このページの先頭ですサイトメニューここから
このページの本文へ移動
公正取引委員会
  • サイトマップ
  • 音声読み上げ・文字拡大
  • ENGLISH
  • 公正取引委員会について
  • 報道発表・広報活動
  • 相談・手続窓口
  • 独占禁止法
  • 下請法
  • CPRC(競争政策研究センター)
サイトメニューここまで

本文ここから

パキスタン(Pakistan)

(2014年1月現在)

1 根拠法: 2010年競争法(Competition Act, 2010)

 パキスタンでは,1970年に制定された「独占及び制限的取引令(Monopolies and Restrictive Trade Practices Ordinance)」によって競争制限行為を規制していたが,その後の経済の変化に適合させるべく,2007年10月に「競争令(Competition Ordinance)」を制定し,2010年10月には同命令を「2010年競争法(Competition Act, 2010)」として法制化した。

2 執行機関

 競争法の執行機関である「パキスタン競争委員会(The Pakistan Competition Commission)」(以下「委員会」という。)は,独占及び制限的取引令の執行を担当していた「独占管理局(Monopoly Control Authority)」を引き継ぎ,2007年10月に設置された。
 委員会は,委員長及び委員から構成され,定員は5人以上7人以下とされている(第14条第1項)。委員長及び委員は,工業,商業,経済,財務,法律,会計又は行政の分野において10年以上の経験を有する者の中から連邦政府が任命する(第14条第5項)。委員長及び委員の任期は3年で再任は可能であるが,65歳が定年である(第17条)。

3 規制の概要

(1)支配的地位の濫用(第3条) 

 支配的地位にある事業者が関連市場における競争を阻害,制限,減殺又は歪曲した場合には,支配的地位の濫用として禁止される。
 一又は複数の事業者が,競争者,顧客,消費者及び供給者から相当程度独立して行動でき,かつ,関連市場におけるシェアが40%以上である場合は,支配的地位にあると推定される(第2条第1項第e号)。次の行為は,濫用行為の例であるが,これに限定されない。
ア 生産や販売を抑制すること,不当に価格を引き上げること又は不当な取引条件を課すこと
イ 客観的に正当な理由なく,取引の相手方によって,商品又は役務に異なる価格を課すこと    
ウ 他の商品又は役務を購入することを条件として商品を販売し,又は役務を提供する こと
エ 契約の性質上又は商慣習上,契約の対象とは関係のない追加的な義務を相手方が受け入れることを契約締結の条件とすること
オ 他の取引相手と同等の取引において異なる取引条件を課し,競争上不利にさせること
カ 競争者を市場から排除する,新規参入を阻害する又は市場を独占することとなるような略奪的な価格を設定すること
キ 商品の製造,流通,販売又は役務の提供から他の事業者を排除すること
ク 取引を拒絶すること

(2)競争制限的協定(第4条)

ア 事業者又は事業者団体が,関連市場における競争を阻害,制限,減殺する目的又は効果を有する協定を締結することは禁止される。次の行為は,競争制限的協定の例であるが,これに限定されない。

(ア) 購入価格若しくは販売価格を決定すること,又は商品の販売,流通若しくは役務
の提供に関する取引条件を制限すること
(イ) 営業地域,販売量若しくは購入量,商品若しくは役務の種類又はその他の手段によって,市場を分割すること
(ウ) 商品の生産量,流通量若しくは販売量又は役務の提供方法を決定すること
(エ) 商品の生産,流通若しくは販売又は役務の提供に係る技術開発又は投資を制限すること
(オ) 入札談合を行うこと
(カ) 他の取引相手と同等の取引において異なる取引条件を課し,競争上不利にさせること
(キ) 契約の性質上又は商慣習上,契約の対象とは関係のない追加的な義務を相手方が 受け入れることを契約締結の条件とすること

イ 適用免除

委員会は,第9条に規定する次の基準を満たす協定について,前記第4条の適用を免除することができる(第5条~第9条)。
(ア) 生産又は流通の向上に資すること
(イ) 技術的又は経済的進歩の促進に資するものであり,消費者がその結果生ずる利益の相応分を享受すること
(ウ) 協定により生じる利益が,競争の欠如又は減殺による悪影響を明らかに上回るこ と
第4条の適用の免除には,個別適用免除(第5条)と一括適用免除(第7条)がある。

(3)欺瞞的取引方法(第10条)

