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フランス(France)

(2010年12月現在)

1 根拠法

 商法典第4部「価格の自由及び競争」(De la liberte de prix et de la concurrence)

2 執行機関

(1) 競争委員会(別紙(組織図))

 競争委員会(L'Autorit? de la concurrence)は,独立した行政機関であり,経済活動を監視する(第L461-1条第1項)。また,競争委員会は,反トラスト審査,企業結合規制並びに競争政策に関する意見及び勧告の公表等を行う。
 (注)フランスの競争政策は,経済財政産業省競争消費者問題不正行為防止総局(DGCCRF)と競争評議会という二重の執行システムにより運用されていたところ,2008年8月4日,経済現代化法(Loi de modernisation de l'economie,「LME」)が成立したことを受けて,競争評議会にその機能が一元化され,単一の独立した組織である競争委員会が創設されるとともに,その権限も強化された。これにより,これまでの体制と比べると,強力かつ効率的に競争法の執行を行うことが可能となった。組織改編による執行面での主な相違点として,(1)二つの組織によって行われていた反トラスト事件審査について,競争委員会に立入検査を実施する審査部門が与えられ,事件の最初から最後までを一貫して扱うことができるようになったこと,(2)経済財政産業省競争消費者問題不正行為防止総局から企業結合審査に関する権限が移管され,競争委員会が企業結合計画の第一次審査及び第二次審査を実施し,あらゆる事案についての承認,禁止又は確約の締結を行うことができるようになったこと, (3)欧州委員会競争総局等と同様に,競争に関するあらゆる事象について自発的に分野別調査を実施し,勧告や意見表明を行うことができるようになったことなどが挙げられる。

ア 委員の構成等(第L.461-1条及び第L.461-2条)

 競争委員会は,委員長,4名の副委員長及び12名の委員(任期はいずれも5年間)から構成される。委員長は,議会の競争分野の専門委員会の諮問を経て,競争に関する経済的かつ法律的専門知識を有する者が選任される。副委員長及び委員は再任可能である(委員長のみ再任は1回限り)。委員長及び副委員長は常勤であり,それ以外の委員は非常勤である。

イ 組織

(ア)報告官
 競争委員会に付託された事案の審査は,報告官(rapporteur)によって行われる。
[1]首席報告官(rapporteur general)及び次席報告官(rapporteur general adjoint)首席報告官は,競争委員会の推薦に基づき,経済担当大臣により任命される。任期は4年(1回に限り再任可能)。次席報告官は,首席報告官により指名される。首席報告官は,報告官の活動を統括する。
[2]常勤報告官(rapporteur permanent)及び報告官(rapporteur)(非常勤) 首席報告官により任命される。以上のほか,首席報告官は,事件ごとに1名又は複数の報告官を任命することができる。

(イ)管理局
 管理局の下に,手続課,人事課,予算課,施設課,文書課が置かれている。

ウ 権限

 競争委員会の権限は,(1)個別の事案について審査を行い,排除措置命令,制裁金賦課命令等を行う法執行機関的側面と,(2)議会,政府等から諮問を受けて意見を述べる諮問機関的側面とに大別される。
 (1)の法執行機関的側面については,「4 執行手続」(1)~(3)において詳述する。
 (2)の諮問機関的側面における競争委員会の機能は次のとおりである。

  •  競争委員会は,議員提出法案及び競争に関するすべての問題について,議会の委員会から諮問を受けることができる(第L.462-1条第1パラグラフ)。
  •  競争委員会は,政府,地方公共団体,事業者団体等の要請に基づき,競争に関するすべての問題について意見を述べることができる(第L.462-1条第2パラグラフ)。
  •  政府は,(1)事業活動・市場参入に関する量的な制限,(2)一定の領域における排他的権利の創設,(3)価格・販売条件についての斉一な行動の強制を直接的な効果として有する制度を新設する際には,競争委員会に諮問しなければならない(第L.462-2条)。
  •  競争委員会は,反競争的行為について,裁判所から諮問を受けることができる(第L.462-3条)。

