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米国 (United States)

(2018年4月現在)

1 根拠法

(1) 根拠法

ア 米国の独占禁止法(反トラスト法)は,単一の法律ではなく,いくつかの法律の総称である。反トラスト法は,主に以下の3つの法律及びこれらの修正法から構成されている。
 [1] シャーマン法(1890年制定)
 [2] クレイトン法(1914年制定)
 [3] 連邦取引委員会法(1914年制定)
 シャーマン法は,カルテルなどの取引制限(Restraint of Trade)及び独占化行為(Monopolization)を禁止し,その違反に対する差止め,刑事罰等を規定している。クレイトン法は,シャーマン法違反の予防的規制を目的とし,競争を阻害する価格差別の禁止,不当な排他的条件付取引の禁止,企業結合の規制,3倍額損害賠償制度等について定めている。
 連邦取引委員会法は,不公正な競争方法(Unfair Methods of Competition)及び不公正又は欺瞞的な行為又は慣行(Unfair or Deceptive Acts or Practices)を禁止しているほか,連邦取引委員会の権限,手続等を規定している。
 なお,反トラスト3法と違反行為類型の関係については下表のとおりである。
イ このほか,ほとんどの州が,独自の反トラスト州法を制定している。

(2) 適用除外

 農業・漁業,保険業等,一部の産業法において,一定の行為については反トラスト法の規定が適用されない旨規定されている。また,連邦政府並びに州政府の行為及びそれらが所有・管理する部門が行った行為は反トラスト法の適用が除外されている。

2 執行機関

(1) 司法省反トラスト局(外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます) (Antitrust Division, Department of Justice)

ア 司法省で競争法の執行を行う反トラスト局(以下「反トラスト局」という。)には,局長(Assistant Attorney General)の下に,筆頭次長,刑事,民事,経済分析及び訴訟を担当する。6人の次長(Deputy Assistant Attorney General)並びに地方事務所等から構成されている。,反トラスト局長は,上院の承認を経て,大統領が任命し,司法省における反トラスト法の執行業務の実質的な権限を有している。
イ 反トラスト局は,シャーマン法又はクレイトン法違反の行為が存在すると認めるときは,自ら調査し,連邦地裁に起訴又は提訴(刑事又は民事)することができる。
 なお,反トラスト局は違反事件の審査に際し,連邦捜査局(FΒI)及び地方検事局の職員を用いることができる。

(2) 連邦取引委員会(外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます) (Federal Trade Commission)

ア 連邦取引委員会(以下「FTC」という。)は,委員長を含む5人の委員により構成され,その下に競争局(Bureau of Competition),消費者保護局(Bureau of Consumer Protection),経済局(Bureau of Economics),総局長室(Office of the Executive Director),法律顧問室(Office of the General Counsel)及び地方事務所等が置かれている。
イ FTCの委員長及び委員は,上院の承認を経て,大統領が任命する。任期は7年であり,公務に関する不法行為等の場合以外にはその意に反して罷免されることはなく,職権行使の独立性が認められている。
ウ FTCは,連邦取引委員会法又はクレイトン法違反被疑行為が存在するときは,自ら審査を行い,審判手続を経て,又は相手方が同意するときは審判手続を経ることなく審決により排除措置を命じることができる。また,必要に応じ,違反行為の差止命令等を求める訴訟を提起することができる。
エ FTCの審決に不服がある場合には,連邦控訴裁判所に審決取消訴訟を提起することができる。
オ 連邦取引委員会法第5条(a)(1)後段では,不公正・欺瞞的な行為又は慣行(Unfair or Deceptive Acts or Practices)を禁止しており,FTCは同条に基づき,いわゆる消費者保護行政も所管している。
カ FTCは,また,経済実態や企業活動に関する調査を行う権限を有する(連邦取引委員会法第6条)。

(3) 州司法長官

 各州の司法長官(Attorney General)は,それぞれの州の反トラスト法を執行するだけでなく,反トラスト法違反により州民が被害を受けた場合には,クレイトン法第4C条(15U.S.C.15c)に基づき,州の名において被告に対し管轄権を有する連邦地裁に対し3倍額損害賠償の請求訴訟を提起することができる(父権訴訟)。

