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大韓民国(Korea)

(2012年3月現在)

1 根拠法

 独占規制及び公正取引に関する法律(略称「公正取引法」)

 ○ 制定 1980年12月31日公布(1981年4月1日施行)

 ○ 主要な改正
 第1次:1986年12月,第2次:1990年1月,第3次:1992年12月,第4次:1994年12月,第5次:1996年12月,第6次:1998年2月,第7次:1999年2月,第8次:1999年12月,第9次:2001年1月,第10次:2002年1月,第11次:2004年12月,第12次:2007年4月,第13次:2007年7月,第14次:2007年8月,第15次:2007年10月,第16次:2009年3月

2 執行機関-韓国公正取引委員会(法第9章)

(1) 組織上の位置付け

 韓国公正取引委員会(以下「韓国公取委」)は,国務総理に所属する中央行政機関である(法第35条)。

(2) 委員会の構成等

 韓国公取委は,委員長1名,副委員長1名,常勤委員3名及び非常勤委員4名からなる9名の委員で構成される。委員長及び副委員長は国務総理(大統領を補佐する機関・官職)の要請により大統領が任命し,その他の委員は委員長の要請により大統領が任命する(法第37条)。

 委員の資格要件は,独占規制及び公正取引又は消費者分野について経験又は専門知識を有し,かつ,次のうちいずれか1つを満たすことである(法第37条)。
[1] 2級以上の公務員の職にあった者
[2] 判事,検事又は弁護士の職に15年以上あった者
[3] 大学において法律学,経済学,経営学又は消費者関連分野の学問を専攻し,大学又は公認された研究機関に15年以上勤務した者であって,準教授又はこれに相当する職に15年以上あった者
[4] 企業経営又は消費者保護活動に15年以上従事した経歴のある者

 委員は,(1)禁錮以上の刑の宣告を受けたとき,(2)長期間の心身衰弱により職務を遂行することができなくなったときを除き,その意思に反して罷免されることはない(法第40条)。

(3) 会議の区分及び審議の公開

 韓国公取委の会議は,委員全員をもって構成する会議(「全員会議」)と,委員長,副委員長又は常任委員のうちの1名を含む委員3名をもって構成する会議(「小会議」)とがある(法第37条の2)。

 全員会議は,次の事項を審議し議決する(第37条の3第1項)。

[1] 法令等の解釈・適用に関する事項
[2] 韓国公取委の処分に対する異議申立て
[3] 小会議において議決されず,又は小会議が全員会議で処理するよう決定した事項
[4] 規則又は告示の制定又は変更
[5] 経済的波及効果が重大な事項等

 小会議は,前記の事項以外の事項を審議し議決する(同条第2項)。

 韓国公取委は,審議を公開する。ただし,事業者又は事業者団体の事業上の秘密を保護する必要があると認めるときは,この限りでない(法第43条)。

(4) 韓国公取委の所管事務(法第36条)

 韓国公取委の所管事務として,公正取引法に以下の事項が定められている。

[1] 市場支配的地位の濫用行為の規制に関する事項(法第2章)
[2] 企業結合の規制及び経済力集中の抑制に関する事項(法第3章)
[3] 不当な共同行為及び事業者団体の競争制限行為の規制に関する事項(法第4章及び第6章)
[4] 不公正取引行為及び再販売価格維持行為の規制に関する事項(法第5章及び第7章)
[5] 不当な国際契約の締結の制限に関する事項(法第8章)
[6] 競争制限的な法令及び行政処分の協議,調整等の競争促進政策に関する事項(法第63条及び第64条)
[7] その他法令により韓国公取委の所管とされた事項

 韓国公取委は,公正取引法のほか,表示及び広告の公正化に関する法律(1999年),約款の規制に関する法律(1986年),訪問販売に関する法律(1995年),下請取引の公正化に関する法律(1984年)等を所管している。

(5) 韓国公取委の国際協力(法第36条の2)

 政府は,大韓民国の法律及び利益に反しない範囲において,外国政府と公正取引法を執行するための協定を締結することができ,韓国公取委は,当該協定に従い,外国政府の法律の執行を支援することができる(同条1項及び2項)。

 韓国公取委は,前記の協定が締結されていない場合においても,外国政府から法律の執行について要請があるときは,同一又は類似の事項に関して,大韓民国の支援要請に対して応ずるとの要請国の保証があれば,これを支援することができる(同条3項)。

(6) 韓国公取委の組織等

 韓国公取委の事務を処理する組織として,事務総局が設置されている(法第47条)。組織図については別紙を参照。

3 規制の概要

(1) 市場支配的地位の濫用規制(法第2章)

ア 市場支配的事業者の定義(法第2条第7号)

 市場支配的事業者とは,「一定の取引分野における供給者または需要者であって,単独で又は他の事業者とともに,商品又は役務の価格,数量,品質その他取引条件を決定し,維持し又は変更することができる市場支配的地位を有する事業者」をいう。
 市場支配的事業者に該当するか否かを判断するに当たっては,市場占拠率,参入障壁の有無及びその程度,競争事業者の相対的規模等が考慮される。

イ 市場支配的事業者の推定(法第4条)

 一定の取引分野において,市場占拠率が次のいずれかに該当する事業者は,「市場支配的事業者」と推定する(一定の取引分野における年間の売上額又は購入額が40億ウォン未満の事業者を除く。)。

[1] 1の事業者の市場占拠率が50%以上
[2] 市場占拠率上位3社の合計が75%以上である場合の各事業者(市場占拠率10%未満の事業者を除く)

ウ 市場支配的地位の濫用の禁止(法第3条の2)

 市場支配的事業者は,次の行為をしてはならない。

[1] 価格の不当な決定,維持又は変更(法第3条の2第1項第1号)
 正当な理由がないのに,商品・役務の価格を,需給の変動又は供給コストの変動に比して,著しく上昇させまたは僅少に下落させること(施行令第5条第1項)。