(2) その他

ア パリ控訴院(Cour d'appel de Paris)

 反競争的行為に対する競争委員会の排除措置命令,制裁金支払命令等の決定については,パリ控訴院に不服申立てをすることができる。

イ 破毀院(Cour de cassation)

 関係人,競争委員会委員長及び経済担当大臣は,パリ控訴院の判決に不服がある場合には,破毀院に上訴することができる。

ウ 国務院(Conseil d'Etat)

 企業結合に関する経済担当大臣の決定に不服のある者は,国務院に訴えを提起することができる。

3 規制の概要

(1)反競争的行為

 商法典第4部第2編は,反競争的行為の規制について定めている。第2編で禁止される反競争的行為(反競争的協定,支配的地位の濫用,経済的従属状態の濫用,生産者等による不当廉売)については,競争委員会による排除措置,制裁金賦課の対象となる。また,反競争的協定,支配的地位の濫用又は経済的従属状態の濫用の企図,計画又は実行において,個人としての,かつ,決定的な役割を不法に果たした自然人は,4年以下の禁錮及び7万5000ユーロ以下の罰金の対象となる(第L.420-6条)。(競争委員会は,第L.420-6条の規定を適用すべきと思料する場合,検察官に事案を移送する(第L.462- 6条)。)

ア 反競争的協定(第L.420-1条)

 市場における競争の作用を歪曲し,制限し若しくは妨害することを目的とし,又はかかる効果を有する共同行為,協定,明示若しくは暗黙の合意又は提携は,禁止される。第L.420-1条は,禁止される協定等の例として,次の事項を内容とするものを挙げている。
 なお,本条は,水平的及び垂直的協定等のいずれにも適用される。

  •  他の企業による市場へのアクセス又は市場における自由な競争活動を制限すること。
  •  価格を人為的に引き上げ又は引き下げることにより,市場の自由な活動による価格の決定を妨害すること。
  •  生産,販路,投資又は技術進歩を制限又は統制すること。
  •  市場又は供給源を分割すること。

イ 支配的地位の濫用(第L.420-2条第1パラグラフ)

 国内市場又はその実質的部分において支配的地位にある単独の企業又は企業グループが,その支配的地位を濫用することは,それが市場における競争の作用を歪曲し,制限し若しくは妨害することを目的とし,又はかかる効果を有する場合には,禁止される。
 なお,第L.420-2条は,支配的地位の濫用を構成し得る行為として,販売の拒絶,抱き合わせ販売,差別的販売条件,取引の相手方が不当な取引条件に従わないことのみを理由とする取引関係の破棄を例示している。

ウ 経済的従属状態の濫用(第L.420-2条第2パラグラフ)

 単独の企業又は企業グループが,取引先事業者が置かれている経済的従属状態を濫用することは,それが競争の機能又は構造に影響を及ぼすおそれがある場合には,禁止される。「経済的従属状態」は,「支配的地位」とは異なり,企業間の相対的な力関係に着目した概念である。
 なお,第L.420-2条は,経済的従属状態の濫用を構成し得る行為として,販売の拒絶,抱き合わせ販売,差別的行為を例示している。

エ 違反行為に係る契約等の効果及び適用除外

 第L.420-1条及び第L.420-2条に基づき禁止されるすべての契約,協定又は契約条項は,無効とされる(第L.420-3条)。
 また,次の行為については第L.420-1条及び第L.420-2条は適用されない(第L.420-4条)。
[1] 法律又は法律の施行のために定められた規則に基づく行為
[2] 雇用の創出又は維持等の経済成長を確保する効果を有しており,当該行為から生ずる利益の一部が利用者に公平に留保され,かつ,関係企業が当該製品の実質的な部分について競争を排除し得るものではないことを行為者が証明し得るような行為

オ 生産者・加工者による不当廉売(第L.420-5条)