 ◎ 以上の記述について,根拠法及び執行機関の関係を整理すると,下表のとおりである。

法律名
実体規定
執行行政機関
違反に対する手続
運用の実態

シャーマン法

第1条
(取引制限)

司法省

刑事訴追,
民事提訴
(差止請求)

実際に刑事訴追が行われるのは,第1条違反行為中の,水平的な「当然違法」の行為(価格カルテル,入札談合,市場分割等)

第2条
(独占化行為)

クレイトン法

第2条
(価格差別等)

司法省とFTCとの共管

民事提訴(差止請求),
行政的排除措置

第7条の企業結合については事前届出制。
近年は第7条以外が適用されたケースはほとんどない。

第3条
(排他条件付取引)

第7条
(企業結合)

第8条
(役員兼任)

連邦取引委員会法

第5条第a項(1)前段(不公正な競争方法)

FTC

民事訴追
(差止請求),
行政的排除措置


第5条第a項(1)後段(不公正又は欺瞞的な行為又は慣行)

3 規制の概要

(1) 取引制限行為

ア シャーマン法第1条の規制において,「各州間の又は外国との取引又は通商を制限するすべての契約,トラストその他の形態による結合又は共謀」は,禁止される。
イ いわゆる水平的カルテル(価格協定,市場分割協定,入札談合,共同ボイコットなど)は市場の競争に与える影響の大きさにかかわらず行為の外形から当然違法(Per Se Illegal)とされる。
ウ また,シャーマン法第1条の規制は,取引段階を異にする事業者間の行為,いわゆる垂直的取引制限(再販売価格維持行為,その他非価格制限等)にも適用される。垂直的取引制限行為は,基本的に合理の原則(Rule of Reason)に基づいて違法性が判断される。(再販売価格維持行為については(4)参照)
エ これらの行為については,上表のとおり,刑事訴追のほか,司法省による民事訴訟(差止請求訴訟)が提起される(連邦取引委員会法第5条の適用については3(5)参照)。
オ 罰則は,法人の場合には1億ドル以下の罰金,個人の場合には100万ドル以下の罰金若しくは10年以下の禁錮刑又はその併科である(シャーマン法第1条)(2004年6月改正)。罰金額については,上記にかかわらず,違反行為により獲得した利益又は与えた損害額の2倍まで引き上げることができる。
カ このほか,私人により,差止請求訴訟(クレイトン法第16条)及び3倍額損害賠償請求訴訟(クレイトン法第4条)が提起される。

(2) 独占行為

ア シャーマン法第2条の規制において,「各州間の又は外国との取引又は通商のいかなる部分を独占化し,独占を企図し,又は独占する目的をもって他の者と結合・共謀する」ことは禁止されている。また,(1)のカルテルと同様の制裁を受ける(刑事罰,民事(差止請求)訴訟,私人による差止請求・3倍額損害賠償請求訴訟)。(連邦取引委員会法第5条の適用については3(5)参照)
イ 規制の対象は独占状態(Monopoly)ではなく,不当な方法により,独占を形成又は維持する行為(Monopolization,具体的には略奪的価格設定,取引拒絶,排他的取引など)である。

(3) 再販売価格維持行為

 再販売価格維持行為は,従来,当然違法とされてきたが,最高裁判例(2007年Leegin事件判決)により,合理の原則により判断されることとなった。
シャーマン法第1条違反の構成要件は,メーカーとその他の者による再販売価格に関する共謀・協定を要する。メーカーの一方的行為(安売り業者への供給停止等)は,取引先選択の自由の範囲内であり,違法とされない。

(4) 価格差別・拘束条件付取引等

 クレイトン法第2条の規制において,同種同等の商品を異なる購入者間で価格の面で差別することは,競争を減殺することとなり若しくは独占を形成するおそれがあり,又は競争を阻害等するおそれがある場合は,販売方法・数量の差によるコストの差に基づくものを除き,禁止される。
 また,同法第3条の規制において,相手方が競争者と取引しないことを条件として当該相手方と取引することにより,競争が実質的に減殺されることとなる場合,又は独占が形成されるおそれがある場合は,これを禁止している。これらの違反行為に対しては,反トラスト局若しくはFTCによる差止請求訴訟の提起又はFTCによる排除措置のほか,被害者による私訴も提起され得る。

