第3 排除措置命令等の法的措置

  平成18年度は,排除措置命令12件,排除措置命令を行っていない課徴金納付命令1件,
 計13件の法的措置を行った。平成18年度に法的措置を採った13件について違反法条をみる
 と,第3条後段(不当な取引制限の禁止)違反9件及び第19条(不公正な取引方法の禁止)
 違反4件となっている。
  法的措置を採った上記13件の概要は,以下のとおりである。

 1 独占禁止法第3条後段違反事件
 (1) 東リ株式会社(株)ほか2社に対する件(平成18年(措)第5号),(株)タジマ
   ほか2社に対する件(平成18年(措)第6号),東リ(株)ほか3社に対する件
   (平成18年(措)第7号)


    


  ア 関 係 人
    

  イ 違反事実等
  (ア) 塩ビ床シート汎用品関係(平成18年(措)第5号)
   a(a) 内装工事に用いられる塩化ビニル樹脂を主原料とした床材用のシートである
      塩化ビニル床シート(以下「塩ビ床シート」という。)のうち,発泡層がなく
      織布が積層されたプレーン又はマーブルと称する2.0ミリメートル厚又は2.5ミ
      リメートル厚のもの(以下「塩ビ床シート汎用品」という。)は,オフィスビ
      ルの水廻り部分の床材及び学校,公共施設等の床材として使用されている。
       なお,塩ビ床シートに係る長さの単位は,幅1.82メートル,長さ1メートル
      のものを1ダブルメーターとされている。
    (b) 関係人3社(以下「3社」という。)の塩ビ床シート汎用品の販売量の合計
      は,我が国における塩ビ床シート汎用品の総販売量の大部分を占めている。
    (c)i 3社は,塩ビ床シート汎用品を直接又は取引先卸売業者を通じて内装工事
       業者に販売している。
      ii 3社は,塩ビ床シート汎用品を直接又は取引先卸売業者を通じて内装工事
       業者に販売するに当たっては,建値と称する目安となる販売価格を設けてい
       るが,直接又は取引先卸売業者を通じて内装工事業者から塩ビ床シート汎用
       品についての引合いがあった場合には,下代と称する販売価格を内装工事業
       者又は取引先卸売業者に対し提示して販売しており,下代は,建値からある
       程度値引きした価格に設定されることが多い。
        なお,取引先卸売業者を通じて販売する場合には,当該取引先卸売業者が
       自らの口銭を下代に上乗せして販売している。
    (d) インテリアフロア工業会は,塩化ビニル系床材に関する調査,研究,啓発及
       び普及を目的として設置され,3社を含む塩ビ床シートの製造販売業者を構
       成員とする事業者団体であるところ,3社の国内営業責任者は,いずれも,
       平成16年4月以降,同工業会の事業運営委員会の正副委員長に就いている。
   b(a) 塩ビ床シート汎用品を含めた塩ビ床シートの需要は平成15年以降減少傾向に
      あり,塩ビ床シート汎用品を含めた塩ビ床シートに係る価格の競争は激しく,
      陥没価格と称される著しく低い価格設定もなされる状況にあった。また,原油
      価格の上昇に伴って, 平成16年1月ころから同年10月ころにかけて, 塩ビ床
      シート汎用品を含めた塩ビ床シートの主原料である塩化ビニル樹脂等の価格も
      継続的に常勝していたことから,3社の国内営業責任者は,同年10月ころ,イ
      ンテリアフロア工業会の事業運営委員会に係る会合の休憩時に,塩ビ床シート
      汎用品を含めた塩ビ床シートの市況に関する情報交換を行い,その下代の引上
      げを図るための対応策を協議する必要があるとの認識で一致した。
    (b) 3社は,平成16年11月上旬ころ,東京都港区芝大門所在の喫茶店で開催した
      3社の国内営業責任者による会合において,塩ビ床シート汎用品の下代の引上
      げを図るために,同年12月21日以降に新規に引合いがあった場合には,1ダブ
      ルメーター当たりの下代について最低販売価格(消費税相当額を除く。以下同
      じ。)を
      i 2.0ミリメートル厚の塩ビ床シート汎用品につき1,300円と設定すること
      ii 2.5ミリメートル厚の塩ビ床シート汎用品につき1,400円と設定すること
      を合意するとともに,全国各地の営業責任者に該当合意内容を伝達し,3社の
      各地区の営業責任者間で,それぞれ,会合を開催して当該合意内容の伝達状況
      につき相互に確認することとした。
       その際に,3社は,沖縄県の区域において販売される塩ビ床シート汎用品に
      ついては,販売価格の水準が他の地域と異なることを理由として,前記i及び
      iiの最低販売価格を設定しないこととした。
    (c) 3社は,平成17年1月末ころに,前記b(b)記載の喫茶店で開催した3社の国
      内営業責任者による会合において,塩ビ床シート汎用品の下代を更に引き上げ
      るために,前記b(b)の合意に係る最低販売価格を協議したところ
      i 同年4月1日((株)タジマにあっては,同月21日)以降に新規に引合いが
       あった場合には,1ダブルメーター当たりの下代について最低販売価格を
      (i) 2.0ミリメートル厚の塩ビ床シート汎用品につき50円引き上げて1,350円
        と設定すること
      (ii) 2.5ミリメートル厚の塩ビ床シート汎用品につき50円引き上げて1,450円
        と設定すること
      ii 同年3月末日((株)タジマにあっては,同年4月20日)以前に引合いがあり
       既に下代を提示している塩ビ床シート汎用品については,同年9月末日まで
       に出荷するものにあっては当該下代を下回らない価格を維持して販売すると
       ともに,同年10月1日以降に出荷するものにあっては当該下代を撤回して,
       前記iの最低販売価格異常の価格を掲示して販売すること
      を合意するとともに,全国各地区の営業責任者に当該行為内容を伝達し,3社
      の各地区の営業責任者間で,それぞれ,会合を開催して当該合意内容の伝達状
      況につき相互に確認することとした。
       その際に,3社は,沖縄県の区域において販売される塩ビ床シート汎用品に
      ついては,引き続き,前記iの最低販売価格を設定しないこととした。
   c  3社は前記 b(b)及び (c)の合意に基づき,3社の全国各地の営業責任者に当
     該合意内容についての社内指示等を行い,前記b(b)の合意については平成16年12
     月,また,前記b(c)の合意については平成17年3月までに,地区ごとに営業責任
     者が出席する3社の会合を開催するなどにより,相互に当該合意内容が伝達され
     ていることを確認し合った。また,当該合意内容に基づく下代を直接又は取引先
     卸売業者を通じて内装工事業者に提示すること等により,塩ビ床シート汎用品の
     販売価格をおおむね引き上げていた。
   d  平成17年9月6日,本件について,公正取引委員会が独占禁止法の規定に基づ
     き審査を開始したところ,3社は,前記bの各合意に基づく行為を取りやめている
     ことから,前記bの各合意は事実上消滅しているものと認められる。
  (イ) 2.8厚複合塩ビ床シート関係(平成18年(措)第6号)
   a(a) 内装工事に用いられる塩化ビニル樹脂を主原料とした床材用のシートである
      塩化ビニル床シート(以下「塩ビ床シート」という。)のうち,発泡層のある
      2.8ミリメートル厚のもの(以下「2.8ミリ厚複合塩ビ床シート」という。)は,
      転倒による怪我を防止するために発泡層によりクッション性を持たせて作られ