事業者が,欺瞞的取引方法を行うことは禁止される。次の行為は,欺瞞的取引方法とみなされる。
ア 他の事業者の営業上の利益を損なわせる,虚偽の又は誤解を生じさせ得る情報を流すこと
イ 消費者に対し,商品の価格,特徴,製造方法若しくは製造地,特性,使用の適切性又は品質に関連して,合理的根拠を欠いた情報を含む,虚偽の又は誤解を生じさせる情報を流すこと
ウ 宣伝の過程において虚偽の又は誤解を生じさせる比較を行うこと
エ 他社の商標,商号又は製品ラベル若しくは包装材を盗用すること

(4)競争制限的企業結合(第11条)

事業者が,関連市場における支配的地位を形成又は強化することによって競争を実質的に減殺する合併を行うことは禁止される。

4 執行手続

(1)委員会による調査

 委員会は,2010年競争法違反が行われた場合,同法に規定された手続に従って,調査を行う(第28条第1項)。2010年競争法において,委員会は次に記載する調査権限が認められている。

ア 第33条で認められるもの

 委員会は,民事訴訟において裁判所に認められているものと同様の権限が認めら    れており,[1]証人を出頭させ,口頭で尋問すること,[2]文書の開示及び提出を命じること,[3]宣誓供述書の提出を受けること,[4]裁判所又は公的機関に公的記録の提出を要求すること,[5]証人尋問,証拠物の取調べ又はその両方を委任することができる。
 また,委員会は,帳簿,決算書又はその他の書類で調査のために必要となるものを事業者に提示させ,委員会が指定した者に検査及びそのものの保管をさせること並びに調査のために必要な情報の提供を事業者に要求することができる。

イ 立入検査

 委員会は,関係先に立ち入り,書類,決算書,コンピュータ等を検査し,書類や決算書等を必要期間留置することができる。情報が記録された媒体の留置が不可能な場合,コンピュータを留置することができる(第34条第1項,第2項)。
 事業者が立入検査を合理的な理由なく拒否した場合,委員会は,いずれか2名の委員が署名した命令書に基づいて,強制的に立入検査を行うことができる(第35条第1項)。

ウ 報告依頼

 委員会は,事業者に対し,事業者の組織,決算書,事業内容等の情報を定期的又は委員会が必要な時に報告することを求めることができる(第36条)。

(2)委員会による措置

ア 排除措置命令(第30条,第31条)

 委員会は,事前通知を行い,聴聞の機会を付与した上で,関係事業者に対して,違反行為に応じて,それぞれ次の内容の命令を行うことができる。

違反行為 措置内容
支配的地位の濫用 競争を回復し,違反行為を繰り返さないため又はそれと同様の効果を有する他の行為を行わないために必要な措置を採ること
競争制限的協定 当該協定を無効とすること,協定内容の修正及び違反行為を繰り返さないようにすること又は類似の目的若しくは効果を有する他の行為を行わないようにすること
欺瞞的取引方法 違反行為前の市場の状況を回復し,違反行為を繰り返さないようにするために必要な措置を採ること又は問題のある商品の没収若しくは破棄

イ 制裁金納付命令(第30条,第38条)

 委員会は,事前通知を行い,聴聞の機会を付与した上で,事業者,その役員又は従業員に対して,制裁金の納付を命じることができる。

違反行為 制裁金の額(第38条第2項)

支配的地位の濫用
競争制限的協定
欺瞞的取引方法

7500万ルピー又は当該事業者の年間売上高の10%を超えない範囲で,事案の状況を勘案して委員会が決定する額

委員会の命令,通知又は要求に応じない場合
委員会の手続を妨害する場合

100万ルピーを超えない範囲で事案の状況を勘案して委員会が決定する額

5 企業結合審査

(1)事前届出制度

 委員会によって規定された届出基準を超える合併をしようとする場合,事業者は,当該合併を進めることについて,原則的に合意した後又は法的拘束力を持たない覚書を締結した後直ちに,委員会に届出を行って承認を得なければならない(第11条第2項,第3項)。
 届出基準については,委員会が定めた規則である「Competition(Merger Control)Regulations,2007」(以下「合併規則」という。)に規定されている。

(2)届出基準(合併規則第4条第2項)

