1 日時

 平成20年10月2日(木曜)14時00分~16時00分

2 場所

 中央合同庁舎6号館B棟11階 公正取引委員会官房第2会議室

3 出席者

 (委員)小西委員長 田中委員、田辺委員

4 議事概要

(1) 審議対象契約期間

 平成19年4月1日から平成20年7月31日

(2) 審議内容

 各委員が抽出した6物件について審議が行われたところ,審議内容は別紙のとおりである。

(3) 次回の日程

 平成21年3月開催予定

別紙 抽出物件の審議概要について

意見・質問 説明・回答
1 公正取引委員会におけるグループウェアシステムの更新について(一般競争入札)
・ 平成20年1月の入札は予定価格に達しなかったことから入札を3回行ったということだが,3回の入札は別々に実施し,3回とも1社しか入札に来なかったのか。 ・ 平成20年1月の入札には1社しか参加しなかった。当委員会の入札は,基本的には,予定価格に達しなかった場合には,当日に3回まで入札を行い,それでも予定価格に達しなかった場合には,一番低い価格で入札した業者と予定価格の範囲内で金額の話合いを行い,話合いがつけば不落随契となる。話合いがつかなかった場合は不調となる。本件は,1社の入札参加であったことから,当該業者が当日に3回入札したが,予定価格に達せず,話合いとなったが,価格に相当の開きがあったことから話合いがつかず,不調となったものである。
・ CIO補佐官の情報システム関係のかかわり方はどのようになっているのか。また,グループウェアの更新については,CIO補佐官の意見は取り入れられたのか。 ・ CIO補佐官には,比較的大型の案件やセキュリティを重要視するような案件について,調達に係る決裁手続きを行う前に当方で作成した仕様書案を見てもらい,意見を聞くなどしている。また,システム開発が発生するなど当方だけで仕様書作成が難しい案件は,仕様書作成段階からCIO補佐官に関わっていただく場合もある。
今回の件は市販のグループウェアであればほぼ備えている機能を仕様書に記載したものであり、記載内容について相談をする余地がほとんどないことから特に意見は聞いていない。
・ 平成20年1月の入札には1社しか参加しなかったということだが,この1社はどのような会社なのか。 ・ 本件はシステム開発も含む借り上げとして発注していることから,リース会社が1社参加した。
・ リース会社ということになれば,システム開発はどうするのか。 ・ 当該リース会社は,システム開発を別途他社に依頼して行わせることになる。
・ 以前はノーツを使っていたということだが,入札ではノーツは高かったのか。 ・ 平成20年5月に入札したグループウェアシステムの更新については,3社入札に参加し,サイボウズ・ガルーンを採用していた会社が落札した。ノーツを採用している会社も入札に参加していたが,結果どおり高かった。その他にもう1社参加していた。
・ 本件の調達手続上の流れは適切である。
ちなみに,ノーツでなければいけないと仕様書で条件を付けることはできないのか。
・ ノーツ特有の機能を使って組んだデータベースを引き続き運用する必要がある等の事情がないとノーツでなければいけないという条件を付けるのは難しいと思われる。
・ 公正取引委員会の職員数は。 ・ 800人ほどである。
・ 800人ということであれば仕様書の調達内容の最大ユーザ数が1,000名程度となっていることは理解できる。
また,不調となった平成20年1月の入札に対し,平成20年5月の入札では仕様書を大きく変えたのか。
・ 機能要件,保守要件,移行要件等を変更した。
2 インターネット接続サービス一式の調達について(一般競争入札)
・ なぜ1社しか入札に参加していないのか。私が考えるに,仕様書の条件が細かすぎたためにそれに対応できる会社が極端に少なくなったのだと思うが。 ・ ネット接続,ファイアウォール運用や迷惑メール振り分防止などインターネット
接続と接続に係る情報セキュリティ確保に関する業務を行う会社が異なると障害発生時など調整が複雑になるので一手に引き受けてもらう会社を条件とした。大手の会社にはすべて兼ね備えているところがあるので数社は入札に参加してくれると思っていた。
