① |
三和シャッター工業株式会社ほか4名に対する件(平成元年(勧)第1
号)
|
|
ア |
事実の概要 |
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(ア) |
三和シャッター工業株式会社,文化シャッター株式会社,東洋
シャッター株式会社及び東鋼シャッター株式会社の4社は,それぞ
れ,福岡県,佐賀県,長崎県,熊本県,大分県,宮崎県及び鹿児島
県の区域(以下「九州地区」という。)においてシャッターの製造
販売業を営む者であり,また,鈴木シャッター九州販売株式会社
は,親会社である鈴木シャッター工業株式会社からシャッターの供
給を受けて九州地区において販売している者であり,その販売面に
おいて製造販売業者と並ぶ地位にある。
東洋シャッター株式会社は,昭和62年10月1日,大阪市所在の株
式会社日本シャッター製作所を吸収合併し,同社の九州地区におけ
るシャッターの製造販売に関する地位を承継している。
4社及び鈴木シャッター九州販売株式会社の5社(以下「5社」
という。)は,シャッターは直接又は建築材料等の販売業者(以下
「中間業者」という。)を通じて建設業者又は施主に販売しており,
5社の九州地区におけるシャッターの販売量の合計は,同地区にお
けるシャッターの総販売量の大部分を占めている。
シャッターには,軽量シャッター,重量シャッター及びオーバー
ヘッドドアがあり,これらのうち,軽量シャッター及び重量シャッ
ターが大部分を占めている。
なお,シャッターは,その幅及び高さが取付箇所ごとに異なるた
め,ほとんどすべて受注生産されている。
軽量シャッター(重量シャッターと一括して発注されるものを除
く。以下同じ。)の販売価格は,通常,取付工事費等を含む一平方
メートル当たりの価格を基準として定められ,また,重量シャッ
ター(これと一括して発注される軽量シャッターを含む。以下同
じ。)の販売価格は,通常,各社同一内容の積算価格表を使用して,
製品価格,取付工事費等を積算して算出した額(以下「積算価格」
という。)に掛率を乗じて定められている。
5社及び株式会社日本シャッター製作所の6社(以下「6社」と
いう。)は,かねてから,相互の協調を図るため,各社の九州地区
における営業の最高責任者である地区事業部長級の者による三水会
と称する会合を設け,同会の下に,九州地区を14地区に分けて,地
区ごとに各社の営業担当責任者級の者をもって構成する地区部会を
置いていた。 |
(イ) |
6社は,かねてから,九州地区におけるシャッターの販売価格の
低落に対処するため,その対策を協議してきたところ,昭和61年4
月18日,福岡市博多区所在の博多都ホテル会議室で開催した社団法
人日本シャッター工業会の常任委員会メンバーを迎えての会合を契
機として,その具体化について検討することとし,同年6月11日,
福岡市博多区所在の南近代ビル会議室で開催した三水会において,
軽量シャッター及び重量シャッターの販売価格を引き上げるため,
同年7月10日受注分から,
a |
軽量シャッターのうち板厚0.5ミリメートルのスチール製
シャッターに関する建設業者及び中間業者向けの取付工事費等を
含む販売価格の基準となる額を次表のとおりとすること
|
b |
前記aの額が1平方メートル当たりに換算した場合の最低価格
となるように,軽量シャッターの幅及び高さ別に展開した建設業
者及び中間業者向けの最低販売価格表(以下「ネット価格表」と
いう。)を作成して,これを使用すること |
c |
軽量シャッターのうち板厚0.8ミリメートルのスチール製
シャッターに関する建設業者及び中間業者向けの取付工事費等を
含む最低販売価格を次表のとおりとすること
|
d |
前記b又はcの最低販売価格を下回る価格で販売した場合に
は,ペナルティとして,販売活動に際して競合した者から,当該
販売数量と同一数量の軽量シャッターを最低販売価格で購入する
こと |
e |
重量シャッターの建設業者及び中間業者向けの販売価格を積算
価額の45%以上に引き上げること |
f |
前記eの実効を確保するため,
(a) |
建設業者等から引き合いを受けた重量シャッターのうち,地
区部会において定める一定の物件については,地区部会に提出
