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下請法の適用を受ける取引においてサプライチェーン・マネジメントを採用する場合の下請法上の取扱いについて

 公正取引委員会は,事業者等の活動に係る事前相談制度に基づく日本電気株式会社からの相談の申出について,平成15年3月31日,下記のとおり回答を行った。

1 本件相談の概要

(1) 下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という。)の適用を受ける取引(以下「下請取引」という。)において,以下の方式のサプライチェーン・マネジメント(以下「SCM」という。)を採用した受発注を実施しようとしているところ,下請法に違反するおそれがあるかどうか。
(2) 当該方式では下請事業者が毎日配送する必要があるために,下請事業者が親事業者の指定する倉庫に一定数量を預託し,親事業者は倉庫から出庫・使用する方式を採用する場合があるが,この場合は下請法に違反するおそれがあるかどうか。

 親事業者と下請事業者との間で,以下の内容を合意した基本契約を書面で締結した上で,製品の販売状況等に応じて発注量が変動する部品についてSCMを採用した製造委託を実施。
ア 親事業者は,1週間に一度,先行所要情報(例:1週間毎に更新,先8週間程度の下請事業者に対する需要予測データ)をオンライン又はweb上で下請事業者に提示する。
イ 親事業者は下請事業者に対して,当該部品の生産リードタイムをおいて(例えば1週間),下請法第3条第1項に基づき,納期,部品の数量等を記載した書面(以下「3条書面」という。)を交付する。
ウ 親事業者は下請事業者に対して,3条書面記載の数量の微調整を行うため,納期の1日前に納入指示書を交付し,下請事業者は納入指示書の数量に基づき,親事業者に納品する。
エ 親事業者は,SCMを採用した部品の製造委託が終了した際に,親事業者が受領した数量の合計が3条書面記載の数量の合計を下回る場合には,書面記載の数量を引き取る。
オ 下請代金の支払は,親事業者が受領した数量を月末に締め,それに対応する下請代金を翌月末に支払う。
カ 先行所要情報は需要予測データであり,3条書面記載の数量を超えて,当該需要予測データに基づき生産した数量の部品は,親事業者は引き取る義務はない。

2 相談に対する考え方

(1)親事業者が,下請取引において,SCMを採用することは,親事業者と下請事業者が長期の需要予測データを共有することによって,効率的な生産体制を構築し,市場の変化による需要の増減に対して機動的に対応することが可能となるなど,親事業者及び下請事業者の双方の利益となると考えられる。他方,親事業者が提示する需要予測データと実際の製造委託数量にかい離が生じる際に,親事業者の部品の引き取り範囲を明確にしていない場合には,下請事業者に在庫負担を強いるおそれもある。

(2) 相談の方式に対する下請法上の考え方を示すと以下のとおりである。

ア 下請法第3条に基づく書面の交付について
 親事業者が下請事業者に対して製造委託をする場合は,直ちに,下請代金の額,納期,発注数量等を記載した書面を交付する必要がある。
 相談の方式では,親事業者は下請事業者に対して,当該部品の生産から納品に要するリードタイムをおいて3条書面を交付することとしており,この方法自体は,下請法上,問題となるものではない。
 相談の方式では,発注書面を交付した後,確定数量の納入の指示は納入指示書に基づき行われており,発注書面記載の数量は納入指示書によって微調整が行われることとなるが,次のような場合には,当該発注書面は発注数量が記載されているものであって,3条書面であると認められる。
[1] 発注書面記載の数量と納入指示書の数量のかい離が生じないように努め,かい離がある場合には,そのために下請事業者に生じる費用(保管費用,運送費用等)を親事業者が負担すること。
[2] 当該部品の製造委託が終了する際には,発注書面記載の数量の部品を発注書面記載の単価で親事業者がすべて受領すること。

イ 部品の受領及び下請代金の支払について
 親事業者は下請代金の支払期日を「給付を受領した日」(受領日)から起算して60日の期間内において定める義務がある(下請法第2条の2)。また,親事業者は,3条書面に記載された数量の部品を下請事業者から受領し,支払期日までに下請代金を支払う義務がある(下請法第4条第1項第1号,第2号)。

(ア) 相談の方式では,3条書面に記載された日ごとの納入数量は日々の納入指示書によって調整が行われるため,3条書面に記載された数量が受領されない場合が発生することとなるが,以下の措置が講じられる場合には,下請事業者に不利益を与えるものでなく,下請法第4条第1項第1号(受領拒否)に違反しない。
[1] 3条書面記載の数量と納入指示書の数量のかい離が生じないように努めることとし,当該部品の製造委託が終了する際には,3条書面記載の数量の部品を親事業者がすべて受領すること。
[2] 毎月の下請代金の額を算定するための締切日において,親事業者が実際に受領した数量が3条書面記載の数量の合計を下回る場合,そのかい離は親事業者と下請事業者であらかじめ合意した可能な限り最小限の範囲内とし,当該範囲を超えて下回る数量がある場合には,締切日において受領すること。
[3] 3条書面記載の数量と納入指示書の数量にかい離がある場合に,あらかじめ合意された範囲内であるとしても,そのかい離によって下請事業者に生じる費用(保管費用,運送費用等)は親事業者が負担すること。