[2] 商品又は役務の販売・提供の不当な調節(同第2号)
 正当な理由がないのに,最近の趨勢に比して商品・役務の供給量を著しく減少させ,又は供給不足であるにもかかわらず商品・役務の供給量を減少させること(施行令第5条第2項)。

[3] 他の事業者の事業活動の不当な妨害(同第3号)
 直接又は間接に以下の行為を行うことにより,他の事業者の事業活動を困難にさせること(施行令第5条第3項):(i)正当な理由なく他の事業者の生産活動に必要な原材料の購入を妨害する行為,(ii)正常な慣行に照らして過度の経済上の利益を提供し又は提供を約することにより,他の事業者の事業活動に必須の人材を採用する行為,(iii)正当な理由なく他の事業者の商品又は役務の生産,供給又は販売にとって必須の要素の使用又は同要素への接近を拒絶,中断又は制限する行為,(iv)その他告示で定める行為

[4] 競争事業者の新規参入の不当な妨害(同第4号)
 直接又は間接に以下の行為を行うことにより,新たな競争事業者の参入を困難にさせること(施行令第5条第4項):(i)正当な理由がないのに,流通事業者と排他的取引契約を締結する行為,(ii)正当な理由がないのに,既存事業者の継続的事業活動に必要な権利等を購入する行為,(iii)正当な理由がないのに,新たな競争事業者の商品又は役務の生産,供給又は販売によって必須の要素への使用又は接近を拒絶又は制限する行為,(iv)その他告示で定める行為

[5] 競争事業者の不当な排除(同第5号)
(i)不当に,商品又は役務を通常の取引価格に比して低い対価で供給し又は高い対価で購入して,競争事業者を排除するおそれがある行為,(ii)不当に,取引の相手方が競争事業者と取引しないことを条件に,当該取引の相手方と取引する行為(施行令第5条第5項)

エ 独占的又は寡占的市場構造の改善等(法第3条)

 韓国公取委は,独占的又は寡占的市場構造が長期間維持されている商品又は役務の供給又は需要市場について,競争を促進するための施策を策定し,施行しなければならない。また,当該施策の策定・施行のため,市場構造を調査し,その結果を公表する。

(2) 企業結合の制限及び経済力集中の抑制(法第3章)

ア 企業結合の制限(法第7条)

(ア) 一定の取引分野における競争を実質的に制限する企業結合の禁止
 何人も,直接に又は特殊関係人(注1)を通じて,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる(注2)(1)株式保有(法第7条第1項第1号),(2)役員兼任(同第2号)(注3),(3)合併(同第3号),(4)営業の譲受け(同第4号)及び(5)新会社の設立への参加(同第5号)をしてはならない(以下(1)から(5)までを「企業結合」という。)。

(注1)「特殊関係人」とは,(1)当該会社を事実上支配している者,(2)同一人関連者(当該者の親族,当該者が影響力を行使している非営利法人,法人格なき社団・財団等)及び(3)経営を支配しようとする共同の目的を有し当該企業結合に参加する者をいう(施行令第11条)。
(注2)「一定の取引分野」とは,「取引の客体別,段階別又は地域別に競争関係にあり,又は競争関係が成立し得る分野」をいう(法第2条第8号)。
(注3)役員兼任については,大規模会社(資産総額又は売上額2兆ウォン以上(施行令第12条の2))が行うもののみ,規制対象となる。

(イ) 「競争の実質的制限」の推定(法第7条第4項)
 次のいずれかに該当する場合は,一定の取引分野における競争が実質的に制限されるものと推定する。
[1] 市場占拠率(系列会社(=同一企業集団に属する会社)の市場占拠率を合計したものを含む。以下同じ。)の合計が,以下の基準を全て満たす場合

  •  市場支配的事業者の基準に合致する。
  •  当該一定の取引分野において第1位となる。
  •  市場占拠率第2位の会社の市場占拠率との差が25%以上となる。

[2] 大規模会社の行う企業結合であって,以下の基準をすべて満たす場合
 中小企業基本法に基づく中小企業の市場占拠率の合計が3分の2以上である取引分野における企業結合である。
 当該企業結合により,5%以上の市場占拠率を有することとなる。

(ウ) 競争制限的な企業結合の禁止規定の適用除外(法第7条第2項,施行令第12条の4)
 次のいずれかに該当すると韓国公取委が認める場合には,競争制限的な企業結合の禁止規定(法第7条第1項)は適用されない。
なお,いずれかに該当することについての立証責任は,当事会社が負う。

[1] 当該企業結合以外によっては達成することが困難な効率性の増大効果が,競争制限による弊害よりも大きい場合
[2] 相当期間,貸借対照表上の資本の総計が,払込資本金より少ない状態にある等,再建不可能な会社との企業結合であって,当該企業結合なくしては会社の生産設備等が市場で継続して活用されることが困難な場合又は当該企業結合よりも競争制限性が少ない他の企業結合をすることが困難な場合

(エ) 企業結合の届出(法第12条,施行令第18条・第19条)
 届出会社(資産総額又は年間売上額が2000億ウォン以上(役員兼任の場合は2兆ウォン以上)の会社等)が,相手会社(資産総額等が200億ウォン以上の会社等)に対して次の事項を行う場合,又は,相手会社の基準に該当する会社等が,届出会社の基準に該当する会社等に対して次の企業結合を行う場合,韓国公取委に届出をしなければならない(法第12条第1項)。
 なお,届出に係る手数料は設けられていない。

[1] 他の会社の発行済株式総数の20%(株式上場法人の場合は15%)以上を所有することとなる場合
[2] [1]の届出後,株式の追加取得により最多出資者となる場合
[3] 役員兼任の場合
[4] 他の会社と合併する場合又は他の会社から営業の譲受けをする場合
[5] 新たな会社の設立に参加し,その会社の最多出資者となる場合