し合い,話合いにより,あらかじめ,受注すべき者(以下「受注
予定者」という。)を定めること,当該受注予定者の受注予定
価格を積算価額の45%以上となるように定めること及び受注予
定者が受注予定価格で受注できるようにするため,受注予定者
以外の者が提示する見積価格を当該受注予定価格よりも10%以
上高い価格とすること |
(b) |
受注予定者が地区部会に無断で積算価額の45%を下回る価格
で受注した湯合には,ペナルティとして,その後半年間,受注
予定者となる権利を失うこと |
|
等を決定した。 |
(ウ) |
次いで,6社のうち,東鋼シャッター株式会社を除く5社は,昭和
61年7月4日,前記南近代ビル会議室で開催した三水会において,
a |
前記(イ)a~dのスチール製軽量シャッター以外の建設業者及び
中間業者向けの軽量シャッター並びに施主向けの軽量シャッター
についても,その販売価格を引き上げるため,同月10日受注分
から,これらの最低販売価格を次表のとおりとすること
|
b |
中間業者向けの取付工事を伴わない軽量シャッターの1平方
メートル当たりの最低販売価格を同年9月1日受注分から,次表
のとおりとすること
|
c |
重量シャッターについて,各社同一内容の61年版と称する新た
な積算価格表を作成してこれを使用すること |
等を決定した。
また,前記会合に欠席した東鋼シャッター株式会社は,昭和61年
7月9日,文化シャッター株式会社から,上記決定内容の連絡を受
け,これに同意した。 |
(エ) |
6社は,前記(イ)又は(ウ)の決定後,軽量シャッターのネット価格表
を作成してこれを使用し,また,重量シャッターについて,各社同
一内容の積算価格表を作成してこれを使用するとともに,地区部会
を開催し,建設業者等から引き合いを受けた重量シャッターのうち
地区部会にいて定めた一定の物件について,受注予定者,受注予定
価格等を決定して,軽量シャッター及び重量シャッターの販売価格
の引上げを図ってきた。 |
(オ) |
6社は,前記決定等に基づき,九州地区における軽量シャッター
及び重量シャッターの販売価格を,おおむね,引き上げている。 |
(カ) |
本件について,当委員会が独占禁止法の規定に基づき審査を行っ
てきたところ,5社は,昭和63年10月8日,前記決定を破棄するこ
と並びに三水会及び各地区部会を廃止することを決定した。 |
|
イ |
法令の適用 |
|
5社は,共同して,軽量シャッター及び重量シャッターの販売価格
を引き上げることにより,公共の利益に反して,九州地区における軽
量シャッター及び重量シャッターの販売分野における競争を実質的に
制限していたものであって,これは,独占禁止法第2条第6項に規定す
る不当な取引制限に該当し,同法第3条の規定に違反するものである。 |
ウ |
命じた主な措置 |
|
5社は,次の事項を九州地区における軽量シャッター及び重量
シャッターの取引先及び需要者に周知徹底しなければならない。この
周知徹底の方法については,あらかじめ,当委員会の承認を受けなけ
ればならない。
(ア) |
昭和61年6月11日及び同年7月4日に行った九州地区における軽
量シャッター及び重量シャッターの販売価格の引上げ並びにその実
効確保に関する決定を破棄したこと。 |
(イ) |
今後,共同して,軽量シャッター及び重量シャッターの販売価格
を決定せず,各社がそれぞれ自主的に決める旨 |
|
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② |
三和シャッター工業株式会社ほか5名に対する件(平成元年(勧)第2
号)
|
|
ア |
事実の概要 |
|
(ア) |
三和シャッター工業株式会社,文化シャッター株式会社,鈴木
シャッター工業株式会社,東洋シャッター株式会社,小俣シャッ
ター工業株式会社及び株式会社日本シャッター製作所の6社(以下
「6社」という。)は,千葉県の区域(以下「千葉地区」という。)におい
て,シャッター製造販売業を営む者であり,6社が千葉地区において
販売しているシャッターのうち,重量シャッターの販売量の合計は,
同地区における重量シャッターの総販売量の大部分を占めている。