      ているため,主に,福祉施設の居室,病院の機能回復室等の床材として使用さ
      れている。
       なお,塩ビ床シートに係る長さの単位は,幅1.82メートル,長さ1メートル
      のものを1ダブルメーターとされている。
    (b) 関係人3社( 以下「3社」という。)の2.8ミリ厚複合塩ビ床シートの販売量
      の合計は,我が国における 2.8ミリ厚複合塩ビ床シートの総販売量の大部分を
      占めている。
    (c)i 3社は, 2.8ミリ厚福後塩ビ床シートを直接又は取引先卸売業者を通じて
       内装工事業者に販売している。
      ii 3社は, 2.8ミリ厚複合塩ビ床シートを直接又は取引先卸売業者を通じて
       内装工事業者に販売するに当たっては,建値と称する目安となる販売価格を
       設けているが, 直接又は取引先卸売業者を通じて内装工事業者から2.8ミリ
       厚複合塩ビ床シートについての引合いがあった場合には,下代と称する販売
       価格を内装工事業者又は取引先卸売業者に掲示して販売しており,下代は,
       建値からある程度値引きした価格に設定されることが多い。
        なお,取引先卸売業者を通じて販売する場合には,当該取引先卸売業者が
       自らの口銭を下代に上乗せして販売している
    (d) インテリアフロア工業会は,塩化ビニル系床材に関する調査,研究,啓発及
      び普及を目的として設立され,3社を含む塩ビ床シートの製造販売業者を構成
      員とする事業者団体であるところ,3社の国内営業責任者は,いずれも,平成
      16年4月以降,同工業会の事業運営委員会の正副委員長に就いている。
   b(a) 2.8ミリ厚複合塩ビ床シートを含めた 塩ビ床シートの需要は平成15年以降減
      少傾向にあり, 2.8ミリ厚複合塩ビ床シートを含めた塩ビ床シートに係る価格
      の競争は激しく, 陥没価格と称される著しく低い価格設定もなされる状況に
      あった。また,原油価格の上昇に伴って,平成16年1月ころから同年10月ころ
      にかけて 2.8ミリ厚複合塩ビ床シートを含めた塩ビ床シートの主原料である塩
      化ビニル樹脂等の価格も継続的に上昇していたことから,3社の国内営業責任
      者は,同年10月ころ,インテリアフロア工業会の事業運営委員会に係る会合の
      休憩時に, 2.8ミリ厚複合塩ビ床シートを含めた塩ビ床シートの市況に関する
      情報交換を行い,その下代の引上げを図るための対応策を協議する必要がある
      との認識で一致した。
    (b) 3社は,平成16年11月ころ 2.8ミリ厚複合塩ビ床シートの下代の引上げを図
      るための対応策を協議していたところ,平成17年1月末ころ,東京都港区芝大
      門所在の喫茶店で開催した3社の国内営業責任者による会合において, 2.8ミ
      リ厚複合塩ビ床シートの下代を引き上げるために
      i 平成17年4月1日((株)タジマにあっては,同月21日)以降2.8ミリ厚複合
       塩ビ床シートについて新規に引合いがあった場合には,1ダブルメーター当
       たりの下代について最低販売価格(消費税相当額を除く。以下同じ。)を2,200
       円と設定すること
      ii 平成17年3月末日((株)タジマにあっては,同年4月20日)以前に引合いが
       あり既に下代を提示している 2.8ミリ厚複合塩ビ床シートについては,同年
       9月末日までに出荷するものにあっては当該下代を下回らない価格を維持し
       て販売するとともに,同年10月1日以降に出荷するものにあっては当該下代
       を撤回して,前記iの最低販売価格以上の価格を提示して販売すること
      を合意するとともに,全国各地区の営業責任者に当該合意内容を伝達し,3社
      の各地区の営業責任者間で,それぞれ,会合を開催して当該合意内容の伝達状
      況につき相互に確認することとした。
       その際に,3社は, 沖縄県の区域において販売される2.8ミリ厚複合塩ビ床
      シートについては,販売価格の水準が他の区域と異なることを理由として,前
      期iの最低販売価格を設定しないこととした。
   c  3社は,前記b(b)の合意に基づき,3社の全国各地区の営業責任者に当該合意
     内容についての社内指示等を行い,平成17年3月までに,地区ごとに営業責任者
     が出席する3社の会合を開催するなどにより,相互に当該合意内容が伝達されて
     いることを確認し合った。また,当該合意内容に基づく下代を直接又は取引先卸
     売業者を通じて内装工事業者に提示すること等により,2.8ミリ厚複合塩ビ床シー
     トの販売価格をおおむね引き上げていた。
   d  平成17年9月6日,本件について,公正取引委員会が独占禁止法の規定に基づ
     き審査を開始したところ,3社は,前記bの合意に基づく行為を取りやめている
     ことから,前記bの合意は事実上消滅しているものと認められる。
  (ウ) タイルカーペット汎用品関係(平成18年(措)第7号)
   a(a) 内装工事に用いられるナイロン系,塩化ビニル樹脂,可塑剤等を原材料とす
      る床材であるタイルカーペット(以下「タイルカーペット」という。)のうち,
      50センチメートル角の基布にナイロン糸の束をループ状に縫い付けた 6.5ミリ
      メートル厚のもの及びこれと同質のタイルカーペットの裏面にあらかじめ糊を
      塗布したもの(以下「汎用タイルカーペット」という。)は,病院,店舗の床
      材として使用されているほか,情報関連機器の配線を床下に集約した二重床を
      使用するオフィスビル等の床材として使用されている。
    (b) 間経人4社(以下「4社」という。)の汎用タイルカーペットの販売量の合
     計は,我が国における汎用タイルカーペットの販売量の大部分を占めている。
    (c)i 4社は,汎用タイルカーペットを直接又は取引先卸売業者を通じて内装工
       事業者に販売している。
      ii 4社は,汎用タイルカーペットを直接又は取引先卸売業者を通じて内装工
       事業者に販売するに当たっては,建値と称する目安となる販売価格を設けて
       いるが,直接又は取引先卸売業者を通じて内装工事業者から汎用タイルカー
       ペットについての引合いがあった場合には,下代と称する販売価格を内装工
       事業者又は取引先卸売業者に対し提示して販売しており,下代は,建値から
       ある程度値引きした価格に設定されることが多い。
        なお,取引先卸売業者を通じて販売する場合には,当該取引先卸売業者が
       自らの口銭を下代に上乗せして販売している。
   b(a) 汎用タイルカーペットの需要は,平成15年まではオフィスビル向けに拡大し
      ていたものの,その後,減少し,陥没価格と称される著しく低い価格設定もな
      される状況にあった。また,原油価格の上昇に伴って,平成16年1月ころから
      同年10月ころにかけて,汎用タイルカーペットの原材料であるナイロン糸,塩
      化ビニル樹脂,可塑剤等の価格も継続的に上昇していたことから,4社の国内営
      業責任者は,同年2月ころ以降,おおむね2か月から3か月ごとに,4社の国
      内営業責任者及び首都圏地区担当の営業責任者が出席する会合(以下「4社会」
      という。)を開催し,汎用タイルカーペットの原材料の価格動向,同製品の市
      況改善策等について情報交換を行うとともに,同年9月ころまでに開催された
      4社会において,相互に低価格販売を取りやめることで陥没価格の是正を図り,
