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8 保険商品の共同研究開発

 保険会社が,規制緩和によって取扱いが可能となった新しい分野,いわゆる第3分野向けの新しい保険商品を2社で共同研究開発することは,独占禁止法上問題ないと回答した事例。

1 相談者

 A社(損害保険会社)

2 相談の要旨

(1) A社は,損害保険市場において有力な地位にある損害保険会社である。B社も損害保険会社であるが,有力な地位にあるとまではいえない。

(2) 保険業については,損害保険会社と生命保険会社の各々の保険業の分野が定められているが,生命保険会社のみに営業が認められている分野を第1分野,損害保険会社のみに営業が認められている分野を第2分野と呼称し,双方が営業することが可能な分野は第3分野と呼ばれている。この第3分野の中でも,従来,損害保険会社と生命保険会社それぞれに取扱い可能な分野が分けられていたが,規制緩和により損害保険会社,生命保険会社はこの第3分野においては自由に営業できるようになる。

(3) A社とB社は,こうした状況を受けて,第3分野を対象とした新しい保険商品の共同研究開発を行うこととしている。A社とB社が共同研究開発を実施する理由は,双方とも新規の分野で新商品の開発ノウハウを十分には持っていないところ,2社のノウハウを合わせることによって優れた新商品を開発できるからである。
 第3分野におけるA社とB社のシェアについては,第3分野における現在の損害保険会社のみのシェアでみると,2社で20%強であり,生命保険会社を含めた場合には10%程度となる。

(4) 今回の共同研究開発においては,A社とB社は新商品の認可取得までは共同で行うことを予定しているが,認可を得た後は,各社が独自の判断によって販売し,新商品の改良等も各社が独自の判断で行うこととしている。このようにA社とB社が共同研究開発を行うことは独占禁止法上問題ないか。

3 独占禁止法上の考え方

 市場において有力な事業者とその競争者による保険商品の共同研究開発であることから,本件は,不当な取引制限の観点から検討する。

(1)
ア 研究開発の共同化については,競争促進的な効果を配慮しつつ,技術市場又は製品市場における競争が実質的に制限されるか否かについて,参加者の数,市場におけるシェア,研究の性格,共同化の必要性,対象範囲・期間等の観点から総合的に検討することとなる。[共同研究開発ガイドライン第1-2(研究開発の共同化の考慮事項)]

イ 本件相談は,第3分野において損害保険会社と生命保険会社が相互に営業できる分野を制限されていたが,それが自由化され,新たに競争が行われるという市場環境の大きな変化が前提となっている。
 自由化された後の第3分野では,損害保険会社と生命保険会社の各社が保険商品の開発を行い,それによって互いに競争するという状況が予想されるところ,共同研究開発ガイドラインにのっとって検討する。

[1] 共同研究開発ガイドラインにおいて,製品市場において競争関係にある事業者間で行う共同研究開発であっても,参加者の当該製品の市場シェアの合計が20%以下の場合,通常は独占禁止法上問題とならないとされている。
 ここで,現状の第3分野におけるA社及びB社のシェアの合計は,損害保険会社のみでみて20%強であるが,生命保険会社を含めた場合10%程度であり,また,規制緩和後における第3分野の市場の状況を正確に想定することは困難であるが,第3分野という市場環境の大きく変わる市場に対して,新商品を開発して参入するという競争促進的な効果が期待できると考えられる。

[2] 研究開発の性格は,新商品の開発であり,その成果は直接的に市場に影響を与えるものである。

[3] 共同化の必要性については,本件は両社にとって新しい市場への参入であり,双方でノウハウを出し合うことは有効な商品を開発するために必要と考えられる。

[4] 対象範囲は,第3分野市場全体を対象としたものであるが,対象期間については,第3分野が自由化されるまでに新商品を開発し,新商品が開発された時点で共同研究開発は終了させる予定であることから,競争に与える影響は小さいものと考えられる。

(2) 本件相談については,研究開発の性格としては市場に与える影響は直接的なものであり,対象範囲の点からも市場に対する影響があるものといえるが,第3分野という市場環境が大きく変化することが予想される市場における新商品の開発,つまり新規参入であり,共同化の必要性が認められ,期間も限定的であり,現時点の両社の市場シェアからして市場に与える影響も小さいと考えられ,かつ,競争促進的な効果も期待できることから,独占禁止法上問題ない。

4 回答の要旨

 A社及びB社が第3分野向けの新商品を共同研究開発することは,独占禁止法上問題ない。ただし,今後,市場環境が大きく変化する市場であることから,市場の状況が変化した場合には,その状況に応じた判断がなされることとなる。

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