(5) 信号器材(株)ほか55社に対する件(平成14年(勧)第9号),信号器材(株)ほか48社に対する件(平成14年(勧)第10号)及び宮川興業(株)ほか55社に対する件(平成14年(勧)第11号)

ア 関係人



イ 違反事実等
(ア)  道路標識設置工事関係(平成14年(勧)第9号)
(a)  警視庁は,道路標識設置工事(道路標識の新設,更新,移設,修繕等の工事をいう。以下同じ。)を指名競争入札又は指名見積り合わせ(以下「指名競争入札等」という。)の方法により発注しており,指名競争入札等に当たっては,東京都が道路標識設置工事の競争入札参加の資格要件を満たす者として登録している有資格者であって,同庁の道路標識設置工事に係る指名競争入札等への参加を希望する者の中から,指名競争入札等の参加者を指名している。
(b)  関係人56社(以下「道路標識56社」という。)は,警視庁が発注する道路標識設置工事の指名競争入札等において参加者として指名されている者のほとんどを占めている。
(a)  警視庁が発注する道路標識設置工事については,かねてから,指名を受けた道路標識設置工事業者の間で,指名競争入札等において競合しないよう調整が行われてきたところ,道路標識56社及び別表1記載の事業者の58社(以下「58社」という。)は,遅くとも平成10年4月1日以降(別表2記載の事業者にあっては,それぞれ,「期日」欄記載の年月日ころ以降),警視庁が指名競争入札等の方法により発注する道路標識設置工事(以下「警視庁発注の道路標識設置工事」という。)について,受注価格の低落防止及び受注機会の確保を図るため
 警視庁から指名競争入札等の参加の指名を受けた場合には,幹事等と称される者(以下「幹事」という。)が警視庁からの指名実績,受注実績,工事の施工能力等を勘案して選定した者を,当該工事を受注すべき者(以下「受注予定者」という。)とする
ii  受注予定者は,幹事から,幹事が定めた受注すべき価格の連絡を受け,当該価格を自らの指名競争入札等の価格とする
iii  受注予定者以外の者は,受注予定者が受注できるように協力する
旨の合意の下に,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにしていた。
(b)  前記b(a)において,幹事である信号器材(株)及び野原産業(株)の2社(以下「道路標識2社」という。)は,受注予定者並びに受注予定者が受注すべき価格及び受注予定者以外の者が入札すべき価格を定め,直接又は道路標識2社のいずれかが依頼した者を通じて,受注予定者に対しては前記受注すべき価格を,受注予定者以外の者に対しては前記入札すべき価格を,それぞれ,連絡していた。
 58社は,前記bにより,警視庁発注の道路標識設置工事のほとんどすべてを受注していた。
 平成13年11月27日,本件について,公正取引委員会が独占禁止法の規定に基づき審査を開始したところ,道路標識56社は,同日以降,前記bの合意に基づき受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめている。
(イ)  警視庁発注の溶着式道路標示塗装工事関係(平成14年(勧)第10号)
(a)
 警視庁は,溶着式道路標示塗装委託として発注する工事(以下「溶着式道路標示塗装工事」という。)のほとんどを,年3回又は4回,おおむね警視庁の管轄区域を区分している方面区別に,指名見積り合わせの方法により発注しており,当該指名見積り合わせにおいて,線標示,記号標示及び消去の3工法(以下「溶着式3工法」という。)ごとの発注予定数量を提示し,溶着式3工法ごとの単価及び当該単価に各発注予定数量を乗じて合計した推定総金額を徴し,当該推定総金額が予定価格以下で最も低い者を契約の相手方としている。
ii  警視庁は,東京都が道路標示塗装工事の競争入札参加の資格要件を満たす者として登録している有資格者であって,同庁の溶着式道路標示塗装工事に係る指名見積り合わせへの参加を希望する者の中から,指名見積り合わせの参加者を指名している。
(b)  関係人49社(以下「49社」という。)は,警視庁が発注する溶着式道路標示塗装工事の指名見積り合わせにおいて参加者として指名されている者のほとんどすべてを占めている。