      汎用タイルカーペットの下代を引き上げる必要があるとの認識で一致した。
    (b) 4社は,平成16年11月15日に東京都千代田区所在の料理店において開催した
      4社会における意見交換,同年12月13日に内装工事業者の団体が東京都千代田
      区所在のホテルで開催した会議の懇談会における意見交換並びに同日以降平成
      17年1月上旬ころまでの間に東リ(株)の国内営業責任者が(株)タジマ,(株)ス
      ミノエ及び三菱レイヨン・カーペット (株)の3社の国内営業責任者それぞれに
      対して行った連絡を通じて
      i 同年4月1日((株)タジマにあっては,同月21日)以降に汎用タイルカー
       ペットについて新規に引合いがあった場合には,1枚当たりの下代について
       最低販販売価格(消費税相当額を除き,かつ,汎用タイルカーペットのうち,
       裏面にに糊を塗布したものについては,糊の塗布に要する原価相当額を差し
       引いた価格。以下同じ。)を
       (i) 取引先卸売業者を通じて販売する場合には 260円と設定すること及び
          直接内装工事業者に販売する場合には270円と設定すること
       (ii) 愛知県,三重県及び岐阜県の区域においては,前記(i)の最低販売価
         格からそれぞれ5円ずつ差し引いて設定すること
      ii 平成17年3月末日((株)タジマにあっては,同年4月20日)以前に引合いが
       あり既に下代を提示している汎用タイルカーペットについては, 同年8月末
       日までに出荷するものにあっては当該下代を下回らない価格を維持して販売
       するとともに,同年9月1日以降に出荷するものにあっては,当該下代を撤
       回して,前記iの最低販売価格以上の価格を提示して販売すること
      を合意するとともに,全国角地区の営業責任者に当該合意内容を伝達し,4社
      の各地区の営業責任者間で,それぞれ,会合を開催して当該合意内容の伝達状
      況につき相互に確認することとした。
   c  4社は,前記b(b)の合意に基づき,4社の全国角地区の営業責任者に当該合意
     内容についての社内指示等を行い,平成17年3月までに,地区ごとに営業責任者
     が出席する4社の会合を開催するなどにより,相互に当該合意内容が伝達されて
     いることを確認し合った。また,当該合意内容に基づく下代を直接又は取引先卸
     売業者を通じて内装工事業者に提示すること等により,汎用タイルカーペットの
     販売価格をおおむね引き上げていた。
   d  平成17年9月6日,本件について,公正取引委員会が独占禁止法の規定に基づ
     き審査を開始したところ,4社は,前記bの合意に基づく行為を取りやめている
     ことから,前記bの合意は事実上消滅しているものと認められる。
  ウ 排除措置
  (ア)  塩ビ床シート汎用品関係(平成18年(措)第5号)
     3社に対し,次の措置を採るよう命じた。
   a  平成16年11月上旬ころ及び平成17年1月末ころに3社が共同して最低販売価格
     を設定し,同価格を引き上げ,及び既に引合いがあって提示した価格を維持する
     旨の各合意が,事実上消滅している旨を確認することを取締役会において決議す
     ること。
   b  それぞれ,次の事項を,3社のうち自社を除く2社に通知するとともに,本件
     対象区域における取引先卸売業者及び内装工事業者に周知し,かつ,自社の従業
     員に周知徹底すること。
    (a) 前記aに基いて採った措置
    (b) 今後,相互の間において,又は他の事業者と共同して,本件対象区域におけ
      る塩ビ床シート汎用品の販売価格を決定せず,各社がそれぞれ自主的に決める
      旨
   c  今後,それぞれ,相互の間において,または他の事業者と共同して,塩ビ床シー
     ト汎用品の販売価格を決定しないこと。
   d  今後,それぞれ,相互に,又は他の事業者と,塩ビ床シート汎用品の販売価格
     の改定についての情報交換を行わないこと。
   e  今後,それぞれ,販売価格に関する社内の意思決定に関与する国内営業責任者
     を塩ビ床シート汎用品に関する事業者団体の運営に関与させないこと。
   f  今後,それぞれ,前記cからeまでの行為をすることがないよう,次の(a)及び
     (b)の事項を行うために必要な措置を講じること。
    (a) 独占禁止法の遵守に関する行動指針の作成又は決定
    (b) 国内営業担当者に対する独占禁止法に関する定期的な研修及び法務担当者に
      よる定期的な監査
  (イ) 2.8ミリ厚複合塩ビ床シート関係(平成18年(措)第6号)
   a  平成17年1月末ころ3社が共同して最低販売価格を設定し,及び既に引合いが
     あって提示した価格を維持する旨の各合意が,事実上消滅している旨を確認する
     ことを取締役会において決議すること。
   b  それぞれ,次の事項を,3社のうち自社を除く2社に通知するとともに,本件
     対象区域における取引先卸売業者及び内装工事業者に周知し,かつ,自社の従業
     員に周知徹底すること。
    (a) 前記aに基づいて採った措置
    (b) 今後,相互の間において,又は他の事業者と共同して,本件対象区域におけ
      る 2.8ミリ厚複合塩ビ床シートの販売価格を決定せず,各社がそれぞれ自主的
      に決める旨
   c  今後,それぞれ,相互の間において,又は他の事業者と共同して, 2.8ミリ厚
     複合塩ビ床シートの販売価格を決定しないこと。
   d  今後,それぞれ,相互に,又は他の事業者と, 2.8ミリ厚複合塩ビ床シートの
     販売価格の改定についての情報交換を行わないこと。
   e  今後,それぞれ,販売価格に関する社内の意思決定に関与する国内営業責任者
      を2.8ミリ厚複合塩ビ床シートに関する事業者団体の運営に関与させないこと。
   f  今後,それぞれ,前記cからeまでの行為をすることがないよう,次の(a)及び
     (b)の事項を行うために必要な措置を講じること。
    (a) 独占禁止法の遵守に関する行動指針の作成又は改定
    (b) 国内営業担当者に対する独占禁止法に関する定期的な研修及び法務担当者に
     よる定期的な監査
  (ウ) タイルカーペット汎用品関係(平成18年(措)第7号)
      4社に対し,次の措置を採るように命じた。
   a  遅くとも平成17年1月上旬ころまでに4社が共同して最低販売価格を設定し,
     及び既に引合いがあって提示した価格を維持する旨の各合意が,事実上消滅して
     いる旨を確認することを取締役会において決議すること。
   b  それぞれ,次の事項を,4社のうち自社を除く3社に通知するとともに,取引
     先卸売業者及び内装工事業者に周知し,かつ,自社の従業員に周知徹底すること。
    (a) 今後,前記aに基づいて採った措置
    (b) 今後,相互の間において,又は他の事業者と共同して,汎用タイルカーペッ
      トの販売価格を決定せず,各社がそれぞれ自主的に決める旨
   c  今後,それぞれ,相互の間において,又は他の事業者と共同して,汎用タイル
     カーペットの販売価格を決定しないこと。
   d  今後,それぞれ,相互に,又は他の事業者と,汎用タイルカーペットの販売価
     格の改定についての情報交換を行わないこと。
   e  今後,それぞれ,前記c及びdの行為をすることがないよう,次の(a)及び(b)の
     事項を行うために必要な措置を講じること。
    (a) 独占禁止法の遵守に関する行動指針の作成又は改定
     (b) 国内営業担当者に対する独占禁止法に関する定期的な研修及び法務担当者に
      よる定期的な監査

