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大学でのオンライン授業「消費生活講座」

大学でのオンライン授業「消費生活講座」

大学でのオンライン授業「消費生活講座 -オンライン授業を開催するに当たっての工夫と課題-」

令和2年9月3日

●消費生活講座

 公正取引委員会中部事務所取引課では,景品表示法等についての相談業務を行っています。そして,その普及啓発の一環として,管内の大学に対し,「消費生活講座~不当表示と競争のはなし~」(以下「消費生活講座」という。)をテーマに景品表示法等についての出前授業を行っています。令和元年度は,消費生活講座として2大学を訪問し,それぞれ対面の方法により実施いたしました。消費生活講座では,公正取引委員会の役割や独占禁止法の概要などをお話しするとともに,景品表示法の概要と法違反の事例を中心にお話ししています。

 令和2年度は,新型コロナウイルス感染症の影響により,出前授業として「消費生活講座」を開催することが難しい状況にありました。

 しかし,昨年「消費生活講座」を開催していただいた大学(愛知県)の先生の御協力により,同大学に備え付けられているオンライン授業用の設備を利用することで,学生に対して消費生活講座を実施することができました。

オンライン授業を開催するに当たって工夫した点

 オンラインによる「消費生活講座」では,授業で使用する資料をPDF化し,受講する学生が当該資料を各自のパソコン上で共有することで,画面上の資料を見てもらいながらリアルタイムでの景品表示法等の説明を行いました。

 しかし,オンラインによる授業は対面での授業とは臨場感が異なるほか,学生の反応も分からないため,一方的な説明とならないように景品表示法に違反する表示であるか否かのクイズを盛り込み,オンライン上の「手上げ機能」を活用して学生に授業に参加してもらうようにするなどの工夫をしました。

学生の評価

 「消費生活講座」の開催後には参加した学生から満足度や理解度等について,①「満足」,②「おおむね満足」,③「ふつう」,④「やや不満」,⑤「不満」といった5段階で評価してもらうアンケートに答えてもらっています。

 今回,オンラインによる授業を初めて実施しましたが,①「満足」,②「おおむね満足」を合わせた比率は,【満足度】,【理解度】について,それぞれ「92.6%」,「96.3%」と高い評価となりました。なお,同じ大学で昨年開催した対面による授業と,今回のオンラインによる授業に対する学生からの評価を比較すると,アンケート回答者数(受講者数)が異なることなどに留意する必要がありますが,オンラインによる授業の評価は,

 【満足度】・・・・・・・・・・・・「満足」,「おおむね満足」が「0.8%」減少
 【理解度】・・・・・・・・・・・・「理解できた」,「おおむね理解できた」が「3.7%」増加
 【理解が深まったか】・・・・・・・「そう思う」,「ややそう思う」が「3.8%」減少
 【公取委への興味が高まったか】・・「そう思う」,「ややそう思う」が「13.5%」減少
 【セミナーへ再参加したいか】・・・「そう思う」,「ややそう思う」が「24.1%」増加

と,【理解度】及び【セミナーへ再参加したいか】以外は,いずれも減少した結果となり,オンライン授業において独占禁止法や景品表示法を理解してもらえるように説明することの難しさを実感いたしました。

 このほか,「消費生活講座」を受講した学生のアンケートには景品表示法等について自由に意見を記載してもらう欄を設けていますが,オンラインによる授業を受講した学生の81%から意見が提出され,『一方的にしゃべる形でなく,生徒たちにも参加してもらえるようにしていたのがとても良かった。』などの意見をいただきました。

 また,【セミナーへ再参加したいか】については,「そう思う」,「ややそう思う」という評価が対面による授業よりも「24.1%」増加しましたが,新型コロナウイルス感染症の影響により大学での授業がオンラインにより行われているなか,今回のオンラインによる授業が,行政の現場に携わる職員が直接,学生に話をするという通常とは異なる授業であったため興味を持ってもらえたのではないかと考えます。

今後の課題

 今回の授業で使用した資料はパソコンの画面上で共有し,講師が説明内容に合わせてページを移動させたため受講している学生は資料を見返すことができませんでした。この点については,印刷した資料が学生の手元にあれば,受講している学生は説明を聞きながら資料を読み返すといった作業ができるため,より学生の理解向上につながるのではないかと感じました。そのため,資料を学生に配布する方法等についても検討する必要があるものと考えます。

 このほか,対面による「消費生活講座」では,受講している学生に事業者側と消費者側に分かれてもらい,仮想市場の上で市場取引のシミュレーションを体験してもらうことなどを行っておりました。しかし,オンラインによる「消費生活講座」では,このシミュレーションを行うことが難しいため,学生が単純に聴講するだけの授業となりやすくなってしまいます。今後は,今回の授業で取り入れたクイズ以外にも,学生がより積極的に授業に参加できる内容とすることを課題として対応していきたいと思います。

~「消費生活講座」開催について~

 中部地区では,少なからずの大学で,秋学期,後期においても,対面授業との併用を含めオンライン授業が継続されるようです。このため,引き続き,オンラインによる「消費生活講座」を実施することとしています。「消費生活講座」に御関心を持っていただくことができましたら,「消費生活講座」の内容を御説明いたしますので,中部事務所取引課(052-961-9423)までお問い合わせください。よろしくお願いいたします。

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