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携帯電話の番号ポータビリティに関する独占禁止法上の考え方

平成16年11月1日
公正取引委員会

はじめに

 我が国の携帯電話市場については、携帯電話の普及に伴って、携帯電話の契約数は既に固定電話の契約数を上回るまでに市場の拡大が進展しているが、ここ数年では契約数の増加傾向が鈍化するなど、市場が飽和状態に近づきつつある。そのため、携帯電話事業者間の競争においては、携帯電話の未利用者を意識した利用者の獲得競争に加え、既存利用者を意識した利用者料金の低廉化、サービス内容の多様化等による競争の重要性が高まっているが、携帯電話の利用者が携帯電話事業者を変更する場合、現状では電話番号の変更を余儀なくされることから、これが携帯電話事業者を変更する際の障害の一つとなっており、そのような障害を取り除くことが携帯電話事業者間の競争の一層の促進に寄与すると考えられる。
 このような中、平成16年4月に、移動通信事業の所管官庁である総務省の研究会において、携帯電話の利用者が携帯電話事業者を変更した場合でも電話番号を変更することなく変更後の携帯電話事業者のサービスを受けることができるようにする携帯電話の番号ポータビリティ(以下「番号ポータビリティ」という。)の導入が適当であるとする内容の報告書が取りまとめられ、これを受けて同年5月には同省から「携帯電話の番号ポータビリティの導入に関するガイドライン」が公表されたところである。これらによると、番号ポータビリティは、平成18年度のなるべく早い時期を目途に、携帯電話事業者を中心とした電気通信事業者の自主的な取組により導入することとされており、その導入に当たっては、具体的な実現方法等について電気通信事業者間で協議や取決めを行うことが必要となる場合があるが、そのような場合、独占禁止法との関係に留意する必要があることから、公正取引委員会として、現段階における電気通信技術の状況等を踏まえ、番号ポータビリティに関する独占禁止法上の考え方を整理したものである。
 独占禁止法の観点からは、番号ポータビリティは携帯電話事業者間の競争の共通の基盤となるものであり、その導入は、携帯電話事業者間の競争を一層促進し、携帯電話の利用者料金や端末価格の低廉化、サービス内容の多様化等により利用者利便の向上に資するものであると評価できることから、このような共通の基盤を整備するために必要最小限の事項について協議し、取り決めることは、原則として独占禁止法上問題とならないと考えられる。
 他方、番号ポータビリティの導入に当たって、その運用ルール、費用の回収方法、接続料金の精算方法等について電気通信事業者間で協議を行う場合には、共同行為を通じて携帯電話等の市場における公正かつ自由な競争を阻害する可能性があることから、独占禁止法上の問題が生じ得ることに留意する必要がある。また、番号ポータビリティの導入後においても、導入時に取り決めた事項の実際の運用やその改定に当たって、既存の電気通信事業者が特定の電気通信事業者や新規参入を行う携帯電話事業者を不利に取り扱う場合には、独占禁止法上の問題が生じ得ることに留意する必要がある。
 この「携帯電話の番号ポータビリティに関する独占禁止法上の考え方」は、以上のような認識の下に、番号ポータビリティの導入時及び導入後における電気通信事業者の行為に対する独占禁止法上の考え方を明らかにすることによって、独占禁止法違反行為を未然に防止し、もって携帯電話等の市場における公正かつ自由な競争の促進に役立てようとするものである。
 なお、本考え方については、電気通信事業者等が、番号ポータビリティの導入時及び導入後においてどのような行為が独占禁止法上問題となるかを理解できるよう、一般的な考え方を整理したものにとどまることから、今後の電気通信技術の進展に伴って、現段階における本考え方の前提条件に変化が生じた場合には、その考え方がそのまま適用されるものではないこと、また、本考え方において想定されていない行為を新たに電気通信事業者が行おうとする場合には、独占禁止法の規定に照らして個別具体的な判断を要するものであることに留意する必要がある。したがって、電気通信事業者等において、番号ポータビリティとの関連で独占禁止法上疑義が生じるような行為があれば、事前に当委員会に相談することが望ましいと考えられる。