・ やはり仕様書を細かくしすぎたのではないか。必要なもののみを絞って書くべきだと思う。何となく,落札した会社しか参加しにくいものとなっているのではないかと思われる。 ・ 仕様書に書いたものはすべて必要なものだと考える。セキュリティはしっかりしてもらいたいのでかなり具体的になってしまった。
仕様書に書く内容をどこまで細かく書くかという課題がある。
また,調達までのスケジュールが非常にタイトだったので,今後は期間を長くとって多くの会社の目に触れるようにしたい。
3 鶏卵の表示に関する公正競争規約の設定支援に係る事務一式の委託について(一般競争入札)
・ この件に関しては3つ質問したい。
1点目は,まず落札した社団法人全国公正取引協議会連合会には,公取OBはいないのか。2点目は仕様書に書いてある調査指導員は公取のOB以外で調査員になるのは難しいのではないか。調査指導員の条件を緩和すべきではないのか。
3点目は公正競争規約に関する事務について数件別々に発注しているが,これらの事務を一括して発注できないのか。
一括でまとめてしまえば金額も安くできるのではないか。
・ まずOBに関してだが,社団法人全国公正取引協議会連合会には2名いる。
2点目の質問については広く募集してはいるが,ある程度の知識がないと難しい。景品表示法と公正競争規約の知識があれば誰でもできるが後者の知識を有する者が少ないのが現状である。調査指導員は事前説明やアドバイスの業務を行うので人選はなかなか難しい。いずれにしても仕様書の調査指導員の条件については検討したい。
3点目であるが,その都度必要に迫られて行うものが多く,年度当初から確定していないために別々に発注することになる。
勿論まとめて行えるものは今後まとめていきたい。
・ 契約金額は適当であると思う。
調査指導員の業務内容について説明いただきたい。
・ 消費者取引課及び申請者と連携し,事務の進行を管理するとともに,事前説明及び表示連絡会に係る具体的な事務を行う。さらに,表示連絡会の結果報告書において,意見要望等の対処案を取りまとめたり,申請者に対し,対処案のアドバイスを行う等の業務であり,その他事前相談に応じたり,規約の概要の説明を行ったりする。
意見・質問 説明・回答
4 LAN用パーソナルコンピュータ331式の賃貸借について(随意契約)
・ なぜ国庫債務負担行為にできなかったのか。これこそ国庫債務負担行為にする典型的な例だと思うのだが。 ・ 御指摘のとおり国庫債務負担行為にすべきであったと思われるが、予算措置を講じていなかった。ただし,実際の調達内容は,平成18年度から4年間使用することを前提にしているものであり,実態としては,国庫債務負担行為と同様のものである。なお,平成19年度以降のパソコンの賃貸借の発注については,すべて国庫債務負担行為にしている。
5 国際競争ネットワーク(ICN)第7回年次総会会議運営実施業務について(企画競争)
・ 会議運営実施業務と別途発注の準備に係る補助業務の会計法上の適用条項について説明願いたい。 ・ ICN会議運営実施業務は,平成19年4月に,平成20年4月の会議運営を含めた企画提案書を提出させ,この企画提案書の審査を行い,業者を選定するという企画競争による発注を行った。企画競争は会計法上は随意契約の条項が適用され,この場合,会計法第29条の3第4項を適用した。本条項は,競争を許さない場合,緊急の必要がある場合,競争に付すことが不利となる場合には随意契約によることができる旨を規定しており,(価格による)競争を許さない,つまり企画による競争であること,さらに平成20年度の契約においては,既に業者を選定していることから競争を許さないということであり,本条項を適用した。
・ 準備に係る補助業務については,平成19年9月に一般競争入札を行い,業者を決定したが,当該落札業者が辞退したことから,当該入札に参加した他の業者と随意契約を行ったものである。この場合,会計法第29条の3第5項を適用した。本条項は,政令の定める場合には随意契約によることができる旨規定している。落札者が辞退した際の契約の方法については,予決令第99条の3に落札者が契約を結ばないときは,その落札金額の範囲内で随意契約によることができる旨を規定していることから,この政令の定める場合として本条項を適用したものである。
