2 独占禁止法改正関係資料

私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律
(平成12年法律第76号)要綱
第1   自然独占事業に固有な行為に対する適用除外規定の廃止
 鉄道事業、電気事業、ガス事業その他その性質上当然に独占となる事業に固有の行為に対する適用除外の規定を廃止すること。(第1条関係)
第2    差止請求制度の導入
 第8条第1項第5号又は第19条の規定に違反する行為によってその利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、これにより著しい損害を生じ、又は生ずるおそれがあるときは、その利益を侵害する事業者若しくは事業者団体又は侵害するおそれがある事業者若しくは事業者団体に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができることとすること。
 第8条第1項第5号又は第19条の規定に違反する行為による侵害の停止又は予防に関する訴えが提起された場合、裁判所は、当該訴えの提起が不正の目的によるものであることを被告が疎明して申し立てたときは、決定で、相当の担保を立てるべきことを原告に命ずることができることとすること。
 第8条第1項第5号又は第19条の規定に違反する行為による侵害の停止又は予防に関する訴えが提起されたときは、裁判所はその旨を公正取引委員会に通知するものとするとともに公正取引委員会に対し当該事件に関するこの法律の適用その他の必要な事項について意見を求めることができることとし、公正取引委員会は裁判所の許可を得て裁判所に対し当該事件に関するこの法律の適用その他の必要な事項について意見を述べることができることとすること。
 第8条第1項第5号又は第19条の規定に違反する行為による侵害の停止又は予防に関する訴えについては、民事訴訟法の規定により管轄権を有する裁判所のほか、当該裁判所の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所及び東京地方裁判所にも訴えを提起することができることとすること。
 第8条第1項第5号又は第19条の規定に違反する行為による侵害の停止又は予防に関する訴えが提起された場合において、他の裁判所に同一又は同種の行為に係る訴訟が係属しているときは、裁判所は、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部について、当該他の裁判所又は当該訴えにつき管轄権を有する他の裁判所に移送することができることとすること。
 その他所要の改正を行うこと。 (第2条関係)
第3  損害賠償制度の整備
 審決が確定した後に無過失損害賠償責任を負うものとして、第6条の規定に違反する行為をした事業者(不当な取引制限をし、又は不公正な取引方法を自ら用いた事業者に限る。)及び第8条第1項の規定に違反する行為をした事業者団体を追加することとすること。
 その他所要の改正を行うこと。 (第2条関係)
第4  その他
 この法律は、平成13年1月6日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。ただし、第1については、公布の日から起算して1月を経過した日から施行すること。
(附則第1条関係)
 この法律の施行に関し必要な経過措置を定めるとともに、関係法律について所要の改正を行うこと。  (附則第2条から第8条関係)