第1 基本的な考え方

1 番号ポータビリティは、一般的には、携帯電話等の利用者の利便の向上に資するものであり、携帯電話事業者間の競争の共通の基盤となるものと考えられることから、その導入について携帯電話事業者間で合意すること自体は、原則として独占禁止法上問題とならないと考えられる。

2 番号ポータビリティの導入に当たって、必要最小限の範囲の事項について電気通信事業者間で協議し、取り決めることは、それにより携帯電話等の利用者の利益が不当に害されることとなる場合、電気通信事業者にその遵守を強制することとなる場合又は特定の電気通信事業者を差別的に取り扱うこととなる場合を除き、原則として独占禁止法上問題とならないと考えられる。

3 番号ポータビリティの導入に当たって第2に掲げる事項について行われる協議及び取決めは、既存の電気通信事業者間のみで行われるものであることから、取り決められた事項が新規参入を行う携帯電話事業者にとって不利なものとならないよう十分留意する必要があると考えられる。

第2 個別行為に関する考え方

1 接続方式に関する協議について

 携帯系電気通信網から携帯系電気通信網、固定系電気通信網から携帯系電気通信網の各接続において番号ポータビリティを実現するための接続方式としては「転送方式※1」、「リダイレクション方式※2」等がある。番号ポータビリティの導入に当たっては、携帯電話から携帯電話への通話においてどのような接続方式を採用するかについて、携帯電話事業者間で、また、固定電話等から携帯電話への通話においてどのような接続方式を採用するかについて、携帯電話事業者及び固定電話事業者等の間で協議し、取り決めることが必要となる場合がある。
 このように既存の電気通信事業者間で接続方式の共通化について協議し、取り決めることについては、携帯電話事業者間の競争の共通の基盤を整備するために必要最小限の範囲のものであると認められることから、原則として独占禁止法上問題とならないものと考えられる。ただし、取り決められた事項の遵守を強制することにより、例えば他の優れた接続方式の開発を制限する効果を有する場合においては、独占禁止法上問題となる可能性があることに留意する必要がある(排他条件付取引、拘束条件付取引等)。

※1 転送方式 発信元事業者※3から移転元事業者※4へルーティングし、移転元事業者が移転先を示す情報を元に移転先事業者※5に転送する方式。

※2 リダイレクション方式 発信元事業者から移転元事業者へルーティングし、移転元事業者が移転先を示す情報をデータベースに照会し、その結果を発信元事業者に通知することにより、発信元事業者から移転先事業者に直接ルーティングを行う方式。

※3 発信元事業者 発信者が番号ポータビリティの利用者に電話をかける際に利用する電気通信事業者。

※4 移転元事業者 携帯電話の利用者が番号ポータビリティにより携帯電話事業者を変更する前に契約していた携帯電話事業者。

※5 移転先事業者 携帯電話の利用者が番号ポータビリティにより携帯電話事業者を変更した後に契約する携帯電話事業者。

2 接続に係る仕様の共通化に関する協議について

 前記1のような接続方式を共通化した上で、番号ポータビリティを利用して携帯電話事業者を変更した利用者に対して発信者からの通話を成立させるためには、各電気通信事業者が使用する電話交換機間でやり取りする電気的信号をはじめ、接続に係る仕様を共通化することが必要となる場合がある。
 このように既存の電気通信事業者間で接続に係る仕様の共通化について協議し、取り決めることは、携帯電話事業者間の競争の共通の基盤を整備するために必要最小限の範囲のものであると認められることから、原則として独占禁止法上問題とならないものと考えられる。ただし、取り決められた事項の遵守を強制することにより、例えば他の優れた仕様の開発を制限する効果を有する場合においては、独占禁止法上問題となる可能性があることに留意する必要がある(排他条件付取引、拘束条件付取引等)。