・ 会議運営実施業務と別途発注の準備に係る補助業務の関係について教えていただきたい。 ・ 会議運営実施業務とは,会議の実際の運営に係る業務であり,準備に係る補助業務とは,外国の競争当局からの電話対応,電子メール対応,登録データの集計,管理等の業務である。
・ 会議運営実施業務と準備に係る補助業務がいずれも同じ会社だったので何か関係があるのかと思った。 ・ 補助業務の委託については落札者が辞退したので,その時に運営実施業務を委託した業者が入札に参加していたことから同社と契約したものであり,会計法上,落札業者と同じ金額以下で契約を締結しなければならないことから向こうにとってきつい金額であっただろうが引き受けてくれた。
・ ICNの会議運営実施業務の委託については企画競争を行って随意契約という契約方法としたという理解でいいのか。 ・ そのような理解でよい。
・ 総合評価方式にしたのか。 ・ 総合評価方式は一般競争入札の際の業者の決定方法の一つであるが,本件はあくまで,企画案の審査による企画競争であり,入札ではない。金額面については,予算額を伝え,その予算の範囲内で何ができるかという方式にした。
・ ICNに係る数種の契約はすべて企画競争で随意契約にしたのか。 ・ 数種の契約は別々に発注し,すべてが企画競争ではない。例えば,ウェブサイトの作成等は一般競争入札による発注だったが,予定価格を満たすことができなかったことから落札者が出ず,不落となり,入札参加者との話合いにより随意契約となった。
・ 全ての業務を含めた契約額としては,金額がかなり少ないと思うが運営は厳しかったのではないか。 ・ 会議費等はこの委託業務以外から支出したとはいえ,突発的な支出等もあったため厳しかったと思われる。
・ 実際,会議を終えての評価や感想はどうだったか。 ・ 非常に良かったと思う。特に会議運営の評価は高かった。
6 平成20年度公正取引委員会情報化統括責任者(CIO)補佐官業務一式について(一般競争入札)
・ この案件は一般競争入札と随意契約が交互に行われてきたのか。 ・ 最初に委託した平成15年度は企画競争により選定した事業者と契約を行い,平成16年度,平成17年度は,随意契約による契約を行った。それ以降は一般競争入札による発注を行っている。
・ 平成19年度はどうか。 ・ 平成19年度は一般競争入札により発注を行い,入札には2社参加したが,予定価格に達せず,2社のうちで低い価格で入札した1社と話合い,予定価格の範囲内で契約を行ったものであり,不落随契であった。
・ 応札者はいるということか。システム等の仕様書が厳しいという可能性はないのか。 ・ 平成18年度は1社,平成19年度は2社,平成20年度は1社の入札参加であった。仕様的には厳しい条件をつけているわけではないと思っている。
・ 確かに,あまり厳しい条件とはいえない。CIO補佐官業務を受注すると他の仕事が取れなくなるから,それを敬遠しているのかもしれない。しかし,同じ会社が続けて受注をしているのは好ましい状況とはいえない。 ・ 同じ会社が続けて受注をしていることは、入札の結果でやむを得ない面もあるが,御指摘の点も理解できる。受注業者からすると,他省庁のCIO補佐官が集まる会議があり,その会議で各種の情報収集ができる等の利点などから継続して受注したいということもあるかもしれない。
・ 仕様書の応札者の条件に,会社として支援できる能力・体制を有していることとあるが,これはなぜか。 ・ CIO補佐官のもとにいるスタッフにもシステム開発管理を支援してもらうことがあるためである。実際に昨年も今年も支援してもらっている。
・ 各省庁のCIO補佐官は寡占状態に陥っていないのか。このような業務を行うことができる業者は大手のベンダー数社しかいない気がするのだが。 ・ コンサル会社も業務を行えるので寡占状態ではないと思う。
・ 子会社がシステムに何らかの形で関わった場合,その親会社がCIO補佐官の入札に参加してはいけないのか。 ・ 好ましい状態ではないと思われる。

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