 (2) (株)荏原製作所ほか3社に対する件(平成18年(納)第386号ないし第389号)
    

  ア 関 係 人
    


  イ 違反事実等
  (ア)a 第5表記載の7社は,それぞれ,建設業法の規定に基づき国土交通大臣から建
     設業の許可を受け,トンネル換気設備工事業を営む者である。ただし,(株)日立製
     作所は,平成18年4月3日付けで,東京都千代田区内神田一丁目1番14号に本店
     をおく(株)日立プラントテクノロジーに対し,会社分割により,トンネル換気設備
     工事業を承継させており,以後,トンネル換気設備工事業を営んでいない。
    b 首都高速道路公団は,平成16年6月24日以降,順次,第6表記載の工事(以下
     「新宿線換気設備工事」という。)を一般競争入札の方法により発注した。
      首都高速道路公団は,一般競争入札に当たっては,公告により所定の条件を付
     して入札の参加希望者を募り,当該条件を満たす入札の参加希望者すべてを当該
     入札の参加者としていた。
      なお,新宿線換気設備工事の発注金額の合計は,平成16年度において我が国で
     発注されたトンネル換気設備工事の発注金額の合計の大部分を占めていた。
    c 首都高速道路公団は,平成17年10月1日付けで高速道路株式会社法(平成16年
     法律第99号) 及び日本道路公団等民営化関係法施工法(平成16年法律第102号)
     に基づき設立された首都高速道路(株)にその事業を承継させ,同日付けで解散し
     た。
  (イ) 第5表記載の7社は,新宿線換気設備工事について,受注価格の低落防止を図る
    ため,平成16年4月12日ころ及び同年6月9日ころに東京都港区所在の川崎重工業
    (株)東京本社 の会議室において,新宿線換気設備工事の営業を担当する者( 以下
   「営業担当者」という。)による会合を開催するなどして
    a 各社の受注希望,首都高速道路公団が過去に発注したトンネル換気設備工事に
     係る各社の受注実績等を考慮した上で,新宿線換気設備工事のうち,「中落合,要
     町換気所トンネル換気設備工事」につき(株)荏原製作所を,「西新宿,本町換気所
     トンネル換気設備工事」につき(株)日立製作所を,「東中野,上落合換気所トンネ
     ル換気設備工事」につき石川島播磨重工業(株)を,「神山町,代々木換気所トンネ
     ル換気設備工事」につき三菱重工業(株)を,及び「大橋換気所トンネル換気設備
     工事」につき川崎重工業(株)を,それぞれ,受注すべき者(以下「受注予定者」
     という。)とする。
    b 受注すべき価格は,前記各工事の受注予定者が定め,受注予定者以外の者は,
     受注予定者がその定めた価格で受注できるように協力する
     旨を合意した。
      なお,(株)日立製作所は,前記平成16年4月12日ころ及び同年6月9日ころ開
     催の会合には出席しなかったが,(株)荏原製作所の営業担当者が,(株)日立製作所
     の営業担当者に面会して,新宿線換気設備工事の受注希望等に関する(株)日立製
     作所の意向を事前に確認した上で当該会合に出席し,(株)日立製作所に代わって
     当該意向を述べ,また,当該会合の結果については,その後,(株)日立製作所の
     当該営業担当者に伝えていた。
  (ウ) (イ)aの受注予定者は,(イ)により,新宿線換気設備工事に係る各工事を受注した。

    

    
  
  首都高速道路団が,首都高速道路中央環状新宿線の建設に伴って一般競争入札方法
    により5工事に分割して発注する次に掲げるトンネル換気設備工事

    


 (3) アタカ大機(株)ほか3社に対する件(平成19年(措)第1号)
    

  ア 関 係 人
    


  イ 違反事実等
  (ア)a(a) 関係人4社(以下「4社」という。 )は,それぞれ,建設業法の規定に基づ
      き国土交通大臣の許可を受け,くみ取りし尿浄化槽汚泥等を処理するし尿処理
      施設の新設工事及び既存のし尿処理施設を取り壊して建て直す更新工事(以下
      下「し尿処理施設建設工事」という。)に係る事業を営む者である。
       4社のうちアタカ大機(株)は,平成18年10月1日付けで,商号をアタカ工業
      (株)から現商号に変更したものである。
     (b) 関係人以外の第7表記載の7社(以下「7社」という。)は,それぞれ,建
      設業法の規定に基づき国土交通大臣の許可を受け,し尿処理施設建設工事に係
      る事業を営んでいた者であるが,第7表の「期日」欄記載の年月日以降,同事
      業を取りやめている。
    b 全国の市町村並びに複数の市町村で構成される一部事務組合及び広域連合(以
     下「市町村等」という。)は,し尿処理施設建設工事を競争入札の方法により発
     注していた。
       また,市町村等は,競争入札によりし尿処理施設建設工事を発注するに当たり,
     共同企業体を結成することを入札参加の条件とすることがあった。
    c 市町村等は,し尿処理施設建設工事の予定価格を設定する際の参考とするため,
      し尿処理施設建設工事に係る事業を営む者から,見積金額を徴収していた。
      また,市町村等は,し尿処理施設建設工事を発注するに当たり,自ら当該工事
     の発注仕様書を作成し,又はその作成業務を建設コンサルタント業者に請け負わ
     せていた。
  (イ)a 4社及び7社の11社( 以下「11社」という。)は,市町村等から,全国の市町
     村並びに複数の市町村で構成される一部事務組合及び広域連合において競争入札
     の方法により発注するし尿処理施設建設工事(以下「市町村等のし尿処理施設建
     設工事」という。)について,市町村等が予定価格を設定するために参考とする
     見積金額の提出を求められた場合,当該予定価格が高くなるよう,各社の見積金
      額を調整した上で市町村等へ提出していた。
    b 11社のうち市町村等のし尿処理施設建設工事の受注を希望する者(共同企業体
     である場合にはその代表者をいう。以下「受注希望者」という。 )は,当該工
      事を受注すべき者又は共同企業体(以下「受注予定者」という。)となるため,
     市町村等又は市町村等から 当該工事の発注仕様書作成業務を請け負った建設コ
     ンサルタント業者に対し, 当該発注仕様書作成の協力及び技術提案を行ってい
     た。
    c 11社のうち(株)タクマを除く10社は,平成16年8月10日から同年12月6日まで
      の間において,また,11社は,平成16年12月7日から平成17年8月2日までの間
      において,市町村等のし尿処理施設建設工事について,受注価格の低落防止を図
     るため
     (a) 受注希望者は,当該工事の入札参加業者に対して当該工事の受注希望者であ
      る旨を表明し,当該工事の発注仕様書の作成に対する関与の度合い等を勘案し
      て受注希望者間の話合いにより受注予定者を決定する
     (b) 受注すべき価格は,受注予定者が定め,受注予定者以外の者は,受注予定者
       がその定めた価格で受注できるように協力する
       旨の合意の下に,受注予定者を決定し, 受注予定者が受注できるようにして
      いた。
  (ウ) 前記(イ)の受注予定者は,前記(イ)により,市町村等のし尿処理施設建設工事の
    大部分を占める第8表記載の工事を受注していた。
  (エ) 平成17年8月2日,本件について,公正取引委員会が独占禁止法の規定に基づき
    審査を開始したところ,11社は,前記(イ)cの合意に基づき受注予定者を決定し,
    受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめている。
  ウ 排除措置
    4社に対し,次の措置を採るよう命じた。
  (ア) 市町村等のし尿処理施設建設工事について,平成16年8月10日以降((株)タクマに
     あっては,平成16年12月7日以降)行っていた,受注予定者を決定し,受注予定者
     が受注できるようにする行為を取りやめている旨を確認することを 取締役会にお
     いて決議すること。
  (イ) それぞれ,次の事項を,自社を除く3社並びにくみ取りし尿,浄化槽汚泥等を処
    理するし尿処理施設を利用する全国の市町村並びに同施設を利用する複数の市町村
    で構成される一部事務組合及び広域連合に通知し,かつ,自社の従業員に周知徹底す
    ること。
    a (ア)に基づいて採った措置
    b 今後,共同して,市町村等のし尿処理施設建設工事について,受注予定者を決
     足せず,各社がそれぞれ自主的に受注活動を行う旨
  (ウ) 今後,それぞれ,相互の間において,又は他の事業者と共同して,市町村等のし
    尿処理施設建設工事について,受注予定者を決定しないこと。
  (エ) 今後,市町村等のし尿処理施設建設工事に係る予定価格の設定のために参考とさ
    れる見積金額を提出するに当たり,それぞれ,相互に又は他の事業者と見積金額を
    調整する行為を行わないこと。
  (オ) 今後,それぞれ,次の事項を行うために必要な措置を講じること。この措置の内
    容については,前記(ウ)及び(エ)の行為をすることのないようにするために十分とす
    ること。
    a 官公需の受注に関する独占禁止法の遵守についての行動指針の作成又は改定
    b 市町村等のし尿処理施設建設工事の営業担当者に対する官公需の受注に関する
     独占禁止法についての定期的な研修及び法務担当者による定期的な監査

