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(平成28年7月12日)東京電力が発注する電力保安通信用機器の製造販売業者に対する排除措置命令及び課徴金納付命令について

(平成28年7月12日)東京電力が発注する電力保安通信用機器の製造販売業者に対する排除措置命令及び課徴金納付命令について

平成28年7月12日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,東京電力(注1)が競争見積等(注2)の方法により発注する特定電力保安通信用機器(注3・4)の製造販売業者に対し,本日,独占禁止法の規定に基づき排除措置命令及び課徴金納付命令を行った。
 本件は,特定電力保安通信用機器の製造販売業者が,独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する行為を行っていたものである。
(注1)「東京電力」とは,東京電力ホールディングス株式会社(平成28年4月1日に東京電力株式会社から商号変更)をいう。
(注2)「競争見積等」とは,競争見積,コストダウン率競争又は総合評価をいう。
(注3)「電力保安通信用機器」とは,電力を安全に,安定かつ効率的に供給するために発電所,変電所等の施設間を結ぶ東京電力の自営通信網を構成する一連の機器をいう。
(注4)「特定電力保安通信用機器」とは,電力保安通信用機器のうち,東京電力が,富士通株式会社,大井電気株式会社及び日本電気株式会社の3社(以下「3社」という。)又はそのうち2社のみを選定して(販売特約店を選定する場合を含む。),競争見積等の方法により発注する機器(据付工事,除却工事等が併せて発注される場合には当該工事等を含む。)をいう。

1 違反事業者数,排除措置命令及び課徴金納付命令の対象事業者数並びに課徴金額(違反事業者名,各事業者の課徴金額等については別紙「表1」のとおり。)

違反事業者数
排除措置命令
対象事業者数
課徴金納付命令
対象事業者数
課徴金額
3社
2社
2社
4億291万円

2 違反行為の概要(詳細は別添排除措置命令書参照)

 3社は,遅くとも平成23年4月1日以降,特定電力保安通信用機器について,納入価格の低落防止を図るため
(1)ア 納入予定メーカー(注5)を決定する
イ 納入予定メーカー以外の者は,納入予定メーカーが納入できるように協力する
旨の合意の下に,東京電力から引き合いを受けた者(販売特約店を通じて引き合いを受けた場合を含む。)の間で
(2)ア 機器の種類ごとに,過去の納入物件の見積価格を積み上げた金額が最も低い者を納入予定メーカーとするほか,納入場所の「エリア」(注6)又は入替え対象機器の「既設メーカー」(注7)がいずれであるかなどにより納入予定メーカーを決定する
イ 発注方法に応じて,納入予定メーカーが提示する見積価格が最も低い額になるように見積価格を設定するなどし,東京電力に,自ら提示する又は販売特約店に指示して提示させる
などにより,納入予定メーカーを決定し,納入予定メーカーが納入できるようにすることにより,公共の利益に反して,別紙「表2」記載の機器の取引分野における競争を実質的に制限していた。
(注5)「納入予定メーカー」とは,発注物件を自ら受注し,又は販売特約店に受注させ,もって自ら製造した,又は自社の子会社等に委託して製造させた機器を納入すべき者をいう。
(注6)「エリア」とは,富士通と日本電気が分け合った,それぞれ優先的に納入することができる東京電力の支店又は電力所の事業区域をいう。
(注7)「既設メーカー」とは,納入場所に設置されている入替え対象機器を過去に納入した,富士通又は日本電気のいずれかをいう。

3 排除措置命令の概要

(1) 排除措置命令の対象事業者(以下「名宛人」という。)は,それぞれ,次の事項を,取締役会において決議しなければならない。

ア 前記2の行為を取りやめていることを確認すること。

イ 今後,相互の間において,又は他の事業者と共同して,東京電力又は東京電力パワーグリッド株式会社(注8)(以下「東京電力パワーグリッド」という。)が発注する電力保安通信用機器について,納入予定メーカーを決定せず,各社がそれぞれ自主的に受注活動を行うこと。

(2) 名宛人は,それぞれ,前記(1)に基づいて採った措置を,相互に通知するとともに,東京電力及び東京電力パワーグリッドに通知し,かつ,自社の従業員に周知徹底しなければならない。

(3) 名宛人は,今後,それぞれ,相互の間において,又は他の事業者と共同して,東京電力又は東京電力パワーグリッドが発注する電力保安通信用機器について,納入予定メーカーを決定してはならない。

(注8)「東京電力パワーグリッド株式会社」は,平成28年4月1日に東京電力から電力保安通信用機器(発電所に係るものを除く。)の発注を含む一般送配電事業を承継した東京電力の子会社である。

4 課徴金納付命令の概要

 課徴金納付命令の対象事業者は,平成29年2月13日までに,それぞれ別紙「表1」の「課徴金額」欄記載の額(総額4億291万円)を支払わなければならない。

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問い合わせ先

公正取引委員会事務総局審査局第五審査
電話 03-3581-1779(直通)
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