2 独占禁止法改正関係資料

2-1  私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する
法律(平成9年法律第87号)要綱
第1 国際的協定又は国際的契約に係る届出義務の廃止
 事業者による一定の国際的協定又は国際的契約に係る届出義務を廃止す
ること。
(第6条第2項関係)
第2 持株会社の規制に関する改正
1  持株会社について,事業支配力が過度に集中することとなるものの設
立等を禁止すること。
(第9条第1項及び第2項関係)
2  持株会社とは,子会社の株式の取得価額の合計額の会社の総資産の額
に対する割合が百分の五十を超える会社とすること。
(第9条第3項関係)
3  事業支配力が過度に集中することとは,持株会社等の総合的事業規模
が相当数の事業分野にわたって著しく大きいこと,持株会社等の資金に
係る取引に起因する他の事業者に対する影響力が著しく大きいこと又は
持株会社等が相互に関連性のある相当数の事業分野においてそれぞれ有
力な地位を占めていることにより,国民経済に大きな影響を及ぼし,公
正かつ自由な競争の促進の妨げとなることとすること。
(第9条第5項関係)
4  一定規模を超える規模の持株会社は,事業年度ごとに当該持株会社及
びその子会社の事業に関する報告書を公正取引委員会に提出しなければ
ならないものとすること。
(第9条第6項関係)
5  新たに設立された一定規模を超える規模の持株会社は,その設立の後
にその旨を公正取引委員会に届け出なければならないものとすること。
(第9条第7項関係)
第3 大規模会社の株式保有総額の制限に関する改正
1  株式保有総額の制限の対象となる大規模会社から持株会社を除外する
こと。
(第9条の2第1項関係)
2  自己及び他の会社がそれぞれ現に行う業務を分離して設立する会社の
株式の一部を設立と同時に取得する等の場合を株式保有総額の制限の対
象から除外すること。
(第9条の2第1項第5号,第6号及び第10号関係)
第4 施行期日・経過措置等
1  この法律は,公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政
令で定める日(金融業を営む会社を子会社とする持株会社については,
別に法律で定める日)から施行すること。ただし,第一については,公
布の日から施行すること。
(第116条及び附則第1条関係)
2  所要の経過措置を規定すること。
(附則第2条から第4条まで関係)
3  政府は,この法律の施行後5年を経過した場合において,事業支配力
の過度の集中を防止する観点から設立等が禁止される持株会社の範囲等
について検討を行い,必要があると認めるときは,所要の措置を講ずる
ものとすること。
(附則第5条関係)
4  その他所要の規定を整備すること。
2-2 独占禁止法改正法案に対する附帯決議
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法
律案に対する附帯決議
平成9年5月14日
衆議院商工委員会
 政府は,本法施行に当たり,特に次の諸点について適切な措置を講ずべき
である。
1  事業支配力が過度に集中することとなる持株会社に関するガイドライン
の作成に当たっては,国民の意志を代表する立法府の意見を踏まえ,禁止
される持株会社の解釈をより明確にし,個別の持株会社に関する公正取引
委員会の審査における行政裁量の余地を極力排除すること。
 なお,事前相談については,透明性を確保する観点から,その経過や結
果等を適当な方法で開示すること。
2  金融持株会社については,競争政策の観点とともに金融政策の観点から
引き続き検討を行い,その解禁に当たっては,金融関係法制の整備等の必
要な措置を講じること。
3  持株会社によるグループ経営における連結ベースのディスクロージャー
の充実等情報開示制度の見直しを行うとともに,持株会社株主の子会社事
業への関与や子会社関係者の権利保護のあり方等について検討を行うこ
と。
4  持株会社の解禁に伴う労使関係の対応については,労使協議の実が高ま
るよう,労使関係者を含めた協議の場を設け,労働組合法の改正問題を含
め今後二年を目途に検討し,必要な措置をとること。
 なお,右の検討に当たっては労使の意見が十分に反映されるよう留意す
ること。
5  持株会社の設立や企業の分社化等のりストラクチャリングに伴う企業組
織の変更が円滑に行われるよう,資産譲渡益課税に関する圧縮記帳の優遇
措置や連結納税制度等の税制上の検討を進めること。
6  持株会社の設立等の企業組織の変更が利害関係者の権利等に配慮しつつ
円滑に行われるよう,会社分割制度や株式交換制度等について検討を行う
こと。
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法
律案に対する附帯決議
平成9年6月10日
議院商工委員会
 政府は,本法施行に当たり,次の諸点について適切な措置を講ずるべきで
ある。
1  事業支配力が過度に集中することとなる持株会社に関するガイドライン
の作成に当たっては,国会の審議を十分に踏まえ,禁止される持株会社の
解釈をより明確にし,公正取引委員会の審査における行政裁量の余地を極
力排除すること。
 なお,事前相談については,透明性を確保する観点から,その経過や結
果等を適当な方法で開示すること。
2  金融持株会社については,競争政策及び金融政策の観点からすみやかに
検討を行い,その解禁に当たっては,金融関係法制の整備等の必要な措置
を講ずること。
 なお,11条については,9条の改正に伴う影響などを勘案しつつ適切な制
度運用に努めること。
3  持株会社によるグループ経営における連結ベースのディスクロージャー
の充実等,情報開示制度の改善を行うとともに,持株会社株主の子会社事
業への関与や子会社関係者の権利保護のあり方等,会社法制について検討
を行うこと。
4  持株会社の解禁に伴う労使関係の対応については,労使協議の実が高ま
るよう,労使関係者を含めた協議の場を設け,労働組合法の改正問題を含
め今後二年を目途に検討し,必要な措置をとること。
 なお,右の検討に当たっては労使の意見が十分に反映されるよう留意す
ること。
5  持株会社の設立等企業組織の変更が円滑に行われるよう,資産譲渡益課
税に関する圧縮記帳制度の優遇措置や連結納税制度等の税制上の検討を進
めること。また,株式交換制度等,会社法上の企業組織の変更規定につい
ても検討を行うこと。
6  持株会社制度が中小事業者への系列支配の強化等につながることのない
よう,独占禁止法等の厳正な運用に努めること。
右決議する。