3 移転先に関する情報の管理方式に関する協議について

 番号ポータビリティの利用者の移転先に関する情報を管理する方式には「個別データベース方式※6」と「共通データベース方式※7」があり、番号ポータビリティの導入に当たっては、どちらの方式を採用するかについて携帯電話事業者間で協議し、取り決めることが必要となる場合がある。
 このように既存の携帯電話事業者間で移転先に関する情報の管理方式をどちらの方式にするか協議し、取り決めることは、携帯電話事業者間の競争の共通の基盤を整備するために必要最小限の範囲のものであると認められることから、原則として独占禁止法上問題とならないと考えられる。ただし、取り決められた事項の遵守を強制することにより、例えば他の優れた管理方式の開発を制限する効果を有する場合においては、独占禁止法上問題となる可能性があることに留意する必要がある(排他条件付取引、拘束条件付取引等)。

※6 個別データベース方式 移転元事業者が個別に管理するデータベースに移転先番号を保存する方式

※7 共通データベース方式 携帯電話事業者共通のデータベースに移転先番号を保存する方式

4 費用負担に関する協議について

 番号ポータビリティを導入するためには、携帯電話事業者の電話交換機等を中心とした設備の改修費用が生じるほか、その導入後は、接続方式として転送方式が採用された場合には移転元事業者から移転先事業者への通話転送等に係る追加的な網使用料が生じるなど、新たな費用が発生する。これらの費用については、それが発生する電気通信事業者と番号ポータビリティによって便益を受ける電気通信事業者が異なることから、それをどの立場の事業者(発信元事業者、移転元事業者又は移転先事業者)が負担するか(以下「費用負担方法」という。)及びそれを負担する立場の事業者に対してどのような単位(秒単位、通話単位又は利用者単位)で費用請求を行うか(以下「費用請求単位」という。)を、携帯電話事業者及び固定電話事業者等の間で協議し、取り決めることが考えられる。また、各電気通信事業者が自ら負担することとなった費用について、自社の電話サービスの利用者に転嫁するか否か等の検討を行うことが考えられる。

(1) 費用負担方法に関する協議について

 携帯電話事業者間又は携帯電話事業者と固定電話事業者等との間で、番号ポータビリティの導入時に要する電話交換機等の改修費用や導入後に発生する追加的な網使用料等について、上記のどの立場の事業者が負担するかを協議し、取り決めることは、携帯電話事業者間の競争の共通の基盤を整備するために必要最小限の範囲のものであると認められることから、原則として独占禁止法上問題とならないと考えられる。ただし、取り決められた事項について、他の携帯電話事業者又は固定電話事業者等にその遵守を強制したり、特定の携帯電話事業者又は固定電話事業者等に不当に不利なものとなる場合においては、原則として独占禁止法上問題となることに留意する必要がある(優越的地位の濫用、取引条件等の差別取扱い等)。また、具体的な費用負担額の水準について、複数の携帯電話事業者間又は複数の携帯電話事業者と複数の固定電話事業者等との間で協議し、取り決めることは、原則として独占禁止法上問題となると考えられる(不当な取引制限)。

(2) 費用請求単位に関する協議について

 新たに発生する費用を負担する立場にある事業者に対してどのような単位(秒単位、通話単位又は利用者単位)で費用請求を行うかについて、電気通信事業者間で協議し、取り決めることは、携帯電話事業者間の競争の共通の基盤を整備するために必要最小限の範囲のものであると認められることから、原則として独占禁止法上問題とならないと考えられる。