 これらの届出は,当該企業結合の日から30日以内に行わなければならない(法第12条第6項柱書き)。
 ただし,前記[1],[2],[4]又は[5]に該当する企業結合であって,当事会社のうち,1以上の会社が大規模会社である場合は,企業結合の完了までに届け出なければならない(法第12条第6項但書き)。この場合,届出をした者は,施行令に定める場合を除き,当該届出後,30日が経過するときまで,株式所有,合併登記,営業譲受契約の履行又は株式引受行為をしてはならない。韓国公取委が必要であると認めるときは,この期間を短縮又は90日を超えない範囲で延長できる。また,韓国公取委は,この期間中,届出書及び添付書類の不備の補正を命ずることができ,届出会社が要求された補正(追加)書類等を韓国公取委に提出するまでの間は,この期間の進行は停止する。
 なお,(1)支配関係に至らない企業結合である場合や(2)大規模会社でない会社同士の混合型企業結合である場合などには,簡易審査の対象となり,韓国公取委は書類の提出を受けてから15日以内に結論を通知することとしている(企業結合審査ガイドライン3)。

(オ) 届出前の対応(法第12条第8項)
企業結合をしようとする者は,届出前に,当該行為が競争を実質的に制限する行為に該当するか否かについて,韓国公取委に審査を求めることができる。

イ 持株会社の制限

(ア) 持株会社の定義(法第2条第1号の2,施行令第2条第1項・第2項)
 持株会社とは,株式(持分を含む)の所有を通じて,国内の会社の事業内容を支配することを主たる事業とする会社であって,資産総額1000億ウォン以上であり,持株会社が所有している子会社(持株会社により事業内容を支配される会社)の株式価額の合計額が,持株会社の資産総額の50%以上であることをいう。

(イ) 持株会社の届出(法第8条,施行令第15条)
 持株会社を設立し,又は持株会社に転換した者は,韓国公取委に届け出なければならない。届出期間は以下のとおり。
[1] 設立の場合:設立登記日から30日以内
[2] 他社との合併又は会社分割を通じて転換する場合:合併登記日又は分割登記日から30日以内
[3] 他社の株式取得又は資産の増減により転換する場合:当該事業年度の終了後4か月以内

(ウ) 持株会社等の行為の制限(法第8条の2第2項)
 第8条の2第2項は,持株会社による以下の行為を禁止しており,これらの行為を行わないことが,持株会社の設立又は転換に当たって満たすべき条件となっている。
[1] 資本総額(資産総額から負債額を差し引いた額)の2倍を超える負債額を所有する行為(ただし,持株会社の設立又は転換時に,資本総額の2倍を超える負債額を所有している場合は,持株会社の設立又は転換時から2年間は,資本総額の2倍を超える負債額を所有することができる。)
[2] 子会社の株式を40%未満(子会社が上場法人,共同出資法人又はベンチャー持株会社の子会社である場合は20%未満)しか所有しない行為(一定の場合を除く)
[3] 系列会社でない国内の会社の株式を当該会社の発行済株式総数の5%超所有する行為又は子会社以外の国内の系列会社の株式を所有する行為(一定の場合を除く。)
[4] 金融持株会社(金融業又は保険業を営む子会社の株式を所有する持株会社)が,国内の非金融会社の株式を所有する行為(ただし,非金融持株会社から金融持株会社へ転換等した場合は,その日から2年間は,当該国内の会社の株式を所有することができる。)
[5] 一般持株会社(金融持株会社でない持株会社)が,国内の金融会社の株式を所有する行為(ただし,一般持株会社の設立又は転換時に,国内の金融会社の株式を所有している場合は,一般持株会社の設立又は転換の日から2年間は,当該国内の会社の株式を所有することができる。)

(エ) 一般持株会社の子会社の行為の制限(法第8条の2第3項)
[1] 一般持株会社の子会社が,孫会社の株式を40%未満(孫会社が上場法人等である場合は20%未満)しか所有しない行為(一定の場合を除く)の禁止
[2] 一般持株会社の子会社が,孫会社でない国内の系列会社の株式を所有する行為(一定の場合を除く)の禁止

(オ) 一般持株会社の孫会社及び曾孫会社の行為の制限(法第8条の2第4項,第5項)
 一般持株会社の孫会社及び曾孫会社は,国内の系列会社の株式を所有してはならない(一定の場合を除く)。

(カ) 持株会社による報告義務(法第8条の2第7項)
 持株会社は,当該持株会社,子会社,孫会社及び曾孫会社の株式所有状況,財務状況等事業内容に関する報告書を韓国公取委に提出しなければならない。

ウ 大規模企業集団に対する規制

(ア) 大規模企業集団の指定(法第14条,施行令第17条)
 韓国公取委は,相互出資制限企業集団及び債務保証制限企業集団を指定し,これらの企業集団に属する会社に当該指定を通知しなければならない。
 相互出資制限企業集団及び債務保証制限企業集団とは,資産総額5兆ウォン以上の企業集団をいう。いずれも,公企業集団を含む。

(イ) 相互出資の禁止(法第9条)
 相互出資制限企業集団に属する会社は,自己の株式を取得し又は所有している系列会社の株式を取得し又は所有してはならない。この規定の趣旨は,大規模企業集団内系列会社の相互出資は,(1)実質的な出資がないのに資本金額を見かけ上増加させ,系列会社を拡張する手段となりやすいものであること,(2)企業公開を回避し,特定の大株主が多数の系列会社を支配する手段として利用されるおそれがあることから,これを禁止するものとされている。

(ウ)系列会社に対する債務保証の禁止(法第10条の2)
 債務保証制限企業集団に属する会社(金融業又は保険業を営む会社を除く。)は,国内の系列会社に対して,債務保証をしてはならない(一定の場合を除く。)。

(エ)金融又は保険会社の議決権の制限(法第11条)
 相互出資制限企業集団に属する会社であって,金融業又は保険業を営む会社は,取得し又は所有している国内の系列会社の株式について議決権を行使することができない。ただし,(1)金融業又は保険業を営むために株式を取得又は所有するとき,(2)保険業法等の規定による承認等を受けて株式を取得又は所有する場合,(3)当該国内系列会社の株主総会において,役員の選任,定款の変更等について決議するときは,この限りでない。

