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(平成27年2月27日)都タクシー株式会社ほか14社に対する審決について(新潟市等に所在するタクシー事業者による価格カルテル事件)

平成27年2月27日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,被審人都タクシー株式会社ほか14社(以下「被審人ら」という。)に対し,平成24年4月13日,審判手続を開始し,以後,審判官をして審判手続を行わせてきたところ,平成27年2月27日,被審人らに対し,独占禁止法第66条第2項の規定に基づき,被審人らの各審判請求をいずれも棄却する旨の審決を行った(本件平成24年(判)第8号ないし第14号,第16号ないし第30号及び第32号ないし第39号審決書については,当委員会ホームページの「報道発表資料」及び「審決等データベース」参照)。

1 被審人らの概要

別表1の「事業者名」,「本店所在地」及び「代表者」欄記載のとおり(別表1は印刷用ファイルに添付)。

2 被審人らの審判請求の趣旨

別表2のとおり(別表2は印刷用ファイルに添付)。

3 主文の内容

被審人らの各審判請求をいずれも棄却する。

4 本件の経緯

平成23年
12月21日 排除措置命令及び課徴金納付命令
平成24年
2月17日 被審人らから審判請求
4月13日 審判手続開始
5月21日 第1回審判

平成26年
1月9日 第10回審判(最終意見陳述を終了)
10月28日 審決案送達
11月11日 審決案に対する異議の申立て及び直接陳述の申出
平成27年
1月14日 直接陳述の聴取
2月27日 審判請求を棄却する審決

5 審決の概要

(1) 原処分の原因となる事実

 被審人らは,他の事業者と共同して,遅くとも平成22年2月20日までに,小型車,中型車,大型車及び特定大型車(注1)の距離制運賃,時間制運賃,時間距離併用制運賃及び待料金(注2)(以下「特定タクシー運賃」という。)を平成21年10月1日付けで改定された新潟交通圏(注3)に係る自動認可運賃(注4)(以下「新自動認可運賃」という。)における一定の運賃区分として定められているタクシー運賃(注5)とし,かつ,小型車については初乗距離短縮運賃(注6)を設定しないこととする旨を合意(以下「本件合意」という。)することにより,公共の利益に反して,新潟交通圏におけるタクシー事業(注7)の取引分野における競争を実質的に制限していた(以下「本件違反行為」という。)。
 被審人らの本件違反行為の実行期間は,独占禁止法第7条の2第1項の規定により,別表1の各被審人に係る「実行期間」欄記載のとおりであり,独占禁止法第7条の2の規定により算出された課徴金の額は,別表1の各被審人に係る「課徴金額」欄記載のとおりである。

(注1) 「小型車」,「中型車」,「大型車」及び「特定大型車」とは,国土交通省北陸信越運輸局長の公示(平成14年7月1日付け公示第14号)において,それぞれ小型車,中型車,大型車及び特定大型車とされるものをいう。
(注2) 「距離制運賃」とは,旅客の乗車地点から降車地点までの運送距離に応じた運賃をいい,「時間制運賃」とは,旅客が乗車場所として指定した場所に到着した時から旅客の運送を終了するまでの実拘束時間に応じた運賃をいい,「時間距離併用制運賃」とは,距離制運賃を適用する場合であって,一定速度以下の走行速度になった場合の運送に要した時間を距離に換算し,当該距離制運賃に加算する運賃をいい,「待料金」とは,旅客の都合により,車両を待機させた場合にその時間に応じて適用する料金をいう。
(注3) 国土交通省北陸信越運輸局長の公示(平成14年7月1日付け公示第12号)において定められている,平成17年3月21日に他の市町村と合併する前の新潟市,同日に新潟市に編入された新潟県豊栄市及び新潟県中蒲原郡亀田町並びに新潟県北蒲原郡聖籠町の区域をいう。
(注4) 国土交通省自動車交通局長の通達(平成13年10月26日付け国自旅第101号)により,国土交通省地方運輸局長等が,一定の範囲内において設定し,原価計算書その他運賃及び料金の額の算出の基礎を記載した書類の提出の必要がないと認める場合として公示することとされているタクシー運賃(注5)をいう。
(注5) 道路運送法(昭和26年法律第183号)第9条の3第1項に規定する一般乗用旅客自動車運送事業の運賃及び料金のうち,タクシー事業(注7)に係るものをいう。
(注6) 国土交通省自動車交通局長の通達(平成13年10月26日付け国自旅第100号)により,国土交通省地方運輸局長等が定めるものによることとされている,短縮した初乗距離(国土交通省自動車交通局長の上記通達により,国土交通省地方運輸局長等が定めるものによることとされている,タクシー事業者〔タクシー事業(注7)を営む事業者をいう。以下同じ。〕が初乗運賃を適用する距離をいう。)に対応した距離制運賃をいう。
(注7) 道路運送法第3条第1号ハに規定する一般乗用旅客自動車運送事業のうち,福祉輸送サービス(身体障害者手帳の交付を受けている者,介護保険法〔平成9年法律第123号〕の要介護認定又は要支援認定を受けている者,単独での移動が困難な者であって単独でタクシーその他の公共交通機関を利用することが困難な者及び消防機関又は当該機関と連携するコールセンターを介して搬送事業者による搬送サービスの提供を受ける患者について,福祉輸送自動車(注8)を使用して運送する役務をいう。)を除くものをいう。
(注8) 道路運送法施行規則(昭和26年運輸省令第75号)第51条の3第8号に規定する福祉自動車又は社団法人全国乗用自動車連合会等が実施するケア輸送サービス従事者研修を修了していること,介護福祉士の資格を有していること,訪問介護員の資格を有していること若しくは居宅介護従事者の資格を有していることのいずれかを満たす者が乗務する車両をいう。

