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トルコ(Turkey)

1 根拠法

 トルコの競争法は,1994年12月7日に国会で可決され,同月13日に公布・施行された競争保護法(Act on the Protection of Competition)である。

2 執行機関

(1) 競争庁(Competition Authority)

 競争保護法の執行機関は,1997年11月4日に設立されたトルコ競争庁である。同庁は,貿易産業省に属しているが,その権限の行使については独立して行うものとされている(第20条)。
 競争庁は,(i)競争委員会(Competition Board),(ii)長官兼委員長室(Office of the President and Chairman of the Board),(iii)事務局(Service Department)から構成されている(組織図参照)。
競争庁の職員の身分は,給与面を除けば国家公務員法の規定に準じる。競争庁は,必要に応じて,委員会が規則によって定めた一定の条件を満たした外国人を職員として雇用することもできる。

(2) 競争委員会

 競争委員会は,長官兼委員長,副委員長(Vice-President)を含む11人で構成されている(第22条)。
委員長(委員長が不在の場合は副委員長)は,競争庁を統括し代表する最高責任者であり,委員会だけでなく長官兼委員長室の統括も行う(第29条)。委員長,副委員長及び委員の任期は6年であり,原則として任期途中で解任されることはない(第24条)。
委員会は,違反行為を排除するための措置及び制裁金の納付を命じ,企業結合及び適用除外について決定を行う(第27条)ほか,審判(hearing)の際には委員長等が審判官を務める(後記4(4)参照)。

(3) 長官兼委員長室及び事務局

 長官兼委員長室は,長官兼委員長,副委員長及び2名の補佐官(Assistant-President)の合計4名から構成され,委員会の決定の執行の監督や事務局内の各部署間の調整などを行う(第29条)。
 事務局には約200名の職員が所属している。

3 規制の概要

(1) 競争を制限する協定等(第4条)

ア 直接的若しくは間接的に,市場における競争の妨害,歪曲又は制限を目的とした,あるいは結果として生じさせる,又は生じさせる可能性のある事業者による協定及び共同行為(concerted practice)並びに事業者団体による決定及び取引慣行(以下「協定等」という。)は,違法であり禁止される。特に次の行為が違反とされている。
(i) 購入価格若しくは販売価格,又は価格を構成するコスト若しくは利益などの要素,又はその他商品若しくは役務の売買に関する取引条件の決定
(ii) 市場分割又は市場の諸資源若しくは構成要素の分割若しくは制限
(iii) 市場の状況とは無関係な供給量又は需要量の制限又は決定
(iv) 競争者の活動の妨害若しくは制限,又はボイコットその他の手段による競争者の市場からの排除
(v) 排他的取引の場合を除き,同等の権利及び義務により取引を行っている者に対する差別的取引条件の適用
(vi) 契約の性格又は商業上の慣習法に反して,他の商品若しくは役務の購入,他の商品若しくは役務を陳列することについての購入者の受諾,又は関係する商品又は役務を再販売する際の諸条件の受諾を条件として契約を締結させること。
イ 協定等の存在を立証できない場合であっても,関係事業者の市場における価格の変動,需給バランス,事業領域について,競争が制限されている市場との類似性がある場合は,経済的かつ合理的な反証がない限り,共同行為があるとみなされる。
ウ 第4条に違反する協定,決定等は無効であり,関係人は当該協定等により生じた権利義務の履行を要求することはできない。
エ 協定等を締結した者は,その締結から,1か月以内に委員会に届出しなければならない(第10条)。

(2) 市場支配的地位の濫用(第6条)

 国内のすべて又はその一部において,単独で又は複数の事業者による協定若しくは共同行為により行われる市場支配的地位の濫用は,違法であり,禁止される。特に次の行為は,市場支配的地位の濫用に該当するとされている。
(i) 直接,間接を問わず当該市場の競争業者の事業活動の排除を目的として,他の事業者の事業活動を妨害すること。
(ii) 同一内容の取引を行っている者に対し,異なる取引条件を課すことにより,直接又は間接に差別すること。
(iii) 他の商品若しくは役務の購入若しくは陳列の受諾,又は最低販売価格の維持を条件として契約を締結させること。
(iv) 他の市場における支配的地位から生じた資金上,技術上又は経済上の優位性を利用して,当該市場における競争を歪めることを目的とした行為
(v) 消費者に対し不利益を与える製造,販売又は技術的発展の制限を行うこと。