(a)  警視庁が発注する溶着式道路標示塗装工事については,かねてから,指名を受けた道路標示塗装工事業者の間で,指名見積り合わせにおいて競合しないよう調整が行われてきたところ,49社及び積水樹脂(株)の50社(以下「50社」という。)は,遅くとも平成10年4月1日以降(別表3記載の事業者にあっては,それぞれ,「期日」欄記載の年月日ころ以降),警視庁が前記a(a)iの指名見積り合わせの方法により発注する溶着式道路標示塗装工事(以下「警視庁発注の特定溶着式道路標示塗装工事」という。)について,受注価格の低落防止及び受注機会の確保を図るため
 警視庁から指名見積り合わせの参加の指名を受けた場合には,幹事が警視庁からの指名実績,受注実績等を勘案して選定した者を,受注予定者とする
ii  受注予定者は,幹事又は幹事から依頼された者から,幹事が定めた見積書に記載すべき溶着式3工法の単価の連絡を受け,当該単価を自らの見積単価とする
iii  受注予定者以外の者は,受注予定者が受注できるように協力する
旨の合意の下に,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにしていた。
(b)  前記b(a)において,幹事である宮川興業(株),信号器材(株)及び野原産業(株)の3社(以下「3社」という。)は,受注予定者並びに受注予定者が見積書に記載すべき単価及び受注予定者以外の者が見積書に記載すべき単価を定め,直接又は3社のいずれかが依頼した者を通じて,受注予定者及び受注予定者以外の者に対して,それぞれ,前記見積書に記載すべき単価を連絡していた。
 50社は,前記bにより,警視庁発注の特定溶着式道路標示塗装工事のほとんどすべてを受注していた。
 平成13年11月27日,本件について,公正取引委員会が独占禁止法の規定に基づき審査を開始したところ,49社は,同日以降,前記bの合意に基づき受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめている。
(ウ)  トラフィックペイント道路標示塗装工事関係(平成14年(勧)第11号)
(a)
 警視庁は,トラフィックペイント道路標示塗装委託として発注する工事(以下「トラフィックペイント道路標示塗装工事」という。)を,年2回又は3回,おおむね警視庁の管轄区域を区分している方面区別に,指名見積り合わせの方法により発注しており,当該指名見積り合わせにおいて,線標示,記号標示及び型枠記号標示の3工法(以下「トラフィックペイント3工法」という。)ごとの発注予定数量を提示し,トラフィックペイント3工法ごとの単価及び当該単価に各発注予定数量を乗じて合計した推定総金額を徴し,当該推定総金額が予定価格以下で最も低い者を契約の相手方としている。
ii  警視庁は,東京都が道路標示塗装工事の競争入札参加の資格要件を満たす者として登録している有資格者であって,同庁のトラフィックペイント道路標示塗装工事に係る指名見積り合わせへの参加を希望する者の中から,指名見積り合わせの参加者を指名している。
(b)  関係人56社(以下「道路標示56社」という。)は,警視庁が発注するトラフィックペイント道路標示塗装工事の指名見積り合わせにおいて参加者として指名されている者のほとんどすべてを占めている。
(a)  警視庁が発注するトラフィックペイント道路標示塗装工事については,かねてから,指名を受けた道路標示塗装工事業者の間で,指名見積り合わせにおいて競合しないよう調整が行われてきたところ,道路標示56社(積樹道路(株)にあっては,平成12年3月31日までは積水樹脂道路(株)及び松栄建設工業(株)をいう。以下同じ。)は,遅くとも平成10年4月1日以降(別表4記載の事業者にあっては,それぞれ,「期日」欄記載の年月日ころ以降),警視庁が指名見積り合わせの方法により発注するトラフィックペイント道路標示塗装工事(以下「警視庁発注のトラフィックペイント道路標示塗装工事」という。)について,受注価格の低落防止及び受注機会の確保を図るため
