第2部 各論

第12章 広報・広聴等に関する業務

第1 広報・広聴

1 概要

公正取引委員会は,独占禁止法等に対する企業関係者の理解を深めて同法等の違反行為の未然防止を図るとともに,今後の競争政策の有効かつ適切な推進に資するため,広く国民に情報提供を行い,国民各層からの意見,要望の把握,小中学生を含めた幅広い国民各層の競争政策に対する理解の増進に努めているところである。広報・広聴業務の主なものは,次のとおりである(海外向け広報については,第11章第7参照)。

2 記者会見

事務総長定例記者会見を毎週水曜日に開催している。

3 報道発表

公正取引委員会は,独占禁止法違反事件に対する法的措置,企業結合に係る審査結果,独占禁止法を始めとする関係法令に係る各種ガイドライン,実態調査報告書等の内容について,幅広く報道発表を行っている。平成26年度においては,318件の報道発表を行った。

なお,特定のテーマについては,報道発表に併せて政府広報を利用した広報を行っている。

4 講師派遣

事業者団体等の要請に対応して,講演会,研修会等に職員を講師として派遣し,独占禁止法等について広報を行った。

5 各委員制度等及びその運用状況

(1) 独占禁止政策協力委員制度

競争政策への理解の促進と地域の経済社会の実状に即した政策運営に資するため,平成11年度から,独占禁止政策協力委員制度を設置し,公正取引委員会に対する独占禁止法等の運用や競争政策の運営等に係る意見・要望の聴取等を行い,施策の実施の参考としている。平成26年度においては,各地域の有識者150名に委員を委嘱した。

(2) その他の制度

公正取引委員会は,独占禁止政策協力委員制度のほか,下請取引等改善協力委員制度,独占禁止法相談ネットワーク制度等を通じて,事業者等に対して当委員会の活動状況等について広報を行うとともに,意見・要望等を聴取し,施策の実施の参考としている。

6 各種懇談会等の実施

(1) 独占禁止懇話会

ア 概要

経済社会の変化に即応して競争政策を有効かつ適切に推進するため,公正取引委員会が広く各界の有識者と意見を交換し,併せて競争政策の一層の理解を求めることを目的として,昭和43年度以降,毎年開催している。

イ 開催状況

平成26年度においては,独占禁止懇話会を3回開催した。

(2) 地方有識者との懇談会

ア 概要

地方有識者と公正取引委員会の委員等との懇談会及び講演会を通して,競争政策についてより一層の理解を求めるとともに,幅広く意見及び要望を把握し,今後の競争政策の有効かつ適切な推進を図るため,昭和47年度以降,毎年,全国各地において開催している。

イ 開催状況

平成26年度においては,平成26年10月29日,30日,11月12日及び13日に,全国8都市(札幌市,秋田市,千葉市,岐阜市,大津市,鳥取市,徳島市及び宮崎市)において,公正取引委員会の最近の活動状況等について,各地の主要経済団体,消費者団体の代表者等の有識者と公正取引委員会委員等との意見交換を行った。

このほか,全国各地区において,地方事務所長等の当委員会事務総局の職員と有識者との懇談会を83回開催した。

(3) 弁護士会等に対する講演会

独占禁止法等に対する弁護士等の認知度を向上させるとともに,その相談・情報収集体制を強化することを目的として,平成23年度から本格的に行っている。

平成26年度においては,全国15都市において,公正取引委員会委員等による弁護士会や経済界等に対する講演会等を29回開催した。

7 一日公正取引委員会

(1) 概要

本局及び地方事務所等の所在地以外の都市における独占禁止法等の普及啓発活動や相談対応の一層の充実を図るため,独占禁止法講演会,消費税転嫁対策特別措置法説明会,下請法基礎講習会,入札談合等関与行為防止法研修会,消費者セミナー,独占禁止法教室,報道機関との懇談会,相談コーナーなどを1か所の会場で開催している。

(2) 開催状況

平成26年度においては,平成26年6月11日に松山市,同月13日に山口市,同月26日に宇都宮市,同年8月1日に津市,同年9月17日に苫小牧市,同年11月12日に大津市,同月21日に佐賀市及び同年12月10日に青森市において,合計8回の一日公正取引委員会を開催した。

8 消費者セミナー

一般消費者に独占禁止法の内容や公正取引委員会の活動について,より一層の理解を深めてもらうため,対話型・参加型のイベントとして開催などしている。

平成26年度においては,合計53回開催した。

9 独占禁止法教室(出前授業)

中学校等からの要請を受けて,公民等の授業に職員を講師として派遣し,競争の役割等について授業を行った。また,大学(短期大学等を含む。)からの要請を受けて,独占禁止法等の講義等に職員を講師として派遣し,競争法の目的,公正取引委員会の最近の活動状況等について講義を行った。

平成26年度においては,中学生向けに合計69回,高校生向けに合計18回,大学生等向けに合計61回開催した。

10 庁舎訪問学習

中学校等からの要請を受けて,公正取引委員会の庁舎において,競争の役割についての説明を行うとともに,審判廷などの職場見学に対応した。

11 広報資料の作成・配布

(1) パンフレット

独占禁止法等や公正取引委員会に対する一般の理解を深めるため,「知ってなっとく独占禁止法」,「知るほどなるほど下請法」等を作成し,事業者,一般消費者等に広く配布しているほか,中学生向け副教材として「わたしたちの暮らしと市場経済」を作成し,中学校等に配布している。

(2) 広報用DVD

独占禁止法及び下請法に関する広報用DVDを作成し,これらの事業者団体,消費者団体等に対する貸出しを行った。

また,独占禁止法及び下請法の概要を紹介する動画を公正取引委員会のウェブサイト上(http://www.jftc.go.jp/houdou/douga.html)に掲載し,配信している。

(3) ウェブサイト

平成9年以降,ウェブサイトにおいて報道発表資料を含む各種の情報を掲載している。

(4) メールマガジン

公正取引委員会の活動状況を適切なタイミングで国民の幅広い層に対し積極的に発信することを目的として,平成20年3月からメールマガジンの発行を行っている。

(5) ソーシャルメディア

平成26年6月からTwitter及びFacebookの運用を開始し,報道発表のほか公正取引委員会に関連する様々な情報を発信している。

第2 政策評価

公正取引委員会は,行政機関が行う政策の評価に関する法律(平成13年法律第86号)に基づき政策評価を実施しているところである。

公正取引委員会では,平成26年度には,「競争政策の広報・広聴」1件の事後評価を,実績評価の方法により実施し,政策評価書を公表した。