 生産,加工及び商品化に要する費用と比較して過度に低い消費者向け販売価格を提示し,又はそのような価格で販売することは,それが,
[1] 他の企業又はその製品を市場から排除する目的を有する場合
[2] 他の企業又はその製品の市場へのアクセスを妨げる目的を有する場合
[3] [1]又は[2]のような効果を有する場合には,禁止される。
 第L.420-5条の適用範囲は,商品の生産,加工又は商品化を行う者による価格の提示・適用であり,商品を加工せずに再販売する小売業者の原価割れ販売については,第L.442-2号(後述(2)ア)が適用されることになる。

(2)競争制限的行為等

 商法典第4部第4編は,競争制限的行為及びその他の行為の禁止等について定めている。第4編で禁止される競争制限的行為のうち,原価割れ販売,再販売価格拘束等については,刑事罰の対象となる。

ア 原価割れ販売(第L.442-2条~第L.442-4条)

 いかなる小売業者も,商品をそのままの状態で販売する場合,自己の実際の購入価格(税金及び輸送費込みの単価)を下回る価格で再販売し,又は再販売する旨告知した場合,司法裁判所は,検察官による訴追を受け,当該小売業者を7万5000ユーロ以下の罰金に処す(第L.442-2条)。当該小売業者が,ある法人を代理して上記の原価割れ販売を行った場合,当該法人を37万5000ユーロ(商人に対する罰金額の5倍)以下の罰金及び有罪判決の公示に処す(第L.442-3条)。ただし,シーズン終了前に行われる安売り等に対しては,第L.442-2条の罰則は適用されない(第L.442-4条)。

イ 再販売価格拘束(第L.442-5条)

 いかなる者も,商品・財の再販売価格又は役務の提供価格等について,直接又は間接的に最低水準を強制した場合は,1万5000ユーロ以下の罰金に処す。

ウ 差別的取扱い,取引関係の突然の打切り等(第L.442-6条)

 生産者,商工業者又は手工業者が,取引の相手方に取引に関する義務及び権利の面で重大な不均衡を生じさせる義務を負わせる,又は事前の通告文書なしに取引関係を打ち切るなどの行為を行った場合,その行為者は,当該行為により生じた損害を賠償する義務を負うとともに,200万ユーロ以下の民事罰の対象となる。

(3)企業結合

 規制対象
 商法典第4部第3編にいう「企業結合(concentration)」とは,次のものをいう(第L.430-1条)。
[1] 従来独立していた2以上の企業の合併
[2] 1以上の者による,資本参加,資産の買収,契約その他いかなる手段によるかを問わず,1以上の企業の全部又は一部の支配(contr?le)の,直接又は間接的な獲得
[3] 自立的経済主体としての機能を有する長期継続的なジョイントベンチャーの設立
 [2]の「支配」とは,「ある企業の活動に決定的な影響を及ぼすことを可能にするような権利,契約その他の手段から生じるもの」とされる。

4 執行手続

(1)競争委員会による審査の着手

 競争委員会は,(1)職権により,又は(2)経済担当大臣,企業,若しくは一定の団体(地方公共団体,事業者団体,消費者団体等)からの付託を受けて,第L.420-1条,第L.420-2条及び第L.420-5条に定める反競争的行為の審査に着手する(第L.462-5条)。

(2)審査権限

 競争委員会の報告官及び経済担当大臣から授権された公務員(以下「調査官」という。)は,次の審査権限を有する。

ア 通常の審査活動(第L.450-3条)

[1] 事業上利用されているすべての建物,土地又は輸送手段に立ち入ること。
[2] 帳簿,明細書等の事業上の書類(媒体の如何を問わない。)の提出を要求し,それらを入手し又は写しをとること。
[3] 召喚して又は(立入検査の)現場で,情報及び説明を求めること。
 なお,調査官の要求に対する拒否は,6か月以下の禁錮及び/又は7500ユーロ以下の罰金に処される可能性がある(第L.450-8条)。

イ 裁判官の許可に基づく審査活動(第L.450-4条)

