公正取引委員会は,事業者等に係る事前相談に基づく日本スポーツ振興くじ株式会社からの相談の申出について,平成14年3月29日,下記のとおり回答を行った。

1 本件相談の概要

 日本スポーツ振興くじ株式会社(以下「日本スポーツ振興くじ」という。)は,スポーツ振興投票券toto(以下「toto」という。)の販売業務の管理等を業務としている。
 日本スポーツ振興くじは,toto の購入希望者を対象に,新たに提携先クレジットカード会社によってクレジットカード機能が付加されたカード型の会員証が付与される,スポーツ関連施設の優待サービスが受けられる等の特典のあるtoto特別会員を募集し,会員には,toto の購入額に応じてポイントを提供し,一定のポイントを集めると懸賞に応募できる企画を考えている。
 このtoto 特別会員となるには,入会金1,000円,年会費無料又は1,750円(提携先クレジットカード会社によって異なる。加入初年度のクレジットカード会社の年会費等は不要。)が必要となる。日本スポーツ振興くじは,このtoto 特別会員の新規加入者の募集に際し,もれなく100ポイントを付与することを考えている。
 新規加入者は,この100ポイントを利用して,日本スポーツ振興くじが実施を予定しているオリジナルのサッカー関連グッズが当たる「ポイントアップ2002」のキャンペーンに1口30ポイントで応募することができる。景品は最高額3,500円相当の商品で,新規加入者は100ポイントを利用して最大3口応募することができる。
 新規加入者は,景品の最高額3,500円のものに3口応募することが可能であり,この場合の景品の累計額は10,500円となる。
 このような企画は,景品表示法の規定に抵触することとなるか。

2 相談に対する考え方

 懸賞により提供する景品類の最高額は,懸賞に係る取引の価額をもって算出するものとされているところ,本件の場合の懸賞に係る取引価額は,toto 特別会員となるための最低限の諸経費である1,000円(入会金1,000円,年会費無料の場合)であることから,「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限(昭和52年3月1日公正取引委員会告示第3号)」(以下「第3号告示」という。)第2項の規定によれば,本件企画において提供できる景品類の最高価額は,20,000円(1,000円の20倍)である。
 また,1回の取引で同一の企画において数回の景品類獲得の機会を与える場合は,提供される景品類を合算した額が第3号告示の制限(本件の場合,20,000円)を超えてはならないとされているところ,本件企画において仮に3回の応募すべてに当選した場合の景品類の価額の合計額は,10,500円(3,500円×3)である。

3 結論

 本件は,第3号告示の範囲内であり,景品表示法に抵触することはない。

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