    
  
(注)  番号4の三菱重工業株式会社は,平成18年1月1日,し尿処理施設建設工事に係る事業を全額出資
       する三菱重工環境エンジニアリング株式会社へ譲渡し,平成18年6月30日,当該営業譲受事業者は当
       該事業を取りやめている。


    

    


 (4) 石川島播磨重工業(株)ほか9社に対する件(平成19年(措)第2号),(株)栗本鐵工所
     ほか14社に対する件(平成19年(措)第3号),石川島播磨重工業(株)ほか8社に対
     する件(平成19年(措)第4号)及び(株)栗本鐵工所ほか7社に対する件(平成19年
     (措)第5号)

    


  ア 関 係 人
    

    (注)  番号1,2,3,4,6,8,13及び14の事業者は,平成17年11月18日付け審決(平成17年(勧)第12号及
       び平成17年(勧)第13号)において,独占禁止法の遵守に関する行動指針の作成又は改定等を行うため
       に必要な措置を講じるよう命じられている。


  イ 違反事実等
  (ア) 石川島播磨重工業(株)ほか9社に対する件(平成19年(措)第2号)
   a(a) 関係人10社(以下「10社」という。)は,それぞれ,建設業法の規定に基づ
      き国土交通大臣から建設業の許可を受け, 国土交通省組織令第206条第1項に
      規定する地方整備局(平成13年1月5日以前は建設省組織令第79条第1項に規
       定する地方建設局をいう。以下「各地方整備局」という。)の管内においてダ
      ム用水門設備工事業を営む者である。ただし,日立造船(株)は,同社が全額出資
      している第9表記載の事業者に対し,「期日」欄記載の年月日に,ダム用水門
      設備工事業を譲渡し,以後,同工事業を営んでいない。
     (b) 10社以外の第10表記載の事業者は,建設業法の規定に基づき国土交通大臣か
      ら建設業の許可を受け,各地方整備局の管内においてダム用水門設備工事業を
      営む者である。
     (c) 10社以外の第11表記載の事業者は,それぞれ,建設業法の規定に基づき国土
       交通大臣から建設業の許可を受け,各地方整備局の管内においてダム用水門設
       備工事業を営んでいた者であるが,「期日」欄記載の年月日に,同工事業を取
       りやめている。
       このうち,第12表記載の事業者は,「期日」欄記載の年月日に,「備考」欄記
      載のとおり,商号変更をしたものである。
    (d) 国土交通省は,各地方整備局において,ダム用水門設備工事を一般競争入札,
      公募型指名競争入札又は詳細条件審査型一般競争入札(以下「一般競争入札等」
      という。)の方法により発注していた。
       このうち,一般競争入札に当たっては,公告により所定の条件を付して入札
      の参加希望者を募り,当該条件を満たす入札の参加希望者のすべてを当該入札
      の参加者としていた。
       公募型指名競争入札に当たっては,掲示により各地方整備局がそれぞれ競争
      入札参加の資格要件を満たす者として名簿に登載している者(以下「有資格者」
      という。)の中から一定の範囲の者に技術資料の提出を求め,提出された技術
      資料を審査した上で,審査条件を満たす10社程度を当該入札の参加者として指
      名していた。
       詳細条件審査型一般競争入札に当たっては,掲示により有資格者の中から一
      定の範囲の者に技術資料の提出を求め,提出された技術資料を審査した上で,
      審査条件を満たす者のすべてを当該入札の参加者として指名していた。
       なお,国土交通省は,各地方整備局において,一般競争入札の方法により発
      注するダム用水門設備工事のうち,工事費がおおむね50億円以上のもの又は工
      事費がおおむね25億円超であって技術力等を特に集結する必要があると認めら
      れるものについては,有資格者を構成員とする共同企業体を結成させて入札の
      参加者とすることがあった。
       また,国土交通省は,各地方整備局において,一般競争入札等の方法により
      発注するダム用水門設備工事の一部について,事業者に価格以外の施工方法等
      の提案を伴う入札参加の申込みをさせ,入札価格が予定価格の制限の範囲内で
      あるなどの一定の要件を満たした入札の参加者のうち,評価値(施工方法等の
      提案内容に係る評価内容を点数化し,当該入札の参加者の入札価格で除した数
      値をいう。)の最も高い者をもって落札者とする総合評価落札方式を採用して
      いた。
     (e) 国土交通省が各地方整備局において一般競争入札等の方法により発注するダ
      ム用水門設備工事については,当該設備が受ける水圧が高いため,製作及び据
      付けのためには高度な技術力を必要とする工事が多く,当該技術力を有するの
      は,事実上,10社並びに第10表及び第11表記載の事業者の14社(以下「14社」
      という。)に限られており,当該工事の入札参加者は14社がそのほとんどを占め
      ていた。
   b(a) 14社は,かねてから,第13表(1)記載の工事(以下「各地整発注の特定ダム用
      水門設備工事」という。)等の受注に関する調整を行ってきたところ,当該調
      整に参加している事業者の中に,当該調整を円滑に行うことを目的として,「世
      話役」等と称する者(以下「世話役」という。)を置いており,世話役には,
       3社(石川島播磨重工業(株),三菱重工業(株)及び日立造船(株)をいう。以下同
       じ。)のいずれか1社が順番に2年ずつ交代して就いていた。
     (b) 平成13年8月1日以降入札が行われた各地整発注の特定ダム用水門設備工事
      については,次のi及びii記載のとおり,落札を予定する者又は共同企業体(以
      下「落札予定者」という。)についての承認又は意向を受け,当該落札予定者
      に連絡をしていた。
      i 前記設備工事のうち,既設のダムに新規に水門設備を製作し据え付けるも
       の(以下「再開発工事」という。)を除く新設工事については,当該工事の
        発注前に,3社が,各社の過去の受注実績等を勘案して,当該工事の落札予
       定者を選定し,世話役が,旧建設省において国土地理院院長の職等にあって
       既に退職していた特定の者又は旧建設省において技監の職等にあって既に退
       職していた特定の者から,当該落札予定者についての承認を得て,当該落札
       予定者に当該工事の落札予定者である旨を連絡していた。
      ii 前記設備工事のうち,既設の水門設備の更新工事,改造工事,修繕工事及
       び取替工事(以下「更新工事等」という。)で,当該工事に係る既設の水門
        設備を施工した者(以下「既設業者」という。)が入札参加者となっていな
       いもの並びに再開発工事については,世話役が,国土交通省総合政策局建設
       施工企画課に在籍の特定の職員から,平成13年5月7日ころ以降は直接に,
       平成15年4月9日ころ以降及び同職員が退職した後の平成16年4月1日ころ
       以降は旧建設省において東北地方建設局道路部機械課等に在職し既に退職し
       ていた特定の者を通じて,当該工事の発注前に,当該工事の落札予定者につ
       いての意向を受け,当該落札予定者に当該工事の落札予定者である旨を連絡
       していた。
    c  14社は,遅くとも平成13年8月1日以降,各地整発注の特定ダム用水門設備工
      事について,受注価格の低落防止を図るため
     (a) 新設工事(再開発工事を含む。),及び更新工事等のうち既設業者が入札参
       加者となっていない工事については,世話役から当該工事の落札予定者である