 裁判官は,経済担当大臣又は競争委員会首席報告官の請求に基づき,命令により,調査官による捜索及び差押えを許可することができる。

ウ 調書の作成(第L.450-2条)

 審査を行った場合は,調書を作成しなければならない。調書の写しは,供述人に交付される。調書は,反証が提示されない限り,供述人が調書に記載された事実を認めたという事実の証拠となる。

(3)反競争的行為に対する執行手続

ア 競争委員会による審査・決定に係る大まかな手続の流れは次のとおりである。

(ア)関係人らに対する申立書の送付(第L.463-2条)
 競争委員会による正式な審査手続は,首席報告官から関係人及び政府委員(競争当局担当の政府委員は,経済担当大臣によって選出される。)に対する申立書(grief)の送付によって開始される。関係人及び政府委員は,2か月以内に申立書に対する意見を提出することができる。

(イ)報告書の送付
 上記(ア)の意見提出期間の経過後,報告官の見解の根拠となる資料及び関係人からの意見を付した報告書(rapport)が,関係人,政府委員,関係大臣に送付される(第L.463-2条第1項)。
 関係人は,2か月以内に報告書に対する趣意書(m?moire)を提出する(第L.463-2条第2項)。
 なお,首席報告官は,申立書を関係事業者に送付した後,あらかじめ報告書を作成することなく,競争委員会によって事案の審査が行われることを決定することもできる(第L.463-3条)が,そのような簡略化された手により決定を行う場合,違反行為者に対する制裁金(後述イ(ウ))の上限額は,1行為者につき75万ユーロとなる(第L.464-5条)。

(ウ)競争委員会の会議における聴聞(第L.463-7条)
 競争委員会は,関係人及び政府委員が出席する非公開の会議を開催する。関係人 は,競争委員会による聴聞(audition)を要求することができる。また,競争委員会は,必要と考えるすべての者から聴聞を行うことができる。首席報告官,次席報告官又は政府委員は,会議において意見を述べることができる。首席報告官及び次席報告官は,合議には出席するが,議決権は有さない。

イ 競争委員会の決定

(ア)排除措置命令
 競争委員会は,関係人に対し,反競争的行為を一定期間内に取りやめるよう命じ,又は特定の条件を課すことができる(第L464-2条第1項)。

(イ)確約(Commitment)(制裁金を課すべき事案は除く。)
 関係事業者が,競争委員会が指摘する懸念に合致する確約を申し出ており,競争委員会が当該確約は競争上の問題を十分に払拭し,それ以上の措置は必要ないとみなす場合,競争委員会は,当該確約の履行を関係事業者に義務付けた上で事件審査の終結を決定できる(第L464-2条第1項)。
(ウ)制裁金支払命令
 競争委員会は,関係人に制裁金の支払を命ずることができる(第L.464-2条第1項)。制裁金の額は,(1)行為の重大性,(2)経済に与えた損害の大きさ,(3)行為者の状況,(4)違反行為の再発の可能性を勘案して,事業者又は団体ごとに個別に決定される。
 制裁金の最高額は,以下のとおり。

  •  企業の場合:違反行為が行われた営業年度以降の営業年度のうち,全世界における売上高が最も高い営業年度における当該売上高の10%
  •  非企業の場合:300万ユーロ

 関係人が,送付された申立書の事実について争わず,将来的に行為を是正する旨確約した場合には,首席報告官の提案に基づき,制裁金の上限額は上記の半額となる(第L.464-2条第3項)(和解手続〔transactionprocedure〕)。

(エ)リニエンシーによる制裁金の減免
[1] リニエンシーの根拠

  • 商法典第L.464-2条第4項
  • リニエンシー・プログラムの手続に係る告示(2009年3月)