なお,シャッターは,その幅及び高さが取付箇所ごとに異なるた
め,ほとんどすべて受注生産されている。
6社は,シャッターを直接又は建築材料等の販売業者(以下「中
間業者」という。)を通じて建設業者又は施主に販売している。
重量シャッターのうち,大手建設業者等から発注される物件及び
官公庁が施主である物件(以下「大手建設業者等向け重量シャッ
ター」という。)の販売価格は,通常,各社同一内容の積算価格表を
使用して,製品価格,取付工事費等を積算して算出した額(以下
「積算価額」という。)に掛率を乗じて定められている。
大手建設業者等は,大手建設業者等向け重量シャッターの取引に
際し,通常2以上の者に見積価格を提示させて,これを基に値引き
交渉をし,最も低い価格を提示したものに発注している。
6社は,かねてから,相互の協調を図るため,各社の千葉地区に
おける営業担当責任者級の者による千葉会と称する会合を設けてい
た。 |
(イ) |
6社は,かねてから,千葉地区におけるシャッターの販売価格の
低落に対処するため,その対策を協議してきたところ,昭和61年4
月中旬ごろ,千葉市所在の千葉県労働者福祉センター会議室で開催
した千葉会において,同年5月1日見積分から,
a |
大手建設業者等向け重量シャッターの販売価格を積算価額の
40%以上に維持し,引き上げること |
b |
前記aの実効を確保するため,
(a) |
大手建設業者等向け重量シャッターについては,千葉会に提
出し合い,話合いにより,あらかじめ,受注すべき者(以下「受
注予定者」という。)を定めること,当該受注予定者の受注予定
価格を積算価額の40%以上となるように定めること及び受注予
定者が受注予定価格で受注できるようにするため,受注予定者
以外の者が提示する見積価格は当該受注予定価格を上回る価格
とすること |
(b) |
受注予定者以外の者が,受注予定価格を下回る価格を提示し
た場合には,ペナルティとして,受注予定者に対し,当該物件
の受注予定価格の1.5倍の額に相当する物件の受注予定者とな
る権利を譲り渡すこと
|
等を決定した。 |
その後,6社は,各社同一内容の積算価格表を使用するととも
に,千葉会を開催し,大手建設業者等向け重量シャッターについ
て,受注予定者,受注予定価格等を決定して同シャッターの販売価
格の維持,引上げを図ってきた。 |
(ウ) |
6社は,前記決定等に基づき,千葉地区における大手建設業者等
向け重量シャブタ‐の販売価格を,おおむね,維持し,引き上げて
いる。 |
(エ) |
本件について,当委員会が独占禁止法の規定に基づき審査を行っ
てきたところ,6社は,昭和63年10月7日,前記決定を破棄するこ
と及び千葉会を廃止することを決定した。 |
|
イ |
法令の適用 |
|
6社は,共同して大手建設業者等向け重量シャッターの販売価格を
維持し,引き上げることにより,公共の利益に反して,千葉地区にお
ける大手建設業者等向け重量シャッターの販売分野における競争を実
質的に制限していたものであって,これは,独占禁止法第2条第6項
に規定する不当な取引制限に該当し,同法第3条の規定に違反するも
のである。 |
ウ |
命じた主な措置 |
|
6社は,次の事項を千葉地区における重量シャッターの取引先のう
ち大手建設業者等及び需要者に周知徹底させなければならない。この
周知徹底の方法については,あらかじめ,当委員会の承認を受けなけ
ればならない。
(ア) |
昭和61年4月中旬ごろに千葉地区における大手建設業者等向け重
量シャッターの販売価格の維持,引上げ及びその実効確保に関する
決定を破棄したこと。 |
(イ) |
今後,共同して,重量シャッターの販売価格を決定せず,各社が
それぞれ自主的に決める旨 |
|
|
③ |
三和シャッター工業株式会社ほか7名に対する件(平成元年(勧)第3
号)
|
|
ア |
事実の概要 |
|
(ア) |
三和シャッター工業株式会社,文化シャッター株式会社,東洋
シャッター株式会社,東工シャッター株式会社及び大和シャッター
株式会社の5社は,それぞれ,富山県の区域(以下「富山地区」と
いう。)においてシャッターの製造販売業を営む者であり,また,株
式会社日本シャッターエンジニアリング,文化シャッター高岡販売