      旨の連絡を受けた者又は共同企業体を,受注すべき者(以下「受注予定者」と
      いう。)とする
     (b) 前記(a)以外の更新工事等については,既設業者を,受注予定者とする
     (c) 受注すべき価格は,受注予定者(受注予定者が共同企業体である場合にあっ
      てはその代表者)が定め,受注予定者以外の者は,受注予定者がその定めた価格
      で受注できるよう協力する
      旨の合意の下に,受注予定者を決定し,総合評価落札方式による入札にあっては
      施工方法等の提案内容について入札参加を予定する者の間で調整して,受注予
      定者が受注できるようにしていた。
    d  14社は,前記cにより,各地整発注の特定ダム用水門設備工事のほとんどすべ
      てを受注していた。
    e  平成17年5月23日,公正取引委員会が鋼橋上部工事業者を刑事告発し,第14
      表記載の事業者が当該告発における被告発会社となったこと等から,同年6月
      1日,平成17年度において世話役であった石川島播磨重工業(株)並びに平成15
      年度及び平成16年度において世話役であった日立造船(株)は,前記cの合意に
      基づき受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為を取りや
      めることを確認し,以後,世話役が,14社のうち,第11表のうちダム用水門設
      備工事業を取りやめていた(株)酒井鉄工所及び(株)田原製作所を除く12社に対
      し落札予定者である旨を連絡することを取りやめたことにより,当該12社は,
      事実上当該行為を継続することができなくなり,同日以降,当該行為を取りや
      めている。
  (イ) (株)栗本鐵工所ほか14社に対する件(平成19年(措)第3号)
    a(a) 関係人15社(以下「15社」という。)は,それぞれ,建設業法の規定に基づ
      き国土交通大臣から建設業の許可を受け,国土交通省組織令第206条第1項に規
      定する地方整備局(平成13年1月5日以前は建設省組織令第79条第1項に規定
      する地方建設局をいう。 以下「各地方整備局」という。)の管内において河川
      用水門設備工事業を営む者である。ただし,日立造船(株)は,同社が全額出資
      している第9表記載の事業者に対し,「期日」欄記載の年月日に,河川用水門
      設備工事業を譲渡し,以後,同工事業を営んでいない。
     (b) 15社以外の第10表記載の事業者は,建設業法の規定に基づき国土交通大臣か
      ら建設業の許可を受け,各地方整備局の管内において河川用水門設備工事業を
      営む者である。
     (c) 15社以外の第15表記載の事業者は,それぞれ,建設業法の規定に基づき国土
      交通大臣から建設業の許可を受け,各地方整備局の管内において河川用水門設
      備工事業を営んでいた者であるが,「期日」欄記載の年月日に,同工事業を取
      りやめている。
       このうち,第12表記載の事業者は,「期日」欄記載の年月日に,「備考」欄記
      載のとおり,商号変更をしたものである。
     (d) 国土交通省は,各地方整備局において,河川用水門設備工事を一般競争入,
      公募型指名競争入札,詳細条件審査型一般競争入札又は工事希望型指名競争入
      札の方法により発注していた。
       このうち,一般競争入札に当たっては,公告により所定の条件を付して入札
      の参加希望者を募り,当該条件を満たす入札の参加希望者のすべてを当該入札
      の参加者としていた。
       公募型指名競争入札に当たっては,掲示により各地方整備局がそれぞれ競争
      入札参加の資格要件を満たす者として名簿に登載している者(以下「有資格者」
      という。)の中から一定の範囲の者に技術資料の提出を求め,提出された技術
      資料を審査した上で,審査条件を満たす10社程度を当該入札の参加者として指
      名していた。
       詳細条件審査型一般競争入札に当たっては,掲示により有資格者の中から一
      定の範囲の者に技術資料の提出を求め,提出された技術資料を審査した上で,
      審査条件を満たす者のすべてを当該入札の参加者として指名していた。
       工事希望型指名競争入札に当たっては,有資格者の中から技術資料の提出を
      求める者を選択し,その者から提出された技術資料を審査した上で,審査条件
      を満たす10社程度を当該入札の参加者として指名していた。
       また,国土交通省は,各地法整備局において,一般競争入札,公募型指名競
      争入札又は詳細条件審査型一般競争入札の方法により発注する河川用水門設備
      工事の一部について,事業者に価格以外の施工方法等の提案を伴う入札参加の
      申込みをさせ,入札価格が予定価格の制限の範囲内であるなどの一定の要件を
      満たした入札参加者のうち,評価値(施工方法等の提案内容に係る評価内容を
      点数化し,当該入札の参加者の入札価格で除した数値をいう。)の最も高い者
      をもって落札者とする総合評価落札方式を採用していた。
    (e) 国土交通省が各地方整備極において一般競争入札,公募型指名競争入札,詳
      細条件審査型一般競争入札又は工事希望型指名競争入札の方法により発注する
      河川用水門設備工事については,その工事の入札参加の条件として,同種又は
      類似の工事の施工実績,その施工経験を有する技術者の配置等の条件が付せら
      れることが一般的であるところ,当該条件を満たす有資格者のうち,全国的に
      河川用水門設備工事業を行っている15社並びに第10表及び第15表記載の事業者
      の23社(以下「23社」という。)が,当該工事の入札参加者のほとんどを占め
      ていた。
   b(a) 23社は,かねてから,第13表(2)記載の工事(以下「各地整発注の特定河川用
      水門設備工事」という。)等の受注に関する調整を行ってきたところ,当該調
      整に参加している事業者の中に,当該調整を円滑に行うことを目的として,「世
      話役」等と称する者(以下「世話役」という。)を置いており,世話役には,
      石川島播磨重工業(株),三菱重工業(株)及び日立造船(株)のいずれか1社が順
      番に2年ずつ交替して就いた。
    (b) 平成13年7月1日以降入札が行われた各地整発注の特定河川用水門設備工事
      については,次のi及びii記載のとおり,落札を予定する者(以下「落札予定
      者」という。)についての意向を受け,当該落札予定者に連絡をしていた。
      i 前記設備工事のうち,近畿地方整備局以外の地方整備局が発注するもの(既
       設の水門設備の更新工事,改造工事,修繕工事及び取替工事(以下「更新工
       事等」という。)で,当該工事に係る既設の水門設備を施工した者(以下「既
       設業者」という。)が入札参加者となっているものを除く。)については,
       世話役が,国土交通省総合政策局建設施工企画課に在籍の特定の職員から
      (i) 平成13年5月7日ころ以降,東北地方整備局が発注するものについては
        旧建設省において東北地方建設局道路部機械課等に在職し既に退職してい
        た特定の者を通じ,その余の各地法整備局が発注するものについては直接
        に,また,平成15年4月9日ころ以降は同人を通じて
      (ii) 同職員が退職した後の平成16年4月1日ころ以降は前記(i)記載の者を
        通じて,また,平成17年4月1日ころ以降は直接に
       当該工事の発注前に,当該工事の落札予定者についての意向を受け,当該落
       札予定者に当該工事の落札予定者である旨を連絡していた。
      ii 前記設備工事のうち,近畿地方整備極が発注するものについては,世話役