(オ)大規模内部取引についての取締役会の議決及び公示(法第11条の2)
 資産総額5兆ウォン以上の企業集団に属する会社は,特殊関係人を相手方とし又は特殊関係人のために,一定規模以上の取引(「大規模内部取引」)をしようとするときは,あらかじめ,取締役会の決議を経た後,これを公示しなければならない。

(カ)非上場会社等の重要事項の公示(法第11条の3)
 大規模企業集団に属する会社(金融業又は保険業を営む会社を除く。)であって,上場法人を除く会社は,施行令に定められた範囲で,次に掲げる事項を公示しなければならない。

[1] 会社の所有支配構造等の重要事項(筆頭株主及び主要株主の株式保有状況及びその変動事項等)
[2] 会社の財務構造に重要な変動を及ぼす事項(資産又は株式の取得等)
[3] 会社の経営活動に重要な変動を及ぼす事項(営業譲受又は合併等)

(キ)企業集団状況等に関する公示(法第11条の4)
 一定の相互出資制限企業集団に属する会社は,その企業集団の一般的状況,株式所有状況,特殊関係者との取引状況等に関する事項として,次に掲げる事項を公示しなければならない。
[1] 相互出資制限企業集団に属する会社の名称,事業内容,財務状況,系列会社の変動内訳,その他韓国公取委が定めて告示する一般状況
[2] 相互出資制限企業集団に属する会社の役員状況
[3] 相互出資制限企業集団に属する会社の所有持分状況
[4] 相互出資制限企業集団に属する会社間の出資状況
[5] 相互出資制限企業集団に属する会社とその特殊関係者の資金・資産及び商品・役務を提供し,又は取引した現状

(3) 不当な共同行為の規制(法第4章)

ア 不当な共同行為の禁止(法第19条第1項)

 事業者は,契約,協定,決議その他いかなる方法によるかを問わず,他の事業者と共同して不当に競争を制限する次の行為について合意し,又は他の事業者をしてこれをさせてはならない。

[1] 価格を決定,維持又は変更する行為
[2] 商品若しくは役務の取引条件又はその代金若しくは代金の支給条件を定める行為
[3] 商品の生産,出荷,輸送若しくは取引の制限又は役務の取引を制限する行為
[4] 取引地域又は取引の相手方を制限する行為
[5] 生産若しくは役務の提供のための設備の新設,増設若しくは装備の導入を妨害し又は制限する行為
[6] 商品又は役務の生産又は取引に当たり,その商品又は役務の種類又は規格を制限する行為
[7] 営業の主要部分を共同して遂行し又は管理するための会社等を設立する行為
[8] 入札又は競売において,落札者,競落者,入札価格,落札価格,競落価格等を決定する行為
[9] その他,他の事業者の事業活動又は事業内容を妨害し又は制限することにより一定の取引分野における競争を実質的に制限する行為

 法第19条第1項に規定する不当な共同行為をすることを約定する契約等は,事業者間においてこれを無効とする(法第19条第4項)。
 2以上の事業者が,不当な共同行為(法第19条第1項の行為)を行ったものとみることができる相当の蓋然性があるときは,当該事業者間で当該行為が行われたものと推定する(法第19条第5項)。

イ 適用除外(法第19条第2項)

 法第19条第1項で禁止される不当な共同行為が,(1)産業の合理化,(2)研究技術開発,(3)不況の克服,(4)産業構造の調整,(5)取引条件の合理化又は(6)中小企業の競争力の向上を目的として行われる場合であって,施行令に定める要件に該当し,韓国公取委の認可を受けたときは,同項の禁止規定は適用されない。

(4) 不公正取引行為の禁止(法第5章)

ア 不公正取引行為の禁止(法第23条)

 事業者は,次の各号に該当する行為であって,公正な取引を阻害するおそれがある行為(「不公正取引行為」)をし,又は系列会社若しくは他の事業者をして,これを行わせてはならない。
 不公正取引行為については,法第23条第1項各号に列挙されるとともに,その類型及び基準について施行令(第36条第1項及び別表1)に定められている。
 なお,再販売価格維持行為は,不公正取引行為とは別に規制される(法第7章)。

[1] 不当に取引を拒絶し,又は取引の相手方を差別して取扱う行為

  •  取引拒絶 - 共同の取引拒絶,その他の取引拒絶
  •  差別的取扱い - 価格差別,取引条件の差別,系列会社を有利にするための差別,集団における差別

[2] 不当に競争者を排除する行為
 ・ 不当廉売,不当高価購入
[3] 不当に競争者の顧客を自己と取引するよう誘引し,又は強制する行為

  •  不当な顧客誘引 - 不当な利益による顧客誘引,偽計による顧客誘引
  •  取引強制 - 抱き合せ販売,社員販売(自己又は系列会社の商品・役務の取引強制),その他の取引強制

[4] 自己の取引上の地位を不当に利用して,相手方と取引する行為
 ・ 購入強制,利益提供の強要,販売目標の強制,不利益の提供,経営干渉
[5] 取引の相手方の事業活動を不当に拘束する条件で取引し,又は他の事業者の事業活動を妨害する行為

  •  拘束条件付取引 - 排他条件付取引,取引地域又は取引の相手方の制限
  •  事業活動の妨害 - 技術の不当利用,人材の不当な誘引又は採用,事業所の移転妨害,その他の事業活動の妨害

[6] 不当に,特殊関係人又は他の会社に対して,仮支給金,貸与金,人材,不動産,有価証券,商品,役務,無体財産権等を提供し,又は著しく有利な条件で取引して,特殊関係人又は他の会社を支援する行為
 ・ 不当な資金の支援,不当な資産の支援,不当な人材支援

