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(平成10年度:事例5) (株)バレオとホシ伊藤(株)の合併(平成10年12月合併届出受理,平成11年4月合併)(新会社名 (株)ほくやく)

(平成10年度:事例5) (株)バレオとホシ伊藤(株)の合併(平成10年12月合併届出受理,平成11年4月合併)(新会社名 (株)ほくやく)

1 本件の概要

 本件は,北海道地区において,医薬品卸売業を営む(株)バレオとホシ伊藤(株)が,医薬品業界を取り巻く厳しい経営環境に対処し,企業基盤の一層の強化を図ること等を目的として合併しようとするものである。

2 独占禁止法上の考え方

(1) 一定の取引分野

ア 商品範囲

 両当事会社は,医療機関向けの医療用医薬品及び薬局・薬店向けの一般用医薬品を主に扱っているが,それぞれの商品では販売先が異なっていることから,各商品ごとの卸売分野に一定の取引分野が成立すると判断した。

イ 地理的範囲

 両当事会社は,いずれも北海道地域で事業活動を行っていることから,北海道地域において一定の取引分野が成立すると判断した。

(2) 競争への影響

 北海道における主な医薬品卸売業者は,両当事会社を含む4社であり,本件合併により,両当事会社の北海道における各卸売分野のシェアは,医療用医薬品は約40%かつ第1位,一般用医薬品は約30%かつ第2位となり,各分野において上位3社の合算シェアが90%前後となる。
 しかしながら,それぞれの一定の取引分野において,有力な競争業者が複数存在するとともに,平成4年度以降,医薬品業界の取引慣行改善(メーカーが卸売業者の販売価格に関与しない等)により,卸売業者がメーカーから独立して事業活動を行うようになり,卸売業者間の競争はより活発になってきている。
 また,個別の取引分野のうち,医療用医薬品については,卸売業者の医療機関に対する価格交渉力は弱く,一般用医薬品については,一部のメーカーは薬局・薬店に対し卸売業者を経由せずに直接販売を行っており,当該メーカー直販分を加えて薬局・薬店向けの一般用医薬品販売分野を見ると,両当事会社のシェアは10%前後に低下することが認められる。これらの事情を総合的に勘案すれば,本件合併により,(1)において画定したいずれの取引分野においても,競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

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