(5) 不公正な競争方法の禁止

 連邦取引委員会法第5条(a)において,「不公正な競争方法」は禁止されている。これまでの判例によると,本条の目的は,シャーマン法・クレイトン法に違反する行為・慣行を不公正な競争方法として規制するだけでなく(したがって,少なくとも取引制限,独占化行為,合併等企業結合の類型は,同時に連邦取引委員会法第5条の対象となる。),萌芽又は初期のうちに執行する(中止させる)ところにあると解されている。

(6) 企業結合

ア クレイトン法第7条の規制において,「競争を実質的に減殺し,又は独占を形成するおそれがある株式その他の持分(Stock or Other Share Capital)又は資産(Assets)の取得は禁止される。
イ 1976年ハート・スコット・ロディノ法により改正されたクレイトン法第7A条及びこれに基づいて制定された届出規則(毎年度改正)に基づき,年間純売上高又は総資産が1億6880万ドル以上の企業が1690万ドル以上の企業と結合するとき(又はその逆の場合)であって,その結合の結果,結合される企業の株式若しくは資産のうち8440万ドル超の株式若しくは資産を所有することとなる場合又は同基準にかかわらず3億3760万ドルを超える合併等企業結合は,反トラスト局とFTCに対する事前の届出が義務付けられる(合併禁止期間は,届出後原則30日で,変更可能)。(基準額は,2018年2月28日から適用)
ウ クレイトン法第8条の規制において,商業に従事するある2つの会社が,事業及び営業区域に関して互いに競争者であって,かつ,両社の資本金,積立金等の総計がそれぞれ3439万5000ドル超(2018年1月29日から適用)である場合には,何人も,当該2つの会社の取締役(Director)又は役員(Officer)を兼任することは禁止されている。また,銀行の取締役又は従業員は,他の銀行等の取締役又は従業員を兼任してはならない。

4 法執行手続

(1) 反トラスト局の事件処理手続

ア 予備的調査(Preliminary Investigation)

 予備的調査開始の条件は,[1]反トラスト法違反が行われていることを示す  十分な証拠があること,[2]関連する取引額が相当程度ある(Substantial)こと,[3]反トラスト局内,FTC,地方検事,州司法長官の活動と不必要に重複したり,これらの活動を不必要に妨げるおそれのないこと,[4]正式審査に割くことのできるリソースがあることである。[3]の条件を満たすため,予備的調査開始前にFTCへの照会が行われる。
 予備的調査の結果を評価した上で,事件として正式に審査するか否かが決定される。この段階で,民事事件として調査するか,刑事事件として調査するかについても最終的に決定される。

イ 刑事事件の処理手続

(ア) 予備的調査の結果,刑事事件として審査することが決まると,担当検事は,地方検事と協議しながら,大陪審(Grand Jury;刑事事件において起訴を相当とするに足るだけの証拠があるかどうかを審理する陪審)の設置の準備や令状の発出の準備を開始する。その後,地方検事局は,事件を管轄する連邦地裁(関係人の営業地域を管轄する地裁)に対し,大陪審の設置を要請する。
(イ) 大陪審は,文書提出令状(Subpoena Duces Tecum)と証人喚問令状(Subpoena ad Testificandum)の発出及び令状に基づく証言の聴取と提出文書の検討の権限が付与されており,事件が起訴相当か否かを審理する。
(ウ)担当検事は,大陪審審理が終了した段階で,集められた証拠を検討し,審査結果を報告書にまとめ,起訴を求めるべき個人と法人を選定する。反トラスト局として起訴を求めることが決まると,大陪審に対して起訴が勧告される。大陪審の評決は賛成多数によって行われる が,反トラスト局から起訴の勧告があれば,正式起訴(大陪審起訴:Indictment)が決定されるのが通例と言われる。
 また,大陪審審理中に,被告人が有罪を認め,裁判を受ける権利を放棄する旨申出があった場合は,担当検事は大陪審による正式起訴によらずに略式起訴(検察官起訴:Information)とすることができる。多くの事件はこの略式起訴によって処理されている。
(エ) 反トラスト局は,審査に協力した個人又は企業について,一定の要件の下に刑事訴追を免除する方針(Leniency policy)を有している。
(オ) 反トラスト局は,上記(イ)の大陪審による調査のほか,必要に応じて捜索令状(Search Warrant)を用いたり,FBIなどの他の連邦機関との捜査協力を行っている。
(カ) 最初の公判においては,罪状認否(Arraignment)が行われ,被疑者から[1]有罪の答弁(Plea of Guilty),[2]無罪の答弁(Plea of Not Guilty),[3]不抗争の申立て(Plea of Nolo-contendere)のいずれかが行われる。
 なお,不抗争の申立てについては,有罪を認めるものではないので,その後の損害賠償請求事件等の裁判手続において不利な扱いを受けないが,被疑者が,この申立てを希望しても,反トラスト局は,通常はこの申立てに反対する方針を有している。
(キ) 量刑に関しては,合衆国量刑委員会により定められた量刑ガイドライン(Sentencing Guidelines)に従って行われる(1984年量刑改善法)。