イ 指針の策定

 韓国公取委は,不公正取引行為を予防するために必要なときは,事業者が遵守しなければならない指針を制定し,告示することができる(法第23条第3項)。

ウ 公正競争規約

 事業者又は事業者団体は,不当な顧客誘引を防止するため,自主的に規約(以下「公正競争規約」という。)を定めることができる(法第23条第4項)。また,当該公正競争規約について,韓国公取委に審査を求め,認可を得ることができる(同第5項)。

(5) 韓国公正取引調停院による不公正取引行為の調停制度(法第9章の2)

 韓国公正取引調停院(以下「調停院」という。)は,公正取引法に基づいて設立された法人であり,その院長は,韓国公取委の委員長によって任命される。調停院は,(1)不公正取引行為の禁止規定に違反する疑いがある行為と関連する紛争の調停,(2)「加盟事業取引の公正化に関する法律」に基づくフランチャイズ加盟事業当事者間の紛争の調停,(3)市場及び産業についての分析並びに事業者の取引慣行及び態様についての調査及び分析,(4)韓国公取委から委託を受けて行う事業を遂行する(法第48条の2)。

 これらの遂行業務うち,前記(1)の不公正取引行為の禁止規定に違反する疑いがある行為については,調停院内に置かれた公正取引紛争調停協議会(以下「調停協議会」という。)が調停を行う(調停申請から60日以内)。調停協議会は,協議会委員長を含む7名以内の協議会委員によって構成され,協議会委員長については,調停院長が兼任し,その他の協議会委員については,協議会委員長の請求に基づいて韓国公取委の委員長が任命する(法第48条の3)。

 調停協議会は,(1)韓国公取委による是正措置又は是正勧告によって処理することが適当である事件,(2)韓国公取委が調査中である事件については,事業者からの調停申請を受けない(法第48条の6)。

 なお,調停協議会による調停が成立し,その内容が履行された場合,韓国公取委は是正措置及び是正勧告をしてはならない(法第48条の8)。

(6) 事業者団体(第6章)

ア 事業者団体の禁止行為

 事業者団体は,次の行為をしてはならない(第26条第1項)。
[1] 不当な共同行為
[2] 一定の取引分野における現在又は将来の事業者数の制限
[3] 構成事業者の事業内容又は活動の不当な制限
[4] 事業者に不公正取引行為又は再販売価格維持行為をさせる行為又はこれを幇助する行為

イ 指針の策定

 韓国公取委は,事業者団体の禁止行為を予防するために必要なときは,事業者団体が遵守しなければならない指針を制定し,告示することができる(法第26条第3項)。

(7) 再販売価格維持行為の規制(法第7章)

ア 再販売価格維持行為の禁止(法第29条第1項)

 事業者は,再販売価格維持行為を行ってはならない。ただし,商品又は役務を一定の価格以上で取引できないようにする最高価格維持行為であって,正当な理由がある場合は,この限りでない。

イ 適用除外(法第29条第2項)

 著作物(著作権法第2条に規定する著作物をいう。施行令第43条)及び,その品質が一様であることが容易に識別でき,一般消費者により日常使用され,かつその商品によって自由な競争が行われている商品で,あらかじめ韓国公取委の指定を受けた商品には適用されない(同条第2項)。

 韓国公取委は,指定して告示した商品を生産又は販売する事業者が締結した再販売価格維持契約が,消費者の利益を著しく阻害するおそれがあり又は公共の利益に反するときは,契約内容の修正を命じることができる(法第30条)。

(8) 国際契約の締結制限(法第8章)

 事業者又は事業者団体は,不当な共同行為,不公正取引行為及び再販売価格維持行為を内容とする国際契約を締結してはならない(法第32条)。

 事業者又は事業者団体は,韓国公取委に対し,国際契約の審査を求めることができる(法第33条)。

(9) 適用除外(法第12章)

 法令に基づく正当な行為(法第58条),無体財産権(著作権法,特許法等)の正当な行使と認められる行為(法第59条)及び一定の組合の行為(法第60条)については,公正取引法の適用除外とされている。

(10) 競争制限的な法令,行政処分に係る調整(法第63条)

ア 競争制限的な法令に係る調整(法第63条第1項)

 行政機関の長が,事業者・事業者団体に対し競争制限事項を内容とする承認その他処分を行う場合には,あらかじめ韓国公取委と協議しなければならず,また,承認その他の処分を行った場合には,当該承認その他の処分の内容を韓国公取委に通知しなければならない。

イ 競争制限的な行政処分に係る調整(法第63条第1項,第3項)

 行政機関の長が,事業者・事業者団体に対し競争制限事項を内容とする処分を行う場合には,あらかじめ韓国公取委と協議しなければならず,また,承認その他の処分を行った場合には,当該処分の内容を韓国公取委に通知しなければならない。

4 法執行手続

(1) 調査等の手続(法第10章)

ア 違反行為の端緒(法第49条)

 韓国公取委は,公正取引法の規定に違反する疑いがあると認めるときは,職権により必要な調査を行うことができる(法第49条第1項)。
 また,何人も,公正取引法の規定に違反する疑いがあると認めるときは,その事実を韓国公取委に申告することができる(同第2項)。
 韓国公取委は,調査の結果(是正命令等の処分をしようとするときはその内容を含む)を,書面により事件の当事者に通知しなければならない(同第3項)

イ 違反行為の調査(法第50条)

 韓国公取委は,必要があると認めるときは,(1)当事者,利害関係人若しくは参考人の出頭又はそれらの意見聴取,(2)鑑定人の指定又は鑑定の委嘱,(3)事業者,事業者団体又はこれらの役職員に対し,原価若しくは経営状況に関する報告,その他必要な資料若しくは物件の提出を命じ,提出された資料若しくは物件を領置することができる(法第50条第1項)。
 また,韓国公取委は,その所属する公務員をして,事業者又は事業者団体の事務所若しくは事業場に立ち入らせ,業務若しくは経営状況,帳簿,書類,電算資料,音声録音資料,画像資料その他資料又は物件を調査させることができ,また,指定された場所において,当事者,利害関係人又は参考人の陳述を聴取させることができる(同第2項)。この場合,調査を行う公務員は,事業者,事業者団体又はこれらの役職員に対し,調査に必要な資料若しくは物件の提出を命じ,又は提出された資料若しくは物件を領置することができる(同第3項)。この調査を行う際には,公務員は,その権限を示す証明書を関係人に提示しなければならない(同第4項)。