(3) 自社の利用者に対する転嫁等に関する協議について

 各電気通信事業者が自ら負担することとなった番号ポータビリティに係る費用を自社の通話サービスの利用者に転嫁するか否か、それを転嫁する場合の方法(自社の通話サービスのすべての利用者から広く浅く徴収する、番号ポータビリティの利用者のみから徴収する等)、具体的な徴収額の水準をどのようなものとするか等については、各電気通信事業者の自主的な経営判断によって決められるべきものであり、それらについて電気通信事業者間で協議し、取り決めることは、原則として独占禁止法上問題となると考えられる(不当な取引制限)。

5 番号ポータビリティの利用手続に関する協議について

 番号ポータビリティの導入に際して、その利用手続に関する事務手数料を番号ポータビリティの利用者から徴収するか否か、徴収する場合の具体的な金額の水準をどのようなものとするか等について各携帯電話事業者で検討することが考えられる。また、携帯電話の利用者が番号ポータビリティを利用して携帯電話事業者を変更する際の手続には、当該利用者が移転先事業者との新規契約及び移転元事業者の解約を同一の販売店等において行うことができるワンストップサービスとそれ以外の方法があるが、利用者利便を考慮してワンストップサービスを採用するか否か、ワンストップサービスを採用する場合にはその事務手続に関するフロー等を具体的にどのようにするかについて、携帯電話事業者間で協議し、取り決めることが必要となる場合がある。
 番号ポータビリティの利用手続に関する事務手数料を番号ポータビリティの利用者から徴収するか否か、徴収する場合の具体的な金額の水準をどのようなものとするか等については、各携帯電話事業者の自主的な経営判断によって決められるべきものであることから、これらについて携帯電話事業者間で協議し、取り決めることは、原則として独占禁止法上問題となると考えられる(不当な取引制限)。
 また、既存の携帯電話事業者間で、ワンストップサービスを採用するか否か、ワンストップサービスを採用する場合にはその事務手続に関するフローをどのようなものとするかについて協議し、取り決めることは、番号ポータビリティにおける円滑な利用手続の実現を通じて携帯電話等の利用者の利便に資するものと考えられ、また、携帯電話事業者間の公正かつ自由な競争に寄与するものであると考えられることから、原則として独占禁止法上問題とならないと考えられる。

6 番号ポータビリティ導入後の新規参入事業者等への対応について

 番号ポータビリティが導入された後において、新規参入を行う携帯電話事業者(以下「新規参入事業者」という。)が携帯電話事業に参入するに当たっては、番号ポータビリティについて、既存の電気通信事業者間で取り決められた接続方式や接続に係る仕様等を遵守した上で参入しようとする場合、当該接続方式や当該仕様等とは異なる接続方式や仕様等により参入しようとする場合又は番号ポータビリティの提供自体を行わないで参入しようとする場合が考えられる。また、番号ポータビリティを提供している既存の携帯電話事業者(以下「既存事業者」という。)が番号ポータビリティの提供を停止することが考えられる。
 番号ポータビリティについて既存の電気通信事業者間で取り決められた接続方式や接続に係る仕様等を遵守した上で参入しようとする新規参入事業者に対して、既存事業者が番号ポータビリティの提供を行わないことは、通常はそれに合理的な理由があるとは認められないことから、原則として独占禁止法上問題となると考えられる(その他の取引拒絶、取引条件等の差別取扱い等)。
 また、番号ポータビリティについて既存の電気通信事業者間で取り決められた接続方式や仕様等とは異なる接続方式や仕様等によって参入しようとする新規参入事業者に対して、既存事業者が番号ポータビリティの提供を行わないことは、合理的な理由がない限り、原則として独占禁止法上問題となると考えられる(その他の取引拒絶、取引条件等の差別取扱い等)。
 他方、番号ポータビリティの提供を行わないで参入しようとする新規参入事業者又は番号ポータビリティの提供を停止する既存事業者に対して、他の既存事業者が番号ポータビリティの提供を行わないことは、番号ポータビリティは双方向で提供し合うことが利用者利便に資する仕組みとなっていることから、原則として独占禁止法上問題とならないものと考えられる。

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