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3 乳業メーカー2社による製造委託等

 乳業メーカー2社が,牛乳及び乳製品に関して,[1]製造余力のある相手方に対する一部の商品の製造委託,[2]一部地域における物流拠点の相互利用,[3]一部の包装材料等の共同購入等を行うことについて,いずれも部分的な業務提携に限られており,また,互いの商品の販売価格,販売数量等に関する情報交換をしないことなどから,独占禁止法上問題となるものではないと回答した事例

1 相談者

 X社及びY社(共に乳業メーカー)

2 相談の要旨

(1)X社及びY社(以下「2社」という。)は,牛乳及び乳製品を製造販売している乳業メーカーである。

(2)我が国の牛乳及び乳製品の各販売分野において,X社は,多くの商品の販売分野でシェアが上位の有力な事業者であり,Y社は,多くの商品の販売分野でシェアが下位であるが,一部の商品の販売分野でX社と同等の事業者である。
 2社のシェアを合算すると,我が国の牛乳及び乳製品のうち特定の販売分野で1位となるが,いずれの販売分野においても,複数の有力な競争者が存在している。
 なお,乳製品のうち比較的賞味期限が長い商品については,輸入品も多く販売されている。

(3)2社は,製造設備や物流拠点等の相互利用によりコストダウンを図ることなどを目的として,以下のような内容の業務提携を行うことを検討している。
 ア 製造余力のある相手方に対する一部の商品の製造委託
 2社は,これまでどおり,それぞれの工場で牛乳及び乳製品を製造するが,Y社の工場に製造余力があることから,X社からY社に牛乳及び乳製品の製造委託(2社の合計製造数量の10パーセント未満)を行う。
 イ 一部地域における物流拠点の相互利用
 2社は,これまでどおり,それぞれの物流拠点を利用して牛乳及び乳製品を配送するが,相手方の物流拠点を利用した方が効率的な地域について,施設の共同利用や商品の共同配送(共同利用及び共同配送費が2社の合計物流費に占める割合は10パーセント未満)を行い,これに伴う商品の収納ケース(クレート)や荷台(パレット)を共同利用する。
 ウ 包装材料等の一部の共同購入
 2社は,牛乳及び乳製品の一部の商品について,包装材料の共同購入(2社の合計包装材料費に占める割合は,10パーセント未満)を行う。
 なお,2社は,牛乳及び乳製品の主原料である生乳の共同購入は行わない。

(4)2社は,本件業務提携以外の事業活動については,これまでどおり,それぞれが独自に行うこととしており,牛乳及び乳製品の販売に関する価格,数量,取引先等については,お互いに一切関与しないとしている。
 また,2社は,本件業務提携を行う上で必要最低限の情報は共有するが,互いの牛乳及び乳製品の販売価格,販売数量等に関する情報交換をしないとしている。

  • 本件の概要図

 このような2社の取組は,独占禁止法上問題ないか。

3 独占禁止法上の考え方

(1)事業者が,他の事業者と共同して,対価を決定し,維持し,若しくは引上げ又は数量,技術,製品,設備若しくは取引の相手方を制限する等,相互にその事業活動を拘束し,又は遂行することにより,公共の利益に反して,一定の取引分野における競争を実質的に制限することは,不当な取引制限(独占禁止法第2条第6項)として問題となる(同法第3条)。

(2)本件は,牛乳及び乳製品の各販売分野において競争関係にある2社が業務提携を行おうとするものであるが,
  [1] 2社による業務提携は,ア 製造余力のある相手方に対する一部の商品の製造委託,イ 一部地域における物流拠点の相互利用,ウ 一部の包装材料等の共同購入等を行うことについて,いずれも部分的な業務提携に限られており,また,それぞれの牛乳及び乳製品の生産数量等を制限するものではないこと
  [2] 2社は,互いの牛乳及び乳製品の販売価格,販売数量等に関する情報交換をせず,これらの情報も共有しないこと
  [3] 牛乳及び乳製品の各販売分野において有力な競争者がおり,輸入品も販売されていること
から,我が国の牛乳及び乳製品の各販売分野における競争を実質的に制限することとはならないため,独占禁止法上問題となるものではない。

4 回答の要旨

 2社が,牛乳及び乳製品に関して,[1]製造余力のある相手方に対する一部の商品の製造委託,[2]一部地域における物流拠点の相互利用,[3]一部の包装材料等の共同購入等を行うことは,いずれも部分的な業務提携に限られており,また,互いの商品の販売価格,販売数量等に関する情報交換をしないことなどから,独占禁止法上問題となるものではない。

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