(2) 是正措置

 違反行為に対する法的措置としては,「是正命令」と「是正勧告」がある。

 是正命令については,違反行為の類型別に各条文において是正措置の内容が定められている。

違反行為類型 是正措置の内容 根拠規定
市場支配的地位の濫用
(第3条の2)
価格の引下げ,当該行為の取りやめ,是正命令を受けた事実の公表,その他是正に必要な措置 第5条
企業結合の制限,持株会社の行為の制限等
(第7条,第8条の2,第8条の3,第9条,第10条,第10条の2,第11条,第11条の2から第11条の4まで,第15条)
違反行為の取りやめ,株式の全部又は一部の処分,役員の辞任,営業の譲渡,債務保証の取消し,是正命令を受けた事実の公表,企業結合に伴う競争制限の弊害を防止することができる営業方式又は営業範囲の制限,その他是正に必要な措置 第16条
不当な共同行為
(第19条)
違反行為の取りやめ,是正命令を受けた事実の公表,その他是正に必要な措置 第21条
不公正取引行為
(第23条)
違反行為の取りやめ,計約条項の削除,是正命令を受けた事実の公表,その他是正に必要な措置 第24条
事業者団体の禁止行為
(第26条)
違反行為の取りやめ,是正命令を受けた事実の公表,その他是正に必要な措置 第27条
再販売価格維持行為
(第29条)
違反行為の取りやめ,是正命令を受けた事実の公表,その他是正に必要な措置 第31条
不当な国際契約
(第32条)
契約の取消し,契約内容の修正又は変更,その他是正に必要な措置 第34条

(3) 同意議決

 韓国公取委は,事業者が調査や審議の対象となった行為に起因する競争制限状態の自発的解消,消費者被害救済等のための是正策を申請した場合に,審議手続を中断し,その是正策の同意議決を行うことができる。ただし,当該行為が,不当な共同行為(法第19条第1項)又は告発要件(法第71条第2項)に該当する場合,公正取引委員会は同意議決をしない(法第51条の2)。

 また,韓国公取委は,同意議決を行う前に,30日以上の期間,利害関係人の意見を聞かなければならず,検事総長と協議しなければならない(法第51条の3)。

 韓国公取委は,申請人が同意議決を履行しない場合等には,同意議決を取り消すことができ(法第51条の4),正当な理由なく相当の期間内に同意議決を履行しない者に対し,履行されるまで1日当たり200万ウォン以下の履行強制金を賦課することができる(法第51条の5)。

(4) 課徴金(法第10章の2)

 韓国公取委は,特定の違反行為について,関係事業者又は事業者団体に課徴金を賦課することができる。課徴金の賦課及び金額算定には裁量が許されている。課徴金の額を決定するに当たっては,次の事項を参酌することとされている(法第55条の3)。

[1] 違反行為の内容及び程度
[2] 違反行為の期間及び回数
[3] 違反行為により取得した利益の規模等

ア 違反行為類型別の課徴金の上限額は次のとおりである。

違反行為類型 課徴金の上限額 根拠規定
市場支配的地位の濫用
(第3条の2)
関連売上額の3%
関連売上額がない又は関連売上額の算定が困難な場合(以下「売上額がない場合等」という。)は10億ウォン以下
第6条
相互出資の禁止違反
(第9条)
違反行為により取得又は所有した株式の帳簿価格の10% 第17条第1項
系列会社に対する債務保証の禁止違反
(第10条の2)
違反債務保証額の10% 第17条第2項
持株会社等の行為の制限違反
(第8条の2第2項から第5項)
(1)資本総額の2倍を超える負債額を保有した場合
 貸借対照表上の資本総額の2倍を超えた負債額×10%
(2)子会社の株式を40%未満(子会社が上場法人,共同出資法人又はベンチャー持株会社の子会社である場合は20%未満)しか保有しない場合
子会社の株式の貸借対照表上の帳簿価額×(40%又は20%-子会社の株式の保有比率)÷子会社の株式の保有比率×10%
(3)持株会社等のその他の制限違反の場合
 所有する株式の貸借対照表上の帳簿価額の合計額×10%
(4)一般持株会社の子会社が孫会社の株式を40%未満(孫会社が上場法人又は共同出資法人である場合は20%未満)しか保有しない場合
孫会社の株式の貸借対照表上の帳簿価額×(40%又は20%-孫会社の株式の保有比率)÷孫会社の株式の保有比率×10%
第17条第4項
不当な共同行為
(第19条)
関連売上額の10%(売上額がない場合等は20億ウォン)以下 第22条
不公正取引行為
(第23条)
関連売上額の2%(不当な特殊関係人又は他の会社に対する支援行為を行った場合については,該当事業者の直前の3つの事業年度の平均売上高の5%)
売上額がない場合等は5億ウォン以下
第24条の2
事業者団体の禁止行為
(第26条)
(事業者団体)5億ウォン以下 第28条第1項
(構成事業者)関連売上額の5%関連売上額がない場合等は5億ウォン以下 第28条第2項
再販売価格維持行為
(第29条)
関連売上額の2%
関連売上額がない場合等は5億ウォン以下
第31条の2
国際契約締結制限違反
(第32条)
(事業者団体)5億ウォン 第34条の2
(構成事業者)関連売上額の2%
関連売上額がない場合等は5億ウォン以下
第34条の2

ア 課徴金の具体的な算定方法(カルテル事案の場合)