 警視庁から指名見積り合わせの参加の指名を受けた場合には,幹事が警視庁からの指名実績,受注実績等を勘案して選定した者を受注予定者とする
ii  受注予定者は,幹事から,幹事が定めた見積書に記載すべきトラフィックペイント3工法の単価の連絡を受け,当該単価を自らの見積単価とする
iii  受注予定者以外の者は,受注予定者が受注できるように協力する
旨の合意の下に,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにしていた。
(b)  前記b(a)において,幹事である宮川興業(株)及び野原産業(株)の2社(以下「道路標示2社」という。)は,受注予定者並びに受注予定者が見積書に記載すべき単価及び受注予定者以外の者が見積書に記載すべき単価を定め,直接又は道路標示2社のいずれかが依頼した者を通じて,受注予定者及び受注予定者以外の者に対して,それぞれ,前記見積書に記載すべき単価を連絡していた。 
 道路標示56社は,前記bにより,警視庁発注のトラフィックペイント進路標示塗装工事のほとんどすべてを受注していた。
 平成13年11月27日,本件について,公正取引委員会が独占禁止法の規定に基づき審査を開始したところ,道路標示56社は,同日以降,前記bの合意に基づき受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめている
ウ 排除措置
(ア)  道路標識設置工事関係
 道路標識56社に対し,次の措置を採るよう命じた。
 遅くとも平成10年4月1日以降(別表2記載の事業者にあっては,それぞれ,「期日」欄記載の年月日ころ以降)行っていた,警視庁発注の道路標識設置工事について,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめていることを確認すること。
 次の事項を警視庁に通知すること。
(a)  前記(ア)aに基づいて採った措置
(b)  今後,共同して,警視庁発注の道路標識設置工事について,受注予定者を決定せず,各社がそれぞれ自主的に受注活動を行う旨
 今後,それぞれ,相互に又は他の事業者と共同して,警視庁が競争入札又は見積り合わせの方法により発注する道路標識設置工事について,受注予定者を決定しないこと。
(イ)  溶着式道路標示塗装工事関係
49社に対し,次の措置を採るよう命じた。
 遅くとも平成10年4月1日以降(別表3記載の事業者にあっては,それぞれ,「期日」欄記載の年月日ころ以降)行っていた,警視庁発注の特定溶着式道路標示塗装工事について,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめていることを確認すること。
 次の事項を警視庁に通知すること。
(a)  前記(イ)aに基づいて採った措置
(b)  今後,共同して,警視庁発注の特定溶着式道路標示塗装工事について,受注予定者を決定せず,各社がそれぞれ自主的に受注活動を行う旨
 今後,それぞれ,相互に又は他の事業者と共同して,警視庁が見積り合わせの方法により発注する溶着式道路標示塗装工事について,受注予定者を決定しないこと。
(ウ)  トラフィックペイント道路標示塗装工事関係
 道路標示56社に対し,次の措置を採るよう命じた。 
 遅くとも平成10年4月1日以降(別表4記載の事業者にあっては,それぞれ,「期日」欄記載の年月日ころ以降)行っていた,警視庁発注のトラフィックペイント道路標示塗装工事について,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめていることを確認すること。
 次の事項を警視庁に通知すること。
(a)  前記(ウ)aに基づいて採った措置
(b)  今後,共同して,警視庁発注のトラフィックペイント道路標示塗装工事について,受注予定者を決定せず,各社がそれぞれ自主的に受注活動を行う旨
 今後,それぞれ,相互に又は他の事業者と共同して,警視庁が見積り合わせの方法により発注するトラフィックペイント道路標示塗装工事について,受注予定者を決定しないこと。 
別表1  警視庁が発注する道路標識設置工事に係る事業活動を取りやめている事業者