株式会社及び北陸東洋シャッター株式会社の3社は,それぞれ,
シャッターの製造販売業者からシャッターの供給を受けて富山地区
において販売している者であり,その販売面において,製造販売業
者と並ぶ地位にある。
前記8社(以下「8社」という。)は,シャッターを直接又は建築
材料等の販売業者(以下「中間業者」という。)を通じて建設業者又
は施主に販売しており,8社の富山地区におけるシャッターの販売
量の合計は,同地区におけるシャッターの総販売量の大部分を占め
ている。
シャッターには,軽量シャッター,重量シャッター及びオーバー
ヘッドドアがあり,これらのうち,軽量シャッター及び重量シャッ
ターが大部分を占めている。
なお,シャッターは,その幅及び高さが取付箇所ごとに異なるた
め,ほとんどすべて受注生産されている。
シャッターの販売価格は,通常,各社同一内容の積算価格表を使
用して,製品価格,取付工事費等を積算して算出した額(以下「積
算価額」という。)に掛率を乗じて定められている。
8社は,かねてから,相互の協調を図るため,各社の富山地区に
おける営業担当責任者級の者による木曜会と称する会合を設けてい
たところ,昭和63年3月3日,同会合の名称をスリークラブと変更
した。 |
(イ) |
8社は,かねてから,富山地区におけるシャッターの販売価格の
低落に対処するため,その対策を協議してきたところ,昭和61年1
月28日,富山市今泉所在の富山市総合社会福祉センター会議室で開
催した木曜会において,軽量シャッター及び重量シャッターの販売
価格を維持し,引き上げるため,同年3月1日見積分から,
a |
軽量シャッター(重量シャッターと一括して発注されるものを
除く。以下同じ。)の建設業者及び中間業者向けの販売価格を積算
価額の50%以上に維持し,引き上げること |
b |
重量シャッター(これと一括して発注される軽量シャッターを
含む。以下同じ。)の建設業者及び中間業者向けの販売価格を積算
価額の45%以上(大手建設業者向けのものにあっては,同価額の
40%以上)に維持し,引き上げること |
c |
前記a及びbの積算価額の算出方法を統一すること |
d |
前記bの実効を確保するため,
(a) |
建設業者等から引き合いを受けた重量シャッターのうち,そ
の積算価額が150万円以上の物件については,木曜会に提出し
合い,話合いにより,あらかじめ,受注すべき者(以下「受注予
定者」という。)を定めること,当該受注予定者の受注予定価格
を積算価額の45%以上(大手建設業者向けのものにあっては,
同価額の40%以上)となるように定めること及び受注予定者以
外の者は受注予定者が受注予定価格で受注できるように協力す
ること |
(b) |
受注予定者が受注予定価格を下回る価格で受注することを防
止するために,受注予定者は,建設業者等から受け取った当該
物件の注文書を木曜会に提出することとし,受注予定者が注文
書を提出しない場合又は当該注文書記載の価格が受注予定価格
を下回る場合には,ペナルティとして,当該物件の積算価額に
相当する額の物件について,一回に限り,受注予定者となる権
利を失うこと |
|
等を決定した。
その後,8社は,各社同一内容の積算価格表を使用し,積算価額
の算出方法の統一を図るため,積算基準,積算方法等に関するマ
ニュアルを作成してこれを使用するとともに,重量シャッターにつ
いて,木曜会を開催し,建設業者等から引き合いを受けた重量シャッ
ターのうち,積算価額が150万円以上の物件について,受注予定者,
受注予定価格等を決定して,軽量シャッター及び重量シャッターの
販売価格の維持,引上げを図ってきた。 |
(ウ) |
8社は, 前記決定等に基づき,富山地区における軽量シャッター
及び重量シャッターの販売価格を,おおむね,維持し,引き上げて
いる。 |
(エ) |
本件について,当委員会が独占禁止法の規定に基づき審査を行っ
てきたところ,8社は,昭和63年10月6日,前記決定を破棄するこ
と及びスリークラブを廃止することを決定した。 |
|
イ |
法令の適用 |
|
8社は,共同して,軽量シャッター及び重量シャッターの販売価格
を維持し,引き上げることにより,公共の利益に反して,富山地区に