 課徴金の賦課は,「基本額の算定」「義務的な調整」「裁量的な調整」「課徴金額の算定(リニエンシーによる減免含む)」の4段階を経て行われる。

(ア)基本額の算定
 関連売上額に以下の基準率を乗じて算定する。
 違反行為の重大性は,各カルテル参加者のシェアの合計,地理的範囲などを考慮した競争阻害性の影響によって決定される。

重大性 非常に重大 重大 軽微
基準率 7~10% 3~7% 0.5~3%

(イ)義務的な調整
[1] 累犯に対する加算
 企業が過去3年の間に,3回以上是正措置を課されたことがある場合,3度目の違反行為から,事件ごとに基本額の10%が加算される。しかし,加算された額の合計は基本額の50%を超えてはならない。
[2] 不当利得による調整
 違反行為による不当利得の全額又は一部の額の算出が可能であり,算出された額が前記の累犯に対する加算額を超えている場合,算出された額を加算額として利用する。

(ウ)裁量的な調整
 (イ)で調整された額に対し,韓国公取委は以下の要因を考慮し,裁量で課徴金を増減することができる。ただし,増減率は(イ)で調整された額の50%を超えてはならない。

増額する要因 調整率
違反行為の主導又は教唆をした場合 30%以下
意見陳述の日までに,違反行為を終了又は是正しなかった場合 20%以下
違反行為に参加しなかったことで他社に報復を行った場合 20%以下
審査拒否・妨害若しくは忌避又は違反行為の秘匿を行った場合 20%以下
企業の役員又は幹部従業員が直接違反行為に関与していた場合 10%以下
その他の理由 10%以下
減額する要因 調整率
  • カルテル協定を実行しなかった場合
  • 談合よって行われた入札が無効になった場合
30%以下
  • 違反行為に単に参加した又は追随した場合
  • 他社からアドバイスを受けて違反行為に参加した又は自社の利益とは関係なく他社の代わりに参加した場合
  • 企業が強制又は騙されて違反行為に参加した場合
30%以下
審査に積極的に協力した場合 20%以下
政府の措置(拘束的な行政指導等)が違反行為の要因になったと思われる場合 20%以下
違反行為を自主的に是正した場合 20%以下
違反行為が誤解により行われた場合又は相当の注意を払っていたにもかかわらず行われていた場合 10%以下
財務能力が十分でない場合 50%以下
コンプライアンスプログラムを実施している場合
(コンプライアンスプログラムの実施記録の評価に応じて)
15%~30%
その他の理由 10%以下

(エ)課徴金額の算定
 裁量的な調整後の課徴金額が,違反企業の財政状況,違反行為が市場に与えた影響及びその他の市場や経済状況を反映しておらず,過度であると思われる場合,韓国公取委は,裁量的な調整後の課徴金額を差し引いた上で課徴金額を算定することができる。
 また,裁量的な調整が行われた時には考慮されなかった客観的な要素,例えば,違反行為の波及効果,特定の経済状況,企業が創出した経済的,財政的な利得,構造的な特徴,特定の社会的状況の下での課徴金の支払能力などに基づき,仮に,裁量的な調整後の課徴金額が,不当利得の剥奪,違反行為の防止,制裁の目的の達成のために必要なレベルに比べて過度であると思われる場合は,裁量的な調整後の課徴金額を50%まで減額することができる。
 さらに,(1)破産などで違反事業者に課徴金の支払能力がないとみなされる場合,(2)急激な市場や産業環境の変化を考慮して課徴金を賦課しないことが望ましいと思われる場合などにおいては,すべての状況を包括的に考慮した上で,課徴金を賦課しないことがあり得る。
 なお,これらの課徴金額算定作業が行われた後に,リニエンシーに基づいた減免が適用される(後述(8)参照)。

(5) 除斥期間(法第49条第4項)

 韓国公取委は,違反行為が終了した日から5年を経過したときは,是正措置及び課徴金の納付等を命じることはできない。

(6) 意見陳述の機会の付与(法第52条)

 韓国公取委は,違反行為に対して,是正措置又は課徴金の納付を命ずる前に,当事者又は利害関係人に意見を陳述する機会を与えなければならない。

(7) 異議申立て(法第53条)

 韓国公取委の処分(是正勧告を含む。)に対して不服がある者は,その処分の通知を受けた日から30日以内に,韓国公取委に異議の申立てをすることができる(法第53条第1項)。韓国公取委は,異議申立てに対し,60日以内に裁決をしなければならない。ただし,やむを得ない場合は,30日の範囲内において,決定によりこの期間を延長することができる(同第2項)。

 異議申立ての審議は,主審委員,審査官,被審人の3名による対審構造を採っており,原則公開である。審議後の裁定は,委員会の全員会議で下される。

(8) 訴えの提起(法第54条)

 韓国公取委の処分に対して不服の訴えを提起しようとするときは,処分の通知を受けた日又は異議申立てに対する裁決書の正本の送達を受けた日から30日以内に,これを提起しなければならない(法第54条第1項)。

 当該訴えは,ソウル高等法院の専属管轄とされている(法第55条)。

 なお,前記(6)の異議申立てを経ずに,直接訴えの提起を行うこともできる。

(9) 申告者及び協力者に対するリニエンシー(法第22条の2,施行令第35条,リニエンシープログラムに関する告示)

 韓国公取委は,(1)不当な共同行為の事実を申告した者,又は(2)証拠の提供等により不当な共同行為に対する調査に協助した者に対し,是正措置又は課徴金を軽減又は免除することができる(法第22条の2第1項)。

ア リニエンシーの対象者

(ア)課徴金及び是正措置の免除
 審査開始前に自主申告した者であって,(1)違反行為の立証に必要な書類を単独で提供した最初の者である,(2)韓国公取委が違反行為を立証するための情報を十分入手していない状態で自主申告する,(3)事実を全部陳述し,審査が終わるまで誠実に協力する及び(4)当該不当な共同行為を中止している,という条件に全て該当する場合は,課徴金及び是正措置が免除される(施行令第35条第1項)。

