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タンザニア(Tanzania)

1 根拠法

 タンザニアの競争法は「公正取引慣行法」(The Fair Trade Practices Act)であり,1994年に制定された。
 ケニアの競争法をモデルとしており,制限的取引慣行,規制独占,経済力及び価格の集中,消費者保護及びそれに関連することを禁止することによって経済における競争を奨励している。当該法律はタンザニア共和国の議会によって制定され,官報での掲示において首相が指定すると同時に施行されるとされている(まだ施行されていない。)。

2 執行機関

 現在,タンザニア政府は,当該法律の履行に関係して,特にどのように取引慣行委員会を動かすかということ及び取引慣行裁判所設立に関して規則を作る過程にある。法律を施行するためには時間が必要であるとされている。

(1)取引慣行委員会(Trade Practices Commission)

 産業取引省から政府により任命された委員及び他3人のメンバーにより構成される。

(2)取引慣行裁判所(Trade Practices Tribunal)

 裁判長及び2人以上4人以下のメンバーによって構成される。

3 規制の概要

 公正取引慣行法は全部で7部に分かれており,国家経済を形成する際にどのように独占を統制し,公正な競争を奨励すればよいかについて記している。
 主な概要は以下のとおり。

(1)制限的な取引慣行

 制限的な取引慣行とは,商品又はサービスの生産又は流通に従事している者が,公正な市場価格において競争するために技術等を提供する者の参加及び公正な市場価格において商品又はサービスを得ようとする者の機会を減らそうとすることをいい(第15条),以下の行為が禁止される。
(i) 商品又はサービスの顧客への販売拒否
(ii) 抱き合わせ販売
(iii) 価格協力
(iv) 顧客に競争者の商品を扱うことを拒否させること
(v) 顧客差別
(vi) 市場割当て
(vii) 入札談合
(viii) 競売での談合(collusive bidding at auction sale)
(ix) 略奪的価格設定
(x) 生産者同士で供給を保留すること
(xi) 取引拒絶
(xii) 略奪的取引慣行

(2)企業結合等

ア 不当な経済力の集中は禁止される(第31条)。
イ 合併及びテイクオーバーに関しては,産業取引大臣の承認命令を得ずに行った場合は無効であり,200万シリング以下の制裁金又は12ヵ月以下の拘禁又はこれらの併科に処される(第35条)。大臣の命令は当該合併によって生産された商品等が輸入品と効率的に競争し,国の輸出品を拡大し,それにより雇用を増大させるかどうかといった点等を基準に承認又は却下され,官報で発表される。
ウ 大臣は取引慣行委員会の審査報告を受けて,不当な経済力集中を行っているとみなした者に,資産売却及び合併等の中止を命令できる。
エ 大臣による命令に不満のある者は命令がその者に届いた日から30日以内に取引慣行裁判所に訴えを起こすことができる。

(3)消費者保護

 誤解を招く又は虚偽の行為や表示,又はおとり広告,製品の安全規格,強制的な製品の撤回などを禁止し,消費者を保護するための規定が定められている。

4 法執行手続

(1)違反行為に対する措置

ア 被害を受けた者の申告に基づき,取引慣行委員会は審査を開始し,違反行為に従事したと思われる者を招いて当該違反行為に対する救済を提示させるか又は当該違反行為をやめ,このような過去の行為によって影響を受けた者に対する補償をするように通知する。
イ 一定の期間内に補償等を行う旨の返答がない場合若しくは当該違反行為が取り去られていないと委員会が考えた時は,関係人は違反行為をやめること及び当該行為による過去の影響を補償するような措置を採ることを促進する,同意承諾(consent agreement)を官報において発表すると共に関係人に対してそのコピーを送付する。
ウ 上記を行わない者に対して委員会は命令を出すことができる。当該命令に不満がある者は28日以内に裁判所に訴えを起こすことができる。

(2)制裁

ア 委員会による命令に対し出訴することなく違反した者又は命令に対して裁判所が出した決定又は裁判所によって確認又は修正された委員会の命令に一部でも従わない場合は,100万シリング以下の罰金又は2年以下の拘禁又はこれらの併科に処される。
イ 取引慣行裁判所はまた申告人に対し2倍の制裁金を支払うよう命令することができる。

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