別表2 合意へ中途参加した事業者(平成14年(勧)第9号)
(注)  所在地は東京。

別表3 合意へ中途参加した事業者(平成14年(勧)第10号)

別表4 合意へ中途参加した事業者(平成14年(勧)第11号)
(注)  所在地は甲府市。

(6) (株)キンキ酸器ほか8社に対する件(平成14年(勧)第12号)及び(株)水島酸素商会ほか4社に対する件(平成14年(勧)第13号)


ア 関係人


イ 違反事実等
(ア)  大阪府所在の国公立病院等関係(平成14年(勧)第12号)
(a)  厚生労働省(平成13年1月5日までは厚生省。以下同じ。)及び大阪府内の地方公共団体が設置している大阪府の区域に所在する病院並びに大阪府の区域に所在する国立大学(以下「大阪府所在の国公立病院等」という。)は,定置式液化酸素貯槽向け医療用液化酸素(以下「タンク向け液化酸素」という。)を一般競争入札,指名競争入札又は指名見積り合わせ(以下「競争入札等」という。)等の方法により発注しているところ,ほとんどすべての指名競争入札又は指名見積り合わせに当たっては,関係人9社(以下「9社」という。)のうちのいずれかの者を指名しており,また,すべての一般競争入札には,9社のうちのいずれかの者が参加している。
(b)  9社は,大阪府所在の国公立病院等が競争入札等の方法により発注するタンク向け液化酸素の大部分を供給している
 大阪府所在の国公立病院等が競争入札等の方法により発注するタンク向け液化酸素については,かねてから,競争入札等に参加しているタンク向け液化酸素の販売業者間で,受注価格の低落防止を図るため,過去の受注実績を相互に尊重してきたところ,9社は,遅くとも平成9年4月1日以降,同タンク向け液化酸素について
(a)  当該病院等と既に取引を行っている者を当該タンク向け液化酸素を受注すべき者(以下「受注予定者」という。)とする
(b)  受注すべき価格は,受注予定者が定め,受注予定者以外の者は,受注予定者がその定めた価格で受注できるように協力する
旨の合意に基づき,受注予定者を決定し,受注予定者以外の者は当該病院等のタンク向け液化酸素に係る前回の競争入札等における落札価格より高い価格で応札することなどにより受注予定者が受注できるようにしていた。
 9社は,前記bにより,大阪府所在の国公立病院等が競争入札等の方法により発注するタンク向け液化酸素の過半を受注していた。
 平成13年ll月6日,本件について,公正取引委員会が独占禁止法の規定に基づき審査を開始したところ,9社は,同日以降,前記bの合意に基づき受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめている。
(イ)  兵庫県所在の国公立病院等関係(平成14年(勧)第13号)
(a)  厚生労働省,兵庫県内の地方公共団体,国家公務員共済組合連合会及び社団法人全国社会保険協会連合会が設置している兵庫県の区域に所在する病院並びに兵庫県の区域に所在する国立大学(以下「兵庫県所在の国公立病院等」という。)は,タンク向け液化酸素を競争入札等などの方法により発注しているところ,ほとんどすべての指名競争入札又は指名見積り合わせに当たっては,関係人5社(以下「5社」という。)のうちのいずれかの者を指名しており,また,すべての一般競争入札には,5社のうちのいずれかの者が参加している。
(b)  5社は,兵庫県所在の国公立病院等が競争入札等の方法により発注するタンク向け液化酸素の大部分を供給している。
 兵庫県所在の国公立病院等が競争入札等の方法により発注するタンク向け液化酸素については,かねてから,競争入札等に参加しているタンク向け液化酸素の販売業者間で,受注価格の低落防止を図るため,過去の受注実績を相互に尊重してきたところ,5社は,遅くとも平成9年4月1日以降,同タンク向け液化酸素について
(a)  当該病院等と既に取引を行っている者を受注予定者とする
(b)  受注すべき価格は,受注予定者が定め,受注予定者以外の者は,受注予定者がその定めた価格で受注できるように協力する
旨の合意に基づき,受注予定者を決定し,受注予定者以外の者は当該病院等のタンク向け液化酸素に係る前回の競争入札等における落札価格より高い価格で応札することなどにより受注予定者が受注できるようにしていた。
 5社は,前記bにより,兵庫県所在の国公立病院等が競争入札等の方法により発注するタンク向け液化酸素の過半を受注していた。
 平成13年11月6日,本件について,公正取引委員会が独占禁止法の規定に基づき審査を開始したところ,5社は,同日以降,前記bの合意に基づき受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめている
ウ 排除措置
 大阪府又は兵庫県所在の国公立病院等が発注するタンク向け液化酸素の関係人に対し,それぞれ,次の措置を採るよう命じた。
(ア)  遅くとも平成9年4月1日以降行っていた,大阪府又は兵庫県所在の国公立病院等が競争入札等の方法により発注するタンク向け液化酸素について,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめていることを確認すること。
(イ)  次の事項を大阪府又は兵庫県所在の国公立病院等に通知すること。
 前記aに基づいて採った措置
 今後,共同して,大阪府又は兵庫県所在の国公立病院等が競争入札等の方法により発注するタンク向け液化酸素について,受注予定者を決定せず,各社がそれぞれ自主的に受注活動を行う旨
(ウ)  今後,それぞれ,相互に又は他の事業者と共同して,大阪府又は兵庫県所在の国公立病院等が競争入札又は見積り合わせの方法により発注するタンク向け液化酸素について,受注予定者を決定しないこと。

(7) 柿本電機(株)ほか9社に対する件(平成14年(勧)第15号)及び(株)教映社ほか22社に対する件(平成14年(勧)第16号)


