入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律案について

3―1   趣旨
 近年,国・地方公共団体等の職員が入札談合等に関与している事例(いわゆる「官製談合」)が発生している。しかるに,官製談合に対する方策をみると,公正取引委員会には,これに有効に対処する法律上の権限がない。一方で,各省大臣や都道府県知事等においては,入札談合の探知・調査が必ずしも十分に行われていない状況にある。
 このため,以下の内容を盛り込んだ新法を制定し,官製談合を防止し,官公需分野の競争促進及び予算執行の適正化を目指す。
3―2   法案の概要
(1) 入札談合等関与行為を排除するための行政上の措置
 入札談合等関与行為(注1)があった場合の公正取引委員会から各省各庁の長等(注2)に対する必要な改善措置の要求,当該要求を受けた各省各庁の長等による調査の実施・必要な改善措置の検討,調査結果等の公表等について規定。
(注1)  入札談合等関与行為は以下の3類型(2条5項)
(1) 談合の明示的な指示(事業者又は事業者団体に入札談合等を行わせること)
(2) 受注者に関する意向の表明(契約の相手方となるべき者をあらかじめ指名することその他特定の者を契約の相手方となるべき者として希望する旨の意向をあらかじめ教示し,又は示唆すること)
(3) 発注に係る秘密情報の漏洩(入札又は契約に関する情報のうち特定の事業者又は事業者団体が知ることによりこれらの者が入札談合等を行うことが容易となる情報であって秘密として管理されているものを,特定の者に対して教示し,又は示唆すること)
(注2)  各省各庁の長,地方公共団体の長又は国若しくは地方公共団体が資本金の1/2以上を出資している法人の代表者(2条3項)
(2) 職員に対する損害賠償請求・懲戒事由の調査
 各省各庁の長等による入札談合等関与行為を行った職員に対する損害賠償請求・懲戒事由の調査について規定。
(3) その他
 入札談合等関与行為の防止に向けた関係行政機関相互の連携・協力,本法運用上の地方公共団体等の自主的な努力への配慮等について規定。
3―3   本法案に基づく措置等の流れ