       が,国土交通省近畿地方整備局道路部機械課等に在籍の特定の職員から,遅
       くとも平成13年4月1日以降,当該工事の発注前に,当該工事の落札予定者
       についての意向を受け,当該落札予定者に当該工事の落札予定者である旨を
       連絡していた。
    c  23者は,遅くとも平成13年7月1日以降, 各地整発注の特定河川用水門設備
      工事についてえ,受注価格の低落防止を図るため
    (a) 新設工事,近畿地方整備局以外の各地方整備局が発注する更新工事のうち既
      設業者が入札参加者となっていない工事及び近畿地方整備局が発注する更新工
      等については,世話役から当該工事の落札予定者である旨の連絡を受けた者を,
      受注すべき者(以下「受注予定者」という。)とする
    (b) 前記(a)以外の更新工事等については,既設業者を,受注予定者とする
    (c) 受注すべき価格は,受注予定者が定め,受注予定者以外の者は,受注予定者
      がその定めた価格で受注できるよう協力する
     旨の合意の下に,受注予定者を決定し,総合評価落札方式による入札にあっては
     施工方法等の提案内容について入札参加を予定する者の間で調整して,受注予定
     者が受注できるようにしていた。
    d  23社は,前記cにより,各地整発注の特定河川用水門設備工事のほとんどす
      べてを受注していた。
    e  平成17年5月23日,公正取引委員会が鋼橋上部工事業者を刑事告発し,第16
      表記載の事業者が当該告発における被告発会社となったこと等から,同年6月
      1日,平成17年度において世話役であった石川島播磨重工業(株)並びに平成15
      年度及び平成16年度において世話役であった日立造船(株)は,前期cの合意に
      基づき受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為を取りや
      めることを確認し,以後,世話役が,23社のうち,第15表のうち河川用水門設
      備工事業を取りやめていた丸誠重工業(株),(株)酒井鉄工所,住友重機械工業
      (株)及び(株)田原製作所を除く19社に対し落札予定者である旨を連絡すること
      を取りやめたことにより,当該19社は,事実上当該行為を継続することができ
      なくなり,同日以降,当該行為を取りやめている。
  (ウ) 石川島播磨重工業(株)ほか8社に対する件(平成19年(措)第4号)
   a(a) 関係人9社(以下「9社」という。)は,それぞれ,建設業法の規定に基づ
      き国土交通大臣から建設業の許可を受け,独立行政法人水資源機構(平成15年
      9月30日以前は水資源開発公団をいう。以下「水資源機構」という。)の発注
      に係るダム用水門設備工事業を営む者である。ただし,日立造船(株)は,同社
      が全額出資している第9表記載の事業者に対し,「期日」欄記載の年月日に,
      水資源機構の発注に係るダム用水門設備工事業を譲渡し,以後,同工事業を営
      んでいない。
    (b) 9社以外の第10表記載の事業者は,建設業法の規定に基づき国土交通大臣か
      ら建設業の許可を受け,水資源機構の発注に係るダム用水門設備工事業を営む
      者である。
    (c) 9社以外の第17表記載の事業者は,それぞれ,建設業法の規定に基づき国土
      交通大臣から建設業の許可を受け,水資源機構の発注に係るダム用水門設備工
      事業を営んでいた者であるが,「期日」欄記載の年月日に,同工事業を取りや
      めている。
       このうち,第12表記載の事業者は,「期日」欄記載の年月日に,「備考」欄
      記載のとおり,商号変更をしたものである。
    (d) 水資源機構は,本社財務部(水資源開発公団においては本社経理部をいう。
      以下同じ。 )において,ダム用水門設備工事を一般競争入札,公募型指名競争
      入札又は指名競争入札の方法により発注していた。
       このうち,一般競争入札に当たっては,公告により所定の条件を付して入札
      の参加希望者を募り,当該条件を満たす入札の参加希望者のすべてを当該入札
      の参加者としていた。
       公募型指名競争入札に当たっては,掲示により水資源機構が競争入札参加の
      資格要件を満たす者として名簿に登載している者(以下「有資格者」という。)
      の中から一定の範囲の者に技術資料の提出を求め,提出された技術資料を審査
      した上で,審査条件を満たす10社程度を当該入札の参加者として指名していた。
       指名競争入札に当たっては,有資格者の中から10社程度を当該入札の参加者
      として指名していた。
       なお,水資源機構は,一般競争入札又は公募型指名競争入札の方法により発
      注するダム用水門設備工事のうち,工事費がおおむね20億円以上のものについ
      ては,有資格者を構成員とする共同企業体を結成させて入札の参加者とするこ
      とがあった。
    (e) 水資源機構が本社財務部において一般競争入札,公募型指名競争入札又は指
      名競争入札の方法により発注するダム用水門設備工事については,当該設備が
      受ける水圧が高いため,制作及び据付けのためには高度な技術力を必要とする
      工事が多く,当該技術力を有するのは,事実上,9社並びに第10表及び第17表
      記載の事業者の13社(以下「13社」という。)に限られており,当該工事の入
      札参加者は13社がそのすべてを占めていた。
    (f) 水資源開発公団は,平成15年10月1日付けで独立行政法人通則法及び独立行
      政法人水資源機構法に基づき設立された独立行政法人水資源機構にその事業を
      承継させ,同日付けで解散した。
   b(a) 13社は,かねてから,第13表(3)記載の工事(以下「水資源機構発注の特定ダ
      ム用水門設備工事」という。)等の受注に関する調整を行ってきたところ,当該
      調整に参加している事業者の中に,当該調整を円滑に行うことを目的として,
      「世話役」等と称する者(以下「世話役」という。)を置いており,世話役に
      は,石川島播磨重工業(株),三菱重工業(株)及び日立造船(株)のいずれか1社
      が順番に2年ずつ交代して就いた。
    (b) 水資源機構発注の特定ダム用水門設備工事については,世話役が
      i 平成13年9月ころ,水資源開発公団において常務参与の職等にあって既
       に退職していた者から,その後に発注が見込まれるものについて,発注前に,
       当該工事の落札を予定する者又は共同企業体(以下「落札予定者」という。)
       についての意向を受け
      ii 平成16年1月ころ,水資源開発公団において理事の職等にあって既に退職
       していた者から,その後に発注が見込まれるものについて,発注前に,当該
       工事の落札者についての意向を受け
      当該工事の発注の際に,落札予定者に当該工事の落札予定者である旨を連絡し
      ていた。
   c  13社は,遅くとも平成13年9月1日以降,水資源機構発注の特定ダム用水門設
     備工事について,受注価格の低落防止を図るため
    (a) 世話役から当該工事の落札予定者である旨の連絡を受けた者又は共同企業体
      を,受注すべき者(以下「受注予定者」という。)とする
    (b) 受注すべき価格は,受注予定者(受注予定者が共同企業体である場合にあっ
      てはその代表者)が定め,受注予定者以外の者は,受注予定者がその定めた価
      格で受注できるよう協力する
     旨の合意の下に,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにしていた。
   d  13社は,前記cにより,水資源機構発注の特定ダム用水門設備工事のすべてを