おける軽量シャッター及び重量シャッターの販売分野における競争を
実質的に制限していたものであって,これは,独占禁止法第2条第6
項に規定する不当な取引制限に該当し,同法第3条の規定に違反する
ものである。 |
ウ |
命じた主な措置 |
|
6社は,次の事項を富山地区における軽量シャッター及び重量
シャッターの取引先及び需要者に周知徹底させなければならない。こ
の周知徹底の方法については,あらかじめ,当委員会の承認を受けな
ければならない。
(ア) |
昭和61年1月28日に行った富山地区における軽量シャッター及び
重量シャッターの販売価格の維持,引上げ及びその実効確保に関す
る決定を破棄したこと。 |
(イ) |
今後,共同して,軽量シャッター及び重量シャッターの販売価格
を決定せず,各社がそれぞれ自主的に決める旨 |
|
|
④ |
日立化成工業株式会社ほか7名に対する件(平成元年(勧)第4号)
|
|
ア |
事実の概要 |
|
(ア) |
日立化成工業株式会社,松下電工株式会社,住友ベークライト株
式会社,利昌工業株式会社,鐘淵化学工業株式会社,新神戸電機株
式会社,三菱瓦斯化学株式会社(以下「7社」という。)及び東芝ケ
ミカル株式会社(以下「東芝ケミカル」という。)は,いずれも紙基
材フェノール樹脂銅張積層板又は紙基材ポリエステル樹脂銅張積層
板(以下「紙フェノール銅張積層板」という。)の製造販売業を営む
者であり,我が国において販売される紙フェノール銅張積層板のほ
とんどすべてを供給している。
紙フェノール銅張積層板は,プリント配線板用銅張積層板のうち
では主として民生用機器のプリント配線板の基材として使用されて
おり,プリント配線板用銅張積層板の総販売数量の大部分を占めて
いる。 |
(イ) |
7社及び東芝ケミカルは,昭和62年初めころからプリント配線板
用銅張積層板の販売価格の下落の防止,引上げ等について,7社及
び東芝ケミカルが所属する合成樹脂工業協会積層板部会(各社の役
員級の者で構成。以下「部会」という。),部会の下部機関である業
務委員会(各社の部課長級の者で構成)の場などにおいてしばしば
意見交換を重ねてきたところ,昭和62年6月10日,東京都千代田区
所在の学士会館会議室で開催した臨時部会の場において,それまで
の意見交換の結果を踏まえ,同年6月21日以降各社が逐次紙フェ
ノール銅張積層板の需要者渡し販売価格を現行販売価格より1平方
メートル当たり300円又は15%を目途に引き上げること及び同部会
の日以降本格的に販売価格引上げのための活動を行うことについて
相互に意思を疎通し,もって,共同して,紙フェノール銅張積層板
の需要者渡し販売価格を引き上げることを決定した。 |
(ウ) |
しかして,7社及び東芝ケミカルは,昭和62年6月下旬から同年
8月下旬にかけて,それぞれ,需要者らに対し紙フェノール銅張積
層板の需要者渡し販売価格引上げを文書で通知し,また,共同し
て,主要な需要者に対し紙フェノール銅張積層板の販売価格引上げ
を要請する等して,紙フェノール銅張積層板の需要者渡し販売価格
を,おおむね,引き上げている。 |
|
イ |
法令の適用 |
|
7社は,東芝ケミカルと共同して紙フェノール銅張積層板の需要者
渡し販売価格を引き上げることにより,公共の利益に反して,紙フェ
ノール銅張積層板の販売分野における競争を実質的に制限しているも
のであって,これは,独占禁止法第2条第6項に規定する不当な取引
制限に該当し,同法第3条の規定に違反するものである。 |
ウ |
命じた主な措置 |
|
(ア) |
7社は,昭和62年6月10日に行った紙フェノール銅張積層板の販
売価格の引上げに関する決定を破棄しなければならない。 |
(イ) |
7社は,次の事項を紙フェノール銅張積層板の取引先販売業者及
び需要者に周知徹底させなければならない。この周知徹底の方法に
ついては,あらかじめ,当委員会の承認を受けなければならない。
a |
前記(ア)に基づいて採った措置 |
b |
今後,共同して紙フエノール銅張積層板の販売価格を決定せ
ず,各社がそれぞれ自主的に決める旨 |
|
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