[2] リニエンシーの対象
 第L.420-1条(反競争的協定)又はEU機能条約第101条違反が対象であり,支配的地位・経済的従属状態の濫用や,不当廉売は対象とならない。
[3] リニエンシー・プログラムの適用条件
A 制裁金全額免除の適用条件
・反競争的協定の存在について,競争委員会が保有していない情報・証拠を提示し,かつ,その情報・証拠が第L.450-4条の各項の審査を行うことができるものである場合
 又は
・競争委員会がかかる協定の情報をいくらか保有している場合であっても,第L.420-1条違反行為又はEU機能条約第101条に定義する協定の存在を十分に証明できる証拠を最初に提示した場合

B 制裁金減額の適用条件
 上記Aの条件に当たらない場合であり,競争委員会等が保有する証拠に追加される価値が十分ある証拠を提示した場合(制裁金の減額率は,原則として50%以下とする。)

 また,上記A,Bに共通の前提として次の条件が満たされる必要がある。
a 事業者は,完全かつ継続的に競争委員会等に協力し,違反行為に関連する自らが所有する全てのを提出すること。
b 原則として,事業者は,違反行為への参加を遅滞なく取りやめていること。
c 事業者が他の事業者に対して,違反行為への参加を強要していないこと。
d 事業者は,リニエンシー申請の事実及び内容について,他の競争当局を除き公開しないこと。

(オ)保全措置
 違反行為が,経済一般若しくは関連分野の経済,消費者利益又は申告人に,重大かつ急迫の侵害をもたらすものであるときは, 競争委員会は,緊急に対処する必要がある場合に限り,違反行為の停止,原状回復命令等を内容とする保全措置(mesures conservatoires)を命じることができる(第L.464-1条)。

(カ)命令・措置の不遵守に対する履行強制金
 競争委員会は,排除措置命令及び制裁金支払命令並びに保全措置が遵守されない場合は,関係人に1日当たり平均日間売上高の5%を超えない範囲の履行強制金を課すことができる(第L.464-2条第2項及び第L.464-3条)。

(キ)共和国検事への資料送付(刑事告発)
 第L.420-6条は,反競争的協定並びに支配的地位の濫用及び経済的従属状態の濫用の企図, 計画又は実行において,個人としての,かつ,決定的な役割を不法に(frauduleusement)果たした自然人について,4年以下の禁錮及び/又は7万5000ユーロ以下の罰金に処する旨定めている。また,2005年1月1日より,反競争的
 協定(第L.420-1条)に関する違反行為を行った法人にも,7万5000ユーロ以下の罰金を科すことができるようになった(Law No.2004-204 of 9 March 2004)。

ウ 競争委員会の決定に対する不服申立て

(ア)排除措置命令等に対する不服申立て
 違反行為に対する排除措置命令及び制裁金支払命令等に係る競争委員会の決定の名宛人及び経済担当大臣は,決定の通知から1か月以内に,当該決定の取消又は修正の訴えをパリ控訴院に提起することができる(第L.464-8条)。保全措置の命令に対しては,10日以内にパリ控訴院に不服申立てができ,裁判所は1か月以内に決定を下す(第L,464-7条)。

(イ)パリ控訴院の判決に対する不服申立て
 パリ控訴院の判決に不服のある者は,判決の通知から1か月以内に,破毀院に上告することができる(第L.464-8条)。

(4) 競争制限的行為等に対する執行手続

 商法典第4部第4編に定める競争制限的行為等については,検察当局への資料提供,私人間の訴訟等によって救済が図られている。

(5) 企業結合の審査手続

ア 企業結合審査に係る大まかな手続の流れは次のとおりである。

インドネシア競争法の違反被疑事件処理の流れ

イ 事前届出義務

 企業結合の当事者は,次の3要件を満たす場合,当該企業結合計画を競争委員会に届け出なければならない(第L.430-2条第1項)。
[1] 企業結合のすべての当事者の全世界における売上高の合計額が,1億5000万ユーロを超えていること。
[2] 企業結合の当事者のうち少なくとも2者のフランス国内における売上額が5000万ユーロを超えていること。
[3] 当該企業結合が,EUの理事会規則第139/2004号(合併規則)の適用対象となるものでないこと。
 届出後,原則として競争委員会が企業結合の実施を承認するまでは,当事者は当該企業結合を実施してはならない(第L.430-4条)。
 なお,届出に係る手数料は設けられていない。

