公正取引委員会

ホーム > 報道発表資料 > (平成17年11月8日)広告業界の取引実態に関する調査報告書(概要)

広告業界の取引実態に関する調査報告書(概要)

平成17年11月8日
公正取引委員会

第1調査の目的及び調査方法

テレビ及び新聞などの広告取引において,有力な広告会社に取引が集中する構造,取引慣行の実態を明らかにし,競争政策上の考え方を提示

インターネット広告に関する実態を把握

テレビ局,新聞社,広告会社及び広告主に対するアンケート調査(計441社)及びヒアリング調査(計46社)

第2調査報告書のポイント

1広告業界の構造

フローチャート : 代替処理: ■ 我が国の総広告費:5兆8571億円(平成16年)
■ 媒体社−広告会社−広告主 という広告媒体枠取引において,媒体社が広告会社へ報酬を支払うコミッション方式が中心
■ 有力な広告会社と中小規模の広告会社に二極化
■ 広告会社上位3社の合計シェアは増加傾向

2広告業界の取引慣行

フローチャート : 代替処理: ■ テレビ広告(番組CM)取引において,以下の理由により,広告会社の新規参入が非常に困難
@ 電通をはじめとする有力な広告会社がCM枠の大部分を確保
A 既存の広告主が優先される原則
B テレビ局による情報開示が少ない
■ テレビ広告(スポットCM)取引において,広告会社の報酬格差は最大20%あり,最低限の基本報酬しか得られない中小規模の広告会社は,価格競争で不利
■ 口頭による取引が少なくなく,媒体社,広告会社及び広告主の広告取引の当事者に適切な情報が与えられず,市場メカニズムが働きにくい状況
■ 広告の効果やコストに関する広告主の意識は必ずしも高くない

3競争政策上の評価に基づく提言

テレビ局による番組CM取引に係る情報の一層の開示・広告会社に支払う報酬率の算定基準の整備

媒体社,広告会社及び広告主による取引方法改善,など

第3調査結果の概要

1広告業界の構造

(1)市場規模

フローチャート : 代替処理: 我が国の総広告費:5兆8571億円(平成16年)

このうちテレビが34.9%,新聞が18.0%を占める。

インターネット広告費は3.1%であるが,対前年比53.3%増,ラジオ広告費を抜き増加傾向が著しい。

(2)広告取引の流れ

フローチャート : 代替処理: テレビ・新聞広告(媒体枠取引)では,媒体社が広告会社へ報酬を支払うコミッション方式が中心

媒体枠取引は,Tの広告会社と媒体社との取引(媒体社が広告会社に媒体枠を販売する取引)及びUの広告会社と広告主との取引(広告会社が広告主に媒体枠を販売する取引)の2つの取引に分かれている。Tの取引において広告会社が受け取る報酬は,媒体枠料金に一定率を乗じて求められる(コミッション)。

上図は,コミッションの率を15%とする場合の例である。

(2)広告会社の市場構造

フローチャート : 代替処理: 有力な広告会社と中小規模の広告会社に二極化


総広告費,テレビ広告費及び新聞広告費に占める上位3社のシェア

(出所:日経広告研究所編「広告白書平成17年版」を基に作成)


フローチャート : 代替処理: 広告会社上位3社の合計シェアは増加傾向


総広告費に占める上位3社のシェアの推移

(出所:広告経済研究所「主要広告代理業上位50社売上高」を基に作成)

2広告業界の取引慣行

(1)番組CM取引への参入

テレビ広告の中でも番組CMは宣伝効果が高いといわれているが,以下の理由により,広告会社の番組CM枠取引への新規参入が非常に困難。

フローチャート : 代替処理: @	電通をはじめとする有力な広告会社がCM枠の大部分を確保
このため,それ以外の広告会社が広告主の入れ替わるCM枠の情報に接する機会(新規参入広告会社等にとっての取引機会)が限定
A	既存の広告主が優先される原則
このため,広告主の入れ替わるCM枠が,CM枠の一部に限定
B	テレビ局による情報開示が少ない
テレビ局による広告主の入れ替わるCM枠に関する情報開示が少なく,CM枠取引では広告会社による広告主に対する相対での見込みセールスが行われている。このため,中小規模の広告会社は一層取引の機会(情報)に接する可能性が限定

