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平成22年3月17日付 事務総長定例会見記録

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成22年3月17日(水曜)13時30分~於 官房第1会議室)

 [発言事項]

リーニエンシー・企業コンプライアンスに関する公取委の取組

 (事務総長) 自主的コンプライアンスの代表的なものとして,違反事実を事業者が自主的に競争当局に報告するリーニエンシー制度,我が国では課徴金減免制度ですが,これについて,諸外国と我が国の状況を説明していきたいと思います。
 まず,アメリカとEUのリーニエンシー制度についてお話をしたいと思います。アメリカにおきましては,司法省が1978年にリーニエンシー制度を導入しており,これが世界で最初のリーニエンシー制度となるわけでありますが,当初,当局の裁量の余地が大きかったことから,申請件数は年に1件程度ということで,大規模なカルテルや国際カルテルの摘発にはつながらなかったということでありました。
 このため,アメリカの司法省が1993年に,司法省による調査の開始前に申請された事案については自動的に刑事訴追を免除するという改正を行ったところ,申請件数が急増しまして,司法省にとっても非常に効果的な調査ツールとなったと言われております。
 こうしたアメリカにおける成功を受けまして,EUが1996年に導入し,諸外国の競争当局も積極的にリーニエンシー制度を導入し始め,現在は50を超える国,地域においてリーニエンシー制度が存在しているという状況であります。
 我が国におきましては,平成17年に改正され,平成18年1月に施行された独占禁止法に課徴金減免制度が導入されましたが,アメリカやEUと基本的には同じような内容ですが,幾つか相違点があります。
 まず,アメリカの制度ですが,条件を満たした最初の事業者だけに刑事訴追を免除するということでありまして,罰金の減額といった制度はないわけであります。ただ,リーニエンシー制度の適用は,その最初の事業者だけなのですが,それを受けられなかった事業者に関しても,司法省の刑事手続として進められていくわけであり,いわば司法取引の枠組みの中で罰金の減額が事実上行われているというのが実態のようであります。
 EUの制度は,制裁金として科されていたものに関しての減免制度でありますが,適用を受けられる事業者数に制約がないという制度となっております。実質的な価値がある証拠を提出するといった一定の要件を満たせば審査開始後何番目の事業者であっても適用を受けられます。全額の免除というのは,基本的には最初に情報提供したこと,当局が持っていない情報を提供したことがポイントになりますが,それ以降,2番目,3番目,4番目と,4番目以降であっても,最大20%までの減額が認められるという制度になっています。
 アメリカ,EUともにリーニエンシー制度の運用実績を公表しておりませんので,具体的なデータはないのですが,競争当局の幹部のスピーチやプレス発表している内容等から,ある程度実績が分かっております。アメリカでは,1996会計年度以降のカルテルに参加した事業者が計50億ドル以上の罰金を支払っているのですが,このうち90%以上の事案は,リーニエンシー申請事業者による調査協力が関係していると言われております。それから,EUにおきましても,過去4年間に制裁金の賦課決定が行われた28件のカルテル事案の90%以上においてリーニエンシー制度が適用されていると言われております。
 このように,アメリカ,EUにおいても,我が国もそうですが,リーニエンシー制度がカルテルの摘発に大きな効果を上げておりますので,今後とも,この制度は,競争当局にとっては不可欠なものであるということが言えると思います。
 次に,我が国の課徴金減免制度ですが,この状況について御紹介させていただきますと,平成17年の法改正によって導入されまして,平成18年1月から施行されていますが,平成20年度末までに264件の申請がなされています。件数としましては,平成17年度,これは,平成18年1月から3月までですが,26件,平成18年度は79件,平成19年度は74件,平成20年度は85件といった内訳でコンスタントにリーニエンシー申請が行われているという状況であります。
 当初,導入時点においては,我が国の風土にはなじまないというような批判も高かったわけでありますが,実際,カルテル参加事業者間でも相互不信を増加させるであるとか,カルテル,談合といったものの不安定化をもたらすという制度導入に期待された効果が着実に現れてきていると言えるのではないかと思います。
 この課徴金減免制度が適用された事件については,申請をした事業者の秘密を保持するという観点から,すべてを紹介することはできませんが,課徴金減免制度の適用を受けた事業者のうち,その適用を受けたことを公正取引委員会が公表することについて,同意を申し出てきた事業者に対しては,事業者の名称や課徴金免除・減額の事実,あるいは減額の率といったものを公正取引委員会のホームページ上で公表しているわけでありまして,公表されているものだけを見ましても,同制度導入後,現在までに50の事件のカルテル,談合事件について減免制度が適用されております。これは事件数ですが,事案によっては,複数,2社とか3社が適用されているという事案もあります。
 今回の改正法,本年1月から施行された改正独占禁止法では,減免対象事業者数を3社から5社に拡大しました。それから,同一企業グループ内の複数の事業者による共同申請もできるように制度改善を行ったところでありまして,いずれにしましても,公正取引委員会が取り上げた課徴金減免制度の対象となり得る事件のうち,9割弱は減免制度が何らかの形で適用されているところでありまして,この制度は,アメリカ,EUとともに我が国におきましても,カルテルの発見,真相の解明を促し,証拠収集のための強力な調査手段になっていると評価できると思っております。
 それから,下請法におきましても,違反行為を自発的に申し出てきた事業者に対しましては,一定の取扱いをするという運用をしておりまして,これは,平成20年12月に,「下請法違反行為を自発的に申し出た親事業者の取扱いについて」という形で公表させていただいております。具体的には,下請法違反行為について,公正取引委員会が調査に着手する前に自発的な申出がなされている,あるいは下請法違反行為を既に取りやめている,それから,下請事業者に与えた不利益を回復するために必要な措置を既に講じている,再発の防止措置も講じている,あるいは公正取引委員会の調査,指導に全面的に協力をしている,こういった事由が認められる場合には,あえて公正取引委員会が勧告,公表を行わないという運用をするということを一昨年の12月に公表いたしました。こうした取扱いを,現在までに2件の案件に行いました。このような手法も活用しつつ,引き続き,下請法違反行為に関しましても,迅速かつ厳正な対処をしていきたいと考えております
 以上が,リーニエンシー制度,あるいはそれに準ずる制度についての御紹介になります。次に,公正取引委員会は,企業のコンプライアンスをサポートする取組として,各企業のコンプライアンスの取組についての実態調査等を行っておりまして,その状況を公表させていただいて支援を行っております。
 平成17年度に東証一部上場企業,平成18年度は建設業者,平成19年度は外資系の企業を対象として,3年にわたってアンケート調査を実施し,どのようなコンプライアンスへの取組を行っているかを取りまとめて公表しておりまして,平成20年度におきましては,昨年の3月に,「企業におけるコンプライアンス体制の整備状況に関する調査」と,特に改正法の施行後の実態を公表させていただいております。
 その中で,東証一部上場企業のような大規模企業においては,コンプライアンスのマニュアルの作成や内部通報制度等の整備が進んでいるというところでありますが,そういったものの実効性を高めていくことが課題であるという旨の指摘も行っているところであります。
 また,今年も,アンケート調査やヒアリング調査を行っておりまして,特に本年の1月からは,平成21年の改正法により,排除型私的独占,不公正取引の一部にも課徴金制度が導入されるということになっておりますので,これまで以上に独占禁止法に関して企業コンプライアンスの重要性が高まってきていると思います。現在,調査中の結果がまとまれば,公表させていただきたいということで,現在,作業を進めているという状況であります。