     受注していた。
   e  平成17年5月23日,公正取引委員会が鋼橋上部工事業社を刑事告発し,第18表
     記載の事業者が当該告発における被告発会社となったこと等から,同年6月1日,
     平成17年度において世話役であった石川島播磨重工業(株)並びに平成15年度及び
     平成16年度において世話役であった日立造船(株)は,前記cの合意に基き受注予
     定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめることを確認
     し,以後,世話役が,13社のうち,第17表のうちダム用水門設備工事業を取りや
     めていた(株)酒井鉄工所及び(株)田原製作所を除く11社に対し落札予定者である
     旨を連絡することを取りやめたことにより,当該11社は,事実上当該行為を継続
     することができなくなり,同日以降,当該行為をとりやめている。
  (エ) (株)栗本鐵工所ほか7社に対する件(平成19年(措)第5号)
   a(a) 関係人8社(以下「8社」という。)は,それぞれ,建設業法の規定に基づ
      き国土交通大臣から建設業の許可を受け,農林水産省組織令第91条に規定する
      地方農政局(以下「各農政局」という。)の管内においてダム,河川,水路及
      び海岸に用いる各水門設備の工事(以下「特定水門設備工事」という。)業を
      営む者である。
    (b) 農林水産省は,各農政局において発注する特定水門設備工事のうち予定価格
      が9000万円を越える工事については地方農政局長を当該工事の契約の当事者と
      しているところ,当該工事のほとんどすべてを一般競争入札,公募型指名競争
      入札又は詳細条件審査型一般競争入札の方法により発注していた。
       このうち,一般競争入札に当たっては,公告により所定の条件を付して入札
      の参加希望者を募り,当該条件を満たす入札の参加希望者のすべてを当該入札
      の参加者としていた。
       公募型指名競争入札に当たっては,掲示により有資格者(各農政局がそれぞ
      れ競争入札参加の資格要件を満たす者として名簿に登録している者をいう。以
      下同じ。)の中から一定の範囲の者に技術資料の提出を求め,提出された技術
      資料を審査した上で,審査条件を満たす10社程度を当該入札の参加者として指
      名していた。
       詳細条件審査型一般競争入札に当たっては,掲示により有資格者の中から一
      定の範囲の者に技術資料の提出を求め,提出された技術資料を審査した上で,
      審査条件を満たす者のすべてを当該入札の参加者として指名していた。
   b  8社のうち日東河川工業(株)を除く7社は,かねてから,農林水産省が各農政
     において競争入札の方法により発注する特定水門設備工事について受注に関する
     調整を行ってきたところ,8社は,遅くとも平成14年8月中旬ころ以降(日東河
     川工業(株)にあっては,平成15年6月18日ころ以降),第13表(4)記載の工事(以
     下「各農政局発注の特定水門設備工事」という。)について,受注価格の低落防止
     を図るため
    (a) 石川島播磨重工業(株)における各農政局発注の特定水門設備工事に関する営
      担当部長級の者から当該工事の落札予定者(落札を予定する者をいう。以下同
      じ。)である旨の連絡を受けた者を受注すべき者(以下「受注予定者」という。)
      とする
    (b) 受注すべき価格は,受注予定者が定め,受注予定者以外の者は,受注予定者
      がその定めた価格で受注できるよう協力する
     旨の合意の下に,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにしていた。
   c  8社は,前記bにより,各農政局発注の特定水門設備工事のほとんどすべてを
     受注していた。
   d  平成17年5月23日,公正取引委員会が鋼橋上部工事業者を刑事告発し,第19表
     記載の事業者が当該告発における被告発会社となったこと等から,石川島播磨重
     工業(株)は,同年6月1日,前記bの合意に基き受注予定者を決定し,受注予定
     者が受注できるようにする行為を取りやめることとし,以後,8社に対し落札予
     定者である旨を連絡することを取りやめたことにより,8社は,事実上当該行為
     を継続することができなくなり,同日以降,当該行為を取りやめている。
  ウ 排除措置
  (ア)  石川島播磨重工業(株)ほか9社に対する件(平成19年(措)第2号)
   a  第11表及び第12表記載の4社と共同して,各地整発注の特定ダム用水門設備工
     事について,遅くとも平成13年8月1日以降行っていた,受注予定者を決定し,
     受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめている旨を確認することを,
     それぞれ,取締役会において決議すること。
   b  10社のうち日立造船(株)を除く9社(以下「9社」という。)は,それぞれ,
     次の(a)及び(b)の事項を,自社を除く8社及び第9表記載の事業者並びに国土交
     通省組織令第206条第1項に規定する地方整備局(以下「各地方整備局」という。)
     に通知し,かつ,自社の従業員に周知徹底すること。
      また,日立造船(株)は,次の(a)の事項を9社及び第9表記載の事業者並びに各
     地方整備局に通知し,かつ,第9表記載の事業者をして同社の従業員に次の(b)の
     事項を周知徹底させるよう指導すること。
    (a) 前記aに基づいて採った措置
    (b) 今後,共同して,各地整発注の特定ダム用水門設備工事について,受注予定
      者を決定せず,各社がそれぞれ自主的に受注活動を行う旨
   c  9社は,今後,それぞれ,相互の間において,又は他の事業者と共同して,国
     土交通省が各地方整備局において競争入札の方法により発注するダム用水門設備
     の新設工事(既設のダムに新規に水門設備を制作し据え付ける工事を含む。),
     更新工事,改造工事,修繕工事及び取替工事について,受注予定者を決定しない
     こと。
      また,日立造船(株)は,第9表記載の事業者をして,9社と相互に又はほかの
     事業者と共同して,国土交通省が各地方整備局において競争入札の方法により発
     注するダム用水門設備の新設工事(既設のダムに新規に水門設備を制作し据え付
     ける工事を含む。),更新工事,改造工事,修繕工事及び取替工事について,受
     注予定者の決定をさせないこと。
   d  西田鉄工(株),(株)丸島アクアシステム及び豊国工業(株)は,今後,それぞれ,
     次の(a)から(b)までの事項を行うために必要な措置を,石川島播磨重工業(株),
     (株)栗本鐵工所,川崎重工業(株)、三井造船(株),佐藤鉄工(株)及び佐世保重工
     業(株)は,今後,それぞれ,次の(b)の事項を行うために必要な措置を,講じるこ
     と。
      また,日立造船(株)は,今後,第9表記載の事業者に対し,次の(b)の事項を行
     うために必要な措置を講じるよう指導すること。
      これらの措置及び指導の内容については,前記cの行為をすることのないよう
     にするために十分なものとすること。
    (a) 官公需の受注に関する独占禁止法の遵守についての行動指針の作成又は改定
    (b) 各地整発注の特定ダム用水門設備工事の営業担当者に対する官公需の受注に
      関する独占禁止法の遵守についての定期的な研修及び法務担当者による定期的
      な監査
    (c) 独占禁止法違反行為に関与した役員及び従業員に対する処分に関する規定の
      整備
    (d) 独占禁止法違反行為に係る通報者に対する免責等実効性のある社内通報制度
      の設置