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(株)ポスフール((株)マイカル北海道が平成14年1月7日に商号変更したもの。以下「ポスフール」という。)は,衣料服飾品,日用雑貨,食品等の小売業を営む,いわゆる総合量販店業者であって,北海道の区域において「ポスフール」と称する大規模小売店舗(「サティ」から平成14年5月に店舗名称を変更したもの。)を20店舗展開しており,これらの店舗の売場面積は,そのほとんどが3,000平方メートル以上である。 |
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ポスフールの売上高(平成14年3月から平成15年2月までの間)は約1260億円であり,そのうち衣料服飾品の売上高は約474億円であり,北海道の区域における総合量販店業界でいずれも第1位の地位を占めている。また,ポスフールの総店舗床面積は北海道の区域における総合量販店業界で第1位の地位にある。 |
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平成15年10月末において,ポスフールと継続的な取引関係にある衣料服飾品の納入業者(以下「衣料服飾品納入業者」という。)は約660名であるところ,ポスフールは,衣料服飾品納入業者と「商品売買契約書」と題する契約書によって,ポスフールが継続的に衣料服飾品納入業者から商品を買い受けるに当たっての契約を締結した上で,個別の売買を,ポスフールが衣料服飾品納入業者との問で合意した納入価格等を記載した発注書を衣料服飾品納入業者に提出する方法により行っている。これにより納入価格等は確定し,発注書に基づき納入された衣料服飾品をポスフールが検査し,注文した衣料服飾品であって,品質,数量等の問題がない場合には,ポスフールが受領した後に納入価格等が変更されることはない。 |
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ポスフールは,アウター(婦人外装品),スーツジャケット等の衣料服飾品の商品群(以下「販区」という。)ごとに年間及び各月に確保すべき売上高,利益額等の目標を作成し,これらを達成するよう努めているが,その目標を達成することは,容易ではない状況にある。 |
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衣料服飾品納入業者にとって,ポスフールは,北海道の区域において極めて有力な取引先であるとともに,衣料服飾品納入業者は,ポスフールと取引していることで他の取引先の信用を確保でき,また,秋又は冬の初めの時期における衣料服飾品の北海道での売れ筋等の情報をポスフールから入手してこれを自己の事業活動に利用することが営業戦略上重要であると認識していること等から,衣料服飾品納入業者は,ポスフールとの納入取引の継続を強く望んでいる状況にある。このため,衣料服飾品納入業者の相当数は,ポスフールとの納入取引を継続する上で,納入する商品の品質,納入価格等の取引条件とは別に,ポスフールからの種々の要請に従わざるを得ない立場にあり,その取引上の地位はポスフールに対して劣っている。 |