ウ 民事事件の処理手続

(ア) 予備的審査の結果,民事事件として審査することが決まると,担当検事は,参考人や関係人との面談,参考人や関係人からの任意の文書提出依頼又は民事審査請求(CID;Civil Investigation Demand)の活用によって,審査情報を集める。
 CIDには,文書提出命令(CIDs for Documentary Material),証人喚問命令(CIDs for Oral Testimony)及び報告命令(CIDs for Written Interrogatories Responses)の3種類がある。
CIDには自力執行力はないので,期限までに履行しない者に対しては反トラスト局は,裁判所に対しCIDの執行を命じる判決を求めなければならない。
(イ) 反トラスト局は,民事事件としての提訴が決定すると,管轄連邦地裁に提訴する。
(ウ) 司法省の提起する民事訴訟の大半は,同意判決で解決されている。同意判決制度は,反トラスト局として違法行為を迅速に是正させる必要性と,被疑者として違法行為の存在は認めずに将来に向けて一定の措置を採ることを約束するに留まるのであれば争わないとする意向とでバランスを採ろうとする制度である。
 同意判決についての反トラスト局と被告との交渉は,被告からの同意判決案の申出があってから開始される。また,近年では,反トラスト局は,被告との間で公共の利益に合致する内容の同意判決案を提出する旨の合意をしたときは,提訴と同時に同意判決案を裁判所に提出している。
 提出した同意判決案について,反トラスト局は,同意判決案と同時にその競争上の影響に関する意見(Competitive Impact Statement)を裁判所に提出し,かつ,同意判決案及び当該意見を官報に掲載するとともに,これらの要約等を新聞に掲載し,一般からの意見を求める。こ裁判官は,これらの手続によって集められた全ての意見を考慮して,同意判決案の承認が公共の利益に合致しているか否かを判断して判決を下すこととされている。

(2) FTCの事件処理手続

ア 審査手続 

 FTCは,特定事件について審査を開始するときには,職員の中から審査官を指定し,これに審査を行わせる。審査官は,連邦取引委員会法第9条に基づく罰則付き命令(Subpoena)による書証提出命令,出頭命令等及び同法第20条に基づく民事審査請求(Civil Investigation Demand ;CID)による文書提出命令,口頭供述命令等を行う。

イ 同意命令 

 FTCは,違反事件の審査の結果,法的措置を採ることが相当であると判断したときは,まず,相手方にFTCの申立てを記載した文書(Complaint)及び排除措置命令(Orders to Cease and Desist)を送付し,これらの内容につき交渉し,合意に達した場合には,合意内容を踏まえた同意命令案を作成し,委員会の議決を経て,通常30日間のパブリック・コメントを行う。その後,再度委員会の議決を経て,同意命令(Consent Order)を発出する。
 また,下記ウの審判開始決定後であっても,同意命令の手続を行うことができる。審判開始決定後,被審人との間で同意された同意命令案が審判官を通じてFTCに付託される。この場合も,同案を官報に掲載し,一般からの意見を求めることとなる。FTCは,当該意見等を考慮して,再審査を行い同意命令を発出する。
 同意命令は,審判手続を経た命令ではない。したがって,同一の事案について後に損害賠償請求訴訟が提起されても,同意命令による事実や違法性についての推定といった効果は発生しない。