ウ 競争委員会における審査(第一次審査)及び決定(第L.430-5条)

 競争委員会は,届出を受理した日から原則として25営業日以内に,当該企業結合について決定を行う。
 企業結合の当事者は,競争委員会が意見を表明する前に,企業結合の反競争的効果の改善等を目的とする問題解消措置を確約することができる。
 競争委員会が当該確約を受けた場合には,審査期間は15営業日延長される。
 競争委員会は,次の決定を行うことができる。
[1] 当該企業結合が届出対象に該当しないことを認定する決定
[2] 当該企業結合の実施を承認する決定(当事者が行った確約の実行を承認の条件とする場合もある。)
[3] 当該企業結合が競争に侵害する蓋然性が高いと思料される場合には,第430-6条の規定による追加的審査を行う旨の決定
 競争委員会が,定められた期間内に(1)ないし(3)の決定のいずれも行わなかった場合には,競争委員会はその旨を経済担当大臣に報告し,当該企業結合は経済担当大臣により実施を承認する決定が行われたものとみなされる。

エ 競争委員会における追加的審査(第L.430-6条)

 競争委員会は,当該企業結合が,
[1] 特に,支配的地位の創出若しくは強化により,又は供給業者を経済的従属状態に置くこととなる購買力の創出若しくは強化により,競争を侵害する蓋然性があるか否かを検討する。
[2] 競争への侵害を十分補償する貢献を経済成長にもたらすか否かを評価する。

オ 競争委員会の決定(第L.430-7条)

 競争委員会は,追加的な審査の開始日から65営業日以内に,決定を行う。追加的審査の開始を知った企業結合の当事者は,競争委員会が決定を行う前 に,企業結合の反競争的効果の改善等を目的とする問題解消措置の確約を提案することができる。確約が上記期間終了の20日前より後に提案された場合,審査期間は,
 提案がなされた日から20営業日延長される。
 競争委員会は,次の決定を行うことができる。
[1] 企業結合の実施を禁止する決定。場合によっては,競争を十分回復するために適切な措置を採ることを命ずる決定
[2] 当事者に対し,十分な競争を確保するために適切な全ての措置を採るよう命じた上で,又は競争に対する侵害を補償するために十分な貢献を経済・社会の発展にもたらすような指示を遵守することを義務付けた上で,企業結合の実施を承認する決定
 上記[1]及び[2]のいずれの決定も行わない場合は,競争委員会は,当該企業結合を承認する決定を行う。この決定には,確約の履行を条件として付すことができる。また,期間内に決定を行わない場合には,競争委員会は経済担当大臣にその旨を報告する。この場合,当該企業結合は,経済担当大臣により期間内に承認されたものとみなす。

カ 経済担当大臣の決定(第L.430-7-1条)

[1] 第一次審査の段階で,競争委員会から決定の報告を受けた場合,経済担当大臣は,報告の受領日から5営業日以内に,競争委員会に対して追加的審査を行うことを要請することができる。
[2] 追加的審査の段階で,競争委員会から決定の報告を受けた場合,経済担当大臣は,報告の受領日から25営業日以内に,自らの職権により審査を行い,公益的理由により決定を行うことができる。
 経済担当大臣はこの決定を遅滞なく,競争委員会に伝達する。

キ 届出義務の懈怠,決定前の企業結合の実施等に対する制裁金(第L.430-8条)

(1)届出が行われずに企業結合が実施された場合,(2)特例措置を除き届出後決定前に企業結合が実施された場合,(3)届出に不備がある場合, (4)競争委員会又は経済担当大臣が課した義務に従わない場合,競争委員会は,次の額を上限額とする制裁金を課すことができる。
 

  • 事業者:直近の事業年度の国内総売上高の5%
  • 自然人:150万ユーロ 

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