(2) 本件の争点

ア 被審人らを含む26社(以下「26社」という。)は本件合意をしたか。(争点1)
イ 本件合意は一定の取引分野における競争を実質的に制限するか。具体的には,26社の共同行為に正当化理由があるか。(争点2)
ウ 被審人らに対し排除措置を特に命ずる必要があるか。(争点3)

(3) 争点に対する判断の概要

ア 争点1について
 認定事実によれば,26社は,遅くとも平成22年2月20日までに,特定タクシー運賃について,
(ア) 小型車については,新自動認可運賃における下限運賃として定められているタクシー運賃とし,かつ,初乗距離短縮運賃を設定しないこととする
(イ) 中型車については,新自動認可運賃における下限運賃として定められているタクシー運賃とする
(ウ) 大型車については,新自動認可運賃における上限運賃として定められているタクシー運賃とする
(エ) 特定大型車については,新自動認可運賃における上限運賃として定められているタクシー運賃とする
旨の合意(本件合意)をしたことが認められる。
イ 争点2について
(ア) 独占禁止法第2条第6項にいう「一定の取引分野における競争を実質的に制限する」とは,当該取引に係る市場が有する競争機能を損なうことをいい,本件のような価格カルテルの場合には,その当事者である事業者らがその意思で,当該市場における価格をある程度自由に左右することができる状態をもたらすことをいうと解される。この「一定の取引分野」は,原則として,違反者のした共同行為が対象としている取引及びそれにより影響を受ける範囲を検討し,画定されるものと解される。そして,一定の取引分野を画定するに当たっては,現実に行われている競争関係のみならず,潜在的な競争関係も考慮される。
(イ) 26社が行った本件合意の対象である取引及びそれにより影響を受ける範囲は,新潟交通圏における小型車,中型車,大型車及び特定大型車を包含するタクシー事業の取引分野であるから,本件における一定の取引分野は,「新潟交通圏におけるタクシー事業の取引分野」である。
(ウ) 平成22年度の営業収入ベースで約81.0パーセントもの市場占有率を持つ26社が,本件合意をしたものであるから,これにより,26社がその意思で,新潟交通圏におけるタクシー事業の取引分野における特定タクシー運賃をある程度自由に左右することができる状態がもたらされたことが認められる。
(エ) 行政指導による強制等の観点からの正当化理由が存在するから一定の取引分野における競争を実質的に制限していない旨の被審人らの主張について
 認定した新潟運輸支局等(国土交通省,同省北陸信越運輸局及び同局新潟運輸支局をいう。以下同じ。)の担当官の発言からは,新潟運輸支局等が新潟交通圏のタクシー事業者が新自動認可運賃に移行することが望ましいとの考えを有していたことが認められ,このことと,特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法(平成21年法律第64号)に関する説明会等における担当官の発言も考慮すれば,新潟運輸支局等の担当官が,新潟交通圏のタクシー事業者又はそれを構成員とする事業者団体に対し,具体的な状況は明らかでないものの,新自動認可運賃へ移行することを促す方向で何らかの働きかけをしたことがうかがわれる。被審人らはこれを行政指導と主張し,審査官は行政指導ではないと主張するが,行政指導自体が幅のあるものであるから,上記認定の新潟運輸支局等の行為を行政指導というかどうかは本件では本質的な問題ではなく,上記行為の具体的な事柄,内容に即してその性格,効果を検討すれば足りるというべきであり,この観点から本件をみると,新潟運輸支局等の担当官の発言は,新潟交通圏のタクシー事業者を強制的に新自動認可運賃に移行させるような内容のものであったとは認められず,新潟運輸支局等の上記行為は,新自動認可運賃への移行を促す方向での要望ないし一般的指導の範囲にとどまるものであり,これを超えて監査や行政処分を背景として,収支状況等を勘案することなく一律に新自動認可運賃への移行を強制するようなものであったとは認めることができない(以下,上記認定の新潟運輸支局等の行為を「本件指導」という。)。