ア 関係人


イ 違反事実等
(ア)  語学演習機関係(平成14年(勧)第15号)
(a)  大阪市教育委員会は,語学演習機のほとんどすべてを指名競争入札の方法により発注しており,指名競争入札に当たっては,大阪市教育委員会が指名競争入札参加の資格要件を満たす有資格者の中から指名競争入札の参加者を指名している。
(b)  関係人10社(以下「10社」という。)は,大阪市教育委員会が発注する語学演習機の指名競争入札において参加者として指名されている者のほとんどを占めている。
 10社は,平成9年ころから,受注機会の均等化を図るため,過去の受注実績等を相互に尊重してきたところ,遅くとも平成11年4月1日ころ以降,大阪市教育委員会が指名競争入札の方法により発注する語学演習機について,受注機会の均等化を図るため
(a)  大阪市教育委員会から指名競争入札の参加者として指名を受けた場合には,受注実績等を勘案して当該物件を受注すべき者(以下「受注予定者」という。)を決定する
(b)  受注すべき価格は,受注予定者が定め,受注予定者以外の者は,受注予定者がその定めた価格で受注できるように協力する
旨の合意に基づき,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにしていた。
 10社は,前記bにより,大阪市教育委員会が指名競争入札の方法により発注する語学演習機の大部分を受注していた。
 平成14年4月23日,本件について,公正取引委員会が独占禁止法の規定に基づき審査を開始したところ,10社は,同日以降,前記bの合意に基づき受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめている。
(イ)  コンピュータ及び周辺機器関係(平成14年(勧)第16号)
(a)  大阪市教育委員会は,大阪市教育委員会事務局の東部,西部,南部及び北部の学校事務センター(以下「学校事務センター」という。)が入札及び契約事務を行うコンピュータ及び周辺機器(コンピュータに接続して用いられる電気機器及び外部記憶装置をいい,以下これらを総称して「学校事務センター調達のコンピュータ等」という。)を指名競争入札又は指名見積り合わせ(以下「指名競争入札等」という。)等の方法により発注しており,指名競争入札等に当たっては,学校事務センターが,それぞれ,指名競争入札参加の資格要件を満たす有資格者の中から指名競争入札等の参加者を指名している。
(b)  関係人23社(以下「23社」という。)は,大阪市教育委員会が発注する学校事務センター調達のコンピュータ等の指名競争入札等において参加者として指名されている者のほとんどを占めている。
 大阪市教育委員会は,平成11年4月から,学校事務センター調達のコンピュータ等の発注を行うようになったところ,23社は,遅くとも平成12年4月1日ころ(別表記載の事業者にあっては,それぞれ,「期日」欄記載の年月日ころ)以降,大阪市教育委員会が指名競争入札等の方法により発注する学校事務センター調達のコンピュータ等について,受注価格の低落防止を図るため
(a)  学校事務センターから指名競争入札等の参加者として指名を受けた場合には,受注予定者を決定する
(b)  受注すべき価格は,受注予定者が定め,受注予定者以外の者は,受注予定者がその定めた価格で受注できるように.協力する
旨の合意に基づき,世話役と称される者が学校事務センターから指名競争入札等の参加者として指名を受けた者の中から営業活動の事情等を勘案して受注予定者を定めるなどして,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにしていた。
 23社は,前記bにより,大阪市教育委員会が指名競争入札等の方法により発注する学校事務センター調達のコンピュータ等の大部分を受注していた。
 平成14年4月23日,本件について,公正取引委員会が独占禁止法の規定に基づき審査を開始したところ,23社は,同日以降,前記bの合意に基づき受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめている。
ウ 排除措置
(ア)  語学演習機関係
10社に対し,次の措置を採るよう命じた。
 遅くとも平成11年4月1日ころ以降行っていた,大阪市教育委員会が指名競争入札の方法により発注する語学演習機について,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめていることを確認すること。
 次の事項を大阪市教育委員会に通知すること。
(a)  前記(ア)aに基づいて採った措置
(b)  今後,共同して,大阪市教育委員会が指名競争入札の方法により発注する語学演習機について,受注予定者を決定せず,各社がそれぞれ自主的に受注活動を行う旨
 今後,それぞれ,相互に又は他の事業者と共同して,大阪市教育委員会が競争入札の方法により発注する語学演習機について,受注予定者を決定しないこと。
(イ)  コンピュータ及び周辺機器関係
23社に対し,次の措置を採るよう命じた。
 遅くとも平成12年4月1日ころ(別表記載の事業者にあっては,それぞれ,「期日」欄記載の年月日ころ)以降行っていた,大阪市教育委員会が指名競争入札等の方法により発注する学校事務センター調達のコンピュータ等について,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめていることを確認すること。
 次の事項を大阪市教育委員会に通知すること。
(a)  前記(イ)aに基づいて採った措置
(b)  今後,共同して,大阪市教育委員会が指名競争入札等の方法により発注する学校事務センター調達のコンピュータ等について,受注予定者を決定せず,各社がそれぞれ自主的に受注活動を行う旨
 今後,それぞれ,相互に又は他の事業者と共同して,大阪市教育委員会が競争入札又は見積り合わせの方法により発注する学校事務センター調達のコンピュータ等について,受注予定者を決定しないこと。