(イ)課徴金の免除及び是正措置の免除又は軽減
 審査開始後に審査に協力した者であって,(1)韓国公取委が違反行為を立証するための情報を十分入手していない状態で審査に協力し,(2)上記(ア)(1),(3)及び(4)に該当する場合は,課徴金の免除及び是正措置の免除又は軽減を受けられる(施行令第35条第2項)。

(ウ)課徴金の50%減額及び是正措置の軽減
 審査開始前に自主申告した者又は審査開始後に審査に協力した者であって,(1)不当な共同行為であることを立証するために必要な証拠を2番目に提出し,(2)上記(ア)(3)及び(4)に該当する場合は,課徴金の50%減額及び是正措置の軽減を受けられる(施行令第35条第3項)。
 なお,不当な共同行為を強要していた者については,リニエンシーの対象者となることができない。

イ リニエンシー・プラス

 不当な共同行為への関与について審査を受けている事業者が,最初に「その他の不当な共同行為」について申請した場合,当該事業者は,その他の不当な共同行為については課徴金の免除を受けることができ,審査を受けている不当な共同行為については課徴金の減額又は免除を受けることができる。ただし,不当な共同行為を強要していた者についてはこの限りではない。
 なお,大規模の不当な共同行為における課徴金の減額又は免除を目的とした小規模の不当な共同行為の申請を防止するために,審査を受けている不当な共同行為の減免率は,申請されたその他の不当な共同行為の規模によって異なる。
 下表注:
(A)その他の不当な共同行為の関連売上高(全参加企業の売上高)
(B)審査を受けている不当な共同行為の関連売上高(全参加企業の売上高)


その他の不当な
共同行為の課徴金
審査を受けている不当な
共同行為の課徴金
(A)が(B)より小さい 免除 20%の範囲内の減額
(A)が(B)の同等以上2倍未満 免除 30%減額
(A)が(B)の2倍以上4倍未満 免除 50%減額
(A)が(B)の4倍以上 免除 免除

ウ リニエンシーの手続

 リニエンシーの申請者は,証拠とともに書面又は口頭により申請をする。申請は,FAX又は電子メールで行うことが可能である。口頭による申請の場合は,韓国公取委によって記録される。申請者は,証拠の収集に時間を要すると判断する場合,不当な共同行為の概要を記した簡単な申請書を提出し,その後15日以内(特別な理由がある場合は75日以内。延長も可能。)に具体的な証拠を提出する方法を採ることもできる。この場合,15(75)日間は,当該申請者の地位は保持される。
 複数の者がリニエンシーの申請を行った場合,その順位については,申請書が受理された日時により判断される。仮に,複数の者が共同で署名して1つの申請書を提出した場合,リニエンシーは認められない。
 韓国公取委は,リニエンシー申請を受理してから原則15日以内に,リニエンシーの適用を受けられるか否かを当該申請者に書面をもって通知しなければならない。リニエンシーの適格者となった者に対しては,[1]審査に継続的に協力すること,[2]提出した証拠が虚偽でないこと及び[3]違法行為への関与を終了することを条件として,当該申請者の地位を確認する旨の書類が発行される。

エ その他

 リニエンシー申請者の身分及び申請内容に関する情報の開示は,訴訟手続において必要とされた場合に限って認められる。
 また,リニエンシーの適格者とならなかった者であっても,不当な共同行為に参加したことを否定せず,審査に協力した場合は,最大20%までの課徴金の減額を受けることができる。

5 罰則及び告発(法第14章)

(1) 罰則

 主な実体規定違反に対する罰則は,違反行為類型に応じ,以下のように定められている(法第68条及び第69条に,手続規定違反に対する罰則が定められている。)。

 なお,法人の代表者,使用人その他の従業員等が業務に関して第66条から第68条までの違反行為をしたときは,行為者を罰するほか,当該法人等に対しても,各条の罰金刑を科する(両罰規定:法第70条)。

違反行為類型(主なもの) 罰則 根拠規定
  • 市場支配的地位の濫用(第3条の2)
  • 企業結合制限違反(第7条第1項)
  • 持株会社の行為の制限違反(第8条の2第2項~第5項)
  • 相互出資の禁止違反(第9条)
  • 系列会社に対する債務保証の禁止違反(第10条の2第1項)
  • 不当な共同行為(第19条第1項)
  • 事業者団体の禁止行為(競争制限行為)(第26条第1項第1号)
3年以下の懲役,
若しくは2億ウォン以下の罰金,
又はこれらの併科
第66条第1項,第2項
  • 不公正取引行為(第23条第1項)
  • 事業者団体の禁止行為(第26条第1項第2号~第5号)
  • 再販売価格維持行為(第29条第1項)
  • 不当な国際契約の締結(第32条第1項)
  • 是正措置の不履行(第5条等)
2年以下の懲役,
又は1億5000万ウォン以下の罰金
第67条

(2) 告発

 法第66条及び第67条の罪については,韓国公取委の告発を待って,公訴を提起することができる(専属告発:法第71条第1項)。

 韓国公取委は,第66条及び第67条の罪のうち,その違反の程度が客観的にみて明らかに重大であり,競争秩序を著しく阻害すると認めるときは,検事総長に告発しなければならない(法第71条第2項)。

 告発の有無は,違反行為の形態,違反者の市場占有率,地理的範囲及び行為継続期間により,事件ごとのポイントが見積もられ,このポイントが一定レベル以上に達した場合に告発される。また,違反行為の自主的な取りやめ,過去の違反記録等も考慮され,韓国公取委が課した是正措置を正当な理由なく遵守しない場合,ポイント数に関わらず告発される(検察庁への告発に関するガイドライン)。

6 損害賠償(法第11章)

 事業者又は事業者団体は,違反行為によって被害を受けた者があるときは,当該被害者に対して損害賠償の責任を負う。ただし,当該事業者又は事業者団体が故意又は過失がなかったことを証明した場合は,この限りではない(法第56条第1項)。

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