して行われ,同審議会の決定に対して不服申立てをすることはできないとされている。

(7)違反行為に対する民事上の手続

 現行の競争法には,違反行為に対する民事上の手続に関する規定はない。

 ※OECDが2008年に報告したエル・サルバドル共和国の競争法の専門的評価(「OECD COUNTRYSTUDIES El Salvodor - Peer Review of Competition Law and Policy 2008」)によると,2008年度の民間部門における都市部の最低年間賃金の50,000倍は,約112,860,000米国ドルに相当するとされている。

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