別表 合意へ中途参加した事業者(平成14年(勧)第16号)


(8) (株)高田土木ほか118社に対する件(平成14年(勧)第17号)及び旭建設(株)ほか97社に対する件(平成14年(勧)第18号)

ア 関係人




(注1)  勧告不応諾の後,これを撤回し,改めて,勧告を応諾したことから,他の関係人とは別に平成15年1月8日勧告審決(平成14年(勧)24号及び平成14年(勧)25号)を行った事業者
(注2)  勧告後に千葉地方裁判所から破産決定を受けたことから,審決の名あて人となっていない事業者
イ 違反事実等
(ア)  土木一式工事関係(平成14年(勧)第17号)
 千葉市及び財団法人千葉市都市整備公社(以下「千葉市等」という。)は,土木一式工事として発注する工事の大部分を指名競争入札の方法(平成13年7月1日以降にあっては指名競争入札又は希望型指名競争入札の方法。以下同じ。)により発注しており,指名競争入札に当たっては,千葉市が競争入札参加の資格要件を満たす者として登録している有資格者の中から指名競争入札の参加者を指名しており,また,希望型指名競争入札に当たっては,前記有資格者を対象に,一定の条件を付して入札の参加希望者を募り,当該参加希望者の中から希望型指名競争入札の参加者を指名している。
 かねてから,千葉市等が指名競争入札の方法により発注する土木一式工事について,指名競争入札の参加者として指名を受けた者の間で,受注に関する話合いが行われてきたところ,関係人119社のうち前記(注2)記載の事業者を除く118社(以下118社という。)並びに別表1記載の2社及び別表2記載の2社の122社(以下「122社」という。)は,遅くとも平成10年4月1日以降(別表3記載の事業者にあっては,それぞれ,「期日」欄記載の年月日ころ以降),千葉市等が千葉市内に本店又は主たる営業拠点を置く事業者のみを指名して指名競争入札又は希望型指名競争入札の方法により土木一式工事として発注する設計金額が5000万円以上3億円未満の工事(以下「干葉市等発注の特定土木工事」という。)について,受注価格の低落防止を図るため
(a)  千葉市等から指名競争入札又は希望型指名競争入札の参加の指名を受けた場合には,次の方法により,当該工事を受注すべき者(以下「受注予定者」という。)を決定する
 当該工事について受注を希望する者(以下「受注希望者」という。)が1社のときは,その者を受注予定者とする
ii  受注希望者が複数のときは,工事場所,過去の受注工事との関連性等の事情を勘案して,受注希望者の間の話合いにより受注予定者を決定する
(b)  受注すべき価格は,受注予定者が定め,受注予定者以外の者は,受注予定者がその定めた価格で受注できるように協力する
旨の合意の下に,必要に応じ,千葉市中央区所在の千葉県建設業センターにおいて会合を開催するなどして,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにしていた。
 122社は,前記bにより,千葉市等発注の特定土木工事のほとんどを受注していた。
(a)  別表1記載の2社は「期日」欄記載の年月日ころ以降,千葉市等発注の特定土木一式工事に係る事業活動を取りやめている。
(b)  平成13年11月13日,本件について,公正取引委員会が独占禁止法の規定に基づき審査を開始したところ,118社及び別表2記載の2社は,同日以降,前記2の合意に基づき受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめている。
(イ)  千葉市等発注のほ装工事関係(平成14年(勧)第18号)
 千葉市等は,ほ装工事として発注する工事のほとんどを指名競争入札の方法により発注しており,指名競争入札に当たっては,千葉市が競争入札参加の資格要件を満たす者として登録している有資格者の中から指名競争入札の参加者を指名しており,また,希望型指名競争入札に当たっては,前記有資格者を対象に,一定の条件を付して入札の参加希望者を募り,当該参加希望者の中から希望型指名競争入札の参加者を指名している。