 [質疑応答]

 (問) 下請法でのリーニエンシー制度は,数としては,今まで2件ほどというのは,あまり多くないという感じがするのですが,その点についてどうお考えですか。。

 (事務総長) これは御案内のとおり,自発的に違反事実を申告してきたケースが対象になるという形になっておりますが,実際,私どもが取り上げている事件の多くは,公正取引委員会が調査をして初めて事業者もそれが下請法に該当するということが分かるというケースとなっておりまして,そういう面では,なかなか企業が自主的に社内の内部調査をして,これは下請法に違反するのではないかということで自発的な措置を採って公正取引委員会に申告してくるというケースは,まだ,この1年数か月の間においては,2件ほどしかないという実態かと思います。

 (問) そうすると,これからもう少し自主的な調査,内部調査を進めてほしいということでしょうか。

 (事務総長) そうですね。そういう面では,コンプライアンスというのは,もちろん独占禁止法違反行為だけじゃなくて,下請法もあるわけですし,親事業者,それなりの大規模な企業も多いと思いますから,社内の体制を整備していただいて,違反事実が見つかり,公正取引委員会が調査に着手すれば,当然,勧告を行うことも考えられますから,そうならないように,自らが措置を採っていただければ,あえて公正取引委員会が企業名を公表するには至らないということにもなるわけですので,そういうことにも積極的に取り組んでいだたければと思っています。

 以上

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