フローチャート : 代替処理: 有力な広告会社以外の広告会社の番組CM枠取引への参入が非常に困難


テレビ局が既存の広告主を優先している状況(複数回答)

(2)スポットCMにおける広告会社の報酬

広告会社に支払われる報酬は,基本報酬と特別報酬。スポットCMについての基本報酬の水準は15〜20%,特別報酬の水準は0〜15%。

報酬は広告会社によって差が設けられており,スポットCMにおいて放送局別にみた報酬格差の最大は20%(基本報酬5%+特別報酬15%)。


スポットCMにおける広告会社による報酬格差(報酬率の最高値と最低値との差)

フローチャート : 代替処理: 有力な広告会社に比べ最低限の基本報酬しか得ることができない中小規模の広告会社は,以下のとおり,価格競争において不利


報酬格差による価格競争力の格差

(3)取引の書面化の状況

フローチャート : 代替処理: 口頭による取引が少なくなく,媒体社,広告会社及び広告主の広告取引の当事者に適切な情報が与えられなくなり,市場メカニズムが働きにくい状況


基本契約書の締結状況(広告会社アンケート)


個別取引の書面化の状況(広告会社アンケート)

(4)広告主の広告効果の評価・コスト意識

フローチャート : 代替処理: 広告の効果やコストに関する広告主の意識は必ずしも高くない


同一番組提供者間の番組CM料金格差(例)

ジャンル 放送時間(秒) 最高額(万円) 最低額(万円) 格差(倍)
映画 60 5,900 2,600 2.2
教養 60 6,100 2,700 2.2
娯楽 60 6,000 3,000 2.0
音楽 60 5,600 2,800 2.0
娯楽 60 5,200 2,615 1.9

(注)プライムタイムに放送される同一番組内で同一秒数のCMを放送している番組提供者が支払うCM料金(6か月契約料金)を月額換算し,その最高額と最低額を比較し,その格差が大きい番組を抽出した。本データはあるキー局の一例であるが,他のキー局についても同様の傾向が認められる。

(5)インターネット広告取引

フローチャート : 代替処理: 取引慣行の不透明性については,現在のところ認められない

3競争政策上の評価

(1)テレビ広告:番組CM

フローチャート : 代替処理: テレビ局は,テレビ放送の公共性にもかんがみ,例えば,以下のようにするなど番組CM取引に係る情報の一層の開示を行い,新規参入を促すことが有益かつ必要
・販売対象枠について一定時期(改編時期の2か月前など)に積極的に公表する
・番組CM枠の価格表(実際の取引に用いられるもの)を明らかにする
・販売対象枠について広告会社による入札の方法の導入を検討する

(2)テレビ広告:スポットCM

フローチャート : 代替処理: テレビ局は,例えば,一定期間における取引量(額)や前年実績に対する増減率等,報酬率の算定基準について,広告会社各社に共通の基準を整備するなど,報酬の決定についての合理性,公平性,透明性の確保が必要

(3)透明性確保に向けた取引方法の改善

フローチャート : 代替処理: 媒体社,広告会社及び広告主は,取引の透明性を高めるため,取引条件等を記載した書面による取引を行うなど,取引方法を改善することが望ましい

(4)広告効果の評価・コスト意識の改善

フローチャート : 代替処理: 広告主は,広告の効果やコストに対する意識を高め,現状の広告料金を検証するといった取組を行うことが有益
広告主は,広告会社の選定・変更について,広告の効果やコスト面での成果を反映させることなども必要

(5)インターネット広告取引

フローチャート : 代替処理: 今後,市場規模の拡大に伴って,競争阻害的な取引慣行が出現することのないよう,継続的に注視

問い合わせ先 公正取引委員会事務総局経済取引局取引部取引調査室
電話03−3581−3372(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp

【附属資料】

報告書本体356KB
資料271KB

Get Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧頂くには、
AdobeReaderが必要です。

Copyright © 2007 Japan Fair Trade Commission. All Right Reserved.