ア 事業者単体の総資産(営業権を除く)の額が3億ルピー以上,又は合併を計画している事業者の資産との合計が10億ルピー以上の場合
イ 事業者単体の前年売上額が5億ルピー以上,又は合併を計画している事業者の前年売上額との合計が10億ルピー以上の場合
ウ 取得しようとする株式の額又は資産の額が1億ルピー以上である場合
エ 株式取得の場合,取得しようとする株式の合計が議決権付株式総数の10%を超え
る場合
オ 資産運用会社による投資の場合,投資額が議決権の25%を超える場合
カ 資産運用会社が管理する総資産の額が10億ルピーを超える場合

(3)第一次審査

 委員会は,届出を受理してから30日以内に,計画された合併によって関連市場における支配的地位の形成が推定されるかどうかを判断しなければならず(第11条第5項),当該合併に競争上の問題がないことが明らかであると判断したときは,速やかに承認しなければならない(合併規則第10条第3項)。

(4)第二次審査

ア 委員会は,第一次審査において,計画された合併により支配的地位が形成されると推定したときは,事業者に追加の情報の提出を求めて第二次審査を開始する(第11条第6項)。第二次審査において,委員会は,追加情報の受領から90日以内に審査を終了しなければならない(第11条第8項)。
イ 第二次審査の結果,当該合併が支配的地位を発生させる又は強化することによって競争を実質的に減殺すると判断した場合であっても,次の状況が認められるときは,委員会は,合併を承認することができる(第11条第10項)。
(ア) 商品の製造若しくは流通又は役務の提供の効率化に実質的に貢献すること
(イ) 当該効率性が,より競争制限的でない手段によっては合理的に達成されないこと
(ウ) 効率性によりもたらされる利益が,競争の欠如又は減殺による不利益を明らかに上回ること
(エ) 合併の当事者が財政の危機に直面しており,当該合併が,事業者が資産減少を防 ぐための最も反競争的な方法ではないこと
ウ 委員会は,上記イの状況が認められないと判断した場合,次の命令を行うことが  できる(第11条第11項)。
(ア) 合併の禁止
(イ) 委員会が設定した条件を付した合併の承認
(ウ) 委員会が特定した契約を締結することを条件とした合併の承認

6 不服申立手続

 いずれかの委員又は委員会の職員による命令によって権利を侵害された者は,当該命令の日から30日以内に委員会の上訴法廷(Appellate Bench)に不服申立てをする。当該不服申立ては,2人以上の委員によって審理される(第41条)。
 一方,二人以上の委員又は上訴法廷の命令によって権利を侵害された者は,当該命令の日から60日以内に競争上訴審判所(Competition Appellate Tribuinal)に不服申し立てができる(第42条)。競争上訴審判所は,審判長(最高裁判所の裁判官又は高等裁判官の長官の経験者)及び2人の審判官(国際取引,経済学,法律学,財政学又は会計学における10年以上の経験を有する者)から構成される(第43条)。
 競争上訴審判所の判断によって権利を侵害された者は,60日以内に最高裁判所に上告することができる(第44条)。 

7 リニエンシー

委員会は,競争制限的協定に加わっていた事業者のうち,違反事実を最初に申告した事業者に対して制裁金を免除及び減額することができる(第39条)。制裁金の減免が認められる要件等については,委員会が定めた規則である「Competition(Leniency)Regulations,2007」(以下,「リニエンシー規則」という。)に規定されている。
委員会は,リニエンシーの申請者が
(ア) 委員会に対して,違反行為に関する全ての情報,書類及び証拠を提供すること
(イ) 委員会の調査結果が出るまで,不断で無制限に,委員会に協力をすること
(ウ) リニエンシーの申請以降,違反行為に参加しないこと
(エ) 他の事業者に対して違反行為に参加することを強要しないこと
の条件を満たす場合,制裁金を免除することができる(リニエンシー規則第3条第1項)。
また,上記の条件を全て満たさない場合であっても,
(ア) リニエンシーの申請の時期
(イ) 既に委員会が有している証拠か否か
(ウ) 申請した事業者から提出された情報の質
を考慮し,最大100%(申請の時期によっては最大85%)制裁金を減額することができる(リニエンシー規則第4条)。

「非OECD諸国」に戻る

「P」に戻る

「アジア大洋州諸国」に戻る

本文ここまで


以下フッターです。

公正取引委員会 Japan Fair Trade Commission

〒100-8987 東京都千代田区霞が関1-1-1 電話 03-3581-5471(代表)
  • ご利用案内
  • 関連リンク
  • 所在地
Copyright © 2013 Japan Fair Trade Commission. All Rights Reserved.
フッターここまでこのページのトップに戻る