(イ) 次に,相談の方式では,下請事業者が毎日配送する必要があるため,下請事業者が親事業者の指定する倉庫に部品を預託し,親事業者は倉庫から出庫し,使用する方式(以下「預託方式」という。)を採用する場合には,下請事業者は,3条書面記載の受領日以前にも,親事業者の指定する倉庫に部品を預託することとなる。
 この預託方式を採用する場合,下請事業者が倉庫に預託した部品は,親事業者が自由に倉庫から出庫し,使用することが可能となることから,特別の定めがなければ,下請事業者が預託した日が受領日とされ,当該期日から起算して60日の期間内において下請代金を支払わなければ支払遅延が生じることとなる。
 しかし,例えば,下請事業者が倉庫に預託した部品のうち,3条書面記載の受領日前に預託された数量の部品については,親事業者又は倉庫事業者を占有代理人として,下請事業者が自ら占有していることとし,3条書面記載の受領日に,同記載の数量の部品の所有権が親事業者に移転することがあらかじめ合意されていれば,下請法上は,倉庫に預託した部品のうち,受領日前の預託数量については,実際の預託日にかかわらず,3条書面記載の受領日に受領があったものとして取り扱う。
 また,一般的な預託方式では,親事業者が倉庫から出庫し,使用した数量の部品に対して下請代金の額を支払うこととなり,毎月の下請代金の額を算定するための締切日において,親事業者が実際に出庫・使用した数量が3条書面記載の数量の合計を下回る場合が生じることとなるが,以下の措置が講じられる場合には,下請事業者に不利益を与えるものではなく,下請法第4条第1項第1号(受領拒否)及び第2号(支払遅延)に違反しない。
[1] 当該部品の製造委託が終了する際には,3条書面記載の数量の部品を親事業者がすべて受領すること。
[2] 毎月の下請代金の額を算定するための締切日において,親事業者が実際に出庫・使用した数量が3条書面記載の数量の合計を下回る場合,そのかい離の範囲を親事業者と下請事業者との間で可能な限り最小限の範囲内にあらかじめ合意し,当該範囲を超えて下回る数量がある場合には,締切日に当該範囲を超えて下回る数量を親事業者が受領すること。
[3] 親事業者が実際に出庫・使用した数量と3条書面記載の数量の合計のかい離があらかじめ合意された範囲内であるとしても,そのかい離によって下請事業者に生じる費用(保管費用,運送費用等)は,親事業者が負担すること。

ウ 下請代金の設定

 下請取引においては,親事業者が下請事業者に対して,通常支払われる対価に比し著しく低い下請代金の額を不当に定める場合には,下請法第4条第1項第5号(買いたたき)に違反する。
 したがって,下請取引においてSCMを採用する場合にも,親事業者は,下請事業者と十分協議を行い,運送費など下請事業者に生じる費用を踏まえ,下請代金の額を設定しなければならない。
 また,例えば,親事業者は,単価を,需要予測に基づく数量を前提に設定したにもかかわらず,実際の製造委託数量が当該予測を著しく下回る場合には,下請法第4条第1項第5号(買いたたき)に違反するおそれがあり,このような場合には,親事業者は下請代金の額の見直しが必要となる。

エ SCMの採用に係る取引条件の設定

 下請取引においてSCMを採用する場合には,前記(ア)及び(イ)のとおり,下請法上の問題が生じるおそれがあることから,親事業者は下請事業者と十分協議の上で行うことが必要であり,下請事業者の自由な意思によることとし,参加しない下請事業者に対し,これを理由として不当に取引の条件又は実施について不利な取扱いをしてはならない。
 また,前記のような問題点が生じないようにするために,親事業者は下請事業者と十分協議の上で,次のような事項についてあらかじめ書面で合意する必要がある。

[1] 親事業者は,下請事業者に対して正確な需要予測データを提示するよう努めること。また,親事業者が下請事業者に提示する需要予測データは予測であり,製造委託を確約するものではないこと。
[2] 3条書面の交付時期をリードタイムを踏まえて明確に定めること。
[3] 毎月の下請代金の額を算定するための締切日において,親事業者が実際に受領した数量が3条書面記載の数量の合計を下回る場合に,そのかい離の範囲を可能な限り最小限の範囲内にあらかじめ定めることとし,かい離が当該範囲を超えて下回る数量については,親事業者は締切日に受領すること。
[4] 当該部品の製造委託が終了する際には,3条書面記載の数量の部品を親事業者がすべて受領すること。
[5] 親事業者が実際に受領した数量と3条書面記載の数量の合計がかい離する場合に,数量のかい離があらかじめ合意された範囲内にあるとしても,そのかい離によって下請事業者に生じる費用(保管費用,運送費用等)は親事業者が負担すること。
[6] 親事業者が下請事業者に対して,十分な時間的余裕をもって製造委託の開始時期及び終了時期を通知すること。

3 結論

 親事業者は,下請取引においてSCMを採用する場合には,前記2(2)アからウまでの点に留意し,下請事業者と十分協議し,前記(2)エの各事項についてあらかじめ書面で合意した上で実施する必要があり,相談の方式は,これらの点を十分踏まえて実施した場合には,下請法上問題となるものではない。

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