(3) 合併等

ア 企業間の合併又は企業若しくは個人による他の企業の資産若しくは株式の全部若しくは一部の取得(以下「合併等」という。)であって,それにより市場における競争を阻害し,その結果合併当事者の市場支配的地位が生じ又は強化することとなる場合は違法であり,禁止される(第7条)。
イ 次のいずれかに該当する合併等は,事前に委員会に届け出なければならない(第10条)。
(i) 合併等をする事業者の市場シェアの合計が25%を超える場合
(ii) 合併等をする事業者の売上高の合計が25兆トルコリラ以上(約1800トルコリラで1円)になる場合
ウ 事前の届出を怠った場合,又は届出の際に不完全な,若しくは虚偽の報告をした場合は制裁金(後述)の対象となる。また,関係人は合併等の際には合併後の事業者の総資産の0.2%を手数料として競争庁に支払わなければならない。
エ 禁止される合併について,委員会は,制裁金を課すとともに当該合併ないし買収に関する業務を終結させ,非合法に行われたすべての事項を回復させ,可能ならば委員会が定めた条件及び期間内に資産及び株式を以前の所有者に戻す決定を下す。以前の所有者に戻すことが無理であれば,以前の所有者に戻されるまでの間第三者に委託されるか,又は当該合併に関与する資格を持たない第三者に譲渡されるか,又はその他の適切な処置を行う決定を下す。

(4) 適用除外及びネガティブ・クリアランス

ア 適用除外(第5条)

(ア) 委員会は,関係事業者又は事業者団体の申請に基づいて,以下のすべての条件を満たす事業者間の協定及び共同行為並びに事業者団体の決定を第4条の適用除外とすることができる。委員会は,5年を超えない範囲で適用除外期間を指定しなければならない。なお,委員会は,当該適用除外決定に際し,一定の条件又は義務を付加することができる。
(i) 商品の生産及び流通並びに役務の提供について新たな発展,進歩又は技術的若しくは経済的発展の改善に寄与すること。
(ii) 消費者に利益をもたらすこと。
(iii) 関連市場の重要な部分において競争を排除しないこと。
(iv) 本項(i)及び(ii)に記載の目的を達成するために必要な範囲を超えた競争の制限を生じさせないこと。
(イ) 委員会は,適用除外期間が終了した後でも,関係人が適用除外が認められるための条件を満たしている場合であって,かつ関係人の申請があった場合は,これを延長することができる。

イ ネガティブ・クリアランス(第8条)

 委員会は,事実関係を調査した上で事業者又は事業者団体から申請があった場合,当該協定,決定若しくは取引慣行又は合併若しくは取得が本法第4条,第6条及び第7条の規定に違反しない旨の証明をネガティブ・クリアランスによって行うことができる。

ウ 適用除外及びネガティブ・クリアランス決定の取消し(第13条)

(ア) 委員会は,次の事情が生じた場合,適用除外又はネガティブ・クリアランスの決定を取り消し,当該行為を禁止することができる。
(i) 決定の基礎となった状況が変化した場合
(ii) 決定の際に付加された条件及び義務を当事者が遵守しない場合
(iii) 当該決定が協定に関する虚偽の又は不完全な情報に基づいて行われた場合
(イ) (i)に該当する場合の取消し決定は当該状況が変化した日から有効となり,その他の場合は適用除外又はネガティブ・クリアランスを認めた決定日から有効となる。
(ウ) (iii)の虚偽の情報又は不完全な情報の提出が関係人の故意又は悪意による場合には,適用除外及びネガティブ・クリアランスの決定は,行われなかったものとみなされる。

4 法執行手続

(1)予備審査

ア 委員会は,事件の端緒に接した場合(申告又は職権探知),直接正式審査を開始するか,あるいは正式審査を開始する必要があるか否かを判断するための予備審査を開始するかの決定を行う。
イ 予備審査開始の決定を行ったときは,委員長は,当該予備審査を実施する法的資格を有する専門家の中から1名ないし2名の報告官(rapporteur)を指名する。報告官は指名されてから30日以内に当該事件に対する所見とともに入手したすべての情報及び証拠を書面で委員会に提出しなければならない(第40条)。委員会は,当該予備審査報告書の提出後10日以内に正式審査を開始するか否かを決定しなければならない(第41条)。
ウ 端緒が申告によるもので,申告が信頼できかつ十分なものである場合は,委員会は申告人に対して書面でその処分について通知しなければならない(42条)。

(2)正式審査(43条)

ア 委員会が正式審査を開始する決定を行ったときは,当該正式審査を担当する1名又は複数の委員を1名又は複数の報告官とともに決定しなければならない。
イ 正式審査は,原則として6か月以内に終結しなければならない。ただし,委員会は,この期間を1回に限り,6か月間延長することができる。
ウ 委員会は,正式審査開始後15日以内に関係人に対して正式審査を開始した旨通知し,かつ,関係人に最初の回答を30日以内に書面で提出するよう求めなければならない。