 26社が本件指導により新自動認可運賃へ移行するか否かについて意思決定の自由を失っていたとは認められず,また,新潟運輸支局等が本件指導を超える行政指導をした事実も認めることはできない。そして,26社は,新自動認可運賃への移行を合意したばかりでなく,その意思で新自動認可運賃の枠内の特定の運賃区分に移行すること及び小型車について初乗距離短縮運賃を設定しないことまで合意したものであり,結局,26社は,新潟運輸支局等の行政指導による強制等により意思決定の自由を失った状況の下で本件合意をしたものではない。
(オ) 政策判断の観点からの正当化理由が存在するから一定の取引分野における競争を実質的に制限していない旨の被審人らの主張について
 本件では,26社は新自動認可運賃に移行することを合意したばかりでなく,新自動認可運賃の枠内での特定の運賃区分に移行すること及び小型車について初乗距離短縮運賃を設定しないことまで合意しており,また,本件指導は前記(エ)で認定したとおりの程度,内容であったところ,新潟運輸支局等が新潟交通圏のタクシー事業者に対し新自動認可運賃の枠内での特定の運賃区分に移行することや,小型車について初乗距離短縮運賃を設定しないことを求める行政指導をした事実は認められず,26社が新自動認可運賃に移行することばかりでなく,新自動認可運賃の枠内での特定の運賃区分に移行すること及び小型車について初乗距離短縮運賃を設定しないことまで合意したことは,本件指導の範囲を明らかに超えているから,26社による共同行為に正当化理由があるとはいえない。
(カ) 以上によれば,本件において競争の実質的制限が肯定されるから,本件合意は,独占禁止法第2条第6項の「一定の取引分野における競争を実質的に制限する」の要件を充足する。
ウ 争点3について
(ア) 平成23年1月26日,本件について公正取引委員会が独占禁止法第47条第1項第4号の規定に基づく立入検査を行ったこと,及び同日以降,新潟市ハイヤータクシー協会(以下「市協会」という。)の会合の場で特定タクシー運賃についての話合いが行われていないことは当事者間に争いがないから,同日以降,本件合意は事実上消滅しているものと認められる。
(イ) 独占禁止法第7条第2項本文は,違反行為が既になくなっている場合においても,特に必要があると認めるときは,違反行為者に対し,当該行為が既になくなっている旨の周知措置その他当該行為が排除されたことを確保するために必要な措置を命ずることができる旨規定しているところ,同項の「特に必要があると認めるとき」とは,原処分の時点では既に違反行為はなくなっているが,当該違反行為が繰り返されるおそれがある場合や,当該違反行為の結果が残存しており競争秩序の回復が不十分である場合などをいうものと解される。
(ウ) 本件においては,本件違反行為のような価格カルテルが行われやすい状況が本件違反行為終了後も継続していたこと,被審人らが本件違反行為を取りやめたのは自発的意思に基づくものではなく,本件違反行為終了後も違反行為を行う意欲が消滅していたとは認められないこと,被審人らの協調的な関係は長期にわたって形成されていたと認められること,市協会及び被審人らの一部が過去に公正取引委員会から独占禁止法に基づく法的措置を受けていたにもかかわらず,被審人らは本件違反行為に及んでいることが認められ,これらを総合すれば,被審人らによって,本件違反行為と同様の違反行為が繰り返されるおそれがあると認められる。また,26社のうち25社は,本件の排除措置命令の時点において,本件合意のとおり変更認可申請し,認可された特定タクシー運賃の適用を続けており,本件違反行為の結果のほとんどは残存している。したがって,被審人らに対しては,特に排除措置を命ずる必要がある。

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電話 03-3581-5478(直通)
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