 かねてから,千葉市等が指名競争入札の方法により発注するほ装工事について,指名競争入札の参加者として指名を受けた者の間で,受注に関する話合いが行われて来たところ,関係人98社のうち前記(注2)記載の事業者を除く97社(以下「97社」という。)並びに別表2記載の2社及び別表4記載の1社の100社(以下「100社」という。)は,遅くとも平成10年4月1日以降(別表5記載の事業者にあっては,それぞれ,「期日」欄記載の年月日ころ以降),千葉市等が千葉市内に本店を置く事業者のみを指名して指名競争入札又は希望型指名競争入札の方法によりほ装工事として発注する設計金額が2500万円以上3億円未満の工事(以下「千葉市等発注の特定ほ装工事」という。)について,受注価格の低落防止を図るため
(a)  千葉市等から指名競争入札又は希望型指名競争入札の参加の指名を受けた場合には,次の方法により,受注予定者を決定する
 受注希望者が1社のときは,その者を受注予定者とする
ii  受注希望者が複数のときは,工事場所,過去の受注工事との関連性等の事情を勘案して,受注希望者の間の話合いにより受注予定者を決定する
(b)  受注すべき価格は,受注予定者が定め,受注予定者以外の者は,受注予定者がその定めた価格で受注できるように協力する
旨の合意の下に,必要に応じ,千葉市中央区所在の千葉県建設業センターにおいて会合を開催するなどして,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにしていた。
 100社は,前記bにより,千葉市等発注の特定ほ装工事のほとんどを受注していた。
(a)  別表4記載の1社は「期日」欄記載の年月日ころ以降,千葉市等発注の特定ほ装工事に係る事業活動を取りやめている。
(b)  平成13年11月13日,本件について,公正取引委員会が独占禁止法の規定に基づき審査を開始したところ,97社及び別表2記載の2社は,同日以降,前記bの合意に基づき受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめている。
ウ 排除措置
(ア)  土木一式工事関係
 119社に対し,次の措置を採るよう命じた。
 遅くとも平成10年4月1日以降(別表3記載の事業者にあっては,それぞれ,「期日」欄記載の年月日ころ以降)行っていた,千葉市等発注の特定土木工事について,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめていることを確認すること。
 次の事項を千葉市等に通知すること。
(a)  前記(ア)aに基づいて採った措置
(b)  今後,共同して,千葉市等発注の特定土木工事について,受注予定者を決定せず,各社がそれぞれ自主的に受注活動を行う旨
 今後,それぞれ,相互に又は他の事業者と共同して,千葉市等が競争入札の方法により土木一式工事として発注する設計金額が5000万円以上3億円未満の工事について,受注予定者を決定しないこと。
(イ)  ほ装工事関係
 98社に対し,次の措置を採るよう命じた。
 遅くとも平成10年4月1日以降(別表5記載の事業者にあっては,それぞれ,「期日」欄記載の年月日ころ以降)行っていた,千葉市等発注の特定ほ装工事について,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめていることを確認すること。
 次の事項を千葉市等に通知すること。
(a)  前記(イ)aに基づいて採った措置
(b)  今後,共同して,千葉市等発注の特定ほ装工事について,受注予定者を決定せず,各社がそれぞれ自主的に受注活動を行う旨
 98社は,今後,それぞれ,相互に又は他の事業者と共同して,千葉市等が競争入札の方法によりほ装工事として発注する設計金額が2500万円以上3億円未満の工事について,受注予定者を決定しないこと。 

別表1  千葉市等が土木一式工事として発注する工事に係る事業活動を取りやめている事業者


別表2  建設業に係る事業活動を止めている業者及び破産した業者


別表3  合意へ中途参加した事業者(平成14年(勧)第17号)

別表4  千葉市等がほ装工事として発注する工事に係る事業活動を取りやめている事業者


別表5  合意へ中途参加した事業者(平成14年(勧)第18号)