ホーム >報道発表・広報活動 >報道発表資料 >平成29年 >3月 >

(平成29年3月10日)防衛装備庁が発注するビニロン又は難燃ビニロンを材料として使用する繊維製品の入札参加業者に対する排除措置命令及び課徴金納付命令について

(平成29年3月10日)防衛装備庁が発注するビニロン又は難燃ビニロンを材料として使用する繊維製品の入札参加業者に対する排除措置命令及び課徴金納付命令について

平成29年3月10日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,防衛装備庁(注1)発注の特定ビニロン製品(注2)の入札参加業者に対し,本日,独占禁止法の規定に基づき排除措置命令及び課徴金納付命令を行った。
 本件は,防衛装備庁発注の特定ビニロン製品の入札参加業者が,独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する行為を行っていたものである。
(注1)平成27年9月30日以前は防衛省装備施設本部をいう。
(注2)「防衛装備庁発注の特定ビニロン製品」とは,防衛装備庁が,ビニロン(注3)又は難燃ビニロン(注4)を材料として使用することを仕様書で要求する繊維製品のうち,作業服,戦闘服等として一般競争入札の方法により防衛装備庁が発注するものをいう。
(注3)「ビニロン」とは,ポリビニルアルコールを原料とする合成繊維をいう。
(注4)「難燃ビニロン」とは,ビニロンを難燃化させたものをいう。

1 違反事業者,排除措置命令及び課徴金納付命令の対象事業者並びに課徴金額

番号

違反事業者
(法人番号)

本店の所在地 代表者 排除措置命令 課徴金額
1

ユニチカ株式会社(注5)
(8140001051822)

兵庫県尼崎市東本町一丁目50番地

代表取締役
注連 浩行

2億2300万円
2

株式会社クラレ(注5)
(1260001013156)

岡山県倉敷市酒津1621番地

代表取締役
伊藤 正明

(注5)以下,「株式会社」の記載を省略する。
(注6)表中の「○」は,その事業者が排除措置命令の対象であることを示している。

(注7)表中の「-」は,その事業者が課徴金納付命令の対象ではないことを示している。

2 違反行為の概要(詳細は別添排除措置命令書参照)

 ユニチカ及びクラレの2社(以下「2社」という。)は,遅くとも平成22年7月8日以降,防衛装備庁発注の特定ビニロン製品について,受注価格の低落防止等を図るため
(1)ア 受注すべき者(以下「受注予定者」という。)を決定する
  イ 受注予定者以外の者は,受注予定者が受注できるように協力する
旨の合意の下に
(2)ア 次の方法等により受注予定者を決定する
  (ア) 特定の複数の製品について,ユニチカが受注する製品の製造に必要な生地量(注8)の合計とクラレが受注する製品の製造に必要な生地量の合計の比が,おおむね一定になるように受注予定者を決定する
  (イ) 特定の製品について,2社のうちいずれか1社が,常に受注予定者となるように受注予定者を決定する
  イ 受注予定者は,2社が入札に参加する場合にあっては,自社の入札価格を自社の代行商社(注9)及び受注予定者以外の者の代行商社を介して受注予定者以外の者に連絡する
  ウ 前記イの連絡を受けた受注予定者以外の者は,受注予定者の入札価格よりも高い入札価格で入札する又は入札を辞退する
などにより,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,防衛装備庁発注の特定ビニロン製品の取引分野における競争を実質的に制限していた。
(注8)「生地量」とは,難燃ビニロンを材料として使用する生地の量をいう。
(注9)「代行商社」とは,ユニチカ又はクラレの防衛装備庁発注の特定ビニロン製品の入札に係る業務(仕様書の受領,見積書,契約書,検品のための書類等の作成・提出等)を代行していた2社以外の事業者をいう。

3 排除措置命令の概要

(1) 2社は,それぞれ,次の事項を,取締役会において決議しなければならない。
  ア 前記2の行為を取りやめていることを確認すること。
  イ 今後,相互の間において,又は他の事業者と共同して,防衛装備庁発注の特定ビニロン製品について,受注予定者を決定せず,各社がそれぞれ自主的に受注活動を行うこと。
(2) 2社は,それぞれ,前記(1)に基づいて採った措置を,相互に通知するとともに,防衛装備庁に通知し,かつ,自社の従業員に周知徹底しなければならない。
(3) 2社は,今後,それぞれ,相互の間において,又は他の事業者と共同して,防衛装備庁発注の特定ビニロン製品について,受注予定者を決定してはならない。
(4) 2社は,それぞれ,次の事項を行うために必要な措置を講じなければならない。
  ア 官公需の受注に関する独占禁止法の遵守についての行動指針の作成及び自社の従業員に対する周知徹底(クラレにあっては当該行動指針の自社の従業員に対する周知徹底)
  イ 官公需の受注に関する独占禁止法の遵守についての,防衛装備庁発注の特定ビニロン製品の営業担当者に対する定期的な研修及び法務担当者による定期的な監査

4 課徴金納付命令の概要

 ユニチカは,平成29年10月11日までに,2億2300万円を支払わなければならない。

関連ファイル

問い合わせ先

公正取引委員会事務総局審査局第二審査
電話 03-3581-3384(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/

ページトップへ