ウ 審判手続及び審決

 同意命令に至らないときには,FTCは,審判開始決定書(Administrative Complaint)を相手方に送付し,審判手続を開始する。審判手続は,審査官が原告側となり相手方が被告側となる対審構造を採り,FTCとは別の機関である人事管理局(Office of Personnel Management)に所属し一定の独立性と身分保障を得ている行政法判事(Administrative Law Judge)が審判を主宰する。審判の終結に当たり,行政法判事は仮決定(Initial Decision)を作成する。この仮決定は,被審人が異議申立てを行わない場合,又は委員会が職権で再調査を命じない限りは,最終審決(final decision)として確定する。
仮決定に対する異議申立て等が行われた場合,FTCは,仮決定を再検討して最終審決を行う。
 最終審決によって違法性が認定されると,FTCは排除措置命令を発出する。排除措置命令は,送達後60日以内に異議申立てがなされない場合,確定する。

エ 不服申立て 

 被審人が審決に対して不服があるときは,連邦控訴裁判所に審決取消請求訴訟を提起することができる。
 連邦控訴裁判所は,FTCの専門的機関としての判断を尊重することが求められており,FTCの認定事実が実質的証拠に基づいている場合には,その事実認定が裁判所を拘束する(実質的証拠の原則;連邦取引委員会法第5条(C))。

オ 予備的差止命令

 FTCは,違反行為の差止めを求めることが公共の利益に合致すると思料する場合には,本案の審理を行って最終的な判決が出るまで,仮の処分として行為の差止めを命ずる裁判所の命令である。本案の審理を行って最終的な判決が出る前に裁判所に対して予備的差止命令(Preliminary Injunction)を求めることができる(連邦取引委員会法第13条。合併審査についても同じ。)。

(3) 企業結合審査手続

ア  FTC及び反トラスト局の双方に届け出なければならない。届出が受理されると,両当局間で当該事案をどちらの当局が担当するか協議し決定する(クリアランス手続)。
  なお,クレイトン法第7A条の施行規則の制定,用語の定義,届出義務の範囲に係る規則等の制定については,FTCが行う(同法第7A条(D)項)。
イ 担当当局が届出の正式受理から30日の待機期間に何らの措置も行わなければ,当該事案は,承認されたものとみなされる。担当当局が当該期間内に追加資料の請求(セカンドリクエスト)を行ったときは,待機期間が延長され,当事者から当該追加資料が提出されてから30日間は,当該合併等を行うことができない。当該期間は,担当当局が再延長を連邦地裁に申請し,同裁判所がこれを認めたときは,延長される。
ウ 担当当局がFTCである場合は,同意命令・審決により,当該事案の禁止又は問題解消措置(資産の譲渡等)が採られることになる。担当当局が反トラスト局の場合,当該事案の差止めを求める民事訴訟の提起や同意判決による問題解消措置が講じられる。また,FTC及び反トラスト局のいずれも,予備的差止命令を求めて提訴することができる。

(4) 私訴

ア 3倍額損害賠償請求訴訟

 反トラスト法において禁止されている事項により事業又は財産に侵害を受けた者は,その受けた損害の3倍額及び妥当な弁護士費用を含む訴訟費用の賠償を求めることができる(クレイトン法第4条)。アメリカ合衆国政府の財産又は事業が侵害を受けた場合は,アメリカ合衆国政府が当事者となることができる(クレイトン法第4A条)。

イ 差止請求訴訟(クレイトン法第16条)

 シャーマン法やクレイトン法の違反行為によって損害を受けるおそれのある者は,当該行為の差止を求めることができる。(連邦取引委員会法違反については認められていない。)

(5) 父権訴訟(クレイトン法第4C条)(2(3)のとおり。)

(6) 反トラスト法の域外適用

 反トラスト法の域外適用については、法執行により米国における取引や消費者に与える悪影響を取り除くことができるよう、反競争的な行為と米国との間に十分な関係(Sufficient Connection)があるかに注目される。この点,外国取引反トラスト改善法(Foreign Trade Antitrust Improvements Act of 1982(FTAIA法))に規定されているように,外国との取引を含む行為については,[1]当該行為が、米国内の取引に対して、直接的,実質的,かつ合理的に予見可能な影響を有する,[2]当該影響が反トラスト法上の請求権を発生させる,という要件を満たさない限り,シャーマン法は適用されない。(2017年1月公表の「反トラスト法の国際的執行及び協力に関する指針」)

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