(3)審査権限と関係人の権利

ア 委員会は,すべての者に対して必要な情報の提供を求め(第14条),文書等を検査し,必要な場合は写しを取り,一定の事項について文書又は口頭での説明を求め,立入検査を行う権限を有する(第15条)。また,委員会は,上記行為を競争庁職員である審査専門官に行わせることができる。審査専門官は,事件名,審査の目的等を記載した認可証を携帯しなければならない(第43条,第44条)。
イ 関係人は,いかなるときでも,競争庁に対し,競争庁の決定に影響を与えると思われる証拠及び情報を提出でき,また,関係人は審判開始が決定されるまでの間,競争庁が有する当該事件に関わる証拠書類の複写を求めることができる(第44条)。

(4)審判

ア 審査の終結後,関係人が請求した場合は審判を開かなければならない。また,委員会は職権によって審判開始決定を行うことができる(第46条)。
イ 審判は公開される。委員会が公共道徳又は事業者の秘密の保護の見地から必要と判断した場合は非公開にできる。審判は委員長が主宰する。委員長が欠席するときは副委員長が主宰する。審判は,委員長又は副委員長及び少なくとも7名以上の委員が出席して行われる。また,審判は,最大で5回まで開かれる。(第47条)

(5)審決(第48条)

ア 審判が行われた場合は,審判終了後遅くとも15日以内に審決を行う。
イ 審判が行われなかった場合(関係人が請求しなかった場合及び委員会が職権によって決定を行う場合)は,正式審査終了後30日以内に審決を行う。
ウ 審決は,非公開の委員会で決定する。まず,自由な討論が行われ,委員長以外の委員の採決を求め,最後に委員長が自己の賛否を表明する(第50条)。委員会は,委員長を含む少なくとも8名以上の委員が出席しなければならず,6名以上の賛成をもって決定される(第51条)。
エ 審判開始が決定され,関係人に通知されたにもかかわらず関係人が審判に出席しなかった場合は,審判の予定であった日から1週間以内に審決を行う。
オ 審決,緊急停止命令,制裁金の納付命令など委員会の決定に対し不服がある者は,一定期間内に高等行政裁判所(High Administrative Court)に申し立てることができる(第55条)。

(6)制裁金(fine)

ア 委員会は,手続上の違反に関し,次の制裁金を課すことができる(第16条)。
(i) 事業者又は事業者団体が,本法で規定されている,合併,適用除外又はネガティブ・クリアランスに係る届出又は申請に関し虚偽の,又は不完全な情報を提供した場合は,62億トルコリラ
(ii) 立入検査又は情報請求に関する委員会決定に関して,事業者又は事業者団体が虚偽又は誤認させる報告をした場合は,62億トルコリラ
(iii) 第7条に規定する合併又は第4条の範囲に該当する協定,共同行為若しくは決定について指定された期間内に委員会に届出をしなかった場合は,31億トルコリラ
(iv) 第5条に規定する委員会の適用除外の決定に付加された条件及び義務に関して違反があった場合は,37億トルコリラ
イ 委員会は,関係人が第4条若しくは第6条に違反し,又は禁止される合併である旨の審決を受けた事業者及び事業者団体の場合は,124億トルコリラ以上,かつ,事業者の地位を有する当該違反に係る個人若しくは法的主体又は当該違反に係る事業者団体若しくはその会員の前年度の総収入の10%以下を,制裁金として課すことができる。 
ウ 上記アに該当する制裁金を課せられる事業者又は事業者団体が法人である場合には,当該制裁金の10%以下をその営業責任者である個人に課すことができる。
エ 第16条及び第17条(後記参照)の規定により徴収した制裁金・延滞金のうち25%は,次年度の競争庁の歳入となる(39条)。

(7)延滞金(第17条)

 審決その他委員会が行った決定に対し関係人が従わなかった場合は,委員会は,下記のとおり1日当たり12億4千万トルコリラから31億トルコリラを延滞金として課すことができる。(i) 第4条,第6条その他の規定への違反の中止その他を命じる審決を遵守しなかった場合は,1日当たり31億トルコリラ
(ii) 禁止される合併に関する委員会の決定又はその他の措置に違反した場合は,1日当たり15億5千万トルコリラ
(iii) 適用除外又はネガティブ・クリアランスの取消しの決定に違反している場合は,1日当たり15億5千万トルコリラ
(iv) 競争庁職員による立入検査に対する妨害に対しては,1日当たり12億4千万トルコリラ

(8)損害賠償

ア 法律に違反する決定,協定又は取引慣行により競争を妨害し,歪曲し若しくは制限し又は市場支配的地位の濫用を行った者は,これらの行為によって被害を受けた者の損害を回復する義務を負う(第57条)。
イ 当該損害が関係人の協定,決定又は重過失の結果による場合は,裁判官は,実際の損害額の3倍又は当該損害を生じさせた事業者が得たか,得たであろう利益の3倍を損害賠償額として決定できる(58条)。

 トルコ競争庁組織図概要